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ナナの町

町に着いた。

それなりに大きいみたいだな。基本どの家も木造で町の回りも柵で囲まれている。今は昼なので、人もまあまあ多く、どの店も繁盛しているようだ。

しばらくすると、ナナが立ち止まった。


「ここが私の家。ちょっとボロいけど、ちゃんと住めるから大丈夫。」


木造一階建て。築30年といったところか。少し木が黒くなっているが、それはそれで味があって俺の好きなタイプだ。


「お邪魔します。」

「はい、いらっしゃい。」


中は・・・すごいな。ちゃんと掃除も行き届いてて、なんか老舗旅館って感じだな。


「すごいな。めっちゃきれいにしてある。」

「そう?ありがと。私、家事は得意なんだ!」


ほんと泊まらせてもらうのは悪いな。まぁお言葉に思いっきり甘えさせていただこう。


「あ、帰ってきてすぐで悪いんだけど、採ってきた薬草を売るついでに色々と買い物に行きたいんだけど、いい?」

「あぁ。分かった。どこに向かうんだ?」

「ギルドに行って買い取ってもらうの。」


ギルドか。冒険者と商人の二つがあって登録することで優遇してもらえるところがあったりするわけだ。


「そういやシュウってCランクの魔物も一瞬で仕留めてたし、冒険者になったらどう?」

「冒険者か。やってみるかな。」


冒険者!異世界転移の王道って感じだな。金も集めないといけないし、なってみるか。


「じゃあギルドに行くからついてきてね。」

「分かった。」


それからナナの家を出て、また町の中心の方へ歩いていく。

相変わらず人も多く、店の呼び込みの声なども聞こえてくる。

しばらくして一際大きな建物が見えてきた。


「あれがギルドか?」

「うん。あれがギルド。この辺りの冒険者も商人もまとめて管理してる場所だよ。」


まぁそれっぽいマークもついてるしな。買い取りはその横でやってるのか。

書い取り用の建物にはいると、


「いらっしゃい。あ、ナナちゃん!今日も薬草かい?」


フレンドリーに話しかけてきたのは買い取り受付係のおばさんだった。年は40代といったところで、明るくて気の良さそうな人だ。


「うん!今日も薬草採ってきたよ!」

「いつもありがとうね。ん?その人は・・・彼氏かい?」


あ、俺のことか。


「初めまして、俺はシュウです。」

「私が薬草を採ってるときに魔物に襲われて、そのときに助けてくれたの。」

「そうだったの。彼氏じゃなかったのね。」

「うん、まだ違うよ。」


ん?なんか変な気もするけど、いいか。


「はは!じゃあ薬草売ってくれるかね。」

「分かった。えーっと、今日はこんな感じかな。」

「おぉ、どれもいい薬草だね。えっと、1・2・3・・・。全部で13本だね。全部で3469ミルだから、3500ミルにまけとくね。」

「いつもありがと!」

「あ、そういやさっき魔物がどうって言ってたけど、ドロップと魔石はとったのかい?」


ん?あ、あぁ、あれか。


「持ってるぞ。」

「買い取りしようか?」

「できるのか。なら頼む。これと、これだな。」

「これは、パワードボアの毛皮と魔石Cか。突進が厄介でダメージも通りにくい面倒な魔物なんだけどね。」

「シュウは一瞬で倒してましたよ。」

「そ、そうか。兄ちゃんなかなかの手慣れなんだね。」


これ初戦だったんだ、ってのは黙っとこ。


「じゃあ毛皮と魔石で6800ミルだね。ほら、どうぞ。」

「私の稼ぎより多いじゃん。」


なんかすまないな。


「Cランクを簡単に倒すってことは兄ちゃんは冒険者なのかい?」

「いや、今日登録する予定だ。」

「なら、隣の冒険者ギルドのところだね。私はキャシー。買い取りならいつでもうちに来な!」

「ありがとう。じゃあいってくるよ。」

「ありがとねキャシーさん。」

「こちらこそありがとね。」


買い取りを終えて次は冒険者ギルドに向かう。冒険者ってなんか荒々しいイメージなんだが、どうなんだろうか。


カランカラン


「ん?よぉナナ。久しぶりだな。」

「あ、久しぶり。テッドさん。」


「久しぶりだな、ナナ。また薬草とってるか?」

「リドさん。さっきも薬草とってきたんだ。」


「ナナちゃん!今日も可愛いね。」

「ありがと。サーナさん。サーナさんも可愛いよ。」

「ほんと!ありがとぉ!」


・・・めっちゃ優しいじゃん。てかナナ、めっちゃ有名人?


「そういやナナちゃん。その男の子だれ?」


さっきのサーナさんって人だ。俺、男の子って年じゃないんだが。


「あ、この人はシュウ。」

「彼氏?」

「まだ違うよ~!」


ん?また何か違和感が・・・。


「ふぅ~ん」

「私が薬草採ってるときにパワードボアに襲われて、そこを助けてくれたんだ。で、色々理由があってうちに泊まってもらうことになってるの。」

「そうなんだぁ。じゃあナナ、頑張ってね!」

「う、うん!頑張る!」


何を頑張るんだ?まぁ二人しか知らないようなことでもあるのかな。


「で、シュウくんは冒険者?」

「いや、今から登録する。」

「そうなのね。なら頑張ってね!ていってもCランクの魔物を倒せるなら全然大丈夫だろうけど。私Bランクだけど、それより強くなるかもね!」

「頑張ります。」


やっぱりいい人ばっかりだな。想像を裏切ってくれたな。いい意味で。


「早く登録しに行こ!」

「そうだな。」


受付に向かうと、そこには年齢や背丈はナナと同じぐらい、明るめの水色で肩下ぐらいまで伸ばした髪が映える少女がいた。


「ナナ!久しぶり。」

「久しぶり!ミイ、大変だねぇ。」

「全然、冒険者のみんなは優しいから。」


受付の人とも仲良いんだな。親友って感じか。


「で、今日は何の用事?」

「えっと、冒険者登録にきたの。」

「え!ナナ冒険者になるの!」

「あ、違う違う。シュウの冒険者登録。」

「シュウ?」

「うん。この人。私の命の恩人。」

「彼氏?」

「ち、違うよぉ~。まだね。」


また来た、この違和感。ん~。わからん!この、喉までは来てる感じがイライラする。


「で、冒険者登録ですね。まずデータをとるので、このボードに血を垂らしてくれますか?」


と言いながら細い針を渡された。おぉ、ラノベの異世界ものとかによくあるタイプ。言われたとおり針で血を垂らす。すると、ボードに文字が浮かび上がる。


═══════════════

シュウ 20歳

冒険者 Fランク

スキル《グレネード》

═══════════════


「グレネード?聞いたことないスキルですね。」

「シュウ。それってあの煙が出たり爆発したりするやつ?」

「あ、あぁ。それだ。」

「すいません。奥に練習場があるので、そこで見せてもらえますか?初めてのスキルはデータをとる必要があるので。」

「あ、はい。わかった。」


俺とナナはミイについて奥に入っていった。

グレネード(投げもの)の種類をあまり知らないので、教えてくれたら幸いです

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