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オレの生き様はこうだ!~詰んだ~【1】

サース王国からアーロン国王への弔辞が今更届いた。

それだけだった。葬儀にも来なかったし、オレの即位の儀(まあ結局国王にならなかった訳だが)が終わった後も、特に音沙汰無かった。

何故、国王にならなかったのかという抗議文すらなかった。

国王にならなくても痛くもかゆくもないって事か。

あくまでもフィル王国よりも位が高い姿勢を崩さないようだ。




書斎のソファに寝転がり、オレは思考を巡らせていた。

「サース王国が何も言わねえのは余裕があるからって事として、オレが国王にならなかった事を直接報告しに来いって思っているんだろうか?」

国内の書類関係に目を通し、サインをしながらファイローネは答えた。

「そうかもしれないな。でもわざわざ出向く必要はない。そんな事していたら既に上下関係が出来てしまい、属国になっているようなものだ。国力の差はあるといえど対等でいるべきだろう」

「でも、それはそれで『生意気クソ国家』と思われて侵攻されたりしねえかな」

「それはないね。国王が逝去した直後に侵攻するなんて他国からの非難の的だ。逆に『フィル王国から攻めてきた』『宣戦布告と取れる行動をした』なんて言われたとしてもフィル王国は武力を持たないし、攻撃魔石があるとしても実用レベルかまだ未知数だし、サース王国にこのタイミングで攻めるなんて有り得ないから他国の目は誤魔化せない」

「じゅあ、サース王国には行かないって事で。そしたら弔辞は貰ってる訳だし、こっちからも挨拶の手紙を送ればいいのか?」

「それでいいんじゃないか?エリオットが自身で書くんだよ。あ、国政が忙しくてご無沙汰しております、って書いといてね」

「はあ?こういうのはテメーの仕事だろうが」

書類にサインをしていた手を止めたファイローネは、ツカツカとオレが寝ているソファまで近寄ってきた。

「エリオットってさ、本当に何でも自分に丸投げだね。宰相になってしまえばこっちのものと思ってるのか」

「宰相なんだから、お前がその仕事をするのは当然だろうが。この国が潰れたらお前も困るだろ」

「それをいうなら、エリオットも行動しないと困るはずなんだけど。エリオットはフィル王国の魔石が残りどれくらいなのか把握してるのか?」

「まだ残ってんだろ」

「確かに残っているが、あれは既に決まっている買い手に渡す分だ。サファイアの採掘は続いているんだから、魔力を込めていかないと魔石にならない。それに商談もしていかないと魔石が売れなきゃ経営にならない。ともかくエリオットが魔石を作るところから始めないと何も進まない」

コイツもその話かよ。オレはその方法が分からないっつってんのに。

「だからオレは魔力の込め方が分からないんだよ」

「そんなはずないだろ。それとも魔力が込められない理由があるとか?」

「うるせえ!出来ねーもんは出来ねーんだよ。理由なんて知るか」

「ふーん。理由に関する記憶がないのか本当に理由がないのか分からないって事か」

そうだ、とファイローネは何かを思いついた様子で続けた。

「じゃあ身近なもので感覚から掴んでいこう。ついでにエリオットの腕を確かめられるし」




ファイローネに案内されたのは屋内訓練場だった。

フィル王国に訓練場があった事に驚いたが、どうやら大昔のフィル王国建国に至るまでの間に作られたものがそのまま残っていたとの事だった。


「よし、やろうか」

「いやいや、説明しろよ。『やる』って『殺る』って意味か?突然こんなところに連れてこられたオレのデリケートな恐怖心を無視すんな」

「エリオットが常に腰に携えている剣には、魔力のこもったサファイアが施されているのは知っているだろ?それは補助魔法として剣の耐久度を高める効果があり、大きな剣相手でも太刀を受けて耐える事が出来る。反対に小さな剣相手ならば、相手の剣を容易く折る事も出来る」

「ほうほう。つまり補助魔法を使って、お前に切りかかれば良いって事だな?」

「物騒な事の理解は早いんだな」

呆れた顔でオレを見ながら、ファイローネは自身の腰に携えていたレイピアを抜いて構えた。

「とりあえず自分に切りかかってみろ」

え?そんな細い剣で相手するってのか?

オレの剣は両手持ちで、それなりに重さもある。ファイローネのレイピアなんて補助魔法を使わなくても折れそうだ。

それとも、オレなんかに負ける訳がないと最初から思っているのか。

そういう事ならイラっとくるぜ。

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