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キーウ上空ウクライナの翼  作者: バッシー0822
Migの翼

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第十一章:「滑走路、炎上──抵抗の矢」

銃声が絶え間なく続く。

管制塔の窓は割れ、風が唸る中、イヴァンたちは交互に顔を上げては応戦していた。

だが――

マガジンが、尽きた。

「ラスト……2発だ」

仲間の一人がつぶやいた。

床には空薬莢が転がり、血が染み込んでいる。

背後では、負傷兵がうめき声を上げていた。


滑走路の向こう、闇の中に

低く唸るエンジン音――

空の闇を割って、IL-76輸送機が接近していた。

「増援か……!」

敵の空挺部隊が、さらに降りてくる。

イヴァンは、それを見上げ、歯を食いしばった。

「空も、地も渡さん……ここは、死守する場所だ」

背負っていたケースを開ける。

中にあるのは、FIM-92 スティンガー携帯地対空ミサイル。

防衛部隊の「最期の切り札」だった。


「天を撃ち落とせ」

照準を覗く。

赤外線シーカーが熱源を捉える。

ピーーーーッ……!(ロックオン)

イヴァンは叫ぶ。

「お前たちを、これ以上……通すものか!!」

──発射!

火花を吹きながら飛び立つスティンガー。

輸送機のエンジンに直撃。

機体が炎に包まれ、傾き、滑走路の端に墜落。

爆発音が、夜を割いた。


その光に照らされて、敵の士気が一瞬揺らぐ。

しかし、それでも彼らは押し寄せてくる。

銃も尽きたイヴァンは、AKを棍棒のように構える。

「……来いよ。まだ終わっちゃいない」

だがその瞬間――

後方から戦車のキャタピラ音、味方の支援部隊が現れる。

夜明けの空の下、

イヴァンは膝をつきながら、空を見上げる。

「……やっと、来たか」



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