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キーウ上空ウクライナの翼  作者: バッシー0822
Migの翼

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第十章:「地に降りた翼──アントノフの夜」

冷たい川の水が、イヴァンの顔を打つ。

パラシュートが水を吸い、体が重くなる。

必死にバックルを外し、濡れた服のまま岸へと這い上がる。

岸辺にはウクライナ兵が数人。

驚いたように彼を見つめたあと、一人が叫ぶ。

「パイロットだ!味方のパイロットが落ちてきた!」

手際よく救助され、装甲車の荷台に乗せられる。


数分後──

小さな医療テント。

応急処置を受ける間も、無線が飛び交っていた。

「アントノフ空港に敵空挺部隊が降下中!……制圧されるのも時間の問題だ!」

野戦司令官がイヴァンに声をかける。

「休んでる暇はない。あんた、MiGのパイロットだろ?」

イヴァンは無言で頷いた。

「空は取られたが、地上はまだだ。アントノフを死守しないと、キーウは持たん。……頼めるか?」

イヴァンは応急手当の包帯をギュッと巻き直し、

隣に立っていたAK-74Mを手に取った。

「もちろんだ。飛べないなら、走るさ」


「空挺の影」


夜のアントノフ空港。

既に敵のIL-76から降下したロシア空挺軍が滑走路を制圧し始めていた。

燃えた輸送車、横転した兵員輸送車両。

照明塔の一部は破壊され、闇の中に閃光と銃声が走る。

イヴァンは、数人のウクライナ兵とともに管制塔の守備に就いた。

滑走路を見下ろすその場所こそ、奪われてはならない「目」だ。

「弾、あと4マガジン。……敵、南東から来る」

照準を覗きながら、イヴァンは心の中でつぶやく。

「……また戦場だ。空から、地へ──今度は、目の前の命を守る」

管制塔からの一斉射撃が始まる。

闇の中、**照明弾が空を裂き、**新たな戦いの幕が開いた。



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