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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
初めての出会いと幸せとは
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シャスティの本気

-カルナ-

俺とシャスティはカタクリっていう町にいる冒険者の連中と一緒に町の門の外にいる。


目の前からこれまで一度もみたことないくらいの数の魔物の軍勢が押し寄せてくる。

しかも、変異種がゴロゴロいやがる。

サイズがデカかったり内包する魔力量が桁違いだったり


フリージアは監視塔の上でおとなしくしてもらっている。

マスターはどこまでも優しい人だ。

今回だって、町が大変なことになるとあの幼い身で世間のことをほとんど知らないのに俺とシャスティの力が必要だと察して自分の不安とか恐怖を無意識に押し込めて戦うように促した。

無理強いはいつだってマスターはしない。



「カルナ、俺たちで一発目にど派手にやらかすから後は任せたぜ?多分それ使ったら俺等ぶっ倒れるからさ。」

100人以上いる中で魔法攻撃専門の奴らが20人でそう言った。

最初にでかいのを撃って減らすのか。

魔力がそこを尽きるとかなりの倦怠感に襲われる。

だが、その限界の時に精神力で無理矢理威力を上げたりすると気絶するんだ。


「わかった。俺等は遠距離とかほとんど出来ないからな。」

「うし!じゃあ行くぞおまえら!」

全員「おぉぉおお!!」



俺等よりも冒険者として戦っている期間はみんな長い。


だからだろうか。

普段は喧嘩したり豪快に笑ってたり酒飲んでたりと自由な奴らが、今は全員で真剣な顔で自分たちよりも何倍の数もいる魔物の軍勢をにらみつけている。

まぁ・・・マスターがいるおかげで最近はまじめに働くことが増えてるみたいだが。

やっかいな称号を持ってるからなぁ・・・ホイホイ系とか・・。


アレは、本人が無自覚な状態だととれるんだよなぁ・・はぁ。





そして、彼らのチームプレイによる広範囲の魔法攻撃はすごかった。

まず水魔法によって豪快にまんべんなく乱れ打ちをして、とりあえず数を減らす。

そしてそいつらが魔力が尽き、気絶すると他のメンツで回収しながら土魔法でそいつらの動きを阻害する。

阻害しながら貫いたりして攻撃は当然続ける。

そうしている内に火と雷を扱う連中が一撃で最大威力を放つために意識を集中させ魔力をありったけの量を込める。

こいつらは一撃で気絶するまでの最大威力を放つつもりなんだ。


そして、土魔法を扱う連中が限界を迎えたところで


「ぶっぱなせぇぇ!!!!」

「吹き飛べやぁ!!!」


気合いの声と共に火と雷の魔法が発動する。

魔物共に向かいながらその魔法は混ざり合い、魔物に着弾するのと同時に


-ドカァァアアアアアン!!!-


大爆発を起こした。

すげぇ、

魔物が3割くらい減りやがった。


確かペチュニアさんが言うところの水蒸気爆発と、水に電気って組み合わせの定番と、火と雷の組み合わせの謎爆発だったか?

それらを一気にまとめてかよ・・すげぇ。

しかも、こいつら気合いでそれらの爆風とかの指向性も全て魔物の方に向くようにねじ曲げやがった。


そうじゃなきゃこっちにもそれなりの被害が出てる可能性だってあったんだ。


そして、彼らは気絶する中、俺たちに目を向けてニッと笑った。

後は任せたという表情だった。

全員が察して、俺が代表として

「行くぞ!!!」

全員「おう!!」




何で俺が代表なんだと思うと思っているだろうから一応説明しておくな?

何つぅかさ・・マスターって本人は分かってないがかなりの人数に気に入られてるんだよ。

よからぬことを企んだりした貴族とかも実はいたんだが、密かに身分を完全無視して町の連中が一致団結してその貴族共を精神的に完膚なきまでにたたきつぶして、あることないこと色んな噂をばらまいたりしてその貴族共が貴族として普通に生活出来なくなるまでとことんやっちまったほどだ。

で、そんなフリージアの獣魔な俺とシャスティ、翠だが、主に俺が教育係筆頭をしてたりするから気づけば今回の戦いでも俺たちの戦いが決定した直後にこうなった。


まぁ良いけどな。






俺たちは戦う。

俺は口から毒針を飛ばせるようになったから空を飛べるという利点を利用して空中から魔物共に乱れ打ちしつつ、死角から爪で急所を切り裂いたりしている。

シャスティは、色んな冒険者たちとの模擬戦を繰り返したおかげか1対多の戦いにかなり慣れてきた。

そのおかげで爪で切り裂き、尻尾で首の骨を折りと、演舞を舞っているかのように無駄のない動きで大暴れしている。


実は、シャスティって俺等の中で一番マスターに心酔してるんだよ。

それと、ニャーとしか言えないから言葉の通じる連中だけが知ってることだが、実はシャスティの声ってすっげぇ美人なんだよな。

雌だぜ?

一応言っておくと。


それと、シャスティを怒らせたら一番駄目だ。

何せ、マスターに良からぬ目を向けた奴を察知した後、隙を見てそいつの腕か脚をへし折ってるからな普通に。

しかも、明らかにクズだったら背骨を平気で折るし。


すげぇんだよ。



で、シャスティはマスターに頼られ、守るものがないため思いっきり戦うことができる。

おまけに周囲には敵だらけ。

他の冒険者の連中は魔物が余りにも多いため、小チームを組んで分散してるから近くには俺らだけだ。

いわば、リミッターが解除された状態だ。






だが、敵は多かったし強かった。

というより多すぎるし強すぎる。

気を付けるのはリーダー格であるエンシェントゴーレムだけかと思いきや、その他もろもろの軍勢の中に予想外なのが大量にいた。

ちなみに数は報告に聞いていた500の倍は軽くいた。

つまり4桁越え


で、問題なのがこいつらだ




マジックドラゴン

それぞれ1種類の魔法に長けたのに加え、非常に頑丈な翼のない4足歩行の地を這う全長5~10メートルサイズが平均サイズのドラゴン

一応基本属性である5つの種類が存在し、それぞれの魔法に該当する色の鱗を全身に纏っている。

変異手に関しては、数種類の魔法を操る。

とにかく頑丈で口からはそれぞれの魔法を放つのに加え、噛みつきや切り裂き、尻尾での薙ぎ払いなどにはすべてそれらの魔法がまとわれており、パワーもかなり高い。

獲得部位:魔石、魔核、鱗、爪、牙、骨



ドラゴンだからか落とすアイテム類もかなり数がある。

動きはたいしたことないが、それぞれの魔法を扱うのに加えて、ものすごく頑丈でそこらの武器ではぎりぎり鱗にひびを入れるかどうかというレベルだ。

しかも力がかなり強いし遠距離攻撃もする。


俺はどうにか目とかの柔らかい部分に毒針を放ってるが、毒に耐性があるのか動きが微妙に遅くなった程度で全然だめだ。

しかも、一度目にすれば瞬時に対策してくるから2度目はできない。

おまけに目以外に柔いところがないというのが面倒なところだ。




つまりはほとんど俺はこいつら相手に役に立たないんだ。

他の冒険者たちも小グループ2~3つでどうにか1体倒している状態だ。

その中でシャスティが最もすごいと思う。

シャスティは爪に魔力を宿すことで斬撃の威力を上げ、そいつらを切り裂くことができるからだ。

だが、1回で絶命はできないからかなりの回数が必要だ。

こいつらはかなり生命力が高いからな。



しかも面倒なことに、約1000のうち、半分は様々な魔物の軍勢で、半数近くは変異種、もう半分がこいつらだ。

おまけにそいつらを倒した後にこいつらの何倍も強いバカでかいゴーレムがいる。

その硬さは今目の前にいるドラゴンの10倍はあるとか。



そんな状態でシャスティも体力の限界だった。



俺がフォローしたり敵の動きをほんろうさせたりしてるが、体力に関してはどうしようもない。


そろそろ俺があれを使うべきか?

強いのは確かだが、個人的にはほいほいやりたくないんだよなぁ・・1回もなったことないからあれだし、後後であ~だこ~だ言われるのがなぁ・・。


すると、突然幼い女の子の声が頭の中に響いてきた。


-カルナ、シャスティ-

-頑張って!-

-無事に帰ってきて!-


初めて聞く声だった。

なのにすごく心が温かく、そしてすごく幸福感があふれてくる気持ちになる。

初めて聞くのに俺は知っている。

この声は間違いなくフリージアだ。


シャスティも戦いながら嬉しそうな表情をしている。

頑張らないとな。


と思っているとさらにこんな言葉が届いた。


-私の保護者を名乗るならもっともっとすごいんだってところを見せてよ!!!-



あぁ・・


ヤバい

これはヤバい。


これほどうれしくもやる気に満ち溢れさせる言葉は他にない。




-カルナ-


おっと、シャスティだ

実は俺たちは念話っていう口にせずにしゃべれる技と似たようなことができる。

これに関してはシャスティと俺との間でしかできない。


詳しく言うと、心の中で伝えたい言葉を浮かべ、俺の場合シャスティへこの思いを届かせるように願うとそのまま頭の中にダイレクトに言葉が通じる。

理由はわからないが、俺とシャスティは心を通わせることで軽く願うだけで思ったこと考えたことを伝えることができる。


「どうした、もう限界か?」

-アレを使います。-

「良いのか?場合によっては周囲のやつらに・・・それに・・」

-関係ありません。フリージア様はどんな姿も好きだといつも私に言って下さいます。私はフリージア様以外はどうでもいいです。それに、フリージア様があぁおっしゃるのです。私がどれだけフリージア様を愛し、慕っているのか。私自身の実力を見ていただかなくてはなりません。-


あぁ・・やっぱりこうなったか。

シャスティは言っちまえばフリージアを溺愛して、崇拝してる状態だ。

たぶん人型になったらペチュニアさんと似たようなことになるような気がする。

ただし、テンションは今のように丁寧で物静かな状態で心の仲は燃えに萌えまくってる状態で。


・・・ありそうだなぁ。

シャスティの場合はいつか人型になりそうだ。

俺はないと思う。

必要性を感じないし。

その前に、シャスティは人間の言葉をしゃべれるようになりそうだな。


翠は・・・人の形にはなりそうだな。

透明度とかそういうのがどうなるやら謎だが。


-カルナ、あのトカゲ共は私の獲物です。それとあの石くずも。敵味方の配置だけを教えてください。-

「あいよ。」




-シャスティ-

あぁ//

あぁ//


何と可愛らしく、何と愛らしい声なのでしょうか!


産まれて初めてフリージア様を拝見したときに即決しました。

生涯このお方のためにこの身をささげようと。

本来であればあの屑領主は私の手で殺してやりたかったが・・・


まぁ、あいつはもうどうでもいい。

あそこから色々あって抜け出すことができた。

あの後からフリージア様は体力などの都合上とても大変そうですが、その分新しいことがたくさんでとても楽しそうにしていらっしゃる。

はぁ//

かわいい//

愛しています//


だというのに、今目の前にいるトカゲ共をはじめとした魔物どもは私の愛するフリージア様との幸せな生活の邪魔をするのですね!

良いでしょう!!

殺ってあげますとも!!

フリージア様直々に応援してもらっているのですから。



ですが、その私も体力の限界でした。

トカゲ風情にぃ!!


そう思っていた時にフリージア様のお声が私の中に響き渡る。

その声が私のすべてを癒してくれる。

そして私はフリージア様の愛らしい声を聴き思い出しました。

【守護モード】のことを。

この技に関しては、フリージア様のギルドカードが出来上がり、実際に見るまでは知ることすらありませんでした。

そのため、忘れてました・・・

くっ!

フリージア様とのつながりによってできたとても大事な力だというのに忘れるなんて!!



その憂さ晴らしも含めてトカゲ共!!!

覚悟しなさい!!!



【守護モード】

発動!!




私の体が大きくなり、少なからず体に受けていたケガもその時にきれいになくなってしまった。

そして、力が湧いてくる。


身体がぐんぐん大きくなっていく。

そして、心の奥底から湧き上がってくる大きな力と獣としての意志が私を咆哮させる。



-グォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!-



ふぅ。

少しすっきりしました。

ですが、予想外なことにトカゲ共が軽くひるんでいました。

偶然ですが、都合がいいです。


蹂躙いたしましょう。




力強く地をかけ、爪を伸ばして敵を切り裂くと普段の普通の猫サイズでは鱗に浅く切り傷を入れてる程度でしたが、サクッと切り殺すことができました。

爪も1メートルほどと長く伸ばすことができますし、魔力量も体の巨大化と並行して増大してますし、ちょうどいいですね。

そして、反対側の敵を尻尾で薙ぎ払うと、数匹まとめてベキッ!っていう音を立てて周囲の魔物を巻き込みながら吹っ飛びました。

尻尾もかなり長くなりましたし、パワーも上がってますからね。

それに、普通に駆ける速度も倍以上上がってます。


素晴らしいですね。

これならば道中、フリージア様を背に乗せて駆けることだってできる。

もっとご奉仕できる!

調合薬やご飯などを作ったり櫛などで身だしなみを整えて差し上げたりと色々としておりますが、足りません!

もっとフリージア様を堪能したい!ご奉仕したい!!



そして、愚かな魔物ども!!

その命をもって我麗しきフリージア様のために死になさい!!







-カルナ-

うわぁ・・

すげぇ・・・

必死に背中に捕まってどっちにどのくらいの距離に冒険者の人数、魔物の種類と数を指示してるんだが・・・


あぁ、方向は時計の何時の方向っていい方だぞ?


【守護モード】って体がでかくなるだけじゃなくてこれほど強くなるものなのかよ。

さっきまで苦戦して倒してたドラゴンがあっさりと殺されてるし、尻尾やつめからは斬撃とかが飛びまくってまさしく蹂躙。


おまけに本人はなんかバーサーカーモードになってるのか何なのか普段よりも獰猛な笑みを浮かべながらカチカチと歯を鳴らしながら殺しまくってるし。


なんか、猫だったころの名残なのか獲物を襲うときにやる行動らしく、武者震いの親戚らしい。




ほれ見ろ・・

他の冒険者たちもシャスティのいろんな意味での大変身で軽く固まってるだろ。

まぁ、すぐにこっちも負けてられるかとか言ってなぜかメンタルブーストかかってたからいいけどさ。

それに、シャスティの咆哮だけで結構な数の魔物がビビって固まってたぞ?

本人は気の向くままに叫んだだけっぽいけどかなりの凶器だぞ?


まぁいいか。



うん、改めて思うよ。

シャスティの主がフリージアで。

あの子ほどご奉仕のし甲斐があったり、守りがいのある子はまさしくシャスティの暴走を良い方面に作用するだろうしな、お互い。

そして、その主の教育係として俺、翠はそのサポートって感じか?

そう考えるといいチームだな。





てか、シャスティの大変身のおかげでありえねぇ速度で魔物が殺されてるし。

斬撃は飛ぶわ、普通の速度は上がってるわ、尻尾のリーチは伸びてるわ、純粋なステータスが全部上がってるわで気づけば大本のゴーレム1体と周辺に残りの魔物が100前後いるくらいだ。


「シャスティ!!残りの雑魚どもは俺らに任せろ!!そのまま頭を潰せ!!!フリージアちゃんに良いとこみせてかっこよくボスを倒そうぜ!!」

お、おい・・今そんなこと言ったらメンタルブーストがかかりすぎてバーストするぞ!?

だが、そこに追撃

「ただの魔物じゃないのは俺らだって知ってる!どんなのかは知らんが強い敵は倒せばそれだけ強くなれるし、証明になる。しかも、お前ら獣の部類に関しては本人が望む方向へさらなる強さを手に入れることができる!!技が何か手に入りやすくなるぞ!!つまりは、レベルアップで新技ゲット!!その技使ってフリージアちゃんを惚れ直させてやれ!!」


あぁ・・・もう知らねぇ。



「ぐぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」



「俺らも負けてられるかぁ!!うぉぉぉおおお!!!!!」

「おぉぉぉおお!!!!!」




そして俺は、冒険者たちのフォローに回ることでシャスティから離れた。


シャスティは俺を背に乗せていたことである程度動きをセーブしていたらしく、さっきよりすっげぇ速度で走り出した。


あのエンシェントゴーレムは変異種らしく普通のより動きが速いし滑らかだ。

シャスティと比べると遅いが、スムーズに対処できている。


シャスティが斬撃を飛ばすと片腕でカバーし、自身の魔法で修復する。

本体を傷つけられるより効率的だ。

そして、尻尾で攻撃。

それは本体にひびを入れるかへこませる程度だ。

ひびは一定数より大きくなれば修復されるが浅ければそのままだった。

後、へこんだ部分もだ。



こいつの魔力量は半端じゃないが、無限じゃない。

つまり、回復できるのはその魔力がある限りだ。


それに、こいつの体内のどこかにある核を潰せば倒せる。

ゴーレムは大体そんな感じだ。








-シャスティ-

ちっ!

さっきからこのゴーレムは最小限のダメージに抑え、そこを修復させるという行動を繰り返しながら私の動きにくい部分を狙って殴りかかってくる。


やりづらいですね。

かなり全力で攻撃しているのですが・・。


こいつも魔力量は無限ではないとは知っているので続ければ問題ないのは知っていますが、それはこちらも同じ。

こちらはどちらかというと体力勝負という感じですが。

このモードであれば体力もかなり上がっているのでちょっとやそっとでは問題ありませんが。



核の位置を攻撃しながらそのかばい方から分析していますがなかなか見つかりませんね。


・・待てよ。

さっきから私は、一撃一撃で殺す気で攻撃していました。

そして、そいつには最小限に抑えられて攻撃した威力を流されていた。



そうなるのであれば無理な力は入れる必要ないのでは?

そして、軽く力を抜いた分手数を増やす。



試してみる価値はありますね。



私は全力でそいつに向かって駆け、爪と尻尾を全速力でまんべんなく攻撃する。

全力でそいつを四方八方へ周囲を動き回りながら攻撃し続ける。



そうしながら、そいつのかばい方を分析する。



腕や足は当然核はない。

頭は、一応守ってはいますがそれほど必至というわけではない。


そして、とある部分でかなり過剰に守っていることがあった。

とはいえ、慎重に見なければわからないほどほんのわずかに他の場所よりも必至だと気づいた程度ですが。



そうですか。

そいつの核は、人間でいうところのへそから胸の間のちょうど中央なんですね。


魔力切れで殺すのも可能ですが、思った以上にこいつの元へたどり着くまでに体力を使っていたようであまり長期戦はできませんからね。


ですが、貫通させるほどの威力を・・しかもカバーする腕を貫通したうえで腕より硬い本体を貫く・・・おまけにバカでかい。



かなり気合を入れる必要がありますね。




そういえば私は今の姿であれば斬撃が飛ばせましたね。

ですが、斬撃は形が決まっているわけではないはず・・・これでいきましょうか。




私は斬撃を全力で放つために魔力を尻尾の先へ集中させながら爪でそいつに悟られないようにまんべんなく攻撃していく。

私はこれまで大量にこいつに傷を負わせたのである程度パターンは把握しました。

一定以上損傷すると修復するようでしたのでしないぎりぎりの部分まで全体的に攻撃を加えていきます。


そして、尻尾の先に私が必要と直感で確信した十分な量の威力が溜まりました。



私は、尻尾をまっすぐ突きを放つような形で構え、全力でそいつに向かって駆けだす。

全速力でそいつに向かって真っすぐに走り、そいつにぶつかる直前で腕をそいつがクロスするように核のある部分の前で防御したため、爪で全力でそいつの腕を攻撃し、修復される前にそいつの本体の核のある部分へまっすぐ貫き、そのままゼロ距離で斬撃をまっすぐ貫くように放った。

限界まで魔力を込めた一撃です。

おまけのゼロ距離。

全身をかなりずたずたにしたのでさすがに防御しきれないでしょう?


私の思った通り、見事に斬撃はそいつの核を貫いた。


サラサラとそいつはアイテム類だけになった。



フリージア様、倒しましたよ?

頑張りました。

頑張ったのでいっぱい撫でてブラッシングしてください。

愛していますフリージア様。







私がゴーレムを倒したのとほぼ同時に残りの魔物も討伐された。

「か、勝ったぞぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

全員「うぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

「すげぇ!!すげぇすげぇ!全員生きて勝ったぞ!」

「あぁ!あんな不利な状況で勝った!!俺たちは全員生き残って勝ったんだ!!」

「おら!カルナにシャスティ!後片付けとかは俺らに任せて早くご主人さまのところに行ってきな!」

その言葉にありがたく感じながら私はフリージア様の元へ足取り軽く駆けだした。









-フリージア-

カルナもすごく上手にサポートしてたと思うけど、シャスティすごい。

おっきくなってからすごく強くなった。

ここまでシャスティの鳴き声がびりびりって空気が震えるほどすごかった。

そして、あのおっきなゴーレムを倒した。


その前にいっぱいいた魔物も倒してた。

ホントすごいと思う。

やっぱり私の最高の保護者で家族だよ。


翠ちゃん

本当だった。

私の声ちゃんと届いたんだね。

-でしょ?早く、2人のとこ、行こ?-

そうだね。

私は監視塔からよたよたと降りてカルナとシャスティの元へ向かった。




戻ってきたカルナとシャスティ。

カルナもシャスティも少なからず怪我がいっぱいあった。

で、シャスティはおっきい姿のままだったからせっかくなので抱き着いて全身でモフモフを堪能しながらカルナも一緒になでなでして頑張ったねって、すごいねって気持ちを伝えました。

シャスティののどもゴロゴロ言ってるから幸せそう。

カルナは恥ずかしいからとか言ってるけど口だけだからうれしんだと思う。

カルナは世間でいうところのツンデレ?ってやつだと思う。


で、お疲れさまと精一杯の笑顔をしたら

「にゃん(とてもかわいい笑顔ですね。フリージア様愛しています//)」


おや~?


にゃんという声と、すっごいきれいなお姉さんの声が二重で聞こえてきましたよ~?

ちょっと確認してみましょう。

今のシャスティはおっきいですからね、簡単に下に潜り込めます。

そして、いつもモフモフするときに敏感に反応するところをつつきます。

「にゃぁ!(ひゃん!)」

やっぱり聞こえますね。

きれいなお姉さんの声です。


しばらくシャスティをあっちこっちつついたりモフモフしたりしてみた。

おっきくてもにゃんこさんですからね。

毎日お風呂でシャスティの体を隅から隅まで私が洗っているんですよ?

で、それを今やってみたらいつもの気持ちよさそうな鳴き声と一緒にすっごいトロンとした美人さんの声が一緒に聞こえてきました。

やっぱり気持ちよかったようです。

「にゃぁぁぁ//(フリージア様//すっごい・・てくにしゃん//愛していますぅぅ//)」

私も大好きだよ?



私の行動にさすがに不思議に思ったらしくカルナに翠を通して事情を説明してみた結果教えてくれました。

どうやら、いっぱい戦って勝ったから何かしらシャスティが成長したか私とのつながりが強くなったのかでこうやって私はシャスティが言ってることが理解できるようになったみたいです。

ならどうしてカルナはなっていないのかと聞いたみたら

「俺は変化を求めていないからな。せいぜいより強くとかそのくらいだ。」

だって

つまりシャスティは私とお話ししたいって思ったってことだよね?


とりあえず、シャスティはお疲れのようなので元の普通にゃんこサイズに戻ってもらいました。





その後は、宿に帰り一緒にお風呂しながらシャスティをいっぱいきれいに洗ってあげました。

いつもと違って人の声でしかもすっごい美人さんの声でうっとりとした声で気持ちよさそうな声を上げてくれるのですごくやりがいがありますし、楽しいです。

シャスティってかわいい。

で、たっぷり洗ってあげた後は一緒にベッドの上でシャスティをブラッシングしてあげます。

なんか、フリージア様なしではもう生きていけない体になっちゃったとか言ってた。

私もシャスティがいないと無理だよ?


そして、カルナも抱きしめたりモフモフしたりしていっぱいスキンシップしました。

あ、当然翠もね。

みんな仲良くモフモフ。



2人ともお疲れ様。

すごかったよ。

それと、本当に無事でよかった。


私、もっと頑張るからね。

日曜日も投稿しますが10日も投稿します

210とぞろ目なので

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