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第2章 16.巫女は聖なる杯を掲げ
【 キャンプファ嫌 】
「待って」
焚き火……?……閃いたかも。
そうよ、遭難したときはどうする?
無人島で遭難したら、みんな火をおこして、ノロシをあげてなかった?
大昔、ノロシを順番にあげて連絡してたとか、世界史の先生が言ってたような?
ここでずっと待っていても誰かが通りかかるとは限らない。水はあるから、1週間くらいは生きていられるけど、何もしないよりは、発見される可能性があった方が良いはずだ。
ただ待っているだけは嫌。
外に出て、小屋の付近を見回してみる。
背の低い枯れた(ような)木が何本か立っていた。みんなあれを使っているに違いない。
試しに枝を折ってみたら、枝は何の抵抗もせず乾いた音を立てただけでポキっと折れた。
私は大量に枝を集め、小屋から少し離れた所に置いた。
出来るだけ大きな火にしなければいけない。
なんなら木ごと燃やせばいいか、とも思ったけど、一帯が火事になったら怖いもんね。
暑い、いや熱いっ。でも、乾燥しているからか汗をかかない。
枝や枯れ葉をたくさん集めたところで、さて、と考えた。
どうやって火をつけようか?




