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現代魔法と異世界の小さな鍵  作者: ソラオモイ
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第6話 異世界

 声が聞こえる……それはどこか遠く他人事の様に耳から耳へと通り抜けていく。


 ーーい

【ぉぃ】

【おい!いい加減に起きやがれ!】


「う……」

 

 焦ったような声に意識が急激に呼び起こされていく、瞳を開き座るとそこはーー


「……ってどこだここ?」


 そこは流水に囲まれた小島の様な場所で地面に紋様が描かれていることを除けば特徴を見出すことの出来ない不思議な空間だった、いや特徴はあるか、風景は出口へと続く道を除けば真っ白だ上も左右も……とキョロキョロ辺りを見回すと横にまりんが気持ちよさそうに寝ていた。

 とりあえず先程までの危機は去ったようだが……これは別の危機ではないだろうか?


【おい、起きたならそこで寝てる奴もさっさと起こせよ】


チラリと見やると俺の人差し指にはとても厨二心を掴む逸品になったウェアブルデバイスがついていた。


「意識を失う前に見たけどカッコイイデザインになったな、それにしてもお前……普通に喋ってるじゃん」


喋りながらまりんを揺すり起こすと寝ぼけているのかまた抱きついて来たので構わず鼻をつまんでやる。

鼻をさすりながら驚愕の表情で辺りを見回す。


「……ここ……どこ?はっ!?まさかソウくんこんな人気のない所に連れてきて私を……」


それ以上は言わせまいとしてチョップをかます。


【よしよし、2人とも起きたな?説明を2度するのも面倒だからな】


 ……あうち、耳をひっぱられて耳打ちをされる


「あんた、これなんなのよ?」

「この状況下で俺に聞くか?なんか説明してくれるらしいし、それを聞くしかないだろ?」


 そう言うとじっと自分の手元ーーアーマーリングを見つめる。


【いいかよく聞け、俺の名前はゴエティアだ察する通り普通のグリモアではないが……まぁそんな事は今はどうでもいい、ここはお前らの言う異世界だ、それも神大陸アレオだ、と言ってもこの世界でこの大陸の実在を知ってる奴はほとんどいないがな、ってことで、ここには神がいる、ほれ、とっと立って出口を出ろ、テッペンまで行ったら、それらしいドアがあるからその中に行け、女神ーーノエル様が居るからノエル様から話を聞け、相手は神だからな、粗相のないようにしろよ!……俺はさっきの転移で限界だから、しばらくこの姿にはなれないからな、絶対だぞ】


 そう言うとゴエティアは黙りを決め込んで、元の指輪へと戻ってしまった。

 そう言われてもこの世界の礼儀なんて知らねぇよ……脅されながらも俺たちは外へ出るとすぐに上に向かう道を発見できた、どうやら一本道らしい。

 階段を上る途中に外を見れる窓があったので覗いて見たが視線の先には眼下に雲が見え周囲にはどう取り繕ってもドラゴンとしか言えないような存在も飛んでいる、どうやらここは本当に異世界らしい。

戸惑いに不安が重なり沈黙の中階段を登り続けるとやがて厳かな雰囲気の扉の前に来た、今まで扉なんかなかったから恐らくここが目的の場所なんだろうか?


そこには灰色の髪に少しツリ目の碧眼……腰まである長い髪の美しいまさに女神と言える人物が、何故かこんな高さに生えている巨大な木の横に据えられているベンチへ腰掛け目を伏し目がちにしていた、まるで清楚なお嬢様のようですらある。

 この人物こそ女神ノエル様なのだろう、こちらに気づくと顔をあけて、こちらを睨みつけるとこう言った。


「ーー遅い」


 その一言にどれだけの想いが込められていたのか、殺気に似たそれを受けた俺たちは空間そのものが凍てついたかのように立ちすくんでしまった。


■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪


side ノエル


 私は神だ……正確にはその権限を移譲されたにすぎないが、その地位を任されて約300年程だろうか?


 今この世界では様々な異常が起きつつある、困った事に原因は魔王と勇者の戦いだ、結果として2人は消滅し名残として世界に亀裂が入ってしまい、あの世界と繋がってしまった……あの世界の上層部は保身と利益に走るヤツばかりなのよね……

 しょうがない全権代理人を立てるしかないか……

 希望と共に能力のある者へ向けてコードを飛ばす。


 なぜ喋らないのかって?この場所には私しかいないし?……神都もあるけど崇められすぎて会話も成立しないし?はぁ……


 あれ?この波動は……まさか!?転移?それにこの感覚はあの世界からここへ?という事は……適合者がいたのね!


あぁ、どうしましょう!久しぶりの人間!それもあそこからだなんて!話題は通じるかしら?

 ああぁ、いけない、早く準備して神聖樹に居ないといけないわ


 神様らしく1枚布で出来た服にピンを止めて雰囲気を出す。


さぁ、転送も終わった頃だし、そろそろ来るかしら?


 ーーあれ?まだこないの?そろそろ来てもいいんじゃない?私は準備万端よ!


 ーーえ?私の勘違い?いやいや、ちゃんと転移陣に痕跡があったわ、きっと今向かってる頃ね


 ーー迷子かしら?私から迎えに行った方がいいかしら?でもそれだと神としての尊厳が……悶々としながら女神は会合の時を待ち続けた。


 彼らが来るのはまだ暫く先の話……何故なら2人共まだ気を失っているからである。

 ノエルを待たせすぎた事にゴエティアが危機感を覚えるまで実はもう暫くかかる、契約できた喜びで()は舞い上がっていたからである。

作者初投稿作品の為未熟な部分があると思いますが見てくれてありがとうございます。

アドバイスや感想があればお願いします。

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