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卒業課題のお手伝いと、私の魔法のと翠ちゃん

副業として刺繍やさんを始めたり、私の蛇腹剣が悪と言いますか災いを壊す破邪の力を宿すことになったり、私が刺繍したハンカチが浄化付きで、その技術?はエトワール家限定だと決定されてしまったり、そのハンカチがこの国クラリティ王国の特産品(ただし一定期間で数量限定)となってしまったりと色々ありました。


おかげで影さんたちを多用することが増えて、より上手に扱えるようになりましたよ。

まぁ・・食べる量がさらに増えて寝る時間が伸びましたけど。


無理はしてませんよ。

周囲が私を無理させてはいけない!と使命感?を負ったような感じになってるので。



で、本日は今年卒業であるリクトさんのお手伝いです。

何のお手伝いかと?

それは、卒業論文というものです。

リクトさんは、どういう状況でどんな魔物が現れたとか、どのあたりにはどういう魔物がいるといったことを纏めています。

それで、特に力を入れているのは突然ありえないやつが現れた!という状況についてを纏めているところです。

スタンピートとか、突然すっごく強くてえぐい魔物が現れた!とかそういうことですね。


で、何のお手伝いかというと私がこれまで出会った魔物とその時の状況だったかを教えることです。

おまけに私の獣魔たちのことを教えることです。



思えば結構いろんなことに巻き込まれてましたね・・。

カルナが10歳児が年より臭いことを言うなとか言ってましたけどしょうがないですよね?

というよりカルナも同じことつぶやいてましたよ?



「忙しいところ、ホントにごめんね?」

-お気になさらず。-

「だから、作業をしながらで十分構わないから。」

と、最近では、読書する時間はなくなってはいないものの少なくなり、刺繍をしていることが結構多い私ですが、それをしながらこれまでのことを教えることになりました。


「まず、フリージアさんの獣魔たちについて改めて教えて欲しい。あ、当然論文にはどこの誰がとかはきちんとぼかすから大丈夫だよ。」

-まず、翠ちゃんとラナちゃんです。翠ちゃんは妖精族で、ラナちゃんは一応魔物と分類されてますが植物に近いんだそうです。-

「翠さんは聞いているから知っていたけれど、ラナさんはそうだったんだ?」

-これまでであった方々の話をまとめると植物に近いと言う情報が最も有力でしたので。-

「なるほど。」

-次にハディちゃん。彼は魔物ですが血筋としてはドラゴンの血を引き継いでいます。-

「ドラゴン!?」

「そうだったんだ・・」

「だからあんなに頑丈なんだね。」

-そして、カルナとシャスティですが、2人は元々保有する魔力量が多いただの動物でした。それから自身で努力した結果、幻獣へと進化しています。世間的には妖精族へ進化した動物という認識にしています。無駄に注目を集めるので。-

「カルナさんたちって幻獣だったんだ・・」

「じゃあ、あの巨大化は?」

-【守護モード】と呼ばれる技で、幻獣であるカルナたちと私が契約しているからこそ出来る技です。-

「そうだったんだ・・」

「まさか幻獣だったとは・・あの強さと賢さはそう言う部分も影響していそうだね。じゃあ、よく出会う魔物は省いて構わないから、これまで苦戦した相手や印象的だった魔物などを教えてくれるかな?」

-順番に言いますと、エンシェントゴーレム率いるスタンピート、スカイネイチャー、ミネラルゴーレム、ゴブリン、上位精霊、精霊樹、ニーズヘッグヴァンパイア、アクアゲル、ドラグニルベアー率いるスタンピート、グラトニーストーン、このくらいでしょうか。-

「・・・」

「・・・」

「リア・・」

「リアちゃん・・」

(?)

どうして皆さん引きつった表情になっているのでしょうか?

「いや、かわいく首をかしげているレベルを超えてるからね?どれもあり得ないレベルばかりだよ!?」

「・・その辺りはおいといて。上位精霊に会ったのかい?」

(コクリ)

-精霊樹を守っているきれいで大きな狐さんですよ。-

「なるほど。それに、ゴブリンとも会ったのか。噂では聞くけど、実際に会った人はほとんどいないから。」

-ニーズヘッグヴァンパイアに追われていたんです。-

「そうか・・。フリージアさんたちはある意味では強いのは当然なんだね。・・強くなければ生き残れなかっただろうし。」

「聞く限りではそうですね。」

それから、それぞれ、どういう状況だったか、どういう感じだったか等を話しました。

リフさん(狐さん)や、あのフォレストロードの人語を喋る彼らのことは当然喋っていません。

ただ、出会ったとしか言っていませんし、どこでとかそういうこともかなり大雑把に言ってごまかしてます。

当然です。

絶対にバラさないと約束したのですから。


-私が話せるのはこれくらいですが、役立ちそうですか?-

「もちろんだよ。予想以上だ。こんなに有力な情報が手に入るとは思わなかったよ。」


・・・それなら。

-でしたら、羊さんたちやパパに聞いてみてはいかがですか?-

「え?イリス様は分かるけれど、羊さんって?」

-スリープシープです。私は言葉が分かりますから、通訳も可能です。それに、人ではないからこそ知っていることも多いのでは?-

「・・お願いしてもいい?たいしたお礼は出来ないけど。」

-お礼は必要ありません。ちょっとした昔話をしただけですから。-

「そっか。ありがとう。」



その後、学園が終わった後、リクトさんはパパに話しを聞き、私を経由して羊さんたちとお話しを何日かに分けて行なっていました。

「ホントにありがとう!予想以上に凄い情報が集まったよ。また何かあったら教えてくれるかい?」

(コクリ)

「あ、じゃあお礼になるか分からないけど、念話の応用を教えるよ。俺は使えないけど知ってる程度だけどね。」

-応用とは?-

「まず、念話は色々と限定的なことが多いだろう?」

(コクリ)

話す相手はしっかりくっきりとイメージ出来ないと駄目とかありますからね。

「で、聞いた話なんだけど、念話は元々魔力を相手へ向かって飛ばし、その魔力と一緒に伝えたいことを告げるというのが大雑把な仕組みらしいんだけど、それならどうしてその伝えようとする相手と自分の間に他人がいてその会話が聞こえないのは不思議じゃないかい?」

-言われてみればそうですね。-

間に立たれてそのまま話す内容が聞こえてきそうですけどね。

それは、そう言うモノだと思うしかないと言われてしまったんですけどね。

「その人が言うには、伝えたい相手以外には聞こえないようにしたいと無意識に念じていたからこそそうなったらしくて、それは【念話】の技は全てそういう風になっているのは当たり前らしいんだ。そこで、ワザと伝えたい相手を特定せずに誰でも聞こえるようなイメージで念話を行なったら今こうして喋っているように聞こえるんじゃないかって話があるんだ。」

それは、確かに理論上ではあり得ますね。

「・・って、このくらいなんだけどお礼になったかな?」


えと、誰に伝えたいか考えずに念話をする・・。

話した内容が垂れ流しになる感じで・・


{もちろんですよ、リクトさん。}

「っ!!今声が!」

「あぁ!聞こえた!」

「もしかしてこの声が!?」

「はい。リアちゃんの声ですよ。」

「リア、成功だよ!」

{ありがとうございます。}

「お礼になったなら良かった。そういえば喉が弱いのかい?」

{そうですね。1言2言程度でしたらなんとか大丈夫ですが、ムリをすると吐血してしまうので。1言ほどなら出来たとしても連発して1日に何度も・・というのは出来ません。}

「そうだったのか。」

「あ、リア。何かワザ名の変化あった?」

{確認してみますね。}




【念話】

伝えたい言葉を実際に口にせずとも相手へ伝えることができる。

ただし、話せる相手は目の前にいることと、はっきりとその人物の容姿と名前を知っていることが条件。



【内外念話】

伝えたい言葉を口にせずに魔力へのせて相手へ告げることが出来る。

話したい相手をイメージして行なうとその人物だけ聞こえることが可能だが、伝える相手を特定しなければ周囲にいる人たち全員に聞こえる。

相手が見えず、距離が空いていてもその相手をはっきりとイメージ出来るほど親密であればどれほど離れていても念話は可能。






で、これを教えてみたところ

「おぉ。かなり応用が利く感じになったな。」

「確かに。ある程度の練度は必要だけどそれさえクリアすれば、かなり使い勝手が良いわね。」

{本当に助かります。地声で今後、しゃべれるようになる未来がほとんど見えないので。}

「あー。まぁ・・否定出来ないなぁ・・。けど、焦らずにじっくりと頑張ろうよ。それしかないし・・まぁ。」

(コクリ)

「それにしても、ニーズヘッグヴァンパイアかぁ・・一応経緯は聞いてるけど、あの英雄賢者様が若い頃に封印した魔物が復活したのに加えてレッサーニーズヘッグから進化したのを倒しちゃうとは・・凄いね。」

{当時のおう・・英雄賢者さんは実力は冒険者ランクで言うところのCかBほどだったと精霊の狐さんは言っていました。なので、封印するのが精一杯だったそうです。}

「そっか・・鍛えている途中というか、英雄としてはまだまだ駆け出しだったら討伐は難しいよね。」

「だとしてもよく討伐出来たよね?」

{運が良かったんだと思います。その狐さんに私の力の使い方を教わって体得出来た直後に闘うことになったわけですから。・・体得する前だったら討伐なんて到底無理でした。}

「そっか・・。フリージアさんの魔法の師匠みたいなモノだったんだね。」

あえて何も言いませんが、正しくは魔法の使い方と言うより賢者としての力の使い方を教わっただけです。

だとしても、私は本当に運が良かったんだと思う。

今は普通に使いこなしている瞳に魔方陣を現す覚醒の力だけど、元々感情が薄いというか乏しい私だったからどうにかなったんだと思う。

もし、感情豊かだったら絶対に間に合わなかったと思う。

この力は覚醒を使うと倍以上の力を出せるからきっと力に溺れていた可能性がずっと高かったと思いますし。


それに、カルナたちもいなかったら力を使いこなした私がいたとしても勝てなかった。

あの村をしっかり守っていた狼さんにリフさんがいなかったらムリだった。

覚醒が使えるようになっていなければカルナたちはそいつに全てのエネルギーを奪われて死んでいた。

そこには私も含むし、もしかしたらあの村の子たちもたくさん死んでいた可能性だってあった。



「リアちゃん。もしかして、その時に使えるようになったワザって言うのがあのとき言ってた奥の手?」

セイちゃんが言っているのは入学式の時のあのバトルの時に言っていたことですね。

(コクリ)

実際、賢者の力を使いこなせるようになったからこそ【守護者召喚】が出来るようになったわけですし。

「そっか・・。見てみたい気持ちはあるけど、そんな力を多用しないで済むのが一番だよね。・・平和が一番だよ。」

本当ですね。




「あ、そうだ。フリージアさん。」

(?)

ネルさんに午前中の授業がそろそろ終わりそうと言う頃に呼ばれる。

「フリージアさんは今後卒業までの午後の授業は全て免除になったよ。」

{よろしいのですか?}

「うん。実際今の段階で普通に学園長とも戦えるだろうし、獣魔たちが揃ったら多分学園長に勝てるだろうし、そんな状態だと授業でしなくてもその辺りはきちんとやってるだろうし。と言うよりフリージアさんは真面目だからやってるのは知ってる。だから良いって許可が出たんだ。後は、ご実家の方とかそっち方面が色々と忙しそうだからそっちに充ててくれて良いよって言う意味もあるよ。」

{よろしいのですか?}

「大丈夫。けど、俺みたいに鍛えてあげたりアドバイスをしたりとかそういうのはちょいちょいやってもらうことになると思うから。その辺りはよろしくね。」

(コクリ)

「よろしくねー」

まぁ、普段と変わりませんね。

アドバイスは魔術師団の皆さんにもアルちゃんにもいつもしてますし。


その他にも、冒険者として活動するときや町をうろついてると色んな人たちから魔法に関してのアドバイスを求められますしね。

彼ら彼女らが言うには私のアドバイスは凄くわかりやすいと言いますか、今後の目標を立てやすいのだとか。

実際私が伝えるのはどの部分が弱いというその魔法の弱点となり得る部分と言いますか、言い方を悪くすると発動している1つの魔法の中で最もひどい部分を伝えているだけなんですけどね。

だから結構ザックリとひどい言い方をしていると思うのですが、変に遠回しに言われた方が傷つくとかでそう言ってもらった方が向上心はうなぎ登りだとかいってました。

まぁ、不快に思われないなら構いませんね。

一応、どういう風に治した方が・・とかは、その人が自分で気づく必要があるのでどの部分を改善しろくらいしか言いません。


・・・だから、セイちゃん。

私はムリはしてないのでそんなにしょっちゅう浄化も回復も治癒も必要ありません。

浄化もそこまでしなくても私は結構きれい好きですし、翠ちゃんも汚れを取ってくれたり(正しくは溶解)してるので大丈夫です。





と言うわけで午後の訓練の授業は暇だったら素振りとかをして、それ以外は刺繍をしたり合同で訓練をする人たちから同クラスのメンバーにアドバイスをしたりしています。

まだまだ刺繍は数が必要ですからね。





{ネルさん質問です。}

「んー?」

{私のステータスの属性に出ている影は、陰であって、影ではないのですが何か意味があるのでしょうか?}

「んー。意味はあると思う。それが何かと言われるとフリージアさんのその属性は聞いたことがないからなんとも言えないなぁ・・。言葉には必ず意味があるんだ。火属性は進化すると一般的には炎属性と言って火力が段違いに上がったりするし、人によっては他の属性と混ざって新たな属性に変化するパターンもあるし。・・これで答えになってる?」

{意味があると分かっただけ十分です、ありがとうございます。}

「それなら良かった。」


{翠ちゃんは、どう思いますか?}

私は翠ちゃんへ直接聞いてみる。

-リアが普段扱っている魔法は影を使った魔法。けど、属性としては陰と出ている。多分、リアの魔法は自由度が高かったり、大抵のことはイメージ次第でどうにでもなるのはそこが意味していると思う。じゃないと影を操れても空を飛ぶというイメージが明確に出来ていても実現は出来なかったと思うし。-

なるほど。

-後、異世界人が言うには世の中には陰と陽という相反する物事のことをそう例えたらしいんだ。-

{つまりは、お日様とお月様のような関係という感じですか?}

-そんな感じ。明るい気持ちと暗い気持ち、男と女、生と死、光と闇みたいにどうやっても決して混ざることのない・・けど、片方がなければ成り立たない関係のことなんだけど、リアのはその陰陽の陰の字。

きっと、リアのあの5年間に経験したあらゆる負の感情と記憶が強く影響しているんだと思う。だからこそ、リアの気持ちに魔法はほとんど制限なく応えてくれるんだと思うよ。陰陽の陰には、精神、陽には肉体って意味もあるから、精神を意味する陰だからこそリアの気持ちがその魔法そのものなんだと思うよ。-


深い話しですね。

けれど、翠ちゃんの説明で色々と納得する点はありました。

私の魔法が凄く自由度が高い理由は、影ではなく陰と書かれていたことが原因だったんですね。

{凄く納得しました。ありがとうございますね。}

-気にしないで。知ることは好きだし、教えることはリアに関しては好きだから。-

{ですが、そう聞いていると他の皆さんが言うように闇属性=悪という考えは思いっきり間違いなんですね。}

-そうだね。だから、逆に聖属性=正義とも限らないと言う意味でもあるね。全ては、その力を扱う人の気持ち次第。だから、リアの陰魔法は、リアがリアだから正義としていることが出来るんだよ。-

武器は殺すことも出来るけど守ることも出来るし、お料理など生活の役に立つことだって出来る。

それは、使う人がどういう風に使ったかの違いでしかないし、武器自身が選ぶことは普通はムリですから。

稀に魔剣とか呼ばれる意思を持った武器になると手にした相手の体を乗っ取って好き放題すると言うこともあるらしいですがそれはイレギュラーと言いますか例外です。

「・・って、リアちゃん。つい隣で一通り聞いちゃったんだけど良かったの?そういうことってあまり他の人には知られない方が良かったんじゃ・・」

そういうことというのは、いわゆる自身の情報のこと。

特にどういう魔法なのかと事細かに言うと言うことは自分の手の中を見せると言うこと。

言わば、自身の弱点となる部分を見つけてくれと言っているようなモノ。

{構いませんよ。どうせ、聞いても対処なんて出来ないでしょう?}

「あー・・うん。応用が利く魔法だとしか判断出来ないから対処を考えてもどうしようもないと思う。それに、リアちゃんには翠さんを初めとした獣魔たちもいるし、リアちゃんは魔法が使えなくてもかなり器用だからどうにでもしそうだし。」

「だとしても、そっか・・そう言う解釈であればフリージアさんの魔法のバリエーションが広いことも十分納得出来るね。」

-長生きだからね。後は、前世の記憶とかもあったりするかなー-

と、翠ちゃんが爆弾発言をする。

「え!?翠さん前世の記憶があるの!?500年以上長生きしてるのに!?」

「もしかして、転生者!?」

{翠ちゃん・・私も初耳なんですけどそうなんですか?}

-言ってなかったっけ?私は元々ペチュニアさんと同じ世界出身で寿命で死ぬ直前に人助けして死んだらこっちの世界でこの姿だったんだよ。-

それから翠ちゃんのことを色々教えてもらった。

前世では、翡翠ひすいさんという名前の女性だったらしく、そこでは司書長だったらしい。

まぁ、だから私が翠ちゃんと名前とつけられたときは名前が近くて内心ではかなり驚いたんだとか。

しかも司書は司書でも、その世界でトップになるほどの量を誇る図書館に15才から90才までずっと勤めていたんだとか。

その間に、多くの本を読み、世界中の人たちとインターネット?という念話する為の機械?でやりとりをしたりして過ごしていたんだとか。

独身だったらしいですが、捨て子の女の子を1人で独り立ちするまで育てたらしい。

で、そんなある日、その女の子が久しぶりに帰って来て共にお外でご飯を食べた帰りに大型トラックという大きな鉄の馬車がその女の子に向かって突っ込んできて、それをかばって死んだらしい。

翠ちゃん自身は、後悔は何もない満足する一生だったそうです。

それから、気づけばこの世界で今のこの姿。

人や魔物と争わないようになりを潜めつつ自身を鍛え、知識欲を満たしたいという思いと世界を見て回りたいと思い世界中を回りながらあちこちを旅したんだとか。

で、その途中で木箱の中で休んでいるとその箱はお店で出品する商品を入れる箱だったらしく

-その時に、私をバッグだと思い込んで恐がりもせずに私を見つけてくれたのがリア。あなただよ。-

「リアちゃん・・翠さんをバッグだと思ってたの?」

珍しいタイプのバッグだと思ってたんですよ。

で、ツッコミをカルナからくらった後でそういえば生きてたなぁと思っただけです。

-最初は、さっさと逃げようかと思ったけど、リアを見て気が変わったんだ。-

{どうしてですか?}

-リアの雰囲気があの子に似てたんだよ。どうしても放っておけなかった。捨てられていたあの子と重なって見えた。見えてしまった。それに、私は過去にいくつも国を滅ぼしているから、一部では恐れられる存在だったし、姿を見られた直後に恐怖で大混乱も当たり前だった。そのくらいの実力はあるし、私も捕まる気も従う気もなかったから誰であろうとも殺すつもりだった。それに、妖精族だけど私を見たら魔物と思って即殺しに来るのが当たり前なのにリアは、そんなことをかけらも思わずに接してくれた。それに、私を抱きしめてくれたときにリアの優しい思いが伝わって、私は誓った。これまで長く生きて身につけた知識と力はリアのために頑張ろうって。

リアの子孫のために私の命が続く限り護り続けたいって思った。私の長い旅は私を何も私に求めずにただ受け入れてくれる存在を探すことだった。リアに出会ってそれはリア以外にあり得ないと思った。だから私はリアと契約をした。私はリア以外に従うつもりはない。世界が敵に回ろうとも私は死ぬまでリアを守るし、リアの敵を殺し尽くす。-

「そっか・・翠さんって凄く物知りだと思ってたけど、転生者だって言うことも意味してたんだ。」

-私は、私の私利私欲のために国をいくつも滅ぼしたことがある。その国はあほなことをしてたり私の邪魔をしたから滅ぼした。そんな私は怖い?-

{そんなことありませんよ。}

-どうして?-

{翠ちゃんは、翠ちゃんです。翠ちゃんが必要だと思ったことは、ただの殺戮さつりくではなく、人助けという意味でも必要だったのでしょう?私自身も指名手配犯とはいえ多くの人を殺してますから似たようなモノです。}

-否定はしないよ。多くの人が救われたのも事実だけど、そのために滅ぼしたわけじゃない。私が滅ぼしたいと思ったから滅ぼしただけ。-

{それでもですよ。それに、過去は過去です。翠ちゃんが滅ぼさずともいつかその国は滅んでいたと思います。ただそれが早まっただけ。それに・・今は違うでしょう?}

-・・まぁね。-

{それなら良いではないですか。私は翠ちゃんと出会ったからこそ今が楽しいんです。翠ちゃんがいてくれるからカルナたちはこうして私と別行動をして好きに動くことが出来ます。私という重しが重しではなくなったんです。翠ちゃんが色々教えてくれたから私は色々知ることが出来たんです。これからもよろしくお願いしますね翡翠さん}

-よろしくね。フリージア-

私たちがそう告げると翠ちゃんがふわりと光る。

「何!?何!?」

「翠さんが光ってる!?」

5分もしないうちに光は収まった。

「・・特に変化はないよね?」

「視た限りではそうですね。」

{翠ちゃん大丈夫ですか?}

「大丈夫だよ。」

翠ちゃんが文字を出さずに普通に喋った。

「喋れるようになったの!?」

「そうだけどそれだけじゃないよ。」

そう言うと翠ちゃんの体がするすると小さくなり、手のひらサイズの人の姿になりました。

翠ちゃんの体の色だった黒に近い濃い緑の髪をまっすぐお尻まで伸ばした女の子。

瞳も髪と同じ色。

手のひらサイズだけどスタイルは抜群でおっぱいはEで、腰のくびれもあるし、お尻も引き締まっている。

それと・・

{翠ちゃん・・翠ちゃんの見た目と声が、お母さんと似ているのは気のせいですか?髪色は違いますが。}

おっぱいの大きさも同じです。

「そうだね。これ以上体を大きくすることは出来ないけどね。」

「これ・・どういうこと?」

「多分進化したんだと思うよ。」

「進化!?何に!?」




【妖精】オニキス・ゲル:スイ

ゲル種の妖精族であり、非常に敵味方の好みが激しい。

エメラルドグリーンの大変透明度が高くきれいな色をしており、非常に色が濃い為、見方次第では黒っぽく見える。

というよりも、好みの方はないに等しいほど出会わないらしく出会う確率は人の一生のうち1回あるかないか程度らしい。

そうでもない相手に無理やり触れられようとすると瞬時にこうげきする。

技:【適温】【胃袋収納】【溶解】【回復強化】【サイズ変換】【究極隠密】


【妖精王】ロワ・ゲル:スイ

妖精族の王。

手のひらサイズの人型で固定され、その姿から一切変化することは出来ない。

非常に透明度が高く濃いエメラルドグリーンの瞳と髪色であり、髪は、お尻にかかるほどのストレートで、胸はE

体の一部をゲル状にして使用することが可能。

手のひらサイズの人型から姿形は一切変化はなく、変化も出来ないが、魔力量が増えれば増えるほど自身の体から作り出すゲルの量が増える。

技:【適温】【胃袋収納】【溶解】【回復強化】【サイズ変換】【究極隠密】

※契約者である、フリージア・クラリティ・エトワールの影響により、姿はペチュニア・エトワールの姿になっている。(特に意味はない)






「うん、妖精王になってるね。」

「妖精王!?王様!?」

「まさかの!?どういうこと!?」

「元々妖精族って長となる存在がいないんだけど、そこにある意味イレギュラーな私が当てはまったみたいだね。」

「進化した理由は?と言うより、王様になってやることがあったりするの?妖精族をまとめるとか」

「進化した理由は、私の過去を契約者に伝えて、互いに本来の名前を言い合ったから繋がりが強くなった。その影響じゃないかな。後、妖精族をまとめたりとか王様らしいことは基本ないよ。上位精霊と似たようなモノかな。上に立つ存在だけど下は上に従うけど、まとめはしない。ただそこにいるだけさ。」

「あー分かった気がする。従えると言うより旗印になるというか、周囲に同族がいたらその時はって感じ?」

「そんな感じだね。私に付き従う必要はないしする必要もないけど、何かあれば私が指示すればみんな言うことは絶対って感じかな。」

「なるほど・・。それで、翠さん・・これまでみたいにリアちゃんのベッドになったり帽子になったりとかは出来ないの?」

「出来るよ。ほら」

翠ちゃんは手をかざすと手のひらからかつての翠ちゃんの体の一部だったゲル状のものが出てきてぷるんと出来上がる。

そして、するりと手のひらに戻っていく。

「好きなときに好きなように作り出せるから。」

「すごい・・」

「ありがとう。」

「凄く美人だけど、どうして人型になったんだろう・・」

「王だからこそ従えるからと言いたいけど、知識優先だったからその影響でより知識を集める存在としてそれにふさわしい姿になったんじゃないかな。見た目がペチュニアさんなのはリアの影響かな。多分ペチュニアさんの変わりとして傍に居るためなんだと思う。」

「あ・・そっか。ペチュニアさんの変わりか・・」

「まぁ、以前の姿だった頃よりも魔力量は増えたし、魔力操作もアップしたよ。相手を溶解するのももっと速くなったし」

「え・・・また強くなっちゃったの?」

「あはは!まぁね。魔力操作が出来るようになったから魔力弾を飛ばしたり身体強化とかの基礎的なことも出来るようになったからバリエーションも増えてるよ。」

「うわぁお・・」

そうして、翠ちゃんは手のひらサイズの人型になったので私の肩にちょこんと座るのがデフォルトとなりました。

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