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「怪物」一/眩さを求めて
眩さを知った
ああ、なんて輝きだ
自分にはまぶしすぎるほどだ
そして望んだ
自分もそうありたいと
逸何時、如何なる時も
強い輝きを放って自分の足で立っていたい
光り輝く、眩い世界に在りたい
そして、自身も、輝きを放ちたい
暗闇を照らす眩い存在に
ぼくもなりたいと、そう望んだ
暗闇の中にいた怪物は
光を知り、光を手放せなくなりました
光に恋い焦がれる一匹の怪物
でも、とてつもなく苦しいことは
光を見て、感じていようとも
この醜くおぞましい漆黒の体は
なにひとつ
変わらなかったということ