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入学式と生徒会 その1




今日という日は、俺にとって特別な日だった。365分の1日で済ませる事が出来ない、特別な日。








神奈川県立(かながわけんりつ)光源高校(こうげんこうこう)








神奈川の超一等地に巨大な敷地を誇り、国や()()()から様々な特権を公認されている、全国に47校ある()()()()のうちの1つだ。





優秀な魔法使いを育成、教育し将来を担う魔法使いにする事を目的にしている。

今日は俺がその学校に入学する日







「まさか俺がこんな立派な学校に入学出来るとはなー」


学校を前にして思わず口から本音が漏れてしまった。








確かに、今までも何回か近くを通る際に見た事があるが、改めて見るとあまりにも巨大なため圧倒されてしまう。







俺が呆けていると隣にいた男女がクスリと笑った







「だって、魔法が使える人は魔法学校に通う義務があるんだから、特別なわけではないんだけどね」



無邪気な笑みを浮かべながらそんな事を言うのは俺の親友である女子、千駄ヶ谷 夜々木(せんだがや よよぎ)


彼女を見る時最初に目に入るのが、この綺麗な髪の毛だろう。

膝裏まで伸びている髪を先端を可愛らしいリボンで結んでいる。



顔はかなり整っている部類だ、一般的に言う童顔で綺麗というより可愛い印象を受ける。




だけど顔に似合わず立派な物が胸についている。髪の毛より目立つかもしれない。





けど口を開けば暴言と自画自賛しか出でこない。






「でも魔法が使えないと入学できないから特別ではあるんだろうけどね」



優しく笑いながら隣の男子が言った。



この男子は俺のもう一人の親友である、久我山 春臣(くがやま はるおみ)

銀髪のイケメンである。以上。




母親が外国の人なんですって。しかもこいつの父親は日本でも有数の財閥の社長さんらしい。

詳しいことは教えてくれないが。





顔も育ちもスタイルも完璧な神様に愛され系男子って訳だ。






けど性癖が歪んでいる。







「でも俺、夜々木や春臣みたいに特別な魔法はつかえないし、顔も家柄も平凡じゃん?、本当に魔法が使えるだけじゃん?」





自分で言って少し悲しくなったが実際そうだ。

俺の名前は明日葉 幸輝(あしたば こうき)






魔法が使えるだけの15才の高校生だ。両親は普通の会社員と主婦だ。






イケメンでもないし金持ちでもない。せめて目立とうとして髪を茶色に染めたが、普通さに拍車がかかった。



「でもでもー私が可愛すぎるだけで、こーちゃん顔は悪くないと思うけどね。普通だよ普通。」





「僕の家柄が変なだけで幸輝君の家は普通だよ。」







「お前達フォロー下手じゃない?」






というより多分フォローする気がないのだろう。ため息をしながら学校の門をくぐった。





校内の景色を見ていると春臣が、でもさ?と呟いた。






「一番、魔法らしい魔法が使えるのは幸輝君だけだよね?」





「魔法らしい魔法って言われても、初歩中の初歩しかできないじゃねーか。放射魔法と魔力壁くらいだぜ。」



誰にでもできる事だろ、と続けた。






だって放射魔法は手から魔力を出すだけだ。

手から出る際に、魔力は頭の中でイメージしたものになって放出される。





俺の場合は炎とか水、後はギリギリ電気に変換できる。

風とかオシャレな感じがあるけど、形がないからイメージしづらい。






魔力壁に至っては目の前に魔力で壁作るだけだ。





「へ〜、すごいね〜。私はそれすら出来ないんですケド?」






夜々木は本当に出来ない。

なぜなら死ぬほど不器用だから。

まぁ…理由は他にもちゃんとあるけど。







「夜々木ちゃんはもうちょっと努力してもいいんじゃない?」




「えー、だって私って魔法に興味ないもん。そんな事するくらいなら魔法使い辞めるし。」





始めるとか辞めるっていう話じゃないけどな。

春臣は困った顔をして話を続けた。



「でも魔法が使える以上、魔法が使えない一般人を守る義務があるんだしさ? 少しくらいは練習も必要じゃないかな?」





おお…大人の対応ってヤツだ。

だけど肝心の夜々木は興味なさそうな顔でぼやいた。



「別に一般市民とかどうでも良くない?勝手に死ねばいいじゃん。」





春臣に向かって、夜々木がスマホをいじりながら返した。

相変わらずだな夜々木は。


春臣もこういう返答は予想していたようで、特に何も言わなかった。



これ以上この話をするのは不毛だな。




新しい話題を提示しよう…………






3人で仲良く話せる話題だ。






「そういえばもうクラス分けされてたよな?俺は1組だったけど二人は?」





「私は3組。」 「僕も3組。」





あれ。さっそく仲間外れか?



「そんな事より入学式終わったらさー、甘い物でも食べに行こうよ。こーちゃんの奢りで」





「そんな事って…しかも俺かよ。まぁ、別にいいけどさ。」





「やったー、じゃあもう早く入学式終わらせようよ。」





「入学式の後は身体測定と簡単な魔力の測定があるから、その後になるけどね」




「えー、面倒くさいよー。」






春臣の話を聞いている間に気が付けば昇降口まで来ていた。




学校の造りとかあんまり見てなかったなーとか思いながら二人に言った。



「文句ばっかり言うなよ。ほら、俺たち別のクラスだろ。魔力測定とか終わったらまたここに集合な」





あからさまに不満そうな顔の夜々木と苦笑いしてる春臣を見送り、俺もクラスに向かった。






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