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レアメダルは突然に

ドカァァァン  ドカァァァン


「ねぇシュウ。さっきからうるさくて全然寝られな~い。」

「仕方ないだろ、魔物がひっきりなしに出てくるんだから。てか寝ようとするな。」

「だって、シュウの背中暖かくて気持ちいいんだもん、はふぅぅ。」


乗る分にはいいし、スリスリする分にもまだいい。でも寝るのはどうかと思うぞ。落ちたらどうする・・・。


「あぁー!なんなんだよこの魔物の量!ポイントは貯まるけどろくにドロップも魔石も回収できないじゃないか!」


敵自体はランクCぐらいなので特に強いわけではない。ただ、数が多すぎるんだよ!

それからも魔物はひっきりなしに出てくる。ポイントも貯まる貯まる。嬉しいやら悲しいやら。


「終わりそうにな・・・。あ、あれ!シュウ見て!あそこから開けてるよ!」

「ほ、ほんとだな!何かあるかも知れない。行くぞ。」


開けている場所に向かう。あと少し、というところで魔物が行く手を塞ぐように出てくる。


「っ!《閃光弾》!」


カッ!


「「「「グゥォォ!」」」」


魔物の目を潰した。これもパーティーダメージOFFが作動するらしく、自分とナナには効かない。


「《手榴弾Ⅱ》!」


ズガガァァン!


念のためⅡを使う。魔物は・・・跡形もなく消し飛んだ。

そんなことを気にする暇もなく走って先に進む。そこだけは木が生えておらず、日が当たっていた。


「何となく薬草の群生地帯に似ているな。」

「そうだね、それに急に魔物が襲ってこなくなったよ。回りに気配はするんだけど。」


そういや襲ってこないな。さっきまでとはうってかわって見つけているのに襲ってこないのはおかしい。まさか、


「・・・なにかがこの先にある、って考えるべきか。」

「そうだと思うよ。だって、ほらあれ。」


他のことに気をとられて気づいてなかったが、何か半分にしたドームのような石造りの建物があった。苔むしているところからしてなかなか古い物だな。


「これが、魔物が隠そうとしていたもの?」

「隠すというよりは、たどり着くまでの試練って感じだと思う。隠すんだったら急に襲わなくなったりしないだろうし。」


それもそうだな。てことは、なかなかヤバイものがあるってわけか?


「と、とりあえずいってみるか。調査だしな。」

「うん。シュウとなら怖くない。」


そうか・・・。正直俺は少し怖いぞ。だってヤバそうじゃん。てことはヤバイものいそうじゃん。


「とにかく行こ!」

「あ、あぁ!」


石造り半ドームに近づくと、扉がついていてちゃんと中に入れるみたいだ。


ゴゴゴゴッ


「真っ暗だな、当たり前だけど。」

「ランプつけるね。」


ナナがランプをつける。これも魔道具の一つで魔力を使って明かりを灯す道具だ。


コツ、コツ、コツ、コツ


石畳に当たる靴の音がやけに響く。これ、ときどき階段があるところからして地下に潜ってるよな。


「これ、なんだと思う?」

「ダンジョン・・・ではないね。こんなに人工っぽくないはずだから。」


ダンジョン、魔力の歪みと呼ばれる魔力のたまり場に自然発生するものだ。ランクの高い魔物や、珍しい鉱石、希にダンジョンボスがスポーンして、それからは魔剣などの強力な武器がドロップする。


「となると、遺跡かな。」

「遺跡?」

「うん。過去の人物が自分の財産とかを隠している場所でね、今とは違う技術を使ってるものも多くて貴重なんだ。」


それってなかなかな大発見じゃね?


「それって大発見だよな。」

「うん。普通に考えても国から直々になにかがあるだろうね。」

「おぉぅ。そりゃすごい。もしかしたらナナが一生楽して暮らせるぐらいのお金がもらえるかもな。」

「なに親孝行する子供みたいなこと言ってるの。それに、私はシュウがいないとダメだからね。」

「あ、あぁ。そうなのね・・・。」


俺のこと、なんだと思ってるんだろな。


「それより、あれ。なんか扉があるし、先に部屋か何かありそうだね。」

「あからさまにそんな感じだよな。」


《お宝の前の部屋》


うわぁ~。嫌なやつだな。これ作ったやつわかっててやっただろ。

何かありますよ~。ってゆってるようなもんだからな。


「と、とにかく入るか。」

「わかった。」


扉を開いて中に入る。中には、なにもない部屋だった。


「なんにもないね。」

「・・・嫌な予感しかしないのは俺だけだろうか。」

「大丈夫、私も嫌な予感がす・・・。」


カサカサッ


ん、なんか音したよな・・・。


カサカサカサッ


「ほら、なんか音したよな!」

「う、うん。それに、私この音に聞き覚えあるんだよね。」

「俺もだ。」


この音、俺のいたもとの世界のある生物に似てる。でもこの世界にいるわけ、いやタヌキとかもいたんだ。いてもおかしくな・・・。


カサカサカサ   カサカサ

  カサカサカサカサ  カサカサカサカサカサ


ん?これっていっぱいいるよな。そりゃそうだよな。一匹いたら30匹いると思えでお馴染みの、主婦の敵、いや人類の敵だ。やつだ、Gだ。


カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ


「ねぇシュウぅ。私死のうかなぁぁ。」

「ま、まて、俺がちゃんと駆除してやるから、な。」


カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ‼


「「ぎゃぁぁ!来たぁ!」」


そう、やつが現れた。それもざっと500匹。


「《手榴弾Ⅱ》《手榴弾Ⅱ》《手榴弾Ⅱ》!!キリがないぃ!」

「もう無理、さよなら。」

「ま、まて!ナナ!」


どうするどうするどうするどうする!

急いでメダル購入画面を読んでいく。これでもない、それでもない、あれでもないぃ!

あ、あったぁ!


「こ、これだぁ!《発煙弾・毒》!」


毒効果をもったデバフ魔法系発煙弾だ。レアメダルだったがこの際それは関係ない!すぐに地面に投げつける。


プシュー。


部屋の隅々に煙が行き渡ると、カサカサと嫌な音をたてていたやつらは動きをとめ、魔石とドロップに変わった。やつらは魔物だったのか。まぁ回収はしたくないが。


「はぁ、はぁ、ナナ。もう大丈夫だ。ほら、よしよし。」

「うぅぅ。怖かったよぉ。気持ち悪かったよぉ。」


大丈夫だ、俺もそう思うから。

それからしばらくナナを抱きしめて互いに慰め合い、そして落ち着いた。


「ねぇシュウ。さっきのなんだったの?」

「あぁ、あれは発煙弾シリーズの一つで、《発煙弾・毒》だ。黒魔法にある毒の効果を持った煙を出すレアメダルだ。これもシリーズを揃えて統一できるタイプのやつみたいだな。」

「そっか、レアメダル買ったんだね。ごめんね。」


自分が怖がるせいでやむなく買ったのだと思ってるのか。


「なに謝ってるんだ。俺が必要だと思ったから買ったわけだし、それにナナが悲しんだり怖がる顔は見たくないからな。」

「うぅぅ。シュウぅぅ~。シッポォ。」

「はいはい。」

「はぅぅ~。」


よし、嬉しそうな顔になった。


「やっぱりナナは笑ってるほうがかわいいな。」

「シュウぅ。しゅきぃ。結婚しよ。」

「し・な・い。変にからかうな。」


たまにこうゆうからかい方をするから困る。まぁシッポとか触ってしまってる時点で結婚してもしてなくてもかわらない気もせんではないが。


「とにかく、先に進もうか。」

「うん!むふぅ」

「こら、あんまりくっつくと歩きにくいだろ。」

「だめ・・・なの?」

「うっ、い、いいよ別に。」

「やったぁ。」


うん。仕方ない。これは仕方ないんだ。

やつらが大量発生した部屋の先には今度は木の扉があった。因みにあのGのような魔物は《ゴキャル》というらしく、群れで襲ってきて腐蝕液を飛ばしてくるBランク魔物らしい。・・・何となく名前も似てる気がする。


「次の部屋ってやっぱりお宝だよね!」

「たぶんな。だってほら」


《大事なもの置いとく部屋》


・・・この遺跡作ったやつバカなのか?それともこれはわざとなのか?

とにかく次の部屋に何かあることは確実だろう。


「開けるぞ。」

「失礼しま~す。」


キィィ。


開けた先には、金銀財宝が!なんてことはなく、


ひとつの石碑があった。

やっとレアメダルのひとつ目出ました!効果付発煙弾というアイデアをいただいたのでさっそく実行させていただきました。その他にも色々アイデアがあれば教えてください。


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