告白
「はは・・・・っ。
やっぱり、ありきたりすぎましたか。
失恋したからギムレットって。
俺、あんまりジンベースのお酒って
あんまり好きじゃないんですけど・・・
なんか飲みたくなっちゃって。」
杉田は頭をかきながら笑う。
「良かったら、聞かせていただいてもいいですか?」
クロは、シェイカーに材料を、
ジン、シロップ、ライムジュースを入れながら言う。
「聞かせるもなにも、浮気したんですよ、俺が。
俺が100パー悪いんす。別れて当然なんすよ。」
「まあ。ですがなにやら歯切れが悪いご様子。
何か只ならぬ理由があったのでは?」
「・・・分かるんですか?」
「バーテンダーなので♡」
「答えになってないですよ・・・。」
杉田は笑いながら言った。
そして少しの沈黙のち、杉田が言葉を
はっしだした。
「・・・11年になるんです。付き合ってから、
高村愛理っていうんですけど。
いや、正確にはあと1ヶ月立ったら11年なんです。
結婚も考えていたんですけど、俺が浮気しているから
それを解決してから言い出そうと
思ったんですけど・・・先にうたれましたね。
彼女は最初から知ってたみたいなんで・・・。」
そう、高村は別れる前、
その子に告白された時からずっと、もう耐えられない
と言っていたからな。
杉田は少し胸を痛めた。