冒険者になろう!①
今話は少々短めとなっております。
では、第四部『冒険者になろう!①』お楽しみください
ゼウスティアはなし崩しで貴族になったが、一つ不安があった。
元々冒険者になろうと思って下界へと降りてきていたのだ。それが、突然貴族になってしまったので、冒険者になれないかもしれないという不安に襲われていた。。
「あの、陛下。貴族の当主でも冒険者にはなってもよいのでしょうか?冒険者になってお金を稼いで、来年から学園に入ろうと思っていたのですが」
「ああ。大丈夫だ。一応わしらも冒険者だしな。昔は、よく三人でクエストをこなしていたからな。ゼウスティアが冒険者になるのであれば推薦状を書いてもいいのだが、わしは、ゼウスティアの実力を見ていないのでな。明日には騎士団長も帰ってくるし、明日、騎士団長と模擬戦をしてみてくれ。その結果を見て推薦するランクを決めよう」
「ありがとうございます、陛下。これで心配がなくなりました」
「今日は、もう時間も遅い。王城に泊まっていくといい」
「はい!明日の模擬戦に備え、今日は休むこととします」
「ではこれで話し合いは終わりだ。皆、解散だ」
最初に公爵様が出ていくと、それに続いて皆部屋から出て行った。
最後に国王が残り「明日の模擬戦、楽しみにしているぞ」とにやりとしながら言い出て行った。
メイドに案内され、部屋に行くとそこには立派でやわらかそうなベッドがあった。
天界にはもっと質の良いベッドがあったが、最初は宿屋に泊ろうとしていたので、ありがたかった。
ゼウスティアはベッドに飛び込むとすやすやと眠るのだった。
-翌日-
ゼウスティアが起きるとベッドの傍にはメイドがいた。
「あら。起きられたのですね。食事の準備があと十分ほどで終わりますので、少々お待ちください」
ゼウスティアは着替えをし、メイドに昨日と同じ部屋へと案内された。そこには、国王と王妃、フェスティーヤともう一人、昨日はいなかった人がいた。
その人からは、ゼウスティアを見極めるような視線が送られてきた。そのことから、昨日国王が言っていた騎士団長だとわかった。
殺気が送られてきたので、ゼウスティアも殺気で返して差し上げた。
すると、騎士団長からのさっきはぴたりと止まり、額に汗を浮かべながら、
「すまんな。陛下から話は聞いていたのだが、いささか信じキレなくてな。本当にこんな小さな子が、そんなに強いなんてな。今日の模擬戦では、胸を借りるつもりでいかせてもらうとしよう」と、言った。
「僕は、ゼウスティア・フォン・オルコットです。今日はよろしくお願いします」
「おう。俺は騎士団長のモーラン・フォン・ラーザスだ。よろしくな」
ゼウスティアは、モーランから出された手を握り返した。
「では、みんな揃ったな。それでは、食事を始めるとしよう神に感謝を。いただきます」
「「「「いただきます」」」」
「そう言えばゼス君って神様なんだから、自分に感謝をささげることになるんだね!」
「ハハハハ、確かにそうだよね」
ゼウスティアにとっては、自身と家族に感謝をささげるという状況となったわけだ。
ティアが言ったその言葉に、ゼウスティアは苦笑で返した。
食事が終わると、国王から模擬戦の時間について話された
今から、一時間後に王城の闘技場にて模擬戦を行うということだった。
貴族当主同士のいざこざは、国王の前で決闘を行うことになっているので、王城に闘技場があるそうだ。
なお、ルールは剣や槍などの武器、魔法、種族専用スキル以外のスキル使用は禁止。例外的に武器の出しいれの際にのみ、アイテムボックスの使用が許可されるそうだ。また、試合はどちらかが降参又は気絶したら終了ということだった。
勿論、殺人はご法度だ。
一時間後、ゼウスティア達は闘技場に集まっていた。
審判は、副団長のカイムさんがするそうだ。
「では、両者準備はできましたか」
「「はい(おう)」
「では、ゼウスティア伯爵とモーラン騎士団長による模擬戦を始めます」
「試合はじめ!!!」
モーランさんは大剣を使うようだった。
カイムさんの合図をスタートにゼウスティアは呪文を唱え始めた。
本来、魔法には呪文のに詠唱は必要ないのだが、ゼウスティアが使おうとしているのは、魔法ではなく運命神としてのスキルを使おうとしていたからであった。
「我は運命を司る者なり。我が敵に不運を、我には幸運を。『運命操作』」
ゼウスティアが呪文を唱え終わった時には、モーランは走りより大剣を振りかぶりゼウスティアを切ろうとしていた。
だが、ゼウスティアはその大剣をよけようとすらしていなかった。
そしてあと少しで当たるというところでモーランがよろけた。
石に躓いたのだ。
「ここからは僕も剣を使うとしましょう」
ゼウスティアはそう言うと、腰に差している剣を抜いた。
双剣を使うものは速さだけだと言われることもあるが、ゼウスティアには攻め入ることも難しい。
モーランは身体強化と風魔法を使いさっきよりも打ち込むスピードを上げてきたが、ゼウスティアはすべての攻撃を受け流していた。
「攻撃を受け流しているだけじゃ、俺には勝てぬぞ」
「では、今度は銃を使うとしましょう」
ゼウスティアは腰の鞘へと剣を戻し、アイテムボックスから魔法銃を取り出すと、モーランに向かって乱射しはじめた。
モーランは初めこそ切り裂いていたが、次第に弾が当たるようになっていった。
ゼウスティアは弾に属性の魔力を使いモーランに撃ち続けていった。
「くそ、降参。俺の負けだ」
「試合終了。ゼウスティアの勝利」
「ただの銃かと思っていたのに何で弾が切れないんだよ」
「これは、魔法銃です。魔力を弾として撃てるので魔力さえ切れなければ大丈夫ですね」
「そういうことだったのか。てか、お前魔法なしでもそこまで強いのか。魔法で動きを封じた後に魔物を切っていたって聞いたから、剣は得意じゃないのかと思っていたんだが、これで魔法も一流とはな」
二人が話し終わると、国王が話し始めた。
「良い試合だったぞ二人とも。ゼウスティア、お主をSSSランクに推薦しようと思う。あと、家のことも、宰相に言ってあるので、推薦状を貰うときにでもきくといい」
「ありがとうございます」
「ではこれで模擬戦は終了とする。それぞれ解散してくれ」
陛下がそうおっしゃると、みんな解散していった。
ここまでお読みいただき有難うございました
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次の話の投稿は何時か決まっておりませんが、早ければ同時更新、遅ければ明日に投稿とします
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