表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マヤ 〜忌みつ姫と森の若長〜  作者: 早瀬ヒカル
44/59

森の都③





だが、ユキノブはこういう時の彼の扱い方を良く熟知している。





「ヤール殿。今は皆の安全確保と避難が最優先です。周りをご覧下さい。皆はヤール殿だけが頼りなのですよ?」





「!」





そう言って、ユキノブは会議室で慌てふためく森の民をビシリとヤールに指し示して見せる。






「ヤール殿はお強いんですから、長老院の皆様とご一緒に、じじ様ばば様を守って世界樹の避難所について行ってあげてください。今、貴方ほどの手練れの戦士はこの都にはおられないのですよ?」





「皆がヤール殿が頼りなのです…!!」






頼みますっ!!





そう言って、鬼気迫る面もちと悲壮感で、ユキノブはヤールに訴えかける。






「て、……手練れの戦士…?」






ピッガラドッゴーン!!!






先程までビービー息巻いていた小柄なおじいちゃんの心に、稲妻がほとばしる…。





(ヤール殿が頼り…)

(ヤール殿が頼り…)

(ヤール殿が頼り…)





ヤールの中で、先ほどのユキノブの言葉のフレーズがぐるぐると木霊する…。






何と良い響きなのだろぅ…!!






「む、むぅ…」





「ユ、ユキノブがそう言うのであれば…、仕方がなかろう。皆の者。おじじ様とおばば様をお連れして、ひとまず世界樹へと移動じゃ…」




ここまで言われたら…逆らえまい。





褒め讃えられたのが嬉しかったのか、ヤールは少しテレテレしながらご満悦の様だ。





「やれやれ…。ヤール殿は比較的扱いやすくて助かる…」





一安心、一安心。

ユキノブは胸を撫で下ろす。





「……何か言ったか?ユキノブ」




「いいえ?何でも?」




ついつい胸の内を吐露してしまうユキノブだが、基本にっこりと笑顔で流す…。





悪口だけは厳禁!






ヤール殿は、耳の良ささえ気をつければ、とても気のいいご老人だ。





「先生、先生、先生――っ!」




ひとまずヤールが皆をまとめて移動を始めようとしたその時…。





廊下の方からドダドダと勢いよくユキノブを呼ぶ中年男性の声が響いてきた…。





「非難は必要ない!騒ぎの原因は若じゃっ!!今、百姓のナルヨルが葉手紙を寄越してきた。若が帰ってきたんだとっ!!」





「若が…?」






男の言葉を聞いて、周りはもちろん。

ユキノブも、んん?という風に怪訝そうな顔になる。





「何故です?今頃彼は水の姫との婚約の発表で、てんてこ舞いで帰られるのは半月後のはずでは…??」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ