冒険者になろう!②
連日の投稿も今日でようやく4日目です。
では、第5部『冒険者になろう!②』お楽しみください
ゼウスティアは、冒険者ギルドに向かっていた。
街中を歩いていると、剣と盾を交差させている看板が見えてきた。
木造の三階建てだがかなりの大きさがあり、人の出入りも頻繁に行われていた。
きっとここが冒険者ギルドなのだろう。
扉を開けてギルドへと入ると、冒険者たちがもの珍しそうに見てきた。
正面には受付があり、左側には依頼と思われる用紙が掲示板に貼ってあった。
右側には待合スペースと食事処みたいなところがあり、朝から飲んでいる冒険者もいた。
ゼウスティアが正面の受付に向かおうとすると、飲んでいた冒険者が話しかけてきた。
「おい、嬢ちゃん。冒険者ギルドはまだ早いぞ。どうしても入りたいならこの俺のCランクパーティー『牙狼の牙』に入れてやってもいいぜ」
ゼウスティアは無視し受付へ向かおうとした。
正確には無視したわけでは無く、自分に対して話かけているのではないと思っているのだが、理由は単純で女ではないので、『嬢ちゃん』という言葉に一切の反応を示す理由がないからである。
暫くペラペラ、ペラペラ話しているのを、うるさいとは思いながらも無視していると、その冒険者はゼウスティアの肩をつかんできた。
「おい、お前に言っているんだよ。無視すんな」
「あ、すいません。嬢ちゃんと言っていたので僕ではないと思っていました。僕は男ですよ。間違えないでください」
「そーだったのか。で、どうすんだ」
「すいません。酒臭いので話しかけないでください。今から冒険者登録するので、あなたのパーティーに入る気はないので、話しないでください。それと、昼間から酒飲んでいるようなパーティでは上位に上がることは出来ないでしょうし、冒険者一筋で食べていくことには無理があると思いますよ。さっさと副業を探した方が良いのではないでしょうか」
「なめてんじゃねぇぞ!そんなに言ってくるんだったら決闘だ!決闘!俺が勝ったらお前を俺の奴隷にする!」
「僕が勝ったら?」
「俺が奴隷になってやるよ」
「僕あなたのこと要らないので、あなたのパーティーの所持金を全て貰います。ああ、僕一人対あなたのパーティーでいいですよ。では僕は登録してくるので三十分ほど待っていてください」
「ああ、いいぜ。じゃあ、三十分後な。逃げんじゃないぞ」
そう言い残し冒険者はパーティーのいる席に戻っていった。
ゼウスティアは登録するために受付に向かった。
受付にいたのは犬耳の獣人だった。
「あの、すいません。冒険者登録したいのですが」
「はい。お名前を伺ってもよろしいかな」
「僕は、ゼウスティアです。それと、これ。推薦状です。ギルド長に渡して貰ってもよろしいですか」
「分かりました。少々お待ちください」
そう言い残し受付嬢は奥へと向かっていった。
三分ほど経つと、急いだ様子の受付嬢が奥から出てきた。
「ギルド長がお会いになるそうです。付いて来て貰ってもよろしいですか」
「分かりました」
受付嬢についていくと、そこには他の部屋よりも少し大きく、豪華な扉があった。
中に入るとそこにはエルフがいた。
「自己紹介からかな。私はエレヴィン・フォン・シスフォードだよ。気付いてるかも知れないけれど、僕はティファリーナの兄でありギルド長だよ。義弟君」
「僕は、ゼウスティア・フォン・オルコットです。よろしくお願いします。義兄さん」
「自己紹介が遅れました。副ギルド長兼受付嬢のジニアです。よろしくお願いします」
「確か今回は、冒険者登録だったね。じゃあ、陛下からの推薦状があるからSSSランクで登録しようか」
「ありがとうございます。それと、この後決闘をすることになったので、審判をお願いできますか?」
「ああ、お安い御用だよ。じゃあこの後すぐだったね。決闘が終わってからジニアからギルドについての説明と冒険者カードを貰ってくれ」
「わかりました」
「じゃあ、地下の決闘場で集合な」
そう言い残すと、エレヴィンは部屋から出て行った。
ゼウスティアはギルド長との話が終わり、決闘場に来ていた。
5分ほどすると受付近くで話しかけてきた男とそのパーティーメンバーと思われる男が2人出てきた。
「逃げずに来たようだな。この俺に歯向かったことを後悔させてやるぜ」
「そちらこそ逃げなかったのですね。年下、それも5歳の子供に負けるとこを見られたくなくて、逃げるのかと思っていました」
「あぁ!そのなめ腐った口、二度ときけなくしてやる」
観客席ではたくさんの観客たちが賭け事を行っているようだった。
倍率は牙狼の牙が1.5倍ゼウスティアが10.5倍だった。
さすがに5歳ほどの子供に負けると思うものは少なかったようだ。だが、大穴狙いの者やAランクの者たちはゼウスティアに賭けているようだった。
「エレヴィンさん自分にも賭ける事ってできますか」
「ああ。駆けられるのは5000Gからだよ。最高は100000Gだよ。いくら賭けるんだい」
「じゃあ、50000Gでお願いします」
「分かったよ。じゃあ預かっておくね」
そういうとゼウスティアからお金を受け取りジニアに賭けてくるように言っていた。
「そろそろ決闘を始めることにしようか。賭けるのはゼウスティア君が自分自身を奴隷化。牙狼の牙がパーティーの全財産でよかったね」
「あぁ。それでいいぜ」
「はい。それで大丈夫です」
「それじゃあCランクパーティー牙狼の牙対SSSランクゼウスティア・フォン・オルコットの決闘を始める。両者準備はいいか」
「SSSランク!何で登録したばかりのこいつがSSSランクなんだ!」
「国王からの推薦状があるからだよ」
「まあこいつが本当にSSSランクの訳ないよな。どうせ贔屓してもらっただけだろ。こっちは準備いいぜ」
「こちらも大丈夫です」
「それじゃあ・・・決闘開始!!!」
合図が鳴るとリダーらしき奴が突っ込んできた。後ろでは魔法職の男が中級の火魔法を、弓師の男が弓に矢をつがえていた。
ゼウスティアはアイテムボックスから槍を取り出した。
相手のリーダーの攻撃をいなし、腹部を槍の柄の部分で殴った。
するとその男はふっ飛んで行き壁にぶつかり気を失った。
「くそ!リーダーがやられたぞ」
魔法職の男はやけくそ気味に魔法を放ち、弓師の男は矢を放ってきた。
魔法を槍で消し、矢を撃ち落とした。
そして男との間を一瞬にして詰め、リーダーと同じように腹部を殴り壁にぶつかると気を失って倒れた。
「この決闘ゼウスティアの勝利とする」
「ありがとうございました」
「勝ちやがったぞ」「くそ・・・牙狼の牙に10000G賭けてたのに」
「大穴狙いで5000Gの儲けだ。ありがとな。坊主?」
純粋に小さな子が勝ったことに驚いているもの。賭けに負け悲しんでいるもの。大穴狙いが当たり設けたもの。本当に男の子なのか悩んでいる者などの、声で観客席は盛り上がっていた。
十分ほどして観客席の歓声もおさまってくると、牙狼の牙のメンバーが起きた。
「じゃあ、パーティーのお金をゼウスティア君に渡すんだ」
「くそっ!分かった。ほらよっ!」
リーダーは投げやり気味にお金を投げつけた。
「うん。お金はきちんと入っているね。じゃあこれで決闘は終わりだ」
エレヴィンがそういうと皆それぞれ帰っていった。
「じゃあ、ゼウスティア君は受付でお金やギルドカードを貰ってね」
「分かりました。ありがとうございました、エレヴィンさん」
そういってゼウスティアは受付へ向かった。
受付へ行くとそこにはジニアさんがいた。
「じゃあこれがギルドカードね。魔力を通すとその人のランクやパーティー、入っているクランがわかるようになるわ。じゃあギルドの説明を行うわね。ランクはEランクからSSSランクまであるからゼウスティア君は最高ランクね。依頼には採取、討伐、護衛の3種類があるわ。それぞれランクに応じているから間違えないようにね。一個上のランクの依頼まで受けられるようになっているの。じゃあこれで説明は終わりね。これが決闘の賞金よ。頑張ってね」
「ありがとうございました」
そう言うとゼウスティアは冒険者ギルドから出て行った。
ここまでお読みいただき有難うございました
楽しんでいただけたでしょうか?
次の話の投稿は何時になるか決まっておりませんが、早ければ明日に投稿とします
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