旅団一座と沙漠の女神⑥
「お父様…!!」
「国王陛下っ!!」
……………後ろを振り向くと、そこに立っていたのはこの国の国王、ミシェルド・サナマ・ウォスティス陛下。その人だった。
「はは〜ん??さては、陛下もあのおなごたちの舞いに魅せられましたか……?じゃが、あのおなご達はこちらがいただきますぞぃ?」
そう言って周りが皆礼をとる中で、クムジは国王に対しても負けませんぞと言わんばかりに挑戦的な眼差しで笑いかける。
「ふふっ。ならばうちはハークに頑張ってもらわねばな。私も一度、彼らと話をしてみたい。団長、後であなたも含め旅団全員を食事会に招待したい。予定をあけて貰えるかな?」
国王はクムジの挑戦を楽しそうに笑って受け、ヨダ団長達を自分の夕食に誘う。
「………ありがとうございます。お心遣い傷み入りまする」
ヨダは深々と頭を下げ、食事会の誘いを受ける。
「では、私はこれで失礼しよう。皆の者も、ゆっくりと宴を楽しんでいってくれ。ミルディ。ちゃんと皆さんをおもてなしするのだよ…?」
国王は去る前に、娘に心配そうに一言添える。
「はい、お父様。大丈夫よ。お父様もご公務頑張って」
「ああ。では皆良い夜を…」
そう言って笑顔を残し、国王はお付きの者を連れて宮殿の奥へと去っていった。
国王が宮殿へと戻り、ちょっとした緊張が去った事で、周りの貴族も客品達も宴に戻ろうとそれぞれの席へと帰って行った。
「ふぅぅむ…。あのおなごは体力に難点ありか…。そんな風には感じなかったんじゃがのぅ……??」
う~むと、クムジは自分の見る目が違っとったのか?と少し考え込むのだが……。
「まぁ、いいじゃろ!!おなごが帰ってきたら教えてくれ。何にせよ要キープじゃ!!」
「私もお願いします…!!必ず悪いようにはしませんから……!!」
とりあえずクムジもハークもガシッ!!と約束をヨダ取り付け、今は他の団員のスカウトだ!!と、二人で火花を散らせながら足早に駆け出していく…。
「やれやれ…」
ようやく騒がしい二人から解放され……、一人になったヨダはふと辺りに視線を走らせる。
すると事を見計らったリンが、森の兵士からのスカウトを巧みにかわし、団長のヨダに向かって歩いてくる。
「………………リン。奴ら全員に酒をたらふく飲ませろ。意識を混濁させる香も気づかれない様焚くのだ。……今すぐ始めろ」
「……承知致しました」
二人はすれ違いざま、誰にも聞こえない微かな声で言葉を交わし…、そして何事もなかった様に別の方向へと歩いて行く。
「んん゛…?」
所変わってクムジの方は、お目当ての団員を探す途中。ふとある事に気がついた。
「どうしたのクムジ将軍?」
近くにいたミルディ王女は、キョロキョロ辺りを見回し始めたクムジに声を掛ける。
ミルディに問われ、クムジは辺りを見回す格好でしばし固まった。
「……………若が見当たらん」




