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マヤ 〜忌みつ姫と森の若長〜  作者: 早瀬ヒカル
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水の都②






水の部族長…。





この水の国では《国王》と呼ばれているが、その王の一人娘。




ミルディ王女の18歳の生誕祭で、ある重大な発表がなされると……まことしやかな噂が流れたのだ…。




その噂の発端が、実に信憑性の高いものらしく……。




公私含め、




普段でも仲の悪い事で有名な、森、水、両部族の大将軍達が、とある酒場でいい感じに酔った所で偶然鉢合わせ……。




そして、うっかりその事をわめき散らしながら、殴り合いの大喧嘩してしまっていたという……。




被害者多数。




目撃者も少なくないこの騒動に、噂は瞬く間に風のように国内外に広がり………。




結果。各国からたくさんの観光客や国の重鎮、貴族達がこの都に詰め掛け…、今の現状に至ったのである。





今、トルディーオにいるほとんどがそれが目的でここにいると言っても良いだろう。





《世紀の大ニュース》をぜひこの目で確かめようと、皆すでにお祝いモード全開で道々に出店がずらりと建ち並ぶなど……。誕生祭はいつになく活気で溢れ、華やかなものへとなっていた。













「……まずいな」





城の片隅…。



高台にある小さな小部屋の窓辺に座って、一人の青年が何か少し思い悩む様子で、都の賑わいをぼんやりと見下ろしていた…。




「………これじゃあ、もう退くにも退けないな。………いい加減。いろんな意味で腹をくくるべきか……?」




「…ん? 若。今何か言いました?」




近くで身の回りの世話をしていた彼の部下が、青年のつぶやきに声をかけてくる。




「いや…? 何でもないさ」




そう言って、青年は気にするなとばかりに窓辺から腰をあげ、のん気に手を振ってその場を離れて行く…。




(誕生祭は今日から5日後……。タイムリミットは4日後の夜か………)




まぁ…、今から考えても仕方ない。

なるようになるだろうと、青年は考える事を止めにする。





そしてふと足を止め、彼は遥か彼方の《禍罪》と言われる方角を見やった……。





《禍罪の方角》は、かつて存在した、五大部族の国の一つがあったとされる方角である。







…………………青年はずっと、あるものを待っていた。






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