森の都①
ピーヒョロロ……。
「平和だね~」
「うん。平和だ~~」
森の都の首都、リオフォレス。
太古の樹木と精霊達の息づく古の都。
その都への入り口は、深い森の、そのまた奥に行かないとたどり着けない、正に森の最奥部にある都だ。
特に都の城壁らしき城壁も、門らしい門も無いのだが、都に通じる一本道で、こっから都に入るよ~的な位置に柱が両脇に二本建てられ、一応皆でそれを門と呼んでいる。
森の民。
年中門番兵のタンデとサジルは、その棒の建つ両脇で、今日も変わらずぼけ~~っと空に浮かぶ雲をの~んびり眺めている…。
「お昼寝日和だよね~~」
「だね~~。もういっそ寝ちゃお~かぁ~~?」
青い空。白い雲…。
おまけにポカポカ、小春日和…。
木々からは小鳥のさえずりがピーチチ聞こえ、
頭上ではトンビがピーヒョロ気ままに鳴いている…。
上を見上げると、若い葉が青々としげる木の間から、太陽の日差しがキラキラこぼれ落ちて…。
風が吹くと、木漏れ日も一緒に優しくザァァっと揺れて、どこもかしこも暖かい…。
これが昼寝せずにはいられようか。
「無理だね」
「うん。寝ようか」
そう言って二人が何時もの定位置で昼寝を始めようとしたその時…。
「……サジル~?」
「ん~?」
タンデが眠たげな瞳を半目にしてサジルに問いかける…。
「……気のせいかなぁ?地面が少し揺れてないか~?」
「……そう言われれば、そんな気がしないでもないかも?……地震かなぁ?タンデ」
よいせと腰掛けた寝心地の良い木の幹の根元から、ドドドド…と地鳴りのような振動がお尻の方からかすかに伝わってくる…。
「……?しかも何か段々強くなってきてる…かも?」
これは大きな地震になるか?と二人が少し構えていると、サジルがある異変に気がついた。
「なぁ、タンデ…」
「どうした。サジル」
「……何か森の向こうから土煙が見えないか?」
「土煙?」
サジルに言われ、タンデも目を凝らして彼の示す目の前の森をじいっと見てみる。
すると確かに森の奥でかすかにモワァっと土煙が起こっている。
確かあちらは大昔に作られた古街道のある方角だったはずだ。今は木々に覆われて使えたものではないのだが。
というか………。
「森が動いていないか!?」




