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consideration
「 もう なにも 考えたくない 」
苦しくて 苦しくて、
嫌で 嫌で、
もう なにも考えたくないと思ったとき、
――考えました。
いや、自分は考えたいのだ と。
ふと 思いました。
わたしは、
家に帰って布団のなかにうずくまり、
静かに 考えたい。
ひとりでじっくりと、
奥深く 深くまで考えたいのです。
なにも聞きたくない。
なにも見たくない。
誰とも会いたくない。
喋りたくない。
ただ ひとりでじっくりと、
考えたいのです。
わたしはきっと、
考えることをやめたら消えてしまう。






