幸せの認知
「愛理とは、子供の頃からずっと一緒だったん
ですよ。親同士が仲良くてそれで・・・
同じ中学、高校と一緒でだったんですけど、
最初はお互い恋愛対象として見ていなかったんです。
なんか、気が合うなんでも話せる友人みたいな感じで。
お互い色々な人色々な友人や、恋愛をしました。
だけどお互い長続きしなくて。
で、色々考えてたら、愛理も同じこと考えてて。
二人で笑って、俺その時思ったんです、
コイツと一生を共にしたいって。
ははっ浮気したやつが何言ってんだって話ですよね。
すいません長くなっちゃって。」
俺は、話していて少し涙ぐんでいた。
「高村様、ですか。杉田様は彼女のことを
大切に思っていたのですね。
今の話を聞いて尚更、杉田様が浮気するとは
考えられないのですが。」
「・・・福田財閥、ていうのはご存知ですか?」
杉田はクロに疑問を投げかける。
「福田財閥?・・・すみません、私最近こちらに
来たばかりでして、教えていただけたら嬉しいです。
はい。ギムレットです。」
いつの間にか完成したギムレットが出てきた。
「あぁ。ありがとうござ・・・ん?」
杉田は、カクテルグラスを手に持とうとした瞬間が
手が止まる。
「あの、クロさん?」
「はい。」
「これ、ギムレットっすか?」
「はい。」
「あの・・・赤いんすけど。」
「隠し味です♡」
クロは少し恥ずかしそうに答える。
杉田は恐る恐る、ギムレット(?)を観察するのであった。