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「怪物」二/漆黒
自分は輝けない
ぼくは光を求めても、光そのものにはなれない
いつまでたっても、どれだけ待っても
この体は、黒いままだ
ああ、いっそもう
このままぼくが変われないのなら、いっそ
光を殺してしまおうよ
怪物は、光を漆黒で塗りつぶし
自らの、深い深い漆黒の闇で覆い隠した
もう、届く輝きは、かすかだ
そんな、小さくなった輝きを見つめ、思う
ああ、ちっぽけだ
こんなに簡単に消してしまえる光なのか
このぼくの手で、こんなにも簡単に
怪物は嘲笑した
真っ黒の怪物は、心も真っ黒だったのさ