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第十四章:Yak、出撃
ナディアとミコラは、Yak-52に乗り込む。
「嬢ちゃん、7時の方向だ」
「見えるの!?」
「鴨よりはデカい」
ミコラがシャヘドの影に猟銃を向ける。
まさか…と思った次の瞬間、一発。
ドローンはゆっくりロールし、煙を引いて墜ちていった。
「本当に撃つとは思わなかった…」
「俺もだよ」
再び、空へ
夜明け。雲の切れ間からキラリと光る影。
「…オルランだ」
敵の目、そして脅威の座標提供装置。
ナディアは燃料計を睨んだ。まだ、行ける。
「おじいさん、窓を閉めてください」
「どうした嬢ちゃん」
「あれを、殺るのよ」
「正気かい? このポンコツで?」
ナディアはスロットルを押し込んだ。
「登れ! ポンコツ!!」
空は青く、Yakは呻きながら上昇していく。
――戦闘機じゃない。防空ミサイルもない。
あるのは、女パイロットの胆力と、猟銃一本。
でもそれでも、何かを守れると信じていた。




