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いじめられていた先輩

--フリージア--

4年生と合同で訓練をしているといじめられている女性1名を発見していじめている人たちと見えないふりをしてる人たち全員を魔法でボコボコにしました。

セイちゃんがしっかり治してくれて、ついでに弱まってるとこ?とかも治したらしいけどそれは体力を使うらしいので起きたらしっかり食べさせて欲しいそうです。

まぁ、念のため眠り効果のある栄養剤(セイちゃん実家より)を使ったらしいのでしばらく寝てるらしいけど。


ちなみにその被害者の先輩ですが、

やや青みがかった白い髪を肩を越すほど伸ばしているおっぱいはEを越えるという大変素晴らしい(まだ成長中)です。

みた感じでは優しそうと言いますか気が弱そうな雰囲気です。



と言うわけで、丁度授業は終わったので、ジャンさんに抱えてもらって学園の門をくぐったところでリカルさんとシャスティたちと遭遇。

「おかえりなさいませ・・いかがなさいましたか?」

{わけは後で話すのでとりあえずジャンさんから彼女を預かって下さい。しばらく家で保護します}

「承知致しました。ジャンさん預かります。」

「あ、お願いします。理由はここではアレなのでフリージアに後で聞いて下さい。」

「かしこまりました。」

「ネルさんから学園側には通達済みなので彼女に関しては数日は休んでも問題ありません。」

「分かりました。とりあえず帰りましょうか。」

(コクリ)

-ジャンさんもここまでありがとうございました-

「気にするな。先輩らしく出来なくて悪い・・それと、彼女をよろしく頼む。」

(コクリ)

私以外全員が寮住まいなので満足する施設が学園側だけでそこで何泊もさせるのは不安と言うことで家で預かることになりました。




「師団長お帰り!・・・エアロ」

「えぇ。リカルさん預かります」

「お願いします」

「部屋はどう致しますか?」

-私の部屋にお願いします。-

「では、敷き布団も持ってきますね。」


「翠、ティア、その子の体を洗ってあげて」

-はーい-

「かしこまりました。」





それから、手早く夕食を済ませた後、私の部屋で先輩の看病をしながら事情を話した。

体を拭いてあげているときに翠ちゃんが汚れをとったり体に悪そうなのは一通り取り除いてくれたらしいです。

一応ラナちゃんに今はくっついてもらい、そう言う成分を全て取り除いてもらっている最中です。



「そっか。嘆かわしいね」

パパの瞳には怒りの感情が宿る

「えぇ。信じられません。」

「とりあえず落ち着いたところでさりげなく事情を聞いた方が良さそうですね。」

「ムリに聞いて心の傷になりかねないもんね。」

「その点で言うと、師団長とか俺等がいる家で預かるのは一番良かったと思うぜ?」

「確かにな。心のケアとかなら師団長とイリスさんの右に出るのはいないだろう。」


「僕は男だからとりあえず距離開けておくよ。どの部分で傷つけてしまうか分からないからね。リアちゃんよろしく頼むよ。」

「師団長。学園に通っている間は私たちが交代で看病しますので。」

「師団長まかせて。」

「お任せ下さい。」

(コクリ)


「とりあえず今日はもう休もう。」











翌日になっても先輩は起きなかったのでエアロさんたちに看病をまかせて私は学園に行きました。

学園に着くとセイちゃんたちが聞きに来た。

「リアちゃん、あの先輩どう?」

-エアロさんたちが交代で見て下さってます。今はまだ寝たままです。-

「そっか・・」

-しばらくは私は早めに家に帰ります。私がメインで看病することになりましたから。私が話しをする相手としては適任らしいので-

「確かにね。リアちゃんが一番良いと思う。」

「フリージアさん、職員を代表としてお願いするね。」

(コクリ)

-一応シャスティも傍にいてくれるようにお願いはしてます。調合も出来ますから-

「ふつうににゃんこだから安心だしね。」

「そうだ。フリージアさんは優秀だし実力も知ってるから午後の授業は免除するよ。」

-よろしいのですか?-

「良いよ。実力は既に知ってるし、今回の件は職員同士で既に共有済みだからその看病として学園長にも許可はもらってるから」

(コクリ)

「ホントは今の時間帯も免除出来れば良いんだけど、自習だから無視して良い気がするけどそこは駄目だったんだよね・・ごめん。」

-エアロさんたちは優秀なので大丈夫ですよ。-

「そう言ってくれもらえて感謝するよ。」








そんな感じで昼食も手早く終わらせて私は家に帰りました。

「あ、師団長お帰りなさいませ。」

-ただいま帰りました。-

「午後の授業は?」

-ネルさんが事情を説明して免除にしてくれました。-

「あの先生さすがだね。」

-それで彼女は?-

「先ほど体を拭いてあげたところですがまだ起きません。シャスティさんが言うには体調はラナさんや翠さんたちが今朝までみっちりと対処したので問題ないらしいので後は目を覚ますのを待つだけです。シャスティさんの調合した塗り薬は一応塗っておきました。」

-ありがとうございます。後は私が請け負いますので皆さんは休んで下さい-

「かしこまりました。何かありましたら呼んで下さい。」

(コクリ)





「にゃう(おかりなさいませ)」

{シャスティただいま。彼女はいかがですか?}

「にゃ~うにゃう(回復促進の塗り薬は塗らせましたし、今朝まで翠とラナが対処してくれたので目を覚まして何か食べさせれば問題ありません)」

{ありがとうございます。}

「にゃう・・・にゃう(ですが、かなり不安なのか時折震えています)」

寄り添うように丸くなってるシャスティのぬくもりでとりあえず落ち着いているそうですがそれでも恐怖による震えは収まっていないようです。


私は、先輩を抱きしめるようにして添い寝して歌います。

安らかな気持ちになれるように。


大丈夫ですよ。

私が傍にいますから。







--???--

私は、魔力は多くあるのに魔法が使えなかった。

そのせいで役立たずと家族や町のみんなから言われて育った。

そして、7歳になった頃に私は追い出された。

1文無しだ。


それから、通りすがりの優しいお姉さんたちに他の町に連れて行ってもらい、そこで宿屋兼食堂の店員として働かせてもらい、屋根裏に住ませてもらった。

そこの店長さんは口は悪いけど凄く優しくて服も温かい食事もただでくれた。

お給料も払ってくれたから貯金することが出来た。

・・使うことがなかったから貯まったのが正しいかな。

そして、私が魔法が使えなくても働けるんだから関係ないと言ってくれた。



そんなある日、クラリティ王国の学園を紹介してもらった。

そこなら私が魔法が使えない理由が分かるかも知れない。

後は、魔法が使えなくても明るい未来・・私のなりたいモノがあるかもしれないからとその宿屋の常連さんに教えてもらった。


そして、ちょっとずつお仕事の合間に頑張った勉強が役立って無事に入学出来た。

そこの学園長が凄く優しくて、入学金も寮の代金もその頑張りに期待して半額以下にしてくれた。

全て私が働いて払わないといけないから空いた時間は全て冒険者として仕事を続けている状態だ。

お店での仕事はどこも人手は余っているらしく見つからなかったから冒険者になるしかなかった。



ここなら私と仲良くしてくれる人たちがいるかも知れないと思い、頑張ったけれど現実は甘くなかった。

魔法が使えないのに魔力は多い。

そしてあっという間に私はいじめの対象となり、基礎的な身体強化だけかろうじて出来るようになったけど、魔法の的として今の4年生になるまでずっと1年生の頃から続いている。

悲しかった

悔しかった


それで学園を抜けるのは嫌だった。

学園長の思いを踏みにじるようで嫌だったから。

それでも頑張ってるのにどうしてみんないじめるの?

魔法が使えないことがどうして駄目なの?




そんなある日、今年の入学生のSクラスと合同になった。

私のような惨めな存在じゃなくて圧倒的な天才の集まり。

その中で一際目立っていたのは今年のナンバーワンの子だった。

凄くかわいくてストレートの黒髪が凄くきれいだった。

剣を振る姿もかっこよかったし、あのゴーレム?もかわいかったし動きもなめらかで凄かった。


そこで、あのハーレム野郎が女の子たちを侍らせてからみに行った。

かろうじて声が聞こえていたので魔力制御の練習をしながら耳を澄ませているとまず一言目にナンパしたと思ったら即答で拒否。

2回目は、拒否と脅しだった。


何と言うか凄く男前な性格だなと思った。

で、相手は思った通りキレたけど瞬殺。


・・あの人アレでもトップ10に入る人だったんだけど瞬殺?

おまけに思いっきり雑魚扱い。

あ、私はBクラスで、メイドとしてご奉仕する側としての勉強中です。

訓練の時はクラスは結構関係なく学年ごとに行なうので。

Sクラスは特別なんだよ?




そして、あっという間に瞬殺されて放置された後は淡々と素振りに戻った。

アレ?

さっきのはなかったことにされてる?


とか思ってたらいつものように的扱いされて必死に身体強化をして身を守っていたらなぜか途中で攻撃が来なくなった。

不思議に思いそっと目を上げると黒い球体がひっきりなしにその人たちをボコボコにしていた。


誰?

誰の魔法?

あの黒い魔法は確かあの黒髪のかわいい子の魔法・・けど、今も普通に素振りしてる・・・いや、彼女から魔法が飛び続けてる。


凄いなぁと思っていたらずっとため込んだ疲れがどっと押し寄せたのか私は意識を失った。






夢は嫌いだ。

いつも嫌なことしか見ないから。

これまでのいじめられていたことが繰り返し繰り返し私を襲う。



嫌だ

嫌だ嫌だ


怖いよ

誰か助けて


いつもなら助けを呼んでも朝が来て目を覚ますまでいじめられ続けるのに今日は違った。

温かくて優しいぬくもりに包まれて、優しい歌声が私をいやしてくれる。


大丈夫だって、いつも傍にいてくれると言ってくれてる気がする。

良いのかな?

私が・・私なんかがこのぬくもりに甘えて良いのかな?


そう思っていたら更にぎゅっと優しく包み込んでくれる。

そして、優しい歌声は続く。


あぁ、良いんだとなぜか分かった。

うれしくて、うれし涙がこぼれながら私はそのぬくもりにすがりついて泣く。



生まれて初めてうれし涙を流したと思う。

こんな温かいのは初めて。


あぁ、どうか・・このぬくもりがなくならなければ良いのに・・もう少しだけ続いて欲しい。


このときだけはこの優しい夢が続けば良いと思った。







そして、なぜか夢の中なのにお腹が空いたと思うという謎な気持ちになると、すぅっと私は夢の世界から現実へと帰った。


・・・・・・・・




で、目を覚ますと目の前には天使がいました。

黒い髪

これほどの美少女はいるのだろうかと思うほどの超絶美少女がいました。

おまけにその美少女に抱きしめられて私の胸に顔を埋めているという状態。

・・かわいい。

このときほどこの無駄に育った胸が役立ったとは思いませんでした。


・・無駄に注目を浴びますし。

けど今はその胸に美少女がどこかうれしそうに埋もれてる。


かわいい。

そっと頭を撫でると凄くつやつやとした髪

いつまでも触っていたくなる。


にしてもこの子は誰?

猫耳?と思って触ると髪・・癖なんだ・・これ。

どう撫でても梳いても戻らない・・。



でもかわいい。

そして、視線をずらすと私は透明な何かに包まれていた。

驚いたけどこのぬくもりには優しさが包まれている気がしてそのままにした。

で、視線をもう少しずらすと丸いモフモフしたモノ・・あ、ウールスフィアだ・・珍しい。

もう少し視線をずらしてみると青いお月様を彷彿とさせる猫さんがいた。


・・・どうしようすっごい見てる。

すっごい見てる。

撫でても良いかな?

そっと手を差し出すとすっと頭を下げて撫でても良いよと言ってくれた気がした。

お言葉に甘えて撫でるとフワフワとした心地の良い感触を感じる。

あ、夢の中で感じた優しいぬくもりと似てる・・後、この美少女のぬくもりも・・・そっか。

この子たちが私を看病してくれたんだ・・・じゃあ、ここはこの子のお家?


そっと周りを見回すと新築なのか凄くきれい。

けど、凄く広いし、家具はどれも高級そう・・もしかしてお金持ち?

それと、窓の外にはなぜかスリープシープが見える・・・え?ホントにここどこ?


ちょっと周囲を見て回りたいけどこの美少女がしっかり抱きついてるし離れたくない・・かわいいんだもの!

かわいくてかわいくて無理でした。



・・・・アレ?

この子の腕・・片方は義手なんだ・・気づかなかった。



ん?

視線の端に白い板が・・そこに

-お腹は空いていますか?-

と書いてある。

誰が描いたんだろう?

で、誰に返事をすれば良いのだろう?と思うと尻尾でペンを握っていたその猫ちゃんと目が合う。


・・え?

まさかこれ猫ちゃんが書いたの?

猫って文字書いたっけ?


試しにその字を見てから頷くと

-では、何か持って来させますのでお待ち下さい-

と尻尾でさらさらっと書いてそそくさと出て行った。

尻尾で器用に扉を開けて



・・器用だなぁ。

それと、見間違いじゃなかった。

普通に書いてたよ。



と、思いにふけっていると不意に私の胸に違和感を感じる。

何と言うかしっかり揉まれてるというかにおいを嗅がれているというか

視線を下にずらすとその美少女がどこか幸せそうに顔を私の胸にすりすりとすり寄せながら揉んでました。

あの・・揉むのはいいんだけど・・お風呂には入れてないから臭くない?

それと・・この子何気に揉むの上手だね・・気持ちが良いんだけど//

変な気持ちになりそう・・ただでさえ美少女なのに。



あ、目が合った。

「・・・・」

「・・・・」


どうしよう。

無表情だけどやっぱり美少女だ。

それと、何を話せばいいのかな。

・・・やばい。

すっごい見てる。

それとずっと見てるのに両手はいまだに私の胸を揉み続けてる。

そんなに気に入ったの?

宿代代わりに好きなだけ揉んで良いよ?

これでお返しになるなら安いモノだよ?



けどホントどうしよう。

言葉が出ない。

美少女過ぎて困る。

でも私もこの子を抱きしめたまま離せない・・体が離すのを拒否する。

だってカワイイだもの。

さりげなくお花の香りがして良い匂いだし抱き心地が凄く丁度良い。

今はこのぬくもりがうれしい。


そう思っているとよじよじと私の顔に近づいてくる。


わわわわわ!

美少女の顔が近くに来る!

近くに寄るの!?寄っちゃうの!?

チューしちゃうよ!?

変な気持ちになっちゃうよ!?


とか軽く暴走していると優しく私の頭を抱きしめて美少女の成長しかけの胸に埋められ優しく撫でられる。

やっぱり良い匂いがする。

けど、凄く心が穏やかな気持ちになる。


それと同時にずっとため込んでいた不安がどっと溢れて涙が止まらない。

「泣きたいときは、泣いて良いですよ。今は私だけですから」

あ・・・この声は私の夢の中でずっと慰めてくれた歌声・・そっか。

この子がそうなんだ。


私は涙が止まらなくてこの子を抱きしめてその胸に顔を埋めていっぱい泣いた。

一生分泣いたんじゃないかと思うほど。

けど、これまでため込んでいた分は全部吐き出すほど泣いたと思う。







「ごめん、ありがとう」

(フルフル)

で、とりあえず落ち着いたので私は座って周囲を見回しているんだけど、この子はなぜか向き合う形で私の膝の上にいてずっと私の胸に顔を埋めて揉んでる。

おっぱい気に入ったの?

この子おっぱい好き?

この子なら別に構わないんだけど・・私もこの子のおっぱいしっかり堪能しちゃったんだけど・・。

成長しかけでも、おっぱいはおっぱいだね。

しっかり癒されたよ。



それにしてもやっぱりかわいい。

何この子?

癒しの塊すぎる。

これまでの嫌なことが全部夢だったんじゃないかって思うほど。

すると、ドアをノックする音が鳴る。

「は、はい」

ゆっくりと扉が開かれるとそこにはこの子と変わらないレベルの美人さんが登場。

「あ、起きたんだ?具合は大丈夫?」

「は、はい・・お気遣いありがとうございます」

「気にしないでいいよ。家の子もすっかり甘えているからね。」

あ、やっぱり親子だったんだ。

美人の子は美人なんだね。

にしても・・揉むなぁ・・すっごい揉んでるなぁ。

構わないけど・・・・あぁ、このお母さん美人だけど胸ないね・・だからかな?

とか失礼なことを思っていると

「あぁ・・一応言っておくけど僕は母親じゃなくて父親だよ。」

え?

「え?」

え!?

嘘ぉ!?

どうみても美人なんだけど!?

どんな女性も土下座するレベルで美人だよ!?


「あはは・・よく間違えられるんだ。・・さすがに下を脱いで確認してもらうわけにも行かないでしょ?」

うん・・・そっちは遠慮したいかな・・けど、この人美人だしありかも?

けど、その前に

「ごめんなさい!勘違いしちゃって!」

「気にしないでいいよ。僕の知り合いは普通に男性用の服を全部処分して女性服だけ用意して強制的に着せようとした人もいるから。」

うわぉ。

気持ちは分かるけどすっごい強引。


「一応体は拭いてたから汚くはないはずだよ?家にいる女の子たちがしたから安心して?」

「あ、ありがとうございます」

どうりで、気持ち悪さがほとんどないわけだ。

「食事はもうすぐ出来るからとりあえずお風呂に入ってきたら?」

「え?よろしいのですか?」

「構わないよ。しばらく家に住むんだから。」

「え!?ご迷惑じゃ・・」

「気にしないで。部屋は余ってるし、リアちゃんもこうして甘えてるから。」

「リアちゃん?」

この子リアちゃんって言うの?

・・・よく見たらこの子、今年の成績トップの才女さんじゃない?

「うん、フリージアって言うんだ。僕はイリス。よろしくね」

「はい。私、アルナと言います。・・それで、私はどうしてここに?」

「ん?家の子が気に入ってお持ち帰りしたからだよ?」

「・・・・そうでしたか」

ツッコんだら駄目ツッコんだら駄目ツッコんだら駄目


このかわいいかわいい子が、私をお持ち帰り?

うん・・多分ごまかされてるんだ・・うん・・。



とりあえず思いだそう。

あのとき・・授業でいつも通り魔法の的になってたら魔法を撃ってる相手がなぜかボコボコにされてて意識を失って・・気づいたらここにいた・・・。


あ。

「授業中に意識を失ってたんだ・・。」

「・・そうだよ。ムリして話す必要はないよ。それに、いじめてた子たちもそれを見えないふりをしていた子たちも全員処分しておいたから」

「処分!?そこまでしなくても!」

「ん?大丈夫だよ殺してないよ?ただ、これまでやらしてきたことを全部保護者とその知り合い全員、後、公共施設とか職場側とか関係しそうなところ全部にばらまいただけだから、あはは!」

あははって・・それ、公開処刑とか言うモノでは?



で、私はこの美少女・・フリージアちゃんの案内によってお風呂に攫われ、なぜか一緒に入りました。

・・お風呂広かった。

それと、さりげなく使われてる石けんとか凄く質が良いのか髪が凄くつやつやする。


その後、お風呂に上がり(パジャマはなぜかおいてあったロップイヤータイプのルームウェア)、食事をすることになりました。

・・・そこで驚いたのは、フリージアちゃん・・その細い体のどこにそんなにたくさんご飯が入るの?

確かにおいしいけど・・けど、そのご飯は予想の斜め上だった。

なぜか、リアルなドラゴンがいました。

後、神々しい鳥が羽ばたいてた。


味は普通においしいご飯。

・・どういうシェフさんがいるんだろう?


で、自分でも驚くくらい食べた。

いつもの2倍くらい?

そんなにお腹が空いてたのかな?

ちなみに外を見ると丁度夕方だった。


それと、フリージアちゃんはずっと私の膝の上。

隣にはイリスさん。

うぅ・・癒しがすっごい。



「じゃあ、改めて自己紹介しよっか。僕はイリス。イリス・クラリティ・エトワールだよ。」

と言われて私は固まった。


・・ま、まさか

「勘違いでなければ・・・この国の元第一王子であるイリス様・・・ですか?」

「ん?そうだよ?別に気にしなくていいよ?名ばかりだし、今は王子じゃなくて公爵だし」

「わ、分かりました」

と、口にしたけど内心では大パニック。

ムリムリムリムリムリ!!!!

王子様相手に普通に私不敬じゃない!?

って言うか・・・・この子娘って言ったよね?

リアルお姫様相手に私抱き枕扱いしたり一緒にお風呂したり、あまつさえそのおっぱいを堪能しながら思いっきり号泣したの!?

ひぃぃ!

「あ、気にしなくていいよ。」

と軽く言われた。


・・・うん、なんか気が抜けた。

そう言う人たちなんだね・・。

で、視界の端では普通に尻尾でフォークを掴んで食事してるにゃんこがいる。

・・器用だねホントこの子。


でも、どうしてフリージアちゃんはずっと私の膝の上にいるんだろう?

今は、このぬくもりを感じるだけで震える気持ちが落ち着くからむしろありがたいんだけど。


・・もしかして、分かっててワザと?

そういえばお風呂の時もやけにくっついてたし、甘えてくれた。

甘えてくれたと言うより私を甘やかしてくれたような気持ちさえした。


「それで・・しばらくここに住むというのは一体・・」

「ん?君のことが放っておけなかったし、色々と信用出来なかったから家で保護しただけだよ。後は、リアちゃんの相手をしてくれたら良いよ。凄く気に入ってくれてたみたいだし。」

「・・お気遣い感謝します。」

信用出来なかったんだ・・

「それと、君の心の傷は多分リアちゃんしか癒すことが出来ないと思ったからね。多分僕たち以外の人間相手だと落ち着かないでしょ?そう思って席を外してもらってるんだけど」

「あ・・」

言われて気づいた。

明らかに他に何人も住んでる感じがするのに一切会ってないんだから。


それに確かにフリージアちゃんがこうして甘えてくれるから今はこうして普通にいられるけど多分怖くて動けなくなっちゃうと思う。

後、イリス様が凄い美人で優しいからどうにか。


「だから、色々と心配だから家でね。」

「大変ありがたいんですけど、私お金がなくて・・」

「心配しなくて良いよ。お金は自力で稼いでるからいらないよ。それに、君への損害賠償はしっかりといじめてた子たちからむしり取っておいたから。こういうときは身分って便利だよね。その分のお金は学費とかに充ててるよ。良かったね。卒業分まではしっかりとれてあまりは手持ちとして貯金出来るよ。」

「え?」

あの・・どれだけ搾り取ったんですか?


あ、いいです、言わなくて良いです。

聞きたくないです。

主に精神的な為に。




で、金貨2枚もらいました。

・・ホントにどれだけ絞ったの?

それと、もう学費は払わずにすむ?

その代わり寮の分だけ・・ホントにどれだけ感謝すれば良いの?

「ありがとうございます・・何から何まで。」

「良いよ。この国の平和のため。そして何よりかわいい娘が気に入ってる子を守るのも親の勤めだよ。あ、君の望みを言ってくれたら君を放置した親族との縁を切ることも出来るよ?」

「・・・どうして」

「ん?」

「どうしてそこまでしてくれるのですか?」

「目の前で困ってる人がいる。そしてその人は自分の大事な人の大切な人・・それだけでは駄目なのかい?そして、僕にはそれをどうにかする力がある。」

本心からそう言ってる。

・・・そっか。

ホントに・・純粋に優しい人なんだ。


「はい・・ありがとうございます。血のつながった人たちはいますが・・私を捨てた人でもあるのできっぱりと縁を切りたいです。」

「良いよ。明日には完了してるから。」

早い・・。

これが、天才王子である予言者イリス様。


「他は?」

「・・それだけで十分です。」

「じゃあ、後はこっちで勝手に済ませておくね」

「はい・・お任せします。・・ですが、ムリはしないで下さい。」

「うん、大丈夫だよ。相手がしょb・・・たいしたことがないからそんなに手間じゃないから。ついでに不正とかしてそうだからその辺りの処分もするからそのついでだよ。」

あの・・しょぼいって言いそうになりませんでした?

それと不正って・・あの国の領主が?・・ありそう。

だって、人間関係は相当ひどかったし、公共施設はいつもボロボロなのにそいつの家だけは豪華だったし。


「じゃあ、とりあえず君、家の子の専属メイドね?」

「あ、はい!よろしくお願いします」

私は、どうやらこの国のお姫様専属のメイドさんになるみたいです。

多分、私がここにいる理由をつけてくれたんだと思う。

何もしないでここにいると申し訳ないって私が思っているのを考慮して。



で、改めて状況を聞くとあれから丸1日経過した夜が今らしく、あの気絶した後、フリージアちゃんが相手をボコボコにしてネル先生が率先して学園側に暴露、そして、同級生のセイさんが治療してくれて、唯一家を持っているフリージアちゃんの家に私はお持ち帰りされたのだとか。


・・お持ち帰りは真実でした。

見た目は私としては地味で無駄に胸が育っただけと思ったんだけど、フリージアちゃん曰く私は結構かわいいらしい。

・・この子は嘘は言わなさそうだから本心なんだろうけど、この子には負けるわぁ・・確実に。

かわいすぎるモノこの子。







ちなみに、その数日後、私が住んでいた町の領主は横領とかが発覚し、賠償金がそれはたっぷりと支払われ、縁切りはしっかり済み、法律的にも育児教育に問題あり、それどころか拷問まがいだったよね?ってことで、賠償金をそれはそれは奪い尽くしたとか・・・親だった人からその周囲の人たち全員から。

どうやら、クラリティ王国公爵家を怒らせたと一言あったらしく、その効果は絶大だったそうな。


・・タイミング的にフリージアちゃんだよね?

そんな一言を追加したの・・この子何気に許せなかったのかな?

ありがとうね。


そして、その金額合計金貨50枚は、私のモノとなった。

・・あまりにも多いのでイリス様に預かってもらうことにしました。

募金を・・とか言おうとしたらそれは受け取らない、駄目と言われてしまいました。

・・更にお金を搾り取ってこようかなとつぶやいてたので慌てて受け取りました。

だって!

ホントにやりそうだったんだもの!!!


色々と大変そうだけど、フリージアちゃんと一緒なら私は生まれ変われそうだから・・頑張ろう。

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