第8話 確認
予定より少し早めの投稿になりました
村の入口まで来ると、そこは数人の列が出来ていた、俺は列の1番後ろに並ぶと目の前の商人風の男に声をかけた。
「この列ってやっぱり村に入る列ですよね?」
話しかけてはみたがどうにも言葉が通じない、途方に暮れていると商人が何かを唱えると急に言葉が分かるようになった。
「あんた妙な格好してる上に、言葉が違うけど別大陸かどっかから来た旅の人かい?」
急に言葉が理解できるようになった事に戸惑っていると商人はにこやかな顔で色々教えてくれた。
俺は驚きと共に今更ながら自分の?格好を振り返ったそんなにおかしいか?戦う男の正装スーツだぞ?……って周りを見渡すと驚いた事にスーツ姿なんて1人もいない、むしろラフな格好そのものが一般的な様だ。
「驚いたかい?珍しい魔法だろ?こいつは翻訳って言うんだが、皆基本的に生まれた土地で暮らすから普通に生きる分には必要ないんだけど俺は商人だからなぁ、色んな人種と話す為には、必須魔法なのさ……っとやっと俺の番か、俺はここで万事屋をやってるトマスってんだ近くに来たら寄ってけよ!それじゃな」
そう言うと機関車のような勢いで去っていた、余程仕事が忙しいんだろう、いい情報だったがさて困った……俺は翻訳が使えない。
とりあえずゴエティアに相談してみようか。
「おい、ゴエティア、出てこいよ、ちょっと相談したいことがあるんだがって……呼んだら出てくるのか?」
ボヤきながら指輪をノックするとどうやら正解だったんだろう、指輪が人差し指を包み髑髏が周囲を見回した後、こちらを見上げしゃがれた声で安堵をもらしていた。
【ふぅ……あの女神はいねぇか、遅れたのがバレたらどんな説教くらうか分かったもんじゃねぇからな】
「え?あのめっちゃ怖かった奴お前のせいなの?」
【なんの事だ?俺様は知らん、相談があるんだろ?さっさと言え】
こいつ……しらばっくれてやがるが、今は頼る奴がこいつしかいない、これが泣き寝入りって奴か?いや違うか?
「まぁ、それはとりあえずいいよ、それよりノエル様にこの世界を楽しめって言われて路銀も貰ってるんだけどな、言葉通じねぇし、金銭の価値もわからねぇし途方に暮れてんだよ、なんか解決策ないか?」
そう言うとゴエティアはマヌケでも見つけたような顔でポカーンとこちらを見つめる。
【お前……もしかして何も知らないのか?】
「知らないって何がよ」
【お前の端末……まぁ今は俺様だが情報精査したんだが魔法使ってるじゃないか、翻訳は、お前らの使う魔法マルチバイリンガルの劣化版だぞ】
「そーいやそんなのもあったな、だけどここ異世界だろ?使えるの?」
【やってみりゃ分かる、あぁただし起動句なんて不便なもんはいらねぇぞ、感情ののままに使いこなせ、ここには本物の魔力が満ちてるんだからな】
間もなく俺の順番が来る時間もないので言われるままに唱える
「【マルチバイリンガル!】」
耳と口に小さな魔法陣が浮かび上がりそのまま消失した、これは演出こそ派手になっているが、サイバーマジックが発動したのと同じ現象だと認識出来た。
俺の後ろに並んでる人達の話し声もしっかりと日本語で聞こえるようになった。
サイバーマジックの場合は副音声のように聞こえるものが完璧に日本語として聞こえる。
副音声が嫌なものの為に字幕とかも映し出すことも、可能だったのだが、こちらで使うと完全なバイリンガルになるらしい……これは他の魔法も検証する必要があるかもしれない。
「次!お前だ!黒髪の!」
そう考えていると俺が呼ばれた、俺は思考を1度打ち切り門番の元に向かう。
「あ……金の価値わからんままだった……どうしよう」
どうやら検問があるらしい、なるほど何処までも異世界という感じである。
この手の話では手数料とか身分証明書とかが必要だったと思うが……困った、金の価値が分からないのは見てもらって判断してもらうとして、詐欺に合わないかも心配だし、身分証明書がないのは問題だよなぁ……あぁ、本当に困った、俺は既に門番の目の前である、これから始まるであろう質疑応答の結果によって、俺は野宿だそれは是が非でも避けなくては!
営業やクレーム対応で培ったトークスキル……魔法では解決できない問題は全てこいつにかかっていた。
俺は気合いを入れる為にネクタイを締め直した。
作者初投稿作品の為未熟な部分があると思いますが見てくれてありがとうございます。
アドバイスや感想があればお願いします。
次回更新予定 翌日18時~18時30分
しばらく予約以外の投稿を試させて下さい。