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睡眠逃亡
ああ 眠いな
時間にも なににも縛られずに
ただ 眠りたい
わたし 眠り続けたい
睡眠
私の 外界への精一杯の拒絶
ああ 最高にひとり
最高の孤独
最高に幸せ
意識が内側に閉じこもって 休憩中
深く深くまで穴を掘って
その中で体育座りしてるの
このまま 無意識の世界で
すーっと消えていけたなら
きっと 最高の わたしの終わり
少し泣きつかれたの
「 息を殺して 悟られないように 」
そんな泣き方につかれたの
おやすみなさい
わたしが意識を手放す瞬間
それはきっと わたしの終わり
わたしという世界の終わり
ああ 世界が崩壊する音がする
世界から解放される 解き放たれる
ああ では
またいつか どこかで
睡眠逃亡のその先で