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【再掲載】天界で育った子  作者: シシノ
0章:プロローグ
3/16

王都へ、そして王城へ

二話同時更新です

前話を読んでいない方はそちらを先にお読みください

いや~、既に文章が出来上がっていると、確認作業だけでいいので楽でいいですね


Twitterや活動報告でも言いましたが、この話は以前投稿していた『天界で育った子』の修正版です。

以前の話を見ていなかったとしても大丈夫です。


では、第二部をお楽しみください。

 ゼウスティアは、下界に降り、王都へと向かっていた。


「王都かぁ~。どんなとこだろう。楽しみだな~」




 ゼウスティアは、今まで天界から降りたことがなかったため、初めての下界(王都)に気持ちが高ぶっていた。

 王都へと向かう途中、『サーチ』を使いつつ、周囲の状況を確認していく。その距離はゆうに5kmを超えるほどだ。


 王都へあと10kmほどになったころ、急にサーチに戦闘の反応を感じた。

 前方約5km程の所で戦いが起こっていることが分かった。

 多くの魔物の気配があり、囲まれている人の魔力の数が次第に減っていく。


「10人くらいに、100匹ほどの魔物が群がっているみたいだ。このまま助けないで、その人たちが死んでしまったら後で後悔しそうだし、助けに行くとしようか」


 ゼウスティアは、身体強化と嵐魔法を使い、嵐を足に纏い一気に加速していった。

 時速500キロを超えるスピードで草原を駆け抜けていく。

 そして、戦っているところにつくと、視界にはオークやウルフなどの群れが馬車を守るように立っている5人ほどの騎士を襲っていた。

 騎士の中には骨の折れている者や死んでいる者もいた。

 残っている騎士たちも体中に怪我をしており、満身創痍の状態に見えた。


「加勢いたします!!」


「なぜこんなところに子供が?それよりも、ここは危険だ!早く逃げろ!!」


「聞こえなかったのですか?加勢いたしますと言いました!大丈夫です。魔物相手に後れを取る気はありませんので」


 そういうとゼウスティアは『アブソリュート・ゼロ』と、唱えた。

 オークやウルフの足元が次第に凍結していく。

 ゼウスティアは刀を抜き、動けない状態のオークやウルフたちを切っていった。


「これで、終わりだ!!」


 そういうと、ゼウスティアは最後のオークの首を切り裂いた。

 ゼウスティアは刀に付いた血を払い刀を鞘に納め、騎士たちに声をかけた。


「大丈夫ですか」


「馬車に近寄るな!そこで止まれ」


 騎士の言葉で、ゼウスティアは止まった。馬車には貴族の紋章が刻まれていた。

 ゼウスティアは姿勢を正し、一礼する。


「申し遅れました。僕・・・・・私は、ゼウスティアと申します。王都へ行く途中で、魔物に襲われていることに気付いたので加勢に入りました」


「ああ、助かった。私は王国直属の騎士団の者だ」


「分かりました。それよりも、けがをしている騎士たちの治療をさせてください。聖魔法が使えます」


 ゼウスティアは、『エリアハイヒール』と、唱えると騎士たちのけがはみるみる治っていった。


「なに!エリアハイヒールなど、司教様レベルでないとできないはずなのに。そんなことよりも、礼をするのが先だったな。本当に助かった。ありがとう」


「いえ。困っている人がいたら、助けるのは当たり前ですから。それより、その馬車は、貴族様のものと見受けられますが、ご無事でしたか?」


 ゼウスティアが声を掛けたところで、護衛の騎士により馬車の扉が開かれた。

 馬車から降りてきたのは、侍女に支えられ震えた手を取り合っているゼウスティアと同じくらいの年の女の子三人だった。

 三人とも震えていて、お互いに手をつないでいる状態だ。

 三人は騎士やオーク、ウルフの市外に囲まれた周りの惨状を見渡し青ざめている。

 一人は銀色の髪で腰のあたりできれいに揃えられていて、貴族令嬢に見受けられる。

 もう一人は薄緑の色をした髪を後ろで結んでいて、先のとがった耳からエルフだと分かる。同じく貴族令嬢に見受けられる。

 最後の一人は金色の髪を肩のあたりで揃えられていて、頭からはえた猫の耳から猫の獣人だとわかる。こちらも同じく貴族令嬢に見受けられる。


「こちらの方たちは、フェスティーヤ・テラ・レーサス王女殿下。ティファリーナ・フォン・ラース公爵令嬢。レイフィア・フォン・シスフォード公爵令嬢だ」


「はじめまして。フェスティーや王女殿下、ティファリーナ嬢、レイフィア嬢。ご無事で何よりです。僕は、ゼウスティアと申します。いきなりで申し訳ありませんが、魔法をかけさせてイタダイテモヨロシでしょうか」


 ゼウスティアは指に魔力を通し『リラックス』と、唱えた。

 光が三人を包み込み、消えていった。


「これで落ち着いたと思います」


 自分の体を確認し、震えが止まっているのを確認した三人は、ゼウスティアに視線を送った。

 そこには、まぶしいほどの笑みを浮かべたゼウスティアがいる。

 その笑顔に三人は、頬を赤く染めていった。


「ゼウスティア様。フェスティーヤ・テラ・レーサスです。危ないところを助けていただき、ありがとうがざいました」


「ティファリーナ・フォン・ラースです。助けていただきありがとうございました。神のごとき魔法格好良かったです」


「あ、ずるい!レイフィア・フォン・シスフォードです。疾風のごとき流れるような剣技格好良かったです」


 三人は、ゼウスティアの奪いあい、包み込むように手を重ねた。


「ゼウスティア様。王都に向かっている最中だったのですが一緒に行きませんか」


 ゼウスティアは、護衛の騎士に顔を向けると、騎士が頷いたので一緒に行くことにした。


「分かりました。では、ご一緒させていただきますが、その前に魔物と死んでしまった騎士を運びます」


 そう言うと、ゼウスティアは、アイテムボックスに魔物と騎士たちをしまった。騎士たちからは驚きの声が上がった。

 その後、ゼウスティア達は馬車に乗り込んだ。



 ゼウスティアは馬車のなかで、3人からゼス君と呼ばれることになり、王女殿下をティーヤと、公爵令嬢をリ-ナ、フィアと呼ばされたり、女子と間違えられたりしながら王都へと向かっていた。

 そして翌日まで特に大きな事件も起きず、無事に王都に到着した。


 王都の入り口で受け付けを済ませ、貴族専用の入り口から馬車は門を潜る。


「王都に付きましたし、もう安全ですからそろそろ僕は馬車から降りますね」


「何を言っているのですか、ゼス君はそのまま私たちと王城へ行くのですよ。王城の横に騎士団の詰め所がありますから。うちの騎士から、カイム様にそう伝えてあるので大丈夫です」


 たしかにアイテムボックスに騎士の亡骸が入っているので断れなかった。

 王城の入り口で三人と一度別れ、王都まで同行した騎士と騎士団の詰め所へ行った。


 誰もいない部屋で1時間ほど待っていると、扉が急に開かれた。

 入ってきたのは、他の騎士より豪華な騎士服を着ていて二十代半ばに見える青毛のイケメンだった。


「すまん、待たせたな。すでに説明を受けている。王女殿下と公爵令嬢二人を守ってくださり感謝する。そして同胞をここまで運んでもらってすまないな。わたしは近衛騎士団副団長のカイム・フォン・バザードという」


「ゼウスティアです。騎士たちは三人を守るために150体以上いた魔物の群れに立ち向かったのです。勇敢に戦っておられました」


「そう言ってくれるとありがたい。同胞たちも報われよう。それではこちらで引き取ろう」


 カイムに案内され指定された場所に白いシーツに包まれた騎士たちの亡骸を置いた。

 並べて置かれた騎士の亡骸に祈りをささげた後、王城を後にしようとした。


「それでは、僕はこれで失礼します」


「ちょっと待ってくれるか。ゼウスティア君が3人を助けたことに対する褒美が、陛下から渡されることとなった。これから陛下への謁見をしてもらうことになるので、王城で待っていてもらえると助かる」


 国王への謁見となることを伝えられたゼウスティアは目を丸くした。

ここまでお読みいただきありがとうございました


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