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曖昧→憎悪→存在

 

わたしは あなたに

曖昧な感情しか向けたことがない


おなじ場所に存在しながら

まったくべつの世界にいるふたりだから


あなたを理解することは不可能で

家族でありながら

なんとなく一緒にいるだけだった


あなたとわたしでは ちがいすぎました


あなたは常に べつの世界にいたんです


わたしたちの間には

とても高く 分厚く 固い壁があったのです


あなたがいない時間に

なにを感じることもありません


わたしにとっては

あなたのいない時間のほうが

わたしの平凡といえたでしょう


でも ひとつだけ

わたしがあなたに向ける

曖昧ではない 強い感情がありました


わたしは あなたのことを

憎い と 思ったんです


そう


あなたに向ける 最も強い感情が

憎悪でした


わたしの中では

とても曖昧な認識だったあなた


わたしが 憎い と 感じた瞬間

とても強い光を放って

確かにそこに 存在しました


あなたに対する まっすぐな気持ち

それは 憎悪でした


憎悪でしか

あなたを認識できないわたし


あなたがそれを知ったなら

いったい どう感じるのでしょう


悲しいでしょうか


苦しいでしょうか


怒るのでしょうか


しにたくなるかも しれません


でも うれしくはありませんか


あなたの前では

いつも曖昧だったわたしが

たとえ それが憎しみだとしても

想うことで 明瞭と 輝くのですから


あなたも わたしも

強い存在と なるのですから


おたがいが

たしかに

おなじせかいに

いるのですから



そうでしょう?

 

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