連絡ないんですか?【3】
慶からのメールを確認した後、私は彼と会った。
そのまま、彼の家に泊まり、現在、朝帰り中だ。
何だか、体がだるい。
事に及んだ件は置いといて、身体的だけでなく、精神的にも疲れがあるのだろう。
正直、仕事に行けそうにないが、今日中に片づける業務があるので休む訳にもいかなかった。
何とか出勤して、今日中に終わらせるべき業務を片づけた。
「あー……もうダメだ」
デスクにうつ伏せ、目を閉じた。
「玲奈ちゃん、今日はもう帰ったら?まだ昼過ぎだし、ゆっくり休んだ方が良いよ」
同僚が心配して声をかけてきた。
いつもの私なら「大丈夫!早く帰ったところで無意味なぼっち時間を過ごすだけ!」と元気溌剌で返答するだろうが、今は声を発する事にも力を使う。
「……そうしようかな」
上司に相談し、今日のノルマは達成しているので帰って良いと、早退の許可が下りた。
自宅に帰り着き、バッグを投げ捨て、そのままベッドにダイブした。
疲れがどっと出てきて、大きなため息をつく。
何をしているんだろう。
多分、慶と会わなければ体調を崩す事はなかった。
慶とは時々会っては、一晩過ごす事しか付き合いがない。
どこかに出掛けるとか、他愛のない会話をするとか。
そういった何気ない事が楽しかったのに。
何で、それが無くなってしまったのだろう。
彼から告白された居酒屋での事をふと思い出し、目を瞑ると当時の光景が鮮明に描かれていた。
いつの間にか眠っていたようで、目を開けると夜になっていた。
今は21時くらいか。夕食を摂ってないけど食欲ないし、もういいや。
風呂に入って、また寝よう。
燕太から、連絡とか入ってないかな。
スマホを見るも、誰からもメールは届いてなかった。
「はは……ダッサ」
いつも燕太が連絡してくれる。燕太は私の事が好きだから、日頃から認識してくれている。
私が寂しい思いをしている時も、連絡をくれる。
なんて自意識過剰なんだろう。
自分から連絡すればいい話なのに。それが出来ない。
連絡した時、タイミングが悪くて相手に迷惑かけたらどうしよう。
連絡が返って来なかったらどうしよう。
相手は自分の事なんて、どうでも良いと思っていたらどうしよう。
私は傷つくのが怖いだけ。
それだったら、何もしない事が一番良い。
相手から連絡が来たら、相手は私の事を良く思っている。
後は、私が返事するのかしないのか、私次第。
相手を傷つけても、私は傷つかない。
慶との関係も、きっとそうだ。
ズルズルと曖昧な関係を続けているのは、私が切り出さないからだ。
『私たち、付き合ってると言えるのかな』
『今の状況、どう思う?』
そう言えばいいのに、私は言わない。
傷つくのが怖いから。
じゃあ、慶がそれを切り出したら?
『もう無理だね』
そう言われたら?
そんな事、考えたくない。




