51/75
どんな言葉にも
少年はつぶやく
【――彼女は死んだ。】
ただ そのひとこと
口に出す事は簡単だ
僕が たとえこの言葉を
どんなに軽々しく 爽やかに
言ってみせたとしても
その言葉の中に潜む
長い時間と 数々の言葉
深い思いと 愛しい記憶
それだけは 知っていてほしい
ひとことでは言い表せない
そんな 物語があった事を感じて
僕は
彼女を愛してた。
あなたは気づいているか
街中に溢れる言葉の数々
それぞれが 思いを持っている
ねえ 知ってる?
毎日毎日 色々なものが潜むんだよ
どんな言葉にもさ