23.誇り高き者
ログイン19日目。
私はジークさんとリーズ村を訪れていた。昨日、持ち帰った情報をジークさんに……ただ正直に話した。
多分、誤魔化したり曖昧に知らせてはいけないと思ったからだ。そして、杖を見せれば……
「あい、わかった。儂もケイに同行させてもらおう。その放置された鉱脈はハイルの性格を考えれば行ったと思う。しかし、なぜ何度も行こうと思ったかがわからぬ……その杖、ハイルの作品で間違いがないだろう。アイツは少し変わった作品を作るのが好きでなぁ。妙な発想といっていいのか、懐かしいの」
昨日、酒場で交わされた言葉。里に帰る前にこの街に立ち寄っていたこと。放置された炭鉱、ハイルさんと思わしき人がその場所に赴いていること。アンデッドの討伐依頼が出ていることを話した。
全部聞き終えたジークさんは、全て受け止めるように頷き、そして真摯な表情で、同行すると私に告げた。老いてもドワーフであると。
彼らは大地に属する者として、大地を守る為には戦うことも厭わない一族なのだ。何かあれば、ケイを守ろうと言うジークさん……惚れてしまいそうになるわ。そして、二人でリーズ村を目指すことになった。
リーズ村に到着したのは昼下がり。道中は素朴な口調ながら、ジークさんがドワーフ族の事を色々話してくれた。家族の事、主に弟の事が多いのは仕方がないのだろう。歌や文化だったり長年生きているだけあって話題が豊富だった。
リーズ村の村人は、祭りに来た詩人としてよく覚えていてくれた。もしかすると、あの称号の効果もあるかもしれない。
リーズ村での出来事は、向かう途中で話していた。魔物の異常発生にジークさんは、何か思う事があったみたいで、難しい顔をしていたわ。行きかう村人と挨拶を交わしながら……依頼を出している村長の家へと向かう。村長は50代半ばのがっしりとした体つきの男性だ。2、3年前から父親の跡を継いでいるという。
「こんにちは。先日はありがとうございました。突然の訪問を申し訳ありません」
「おお、ケイさん! いやこちらこそ……助かりましたから。あれから、冒険者達が時折訪れることが多くなりまして、村が少し賑やかになってきました。今日はどのような理由で?」
「実は……依頼というわけではないのですが」
冒険者ギルドの依頼の件を含め、放置された鉱脈の件を告げれば、村長の顔はだんだん厳しいものになってくる。ジークさんは、ドワーフ族だと目立つということでフードを被ったままだ。
「なるほど……確かに5年程前に、この先山肌に近い場所で鉱脈が見つかったと。当時、調査隊や我先に探り当てようという採掘者で賑やかだったので、よく覚えています。ただ、埋蔵量が少ないとか魔物の数が多いとかで、放置されるようになってしまったと。理由は定かではありません。鉱脈の近くに、調査隊用の小屋が……今は朽ちているかもしれませんが、あるので場所はわかるでしょう。また、そのアンデットですが……その近くなのです。夜になると、亡霊が出ると……」
「亡霊……」
ジークさんが、ぽつりと呟いた。私も思わず一つの可能性を、考えてしまって息を飲む。
「ええ、放置された鉱脈と言え、資源をあわよくばと狙ってくる者達がいるのです。リーズ村はその場所から近いので、よく拠点にされていました。しかし、帰ってきた者達は、亡霊がと、言うのです。ただ、襲ってくるわけでもないが、出現すると――そんな話を聞いた村の子供たちが、興味半分で近づいたこともありまして。冒険者ギルドへ、どうにかならないかと依頼を出しましたが……」
村長は語り終える。直接的な害はないが、村の近くに亡霊がと。少し困ったように告げて。もし、行くならば気を付けるようにと……
不死生物には色々種類がある。基本は命の定義から離れた存在だ。精霊とも魔物とも違う存在という。死んでも何らかの理由でなってしまったもの。意思で留まっているもの。禁断の術と呼ばれる技能で、支配されているもの。色々理由がある存在だ。
「長どの……その亡霊の、姿はわかるかのう?」
黙していたジークさんが低い声色、まるで何かを抑えるような声で尋ねる。ジークさん?! 私は思わず、彼を振り向いてしまう。まだ、実際に直接見るまでは――……
「それがこの地には珍しい……背の低い老いた男。ドワーフではないかと……」
珍しくと困惑した村長の声が、ただ室内に響いた。
ジークさんはまるで石像になったように動かない。深い呼気と共にしわがれた声が響く。
「ケイ、付き合ってくれ」
決意を込めた声に私は、ただ深く頷いた。何故、どうして? 胸から溢れそうな哀しみに、感情を歌う詩人としても言葉が出なかった。
夜の闇の中に、焚火の明かりが森を小さく照らしていた。
あれから言葉少なく、私はジークさんと村長から貸して貰った地図を頼りに、放置された鉱脈へと辿り着いた。
<気配察知>をフル活用し、新しく習得しておいた<隠行>で敵性生物から身を隠す。藪の険しい道でも踏破しやすくなる「歩行性能」の称号をありがたく思ったわ。
目安とされた時間より早く着いたが、すっかり日は落ちてしまっている。
<夜目>の技能を取っておいて良かったと思う。ジークさんは大地に近い場所に住む種族として、夜目が利くという。先祖は薄暗い洞窟にすんでいた為と教えてくれた。
放置された鉱脈はすぐわかった。森林から岩肌が境になる地形の一角に、採掘跡をジークさんが見つけたのだ。その周辺の森は木々が伐採され、粗末な丸太の小屋が幾つかある。どれも朽ちて崩れ落ちそうな有様だ。採掘した鉱石を運ぶ荷台が、採掘場へと続く荒い石畳へ置かれたままになっていた。
「ジークさん……これを」
<野営>技能を持っていると、技能レベルによって即席のセーブエリアになる。魔物に襲われる事がなくなるのだ。しかし、レベルが低いので、自分を中心に数mしか有効にならないだろう。その中に入るようにツエルトを張り、焚火を設置する。ブラッククックの燻製を軽く炙った物と紅茶を沸かして、ジークさんに渡した。暖かい飲み物は心を落ち着かせると思うわ。
「すまぬ。すまぬな……ケイ。こんな所まで……つきあわせてしまって」
「いえ、私の意思ですから」
「そうか……亡霊はハイルだと思うか?」
ジークさんは暖かい紅茶を飲むと落ち着いた声色で、初めてその言葉を口にする。
じっと、その双眸が私を映している。私は肯定も否定もできない。けど口を閉ざしたくはない。
「真実は見ないとわかりません」
「そうか、のぅ……先に渡しておくか。ちょいとな、お礼に後で渡そうと思っていたんだが、なに。先でもいいだろう」
思わず首を傾げれば、ジークさんが背へ担いでいた大きな背嚢から取り出すは楽器だった。
これは――息を飲む。
「リュート……」
「ああ、そのありきたりに作られたリュートは、少々お主の腕にあっておらぬ。これを使って欲しい」
差し出されたリュートは美しかった。形や大きさは今の使っている物と変わらないけれども、飴色の美しい木製の胴体に、優美な曲線を描くネック。弦を張る中央には精密な透かし彫りがされている。その模様の美しさといったら、今の汎用でおざなりに彫られているものと違うのは一目でわかる。
「<鑑定>してよい。お主の歌声に合うように造ってみた。まあ、街の生産ギルドの施設をちょいと使わせてもらってな。妥協はしたが手は抜いておらぬ。ほれ」
「ありがとう……ございます……」
「もしな、ハイルと会えたら……一緒に聞きたいと思ってな……」
ジークさん……受け取ってボディを抱えればしっくりと腕に馴染んだ。促されるままに<鑑定>をしよう。
[ジークのリュート]ブナの木材を用いられ作成されている。ドワーフの職人により精密に作成され、繊細な彫りが入れられ、工芸品としても評価が高い。<演奏技能補正>/品質 A/製作者 ジーク ]
素晴らしい楽器だわ。性能とかよりもジークさんが、私の為に作ってくれた事が嬉しいのだ。思わずちょっと涙腺が緩くなりそうで、困ってしまう。この楽器に合う詩人になれればよいのだけれども……
そんな私の様子を見て、ジークさんの髭に埋もれた唇がちょっと笑った気がしたわ。私は楽器を抱きしめた。
やがて――獣の声も潜む闇。時刻を見る、この時刻になれば、それは―――現れる。
「ケイ」
ジークさんが名前を呼ぶ。焚火の傍から腰を上げる。その視線の先には――採掘の搬送路だった石畳の上に揺れるモノ。いつの間にか、まるで霧が滲むようにそれは姿を現した。思わず目を見張る。
あれが亡霊……リアルでは心霊とかよく騒がれるけれど、そんな物ではない。
薄い霧のような集合体が、おぼろな輪郭を持ち合わせ、宙を漂うように浮いている。
「ハイル」
ジークさんの声が響く。淡々とした声色。その両腕は既に斧を持っている。ドワーフ族が精魂詰めて作った力ある武器だ。私はなすすべもなく亡霊を見る。霧が徐々に、立体感を持った姿を取っていく。
背の低いどっしりとした肩。背景が透ける顔と身体、下半身は溶けるようになくなっていて、見ることはできない。その顔は……ジークさんに似ている。ジークさんの呼びかける声。
ふと、奇妙な物を見つけた。亡霊の首元に赤い珠の首飾りが下げられている。それだけが、不透明な霧みたいではなく実体を持っている。強烈な違和感。まるで亡霊の、言葉は変だけれども命みたいな感じだ。
その珠を見て、やはりと、ジークさんは零した。
私の視線もその珠に引き寄せられる。実体を持っているからではなくて……ある存在感を、あの珠から感じるのだ。それは精霊の存在。何故? 何故? 私は混乱してしまった。
「ハイル」
「オオオオ……コノチ、ヲ、ォォサレ…サレ……」
亡霊から、掠れた奇妙な響きを持つ、音のような言葉が周囲に響く。まるで追い払うように、その手に持った不透明な斧を払う動き。それは何度も繰り返される。
「サレ、サレ――コノチ、カラ、サレェエエエエエ!!」
背中がぞくりと暑くもないのに汗が流れる。ジークさんはどっしりと構えたまま、亡霊へと近寄っていく。繰り返される亡霊の機械音のような声。
その言葉の意味は何? まるで鉱脈に近づけさせないように斧を振って――……ジークさんも、気づいたようだが距離を詰めていく。亡霊の動きが激しくなる。
そして、ついにジークさんへ、斧を振り上げて――!!
「ハイル、どうした? お前は理由なく、こんなことをする者ではなかっただろう? 兄に話してみぬか」
「サレサレサレェ――……!!」
冷静にジークさんは構えた斧で、斧を受け止める。ドワーフ族の作り上げた武器は、存在しないものすらも斬るという。狂ったように暴れる亡霊。二人の老ドワーフが武器を交差する姿をただただ、見ることしかできない。ふと気づく腕の中の存在。
「ジークさん……ハイルさん……」
仲の良かった兄弟。何故、今のような景色が繰り広げられているのか。
亡霊の崩れそうな動きに、ジークさんは反撃をすることはない。ただただ、弟さんに出会えた事を感じるように受け止める姿。
気づくと――頬が濡れていた。泣いていた。ゲームの中でも泣けるの? 何もできなくて、言葉が出てこなくて……哀しいのに切ないのに、ジークさんの思いはどうやったら、届くのだろうか?
ふと、指が動く。ジークさんから受け取ったリュートの弦を弾く。彼は弟と聞きたかったと……澄んだ高い音が、まるでジークさんの誇りのように聞こえて……奏でるはドワーフ語の歌だ。
ジークさんが好きと言った曲。ジークさんが少し驚いたように視線を向ける。一瞬、ハイルさんの斧と受け止めそこねてバランスを崩す。その姿のまま、優しく語りかけた。……親愛なる者へ。
「グッ!! ハイルよ……懐かしいな、母が良く歌っていた曲ぞ」
「ゥオオオオ……オ、サ、レ…ォォ……オオオッ!!」
涙にぬれた声でごめんなさい。けれど、歌いたかった。恥ずかしくも感情で乱れた歌声を響かせる。歌うはドワーフの子守歌。酒場でも歌った曲だ。ドワーフに伝わる親から子へ、子が親になればまた子に、親愛を持って歌われ続ける曲……ねえ、ハイルさん。ジークさんの声が、聞こえる?
「懐かしいなぁ、幼き日に母に歌って貰ったのを、覚えとるか? 妹もお前の帰りを待っておった。何が起きたのか、兄にその声を聞かせぬか?」
「ォオオオ……アニ、アニ……あに、き……ははう……え……う、た……」
金属音じみた声が、僅かに温かみを孕んだ。亡霊……ハイルさんは、大きくのけ反るように身体を反らせば、何かに抗うように身を捩り捩り――それに呼応するように胸元の赤い珠が淡く光り、ハイルさんの姿を包んでいく。
ジークさんは、その珠の正体を知っているのか? 眩しげに瞳を細めれば、ありがたいと、告げて。
闇夜に眩しい光が収まれば――――大地の上に、淡い光を放つ一人のドワーフの姿がいた。ただ、その姿は変わらず背景を映しているけど、存在感が違う。思わず歌声が途切れてしまう。
「ハイルよ」
「ジーク兄……」
何度目かの呼びかけに、答えた声はジークさんにちょっと似ていた。
淡い燐光のようなものを纏ったハイルさんの姿。今はジークさんと向かいあっている。燐光に、何故……精霊の力を感じるのだろうか。ハイルさんの首元の赤い珠。視線をやれば、まるで陽炎のように揺らいでいる。
「兄よ、どうやら……儂は皆に迷惑をかけたようだな……ああ、儂はハイルだ。赤き石の里のハイルだ」
「ハイルよ……何があったか、教えてくれぬか?」
「ああ、時間がない――この守り石が、兄さんの音を受け取って力を出してくれた。おかげで意識がはっきりとしている。儂はあの先に行かせぬ為に、ここに留まっていたようだ」
ハイルさんの指が採掘跡を指さす。剥き出しになった岩肌にぽっかりと開いた穴。
「奥に決して人が近づいてならぬものがある。……覚えてないのだ。何かを守ろうとして……息絶えた。何にか。ただ、守ろうと、この地に寄せ付けまいと……なにか、ナニカ……」
「もうよい、お前は……十分……正義感の強い子だった……」
「こんなに、老いても子供扱いか……ああ、もぅ……時間、だ。守りたかった、そして……」
「兄にとっては、弟はいつも子供のように思える、ものだ……ハイル……」
ハイルさんの薄く燐光に包まれた身体が揺れる。まるで、満足したような表情をしているように見える。淡い光は粒子となって……ハイルさんの足元からまるで溶けていくように……
「……里の事が……ジーク兄に……会えた……」
「ああ、会えたぞ。里には、一緒にいこうぞ――」
ジークさんが震える声で、ハイルさんの肩を抱きしる仕草。
やがて――……
「アリガトウ……旅人、ヨ。兄ヨ……」
一陣の風が吹けば細やかな光の粒は、空へ蛍のように舞い上がって――星の輝きのように光って消えた。
コロン、と小さな音。抱きしめる者が居なくなったジークさん。その足元に赤い珠の首飾りと、音も無く一冊の古い本が転がった。
<アブナ、イ……アブナイ、ヨ、ハイル、ガンバ、テタ>
囁くような声が聞こえる。気のせい――?
「ケイよ……ありがとう。弟に会うことができた」
「ジークさん……」
姿勢を正し武器を背負えば、古い本を拾い上げ、一目見て懐に大事そうにしまう。首飾りを拾い上げて、それを握りしめた。なるほどと呟き、採掘場に視線を向ける。
「あそこに何らか、人を害するものがあったのだろう。それに気づいたハイルは調べようとして、命を落とした――が、無念が残り亡霊となったのだろう。この首飾りの影響があるのは明白だな……のぅ、ケイよ。感じないか? この珠に何かを」
ジークさんの表情は、何か憑き物が落ちたような色だ。差し出された赤い珠……とても綺麗な深い赤色……これは、宝石? それにしても大きい。子供の拳程ある。それに……精霊の力を感じるわ。
<ウタ キコエタ デモ アブナイ>
また、聞こえる。思わず首飾りを凝視する。その様子にジークさんが、懐から取り出すものは、まったく同じ首飾りだ。違うのは赤い色の宝石ではなく、緑色の宝石がついていること。
「これはな、ドワーフ一族が生まれた時に、その子の一生を守護するように持たされる守り石という。
我らは大地の民。地に生まれ地に帰る者。守り石は、長く地に眠っていた宝石を用いられる。ケイは精霊使いでもあったな……感じるだろう? 長い時を過ごした宝玉は精霊が宿り、主の身を守るという。言い伝えだったが、本当なんだろう。これが――…そうじゃ。もしかすると、悪い意味でも良い意味でも、ハイルの思念をこの地にとどめるのに、力を貸していたのだろう――」
<ハイル、ハイル……>
哀しいそうな声が、声が聞こえる。その声の響きにつられて、また涙が少し溢れてしまった。
ジークさんは、この声が聞こえない? 思わず涙に濡れたまま、ジークさんを見つめる。
その様子にジークさんが不思議そうな表情をする。慌てて指で眦を擦る。いい歳してみっともないわ。
「さて、ケイよ。弟が何を守っていたのか――儂は知りたいと思う。ケイ、そんな顔をするな……ハイルが、何らかの存在から人を守ろうとして、命を落としたのを儂は知った。それは、どんな誇り高い事か……ドワーフにはな。長年生きる我らは、その最後に誇りを持つ。職人は最高の物を、戦士は何を為したか。なぁ、だから泣くことはない。だからこそ、確認しないといけないのぅ。ハイルが何を見たのか」
「はい……ジークさん、声が聞こえたのです。聞こえませんか?」
「ぬ? ハイル以外の声は、聞こえぬぞ?」
「え……」
思わず持っていた守り石という宝石を見つめてしまえば――刹那、その石はまるで飴細工のように溶けて、形を変えていき……
「?!」「なんだ?!」
手の上で何かが弾む動き。肩に軽い衝撃を受ければ、何か……何か?! 何かが肩の上に乗った!
ふさりとした毛のような感触が涙に濡れた頬に寄せられる。
<ハイル ダメ イッテダメ コッチ ミテ チガウ>
声は間違いなく聞こえた。声は聞こえないジークさんは、私の肩の上を凝視している。
目が零れそうだ。私の肩の上に飛び乗ったのは……一匹の小さな獣だった。その頭をぐりぐりと頬に押し付けてくる。 額に大きな赤い珠を付けた、狐のようで違う獣。囁くような声。やっと落ち着いてきたせいか、ようやくそれが精霊語と気づいた。
「精霊獣、だと?」
ジークさんの声が驚きに響き――明るくなってきた森へと消えて行った。