そうだ、浄化を強化しよう
アルちゃんが無事にSクラスに異動することが出来ました。
そんなクラス異動戦があった次の日です。
「改めまして、リア様専属メイド兼護衛を務めることになりましたアルナです。扱う属性は念動。よろしくお願い致します!それと、あのときはご迷惑とご心配をおかけ致しました。」
先輩たちがそれぞれよろしくと気にするなと言って温かい拍手を迎えてもらったアルちゃん。
「アルナさん、専属のメイドになったのは知っていたけど護衛もだったの?」
「はい。私の魔法は補助や防御が最も扱いやすいですし、私自身が不意打ちが効かないのでリア様の護衛としては最も向いているんだと、イリスさんに褒めて頂いたのでそのままこうなりました。」
-ちなみに、リカルさんは私専属の絵師兼執事ですが、一応護衛でもあります。後、リリさんは、専属護衛がメインですね。-
「そうなんだ?・・・アレ?リリさんってヴァニタスのメンバーだったよね?他のメンバーは?」
「イリスさんの直属という形で落ち着きました。ですので、事実上リリさんはヴァニタスから外れ、リア様のパーティ、ハリーファへ加入されることになってます。」
「そうなんだ。他のメンバーも納得してるの?」
「はい。リア様への執着心はかなりのモノなのでこうなるのも時間の問題だと分かっていたようです。」
改めて私のパーティと魔術師団のメンバーを説明しますね。
まず、
パーティ:ハリーファ
リーダー:フリージア
メンバー:リカル、アルナ、リリ、ゼル、ユウ、セイ
魔術師団
団長:フリージア
副団長:エアロ
メンバー:イグニス、ティア、アース、ルミエール
その他:40人
まず、パーティの方ですが、兄さんはハリーファから外れ、現在はフリー。
と言うのも、兄さんは最初は私の専属の護衛兼執事として動く予定だったそうですが、リカルさんがいることと、姉さんとの出会いがあったため、その役割をリカルさんへ授け、姉さんと共に過ごすために離れたんです。
で、ゼルさんですが、リリさん同様に専属護衛として私と同じパーティです。
理由としましては、リリさんの恋人同士だからワンセットという意味もあります。
それと、ユウちゃんとセイちゃんは元々ペアで動いてはいたけどパーティには加入してなかったらしく、そのまま加入されることになりました。
で、魔術師団ですが元々この国トップのメンバーが私を初めとした計6人。
そして、その他としるされた40人は、国に勤めてはいないけれど、この国に長く在中し、民間協力者という立場で勤めている人たちです。
以前パパは民間協力者たちは20人ほどと言っていましたが、どうやら相談屋のお仕事を並行している間に志望する人がいたらしく結果として増えたようです。
一応全員パパが面接をしてOKを出した人たちらしいです。
で、その40人は、基本的にメンバー4人が10人ずつ請け負っているので、メンバーと言いつつも事実上班長と言った方が正しい状態。
一応役割としては、私が全体の統括と指揮系統のトップ
エアロが私の補佐と私の代理としての全体の指揮をとる
で、メンバーは上司の指示に従い動き、場合によっては民間協力者たちの指揮系統を行なう。
その他のメンバーは、普段は魔道具の修理や売買をこの国でお店を営んでおり、メンバーの補助という形で交代制でこの国の防衛システムである各地に配置されている防御用の大型の魔道具の保守を行ないながらこまめに点検しています。
なので、私も一応この国全ての防衛システムの確認はしてますが、基本的には彼らからの報告がなければメンバーたちに任せている形になってます。
それは、私が団長に就任する前から同じ状況だったそうなので以前とあまり変わりません。
変わったとすれば、相談相手が増えたくらいですかね。
後は、魔法関連の特訓も私が暇だったらする感じです。
彼らからすると私に魔法のアドバイスをもらうことはとても素晴らしいことなんだとか。
私のアドバイスで普段メンバー同士や単独で特訓するときの何倍も実りがあるんだとか。
積極的に私もお手伝いに特訓も付き合ってるんですよ?
まぁ、数日に1回の頻度で、影さんたちを経由して行なっている感じですけど。
私本人はと言うと、メンバー4人と副団長の5人からの相談が多く、民間協力者からの報告をまとめたりしているのでそれらの対応で結構大変だったりします。
なので、民間協力者たちと会うことはかなり少ないんです。
ちなみに余談ですが、この働きにはきちんと報酬があるらしくお給料を頂いてます。
その隙間で依頼を受けたり、カルナたちが特訓代わりに依頼を受けたりして稼いだりしている感じですので順調に貯金してます。
あ、それと私、定期的にお給料を稼ぐお仕事をすることになりました。
それは刺繍です。
元々器用さとかの特訓と、令嬢としての嗜み?とかでダンスと一緒にしているのですが、私の刺繍のレベルというか完成度とかはかなり高いらしく、パパのハンカチに公爵家の紋章の刺繍を端っこに作ったのをプレゼントを過去にした分を他の貴族の方々に見られたらしく、
その時に誰が作った?やけに完成度高いけどとなった結果、娘自慢が趣味なパパによって私がしていると知ったらしい。
おまけに私はクテンとしての名声もあるので縁起が良いとかでちょくちょくこれにこんな刺繍をして欲しいという依頼を受けるようになったんです。
そんな指名依頼とは別に、リーリスさんからもその刺繍の話しを聞きつけたらしく、数種類の刺繍を入れたハンカチをメインに定期的に卸して欲しいと頼まれたのでしてます。
時折、お洋服にこんな刺繍をして欲しいという依頼も受けますよ?
よって、ステータスにこんなのが追加されました。
名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)
ランク:B(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)
パーティ:ハリーファ(リーダー)
性別:♀
年齢:10
種族:能**
身分:公爵、クラリティ王国魔術師団長
職業:賢者、協奏師
副職:刺繍屋
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子、狩人、アームズマイスター
特に説明が必要のないものです。
と言うよりそのままです。
副職として、刺繍屋さんを始めたんです。
刺繍したのを売るか、刺繍してあげるかのどちらかを対応するお仕事です。
なので、リーリスさんのお店へ刺繍入りのハンカチ(10種類ほど)と、指名依頼による刺繍入れをしてます。
主に定期的に入れているハンカチには数種類のお花や動物、剣や盾などのモノを入れてます。
ただ、その時の気分でその種類も変化したりします。
剣が弓矢に変わってたり、動物やお花が違うモノになっていたり。
大体1種類10枚ほどですね。
そして、お洋服に関してはリーリスさんからの依頼がなければしません。
と言ってもハンカチは2週間に1回か2回卸しており、10回に1~2回ほどの頻度くらいしか来ません。
リーリスさんが言うには、私のハンカチ欲しさにリーリスさんのお店にやってくる人が少しですが増えたらしい。
それだけの購入かと思ったけど、品揃えの多さや、リーリスさんがチョイスするお洋服の組み合わせやその人に会うと思い用意したお洋服もとても好評でリピーターさんは意外と多いらしいです。
その中で最も多いのは、教会に勤める人たち。
彼女たちからするとクテンである私が作ったから是非欲しい!
けれど、本人である私に頼むのはアレだし・・ってことで購入しに来ているんだとか。
その感覚で、パパを経由した指名依頼は、1週間に5回前後くらいを平均的に依頼が来てます。
後、私が刺繍屋をしていると聞きつけた人が稀に直接頼んでくるので、その辺りは2週間に3回前後ですね。
どうやら申し訳ないという気持ちとかが勝るらしく勇気を出すのにしばらく時間がかかるんだとか。
ただ、パパの方はと言うと私が嬉々として作っているのを知っているので遠慮しないで良いよと言っているからそっちの依頼が多かったりする。
まぁ、私の遠慮するなと言うので直接依頼の方はぼちぼち増えてます。
意外と楽しいんですよ?
この間、格好いいローブが欲しいけどシンプルすぎるのしかない!と嘆く人がいたので、背中に光に当たると黒く光る刺繍を入れました。
そう言う糸を使ってるんですよ?
背中側いっぱいいっぱいの大きさで昇り龍です。
異世界人としては有名らしいと翠ちゃんに聞いて作ってみました。
結果、すっごい喜んでもらえました。
お金は正直どうでも良く楽しかったので銅貨十数枚とかそのくらいで良いですよとか言ったんですけど、ムリと即答され、銀貨10枚をしっかり稼いで渡してきました、その青年。
まぁ、頑張って下さいな?
それと、ムリするな?
この副職の項目ですが、パパだと相談屋と出ているらしいです。
定職と言いますか、定期収入が出来るお仕事はあった方が良いですからね。
と、カルナが言ってました。
こう言ったらアレですけど、冒険者は依頼がなければなかなか稼げないし、依頼もどんなのがあるかその時次第なのですっごい収入が少なかったりと不安定ですからね。
そんな感じで通りすがりに私が刺繍したハンカチが欲しいという人が増えているのでその場で渡せるようにストックは常に持つようにしています。
最近では暇さえあれば刺繍をしている感じです。
特訓もしてますよ?
ホントですよ?
それはさておき、
「よし、浄化の魔道具を強化しよう。」
と、パパがある日突然言ってきました。
-突然どうしたのですか?-
今は、学園から帰ってきて夕飯を食べ終わった辺りです。
「あぁ・・師団長。イリス様のこれは今に始まったことではありません。」
ティアさんたちが言うには、パパは昔から突然突拍子もないことを言い出して実行しているんだとか。
例えば、今私が住んでいるところの空間。
スリープシープたちが過ごす場として使われているけれど、元々はパパが突然城壁を広げようと言って作られた空間です。
で、出来上がったところで羊さんたちの件が舞い込んできたんだとか。
そんな感じで昔からパパが突然言い出すことは後々に意外と重要と言いますか大事なことだったりすることが多いそうです。
ある日は、薬を量産しようと言い出して、国全体で病気にかかりため込んでいた薬品の量がギリギリ足りたとか。
特訓で魔力消費をその日だけは極力抑えようと言った数時間後に魔物の軍勢が押し寄せてきて魔力を多用する羽目になったり
国中の建物の整備と補修をしようと言い出して、実行した数日後に天候が荒れたとか
と、そんな感じでパパが言い出すことには用心しないといけないらしい。
「浄化の魔道具自体は大量にありますよ。国中のあちこちに保管しているので集める必要がありますが。」
浄化の魔道具は、指輪型の魔道具らしいです。
浄化はあらゆるお仕事で使われるので常に一定数以上は各地で保管しているのが普通らしい。
建物や生き物をきれいにしたりしますし、普通に掃除をするよりも早いですからね。
とか言う家にも20ほどあります。
他にも、壁や床、天井などあちこちに浄化の魔道具を設置しまくってる状態です。
こうなったのはセイちゃんのせい。
私の気を使ったのか何なのか、空気清浄?をする為とか体調管理のためだとからしいです。
浄化は、病気になったときにも使うことがあります。
完全に治すのは無理ですがかなり症状を軽減させることが出来るんです。
-私自身、浄化の魔法が扱えませんし、強化のやり方が分からないので無理ですよ?-
「うん、大丈夫。その辺りは魔方陣を使って強化する感じになるから、リアちゃんがするとしたら魔力を提供してもらう程度だよ。」
魔力量を増やして強化という方面も行なうらしいです。
「そこで、リアちゃんの蛇腹剣を貸して欲しいんだ。」
・・・・・なぜに?
こてりと首をかしげるとパパに撫で回されながら教えてもらう。
「リアちゃんの蛇腹剣は、純度100%のマジックメタルが使われているだろう?」
純度100%と言うより、その金属しか使われてませんね。
糸の部分はクモさんですけど。
(コクリ)
「実は、その金属はね?凄く魔法との相性が良いんだ。」
マグマの中でたっぷりと魔力を吸い込み続けている金属でしたねそういえば。
で、魔力が多ければ多いほど硬く丈夫になるんでしたっけ。
-ミスリルという金属は、魔法付与との相性が良いと聞きましたが、マジックメタルもですか?-
「そうだね。正しく言うとミスリルはどの魔法でも相性が良いけど、マジックメタルは火と聖属性の相性が良いんだ。特に聖属性とね」
-それでどうして私の蛇腹剣に?-
「1つは、どれほど浄化が強化されるのかの実験と、リアちゃんにはきれいでいて欲しいからね。」
込める対象として探してはいたらしいですがマジックメタルが使われている蛇腹剣を思い出して丁度良いとパパは判断したらしい。
-分かりました。お貸しします。-
「ありがとうね。」
それから、パパを筆頭にエアロさんたちは嬉々として私の蛇腹剣に魔方陣を刻印し、浄化の魔法をかけながら付与してました。
私自身が、魔方陣を私の目の力で読み取れても書くことが出来ないので見学のみです。
するとすれば定期的に魔力を込めてと言われて込めてるだけです。
そのおかげで蛇腹剣は丸々1週間私の元に戻ってきませんでした。
一応特訓は私の魔法で同じ形を作り出せるので良いんですけど・・。
で、1週間過ぎて2週間過ぎた翌週の週末に出来ました。
・・時間かかりましたね。
その間、すっごい頻度で魔力を込めましたよ・・。
途中、セイちゃんも浄化魔法をかけたり色々してましたよ。
「はい、リアちゃん。」
-ありがとうございます・・実験と言いますか結果はどうだったのですか?-
「うん♪大変素晴らしかったよ。おかげで他の浄化の魔道具にどういう風に改良すれば良いか分かったからね。リアちゃんのは蛇腹剣で魔方陣を描く場所も多かったし、マジックメタルだったから思う存分魔力を込めることも出来たからかなり大がかりなのが出来たけど浄化の魔道具に関してはそうはいかないからね。」
指輪なので小さいですしね。
で、鑑定なんて出来ないのでカードさんお願いします。
紅蓮の蛇腹剣
マジックメタルとメタルスパイダ-の糸を使用して作られた非常に頑丈だが、扱いにくい蛇腹剣。
直刀で両刃剣だが、長さは通常の平均ほどだが幅は通常より狭くかなり軽いが、しなやかであり、頑丈に出来ているためとても丈夫。
刀身部分は純銀に若干ワインレッドの赤が混ざったような色をしており、グリップ部分は黒に赤を混ぜたような濃い色をしている。
鍔部分へ魔力を流しながら念じると剣の状態と鞭の状態に切り替えることが可能
↓
破邪の蛇腹剣
ありったけの浄化魔法と魔力が込められ、浄化作用のある魔方陣が描かれたことにより、色が純黒に染まったマジックメタルとメタルスパイダーの糸を使用した非常に頑丈で軽い蛇腹剣
直刀で両刃剣だが、長さは通常の平均ほどだが幅は通常より狭くかなり軽いが、しなやかであり、頑丈に出来ている
刃部分は、黒銀に輝き、その刃には、破邪の力が宿っているため、実体がなくとも悪霊でも亡霊でも関係なく斬れば強制昇天出来る。
鍔部分へ魔力を流しながら念じると剣の状態と鞭の状態に切り替えることが可能
おや?
浄化じゃなくなってますね。
きれいにするどころか悪を昇天させる・・と言うより消滅?させる感じになってます。
「別名、悪魔滅殺剣」
なんかとんでもない名前になってます。
「浄化するどころかアンデッド系とか悪魔関係に絶大な威力を誇る魔法に変化したんだ。リアちゃんとの魔力と相性が良かったらしくてね。破邪の力になったよ。リアちゃんがこの剣に魔力を込めてアンデッドを攻撃すれば体を修復させる暇もなく灰になって消えるだろうね。」
なるほど・・。
その後、パパたちは浄化の魔道具を改良して、アンデッド対策の魔道具と言う名の、悪魔払いの魔道具を作り出してました。
で、付与魔法を行なうための手袋を借りて、私もお手伝いしました。
一度見ればそれと同じのを作り出すのは出来ますからね。
その魔道具をいくつか作られた後、この国にいる全ての民間協力者(魔術師団団員のこと)にサンプルとして配布され、それらを量産し、各地に配置されました。
それにしても、大変身しちゃいましたね。
あの赤っぽい銀色のきれいでしたけど、真っ黒ですね。
私の髪と同じ色です。
けれど、きれい。
破邪の力が宿っていることもあってどこか神聖な力を感じます。
それと、お月様の光に照らすと凄くきれいです。
私は、自分の装備品は全て毎晩お月様の光に照らしています。
私自身も照らされてますけどね。
何と言いますか、そうした方が凄くぐっすりと眠れるんです。
それに凄く心が落ち着くんです。
杖さんも凄くきれいですよ。
他の人たちには普通の杖に見えてますけど私にはきちんとお花の宝石が見えますし。
それがお月様の光に照らされてキラキラしてるんです。
それと、余談ですが時折お城に行ってピアノを弾きに行くのはほぼ習慣と化しています。
お兄ちゃんとお姉ちゃん(現王様と王妃様)を初めとした騎士さんたちやメイドさんたちなど、お城に勤めてる人たちに大人気で、私が弾いているとよく聞きに来てくれます。
で、武器ですが【大剣】【投擲器】が増えてました。
それと、【暗器】も。
何と言いますか、町のあちこちでいろんな人が教えてくれるんですよね。
で、武器ですが、この2つは少し他のと毛色が異なるようです。
【投擲器】
主に石などを投擲するための武器。
石でなくともそれらしいものであれば大抵のものは投擲可能。
【暗器】
どんなものも武器として扱うことが出来、それらを隠し持つことが非常に上手になりやすい。
おや?
どうやら、この2つは投げられそうなものであればどんなものでも投げて武器に出来たり、針でも木の枝でもどんなものでも武器として上手に扱えるようになるってもののようです。
おまけに、それらを隠し持つのが上手・・まさしく暗器使いですね。
この2つは私の戦法を大きく広げてくれる素晴らしいものですね。
頑張りましょう。
おー。
そんなこんなで私の蛇腹剣は強化されたわけですが、その真価を発揮することはまだまだ先になりそうです。
と言うのも、亡霊とかも悪魔とかもそうホイホイ現れるようなモノではないですし。
で、その浄化の魔法のやりとりが行なわれたことがきっかけで、私が作るハンカチ(刺繍入り)に浄化魔法を付与されるようになりました。
今のところそんなことしているのは私のハンカチだけ。
元々浄化を付与するのは魔道具の指輪だけなのでそんなわざわざハンカチとかに付与するという考えがなかったんだそうです。
それで、同じようにまねをしてーとか言うことはなぜかないらしい。
なぜに?と思ってパパに聞いてみたところ
「リアちゃんが・・と言うよりエトワール家独特のやり方って言う感じで伝わったらしくてね。異世界人が言うところの特許とかいうのをとったような感じになったらしいよ。」
つまりは、ハンカチに浄化を込めることが許されているのはエトワール家だけと言うこと。
要するに私だけと言うことらしいです。
それがきっかけで、私のハンカチを求める人が密かに増えるのはここだけの話。
おまけに、パパが言っていたのですがエトワール家だけが許された浄化魔法が付与されたハンカチですが、この国の貴族たちと教会の関係者と、私をなぜか信仰している人たちの認識ではエトワール家だけではなく、私だけのモノという認識になっているんだそうです。
おかげさまで、この国の公爵と言うこともあって浄化入りのハンカチは数量限定とは言え、この国の特産品みたいな扱いになっているそうです。
・・・なので、ハンカチを作る量が増えましたよ。
種類は、倍以上の20~30種類ほどになりました。
とはいえ、数は1種類に付き10枚は固定されてます。
数も増やそうとしたモノの、ムリはさせてはいけない!とものすごい必死な感じで遠慮されたのでこんなことになりました。
とはいえ種類は相変わらず私の気分でコロコロ変わる。
で、特産品扱いされたことにより、この国の王族を初め、国に仕える立場の人たちである騎士さんやメイドさんなどの人たちや、教会のメンバーは私の作ったハンカチを常に所持することが義務づけられたんだそうな。
あ、もちろん流星の里にも人数分送りましたよ。
それと、お母さんと桜華さんへお祈りして送りました。
とても喜んでもらえましたよ。
そのおかげで、私は常に影さんを数体呼び出している状態で、勉強している子と特訓してたり特訓に付き合っている子たちは別行動しているけど、2~3体は常に私の傍にいて刺繍をしている感じです。
私自身、やることがたくさんあるので刺繍意外にも色々してますからね。
「ねぇ・・リアちゃん。」
(?)
「入学してからリアちゃん忙しすぎない!?」
お昼休み
セイちゃんからこんなツッコミを頂きました。
-そうですか?-
「そうですかって・・そうだよ!定職に魔術師団長として団員たちとの連携、令嬢としての学びごとに習い事、それに加えて学園だよ!?影さんたちなんてほぼ出しっぱなしで何かしら作業をし続けてるよね!?」
-一度出せば魔力は消費しませんよ。それに数をこなして慣れてきたのでそれほど難しくありませんし。-
魔力は消費しなくとも頭でどういう行動をするようにと言う指示は出さないと駄目なので何かしら考える必要がありますが。
異世界人が言うところの、コントローラーでキャラを動かしている状態と同じです。
ある程度は~をしろという指示で勝手に動くけど、その時に併せて~をしろと指示を変更しないといけませんし、感覚以外の五感を共有しているだけで見て判断すると言うことがほとんどありませんしね。
指示を出さないと動かないロボットのようなモノだと翠ちゃんは語ります。
「だけどさぁ・・大変すぎない?」
-学園ではたいして疲れませんから問題ありませんよ。ただ、食事量が増えただけです。それと、寝る時間が延びましたね。パパもムリはさせないように貴族たちに言ってますし、教会の方々もムリはさせないように徹底させてるみたいですし。-
「なら良いけど・・ムリしたら駄目だよ?」
(コクリ)
とはいえ、実はここ数日がこんな感じだったので影さんたちである【人形劇】ですが、扱い方により慣れてきたこともあり、刺繍を行なうことと、素振りを行なうこと、周囲を警戒しろというくらいの命令であれば私が細かくイメージしなくとも勝手に何も私が考えなくてもしてくれるようになりました。
元々【人形劇】はそれぞれの個性を持たせることが出来る技です。
これまではおそらく私は十全に使い切れていなかったんだと思います。
それが、今回のことである程度のことは勝手にしてくれるようになったんです。
ただまぁ・・それを実戦とかの戦いで使えるかと言われたら頭にかかる負荷が2割ほど減る程度ですね。
つまりは、1つの武器だけを使って攻撃しろなら出来てもその場に合わせて武器を変えたり影さんたち同士でチームプレイを行なう等のような少々複雑な命令は私が細かく命令しないとムリなんです。
そのせいなんですかね?
セイちゃんが凄く心配して、何もどこにも怪我をしてないのに回復魔法だの治癒魔法だの浄化魔法だのをこまめにかけてくれる。
ホントに心配性なんですから。
ホントに普段より寝る時間が延びて食べる量が増えただけなんですけどね。
ずっと特訓させるような動かすようなことではなく、刺繍などの手先部分しか使わない・・つまりは動かずに出来ることなので操作も凄く楽なんです。
-それに、忙しいのは一時的だけですよ。-
「そうなの?」
-今はやり始めだから多く作らないとならないだけなので、ある程度数が揃えば後は数量限定という形で一定数だけになりますから。-
「なるほど・・なら良いけど。」
ちなみに元々私のハンカチは銅貨15枚ほどだったのですが、どうせだから良い生地を使おうという話が上がり、浄化魔法がかかってるからとかクテン様というブランド名が云々とか公爵家からだからとかなにか色々と話し合いがどこかで行なわれたらしく現在では銀貨1枚になってしまいました。
その一部が私に渡されることになっています。
まぁ、元々は売上額の5割を渡し、残りがお店側ということになっていました。
ですが、色々と話し合った結果、その5割のうち7割ほどを孤児院などのようなところへ寄付する形にしました。
なので、私の手取りが2割、3割が寄付、残り5割がお店側という感じです。
まぁ、お店側がなぜか申し訳ないと言い出して、
私4割、寄付3割、お店3割になってましたけど。
私が多いけど良いの?と思ったけど、私のハンカチをきっかけにそのほかの商品も多く売れたので問題なしということになりました。
当然、私が作ったもの限定の売上金ですよ?
それと、余談ですが、浄化付与を私が出来るようにと、浄化付与を行うことができるようになる手袋をもらいました。
これで、私1人でも浄化付与のハンカチが作れます。