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口喧嘩
きみとの口喧嘩のあとに
ぼくが考えること
「 あのとき
もっとああいう言いかたをすれば 」
「 そうだ
あのことを言えばよかったかも 」
いい意味じゃなくて
あのとき
もっと追い詰めて 言い返せなくして
絶望の淵に追いやりたかった
死ねって
言ってしまえばよかったとか
殴りかかればよかったとか
ずっと昔からの鬱憤を
思いきりぶつけてやればよかったって
そう 思うんだ
そして 無性に 無性に
悔しくなる
もっと 言葉を巧みに操れたら
正確なところを突いて
苦しめてやるのに
言葉が ぼくの味方についてくれれば
きっと
嗚呼
苛々するんだ
とても とても
苦しいんだ
憎いんだ
こんな ぼくたちの関係って
いったい なんなんだろうね