雨のなか
「ちょっと待ってくれよ。なあって!なんで別れるなんて言うんだよ!理由を言ってくれよ!」
大雨の繁華街。ずぶ濡れになった男女がそこにいた。
男は女の腕を掴み、叫んでいた。
「何度も言わせないで!別れるの!私全部知ってるんだから!!あなたが浮気してるって!その子に告白された時からずっと!!もう耐えられないの!!」
「っ!そ、それは・・・・。」
男は図星のようで油断し、力が抜け腕を振り解かれる。
「・・・・・・さよなら。」
女は走る。男は何もできずただ、つったっていることしか
できなかった。
俺の名前は 杉田 秀平。
今見事に、女に別れを告げられ本心状態になっている男だ。
といっても自業自得、俺の浮気がバレたからだ。
俺が悪い。納得の解散パーティーだ。
「くそっ・・・・なんだよ・・・。」
杉田はずぶ濡れのまま、女が走っていった逆方向に
歩いて行った。
「・・・・・ああ、くそっ!イライラする!
浮気がそんなに悪いか!?あんなに怒ることないだろ!」
俺は史上最低の発言と分かっていながらも声をあげ、
道に転がっていた、空き缶に八つ当たりした。
カンッ!と空中に舞った空き缶は数秒たち、地面に落ちる。
俺はそれを視線に向けていたら、妙な建物が目に入った。
「ん?ここは・・・・?こんな所にこんな建物あったか・・・?」
見慣れた繁華街にポツンと、いやポツンではない。
いかにも場にあってないイレギュラーな建物がそこにあった。ピンク、赤、黄色、等。いわゆるパステルカラーでしか構成されてない建物だ。
落ち着いた白、黒などの色は一切使われていない。
「だいぶ散らかってんな。えっと、なになに・・・?
クロのバーカウンター・・・?って、いやいや黒かい!」
思わず口に出てしまうほどの、現状に
ノリツッコミをしてしまい思わずクスリとしてしまった。
「これも・・・何かの縁か・・・。すいませーん。」
杉田は、バーカウンターの扉を開けた。