倉庫!?
2020年、明けましておめでとうございます!
今年も、私(sinθ)の作品を、どうぞよろしくお願いいたします。
周囲の冒険者から送られる『⋅⋅⋅⋅⋅⋅えっ!?』という視線を背中に受けつつも、コラルドさんをについてギルドの奥へと向かっていた。
「ここも久しぶりだね~。」
「そうだな。前はコラルドさんから王都に行く話を聞いたんだったな。」
「うん。第12部分のところだね。」
「え?12がどうしたって⋅⋅⋅⋅⋅⋅?」
そんなことを話していると、暫くしてギルド内の練習場近くまで来る。
窓から差し込む夕日が、少し削れた練習用ミスリル人形を赤く照らしている。
練習場といえば、俺の《グレネード》の記録を取ったり⋅⋅⋅⋅⋅⋅あと、『第1回ポイント総清算会』もここでやったんだっけな。
⋅⋅⋅⋅⋅⋅こないだのスタンピードでポイントも貯まったし、今度は第2回でもするかな。
「シュウ?」
ナナの呼び掛けで、コラルドさんとナナが止まったのに気づく。
考え事をしているうちに俯き気味になっていた頭を徐に上げると、二人の向く方向には石壁にポツンとある古びた木戸があった。
それも、練習場のほぼ向かいである。
「倉庫⋅⋅⋅⋅⋅⋅か?」
「まぁ、間違いではないな。」
「なんで倉庫の前で止まるの?」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅ここが、ブレーキの部屋だ。」
「「えぇ!?」」
いや、どう見ても倉庫にしか⋅⋅⋅⋅⋅⋅というか事実倉庫なんだよな!?
どうゆうことなのか分からず、困惑しているところに突然木戸が開く。
ギギィィィ⋅⋅⋅⋅⋅⋅
「この扉も面倒っすねぇ。いっそ爆破してもいいっすかね⋅⋅⋅⋅⋅⋅ん?おぉ!シュウくんにナナさんじゃないっすか!」
「朝ぶりだな。」
「ブレーキさん。ここに住むの?」
気になっていたことをナナが先に聞いてくれる。
ナナの目がキラキラと光っているのは何故だろうか。
「そうっすよ。」
「でも、元々倉庫なんじゃ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「いいなぁ~!秘密基地みたいで格好いい!」
俺が質問しようとすると、それを遮ってナナが話しだしてしまう。
あー、目がキラキラしていたのはそうゆう理由なのね。
「お、この良さが分かるっすか!見た目より利便性。」
「ちょっとごちゃっとしているところが、自分だけの空間って感じがして、」
「「格好いい!」」
二人が共通のセンスの話に花を咲かせているが、俺とコラルドさんには残念ながら理解できない物のようだ。
このままだと話が始まらないと感じたのか、未だに俺たちの分からないことを話している二人にコラルドさんが口を挟む。
「ブレーキ⋅⋅⋅⋅⋅⋅そろそろいいか?」
「あ、そうっすね。それで、なんの用件っすか?」
「シュウくんから話があるらしい。」
「そうなんっすか?」
「まぁ話と言うよりはどこに住むのか確認に来たって訳なんだが⋅⋅⋅⋅⋅⋅何があったんだ?」
勿論、倉庫のことである。
俺はギルド内の借宿を使うと聞いていたのだが、どうゆう経緯があって倉庫に住むことになったのか。
「普通に格好いいじゃないっすか。」
「それだけか!」
「って言うのが5割っすね。」
まあまあ高いな、5割って。
ということは他の理由もあるんだよな。
「他の理由は?」
「すぐ近くに練習場があるからっすよ。」
「「「練習場?」」」
これはコラルドさんも聞いていなかったらしい。三人して聞き返す。
「練習場っすよ。あっしはまだ自分のスキルに満足してないっすから。毎日新しい応用法とかの練習をしたいんっすよ。ギルドの借宿はここから少し遠いっすからね~。思い立ったときにすぐ練習できるここのほうがいいんっすよ。」
とのことらしい。
良かった、全うな理由があって。心なしかコラルドさんもほっとした顔になっている。
「でも、倉庫なんだったら中に色々物があったんだよね。どうするの?」
いつの間にか俺の横という定位置に戻ってきていたナナがそう問いかける。ちゃっかり腕も組んでいる。
さっき人が多くなってきたから止めたのに⋅⋅⋅⋅⋅⋅可愛いやつめ!
「え?ほとんど何もなかったっすよ?」
「そうなのか?」
「あぁ、他にも倉庫はいくつかあってな。今はそっちだけで事足りているから、ここには何もいれてなかったんだ。」
だから何もなかったって訳か。元々は練習場用の物でも入れてたんだろうな。
「というわけで、使われなくなった倉庫をあっし好みの部屋に大改造しようってわけっす。まだ終わってないっすから、また今度来たときに見せるっすよ。」
「そうか。あまり話してても邪魔になるし、今日は帰ってまた暫くしてから来るか。」
「分かったっす。」
「はーい。」
ブレーキさんも忙しいだろうということで、俺たちはあまり長居せず受付の方まで帰ってきた。
ふと見ると外はすっかり暗くなっており、さっきの冒険者たちも帰ったのだろう、変な目で見られることもなかった。
「じゃあ、俺たちはこの辺で」
「分かった。今度君たちが来たときはちゃんと私のところまで連絡が来るように受け付けに言っておく。」
「助かる。じゃあ、またな。」
「またね~。」
そして、俺たちはギルドを後にして久しぶりの帰路に着くのであった。
遅くなりました。すいません。
ここ最近は特に大きな意味のない、まぁ新しいメインメンバーたちの設定(住居など)を確定するための回です。これと王都のパーティーで作った伏線を回収したら、ドラゴン(?)へと向かいます。
次話
マリアさんの住居関連のところまで書くつもりです。
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