2年生VSフリージア
どこかキリの良いところで1話丸々フリージアのステータスとキャラ設定とかを入れたい・・。
実戦訓練の時間
私は、蛇腹剣の素振りを行ない、影さんは5体はユウちゃんと模擬戦、8体はネルさんと模擬戦。
それとは別に2体は私と一緒に素振り。
ただし素振りする武器はころころ替えてる。
「いやぁ、久しぶりに興奮したよ。フリージアさんありがとう。」
影さんたちの攻撃ラッシュ続く中、ネルさんがそう言った。
つまりは模擬戦終了だから影さんたちを止めてと言うことですね?
と言うわけで攻撃を中断して、素振りに戻る。
-こちらこそ模擬戦ありがとうございました。-
「いやいや。ホント面白い戦い方だね。戦いながら思ったのは、スピードとパワーとかはフリージアさん自身に依存する感じなんだね?」
(コクリ)
「その辺りの制限は面倒だけど、姿形を自由に変えられる利点を考えたらイーブンだね。」
-ネルさんも強かったですね。軽くあしらってましたけど。-
「あのやり方の方が魔力の消費が少なくて済むんだ。一応ある程度の範囲を吹き飛ばす魔法も扱えるよ。」
風と水の2種類を扱うネルさんですが、その2つの属性を混ぜ合わせたオリジナルなんだそうです。
どんなのかはその時のお楽しみと言われてしまいました・・ちぇ。
「それにしても、扱う種類がホントにフリージアさんは多いね。」
-形を変えることが出来るので多少なりともその形の武器を扱えなければ意味がないですから。-
「理にかなってるね。」
「だとしても、ネルさんもよくあの変則的なチームプレイをあしらってましたね?」
「あのくらい出来ないと学園長の弟子はやっていけないよ、あはは。」
「学園長って何者なんだ・・」
「英雄賢者が憧れで目標の魔法特訓が趣味のおじいちゃんだよ-。」
「とことん魔法ですね・・。」
「まぁねー。」
「で、フリージアちゃんはユウ君のアレ・・止めなくていいの?」
シスカさんに言われてチラッと見るとユウちゃんは最初より大分動きが悪くなってました。
体力が大分削られているっぽいですね。
{ユウちゃん、続けますか?辞めますか?}
「じゃああと5分!」
{分かりました}
と言われてきっちりと5分経過したところで影さんたちの攻撃ラッシュを止めて素振りに戻る。
「ふぅ。ありがと」
(フルフル)
「模擬戦はやっぱりリアが一番為になるよ。」
-そうですか?-
ストレッチをしながらユウちゃんがそう言う。
「うん。師匠やシャスティさん、ハディさんって色んな人たちと模擬戦をしてるけど、経験とかはリアが一番。あれだけの数の武器を同時に扱った戦いなんて早々ムリだよ。おまけに動きが変則的だから先読みが難しいし、持ってる武器が定まってないから更に読みにくいから、ホントに為になる。」
-お気に召したようで何よりです。-
「うん。それと、リアって遠慮なく急所狙いもしてくるからね。」
遠慮はしませんよ?
遠慮なく目でも首元でも狙いに行きますよ。
で、ユウちゃんは上手く躱しきれずに攻撃をいくつか食らったのか掠り傷と言いますかかなり浅い切り傷があちこちに出来てたのでセイちゃんが治す。
「セイ、ありがとう」
「気にしないでユウ。」
「それでもだよ。」
「うん」
「2人はホントに仲が良いわね?付き合ってるの?」
「はい、付き合ってますよ?」
「寮も同じ部屋に住んでますし」
「セイ!そういうのを堂々と言うのを辞めてよ!」
「えー良いじゃん。いずれバレるんだし、バレても困ることなんてないわよ。」
「そうなんだけどさ・・ちょっと恥ずかしいんだよ。」
「そう?他の人たちの評価なんてどうでもいいじゃない。」
「ま、まぁ・・・うん。」
「・・ってさらっと即答したわね。」
悪戯する感じでシスカさんがそう言ったようでしたがセイちゃんもユウちゃんもサクッと肯定してるので悪戯失敗という感じでうなだれてます。
「そうだったのか。仲が良いのは知ってたが。」
「まぁ、時と場所を常識的に考慮してくれればいちゃいちゃは好きなだけ良いよ。」
「他人様の前でいちゃつくなんてムリですよ。」
「そのくらいは常にわきまえてますよ?それに、ユウとは幼馴染みですし」
「そうだったんだ?」
「はい。」
「で、リアちゃんはそろそろ休憩したら?」
ずっと蛇腹剣を素振りしてたらセイちゃんに言われたので休憩。
「そういえば、蛇腹剣ってステータスにでるの?」
-ちょっと確かめてみますね。-
アームズマスターという称号を手に入れるまではありませんでしたけど、一応
攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】【影移動】
攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】
武器1:【刀】【剣】【短剣】【槍】【薙刀】【鎌】【斧】【かぎ爪】【弓】【蛇腹剣】【鎖鎌】
武器2:【杖】【鞭】【棍】【棒】【槌】【盾】【扇】【星球】
補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【合気】【威圧】【武器舞踊】【武器舞踏】
自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】
自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】
おや?
何か色々増えてますね。
今回増えたのは、【蛇腹剣】【鎖鎌】【槌】【盾】【扇】【星球】ですね。
途中、騎士さんたちを筆頭に蛇腹剣を売ってくれたおじいちゃんを経由してそこにしょっちゅう通っているらしい冒険者さんたちと時折その武器の扱い方を教わったりと色々してましたけど、いつの間にか増えてますね。
おまけに遊び感覚で教わったのも増えてるみたいです。
だとしても、盾は武器だったんですね。
まぁ、私の場合は手数が増えたと言う感じなのでどれを覚えても十分役立つんですけど。
・・それが、更に変則的な戦い方になると言われてる所以ですがスルーします。
合気の場所が動いてますね・・あぁ、武器ではないですからね。
それと、補助ワザのところに増えているのは何でしょうか?
【武器舞踊】
様々な武器を扱い、舞い踊る。
その動きは他者を魅了し、戦闘では無駄な動きが減り、連続攻撃時の隙が減る。
上半身を使った動きを重点的に行なう範囲を指す
【武器舞踏】
様々な武器を扱い、舞い踊る。
その動きは他者を魅了し、戦闘では無駄な動きが減り、連続攻撃時の隙が減る。
下半身を使った動きを重点的に行なう範囲を指す
ほうほう。
これは結構良いですね。
連続攻撃の時の隙が減るって言うのは、次の攻撃をしようとするときはどうしてもそのつなぎの部分が隙になりやすいらしくその部分が減ると言うことですね。
武器を持ち替えたり、次の動きをしようと息継ぎをしたりするときの部分ですね。
で、増えたのを言ってみると
「リアちゃん・・なんでそんなに増えてるの!?いや、それは良いんだけど、なんでそんな扱ってる人が少なそうなのをホイホイ覚えてるの!?どこで覚えてきたの!?」
セイちゃんが暴走中
扱える武器の数は大体3~4を平均に前後する感じです。
大抵の人は、1つの武器に集中しますから多くてもそのくらいです。
私のように広く浅く学んでる人が珍しいだけです。
で、蛇腹剣を買ったところにちょいちょい顔を出してたら知り合いになった冒険者さんたちを経由して色んな冒険者さんや、騎士さんたちなど色んな人たちからと言ったところ。
「えぇ・・・」
なぜか項垂れた。
なぜ?
「ま、まぁ、フリージアの場合は扱う手数が増えたのはそのまま強さが増したってことだ。な?」
「そ、そうだね。それにしても武器は色々あるモノだね。」
「フリージアちゃんとしてはどれが一番扱いやすい?」
-杖と蛇腹剣でしょうか。-
「なるほど。蛇腹剣が扱いやすいって言うのも珍しいわよね。」
-私が扱う魔法の動きとほとんど同じだったりするんです。-
「あぁ、そういうことね。」
「だとしても、武器舞踊に武器舞踏か・・何が違うんだ?」
-上半身の動きと、下半身の動きと言った重点的に行なう部分が違うようです。-
「あぁ、いわゆる足捌きと腕の動きとかってことか・・なるほど。」
「珍しいモノを覚えたわね。」
「リアちゃんの動きはきれいだから私は納得するなぁ。」
「セイちゃんそうなの?」
「はい。リアちゃんの杖捌きはホント凄いんですよ?・・戦いとは違う方面ですけど。」
「けど、その動きは意外と戦闘でも役立ってるよ?」
「ユウ、そうなの?」
「うん。戦って思ったんだけど、魔法で形を変えられるからって言ってもどうしても扱う武器が変わると動き方を変える必要があるからどうしても隙が出来やすいでしょ?」
「闘う方はよくわかんないけどニュアンスは伝わる。」
「それでいいよ。けど、リアの場合は凄く自然な流れで流れるように次の攻撃が来るんだ。」
「どういうこと?」
「さっきの例で言うと、扱う武器を変えても1つ1つの動きの間に出来る隙間がほとんどないってこと。」
「それって凄く難しそうに聞こえるんだけど・・」
「難しいよ?だから2種類を同時に扱うことが出来る人は凄いんだよ。」
「へぇー。」
「だとしても扱える種類を聞いてるとすっごい多いが、マニアックなのが集まったんだな?」
「あー。遊びで覚えてそのままになってたのを遊び感覚でリアちゃんに教えた人がいたっぽいんですよね・・。」
「それを普通に覚えたと。」
「おそらくは」
「あー。真面目なんだね。」
「です」
(?)
「気にしなくていいよ。」
(コクリ)
・・今度パパに踊りを教わりましょうか。
確かお母さんの影響もあって色んな踊りが確かパパは出来たはずです。
それに王子様ですから踊りは覚える必須事項の1つだと聞いてます。
後は、ピエロさんとかですね。
確かピエロさんは魅せる技を色々知ってるので踊りも知ってるはずですし。
「お、おい!!」
「あ?んだよ。」
2年生の一部の男子がやってきました。(5人ですが、正しくは1人プラス4人)
・・・だって、4人は取り巻き状態なんですもの・・まぁ、私を見た瞬間1人で暴走してる男子1人の取り巻き辞めたいからとっちめてという表情になってますもの。
ついでに言うと私をなぜか眼福という表情で眺めてるだけ
で、ジャンさんが喧嘩腰ににらみつける。
「お、俺が用事があるのはそ、そっちの幼女だ!!」
幼女?
視線はばっちり私。
-私幼女ですか?-
「あぁそうだよ!!」
-年は1つしか違わないはずですが?-
「う、うるさい!!童顔だから余計に年下に見えるんだよ」
童顔・・確か見た目よりも幼く見えることでしたか・・・私は童顔でしたかなるほど。
で、うんうんと頷いてると
「人の話を聞け!!」
(?)
「で、何のようだよ。」
「け、決闘を申し込む!!」
-なぜ?-
「この俺がAクラスだというのにどうしてお前なんかがSクラスなんだ!!認めない!!」
「ただの八つ当たりよね?」
「やっぱりそう思う?」
「うん。だって、正真正銘リアの実力だし。それにこの人の場合は単純に実力不足でしょ?努力してる差もリアと比べものにならないよ。」
「って言うより、リアちゃんを比べるのもおこがましいよ。」
「確かにね。」
「そっちのメンツはうるさい!!俺は強いんだ!そっちの幼女よりもだ!」
「いや、あり得ないでしょ」
「なぜ即答出来る!」
「じゃあ聞きますけど、クマもどき数体を相手に1人で全員瞬殺出来ますか?」
「出来るはずがないだろう!何を言っている!」
「それを片手間にやらすかのがその幼女だけど?」
「そんなのは嘘だ!」
「じゃあ、魔鏡姫よりも強いってこと?」
「は?なぜ魔鏡姫が出てくる」
「その魔鏡姫がその幼女なんだけど」
「・・・・おい。本当なのか?」
取り巻きさんたちに確認するようです。
「そうですよ?・・ゲレールさん知らずに喧嘩挑んだんですか?」
「う、うるさい!」
「いや・・知らないで済むレベルじゃないでしょ。フリージア様のことを知らない人はもぐりだって言われるレベルで学園中で有名なんですよ?」
「そ、そんなにか?」
お?ちょっと冷静になったポイ?
頑張れ、取り巻きさんたち
「そうですよ。って、あんなにかわいいのに知らなかったんですか?」
「大抵の人は見た目かわいさに知り合いになろうと情報を集めたらとんでもなくて挫折して、話しかけても総スルーされて項垂れるのがワンセットだって言うのに・・この人大丈夫か?」
「ムリじゃね?見た目で判断せずに喧嘩売ってたレベルだし。」
「この超絶美少女の見た目を無視して喧嘩を売る?・・・この人大丈夫か?・・もしかして不能?それか・・・ひぃ!俺たち狙われてる?そっち方面で取り巻きになってたのか!?」
「いやぁぁ!俺は普通に女の子が好きなんだ!男同士は嫌だぁ!!」
凄い言いたい放題ですね。
「何を馬鹿なことを言っている!俺も普通に女が好きだ!」
「じゃあどうしてあんなにかわいいのに見た目を無視したんですか!?あり得ないでしょ!」
「しょ、しょうがないだろう!俺よりも優秀で注目されているのが気にくわなかったんだ!新入生にお灸を据えてやろうと思っていたんだ!・・・それ以外のことは今考えるとすっぽりと忘れてたが。」
「あーこの人猪突猛進だった。」
「そうだった・・はぁ。」
「うるさい!で!俺と勝負だ!武器を扱った戦いだけで、そのゴーレムもどきを出すのは禁止で、遠距離魔法に結界は禁止だ!」
「うわぁ、年下相手に手加減しろとか・・この人もう駄目だな」
「だな。」
「うるさい!」
「で、リアちゃんどうするの?勝手に暴走してるけど。」
-それはそれで面白そうなので構いませんよ。-
「おぉ!受けてくれるか!」
-武器や私自身に纏わせるのはありですか?-
「構わないぞ。ただし、攻撃に関する時だけだ。」
-防御する為に魔法で全身を覆って、かばうと言ったことを禁止と言うニュアンスで構いませんか?-
「あぁ。あ!そういえば空を飛べると噂で聞いたぞ!?ホントか?」
(コクリ)
「それも禁止だ!俺の手の届かないところに行かないようにな!」
「・・この人そのことは知ってたんだ。」
「単純に周りが見えてなかっただけでさっきまで忘れてたんじゃね?」
「あぁ、あり得る。明らかに思い出したって顔だったし。」
「お前らうるさい!」
-空を飛ばす、防御する為の魔法を扱うのは駄目と言うことでよろしいですか?-
「あぁ。地上戦で動きの補助をするといったそう言う方面であればありだ。」
「思ったんだけど、さっきまで・・と言うより今も魔法をがっつり使ってるのにゲレールさんは軽く準備運動をした程度ですよね?・・ずるくね?」
「うるさい!・・声をかけるタイミングが今しかなかったからだ・・仕方がないだろう。」
「以外と小心者だよな。」
「やかましい!」
「ゲレールさん元気だな。」
「だよなぁ。」
「・・俺、フリージア様とお近づきになりたい。」
「言うな。それはどの男も思っていることだ。」
「頭撫でて欲しい。」
「お前そう言う趣味?」
「撫でるのが凄く上手いって聞いたんだよ。」
「へぇ。」
「・・今日はやけにお前ら自由だな」
「えーだって。思った以上にゲレールさんアホで疲れたんだもの。」
「誰がアホだ!」
「どう見ても当て馬だろ。」
「当て馬言うな!・・喧嘩腰になってしまったが、純粋に接近戦だけでどのくらい強いのか知りたかったんだ。」
以外とこの人は良い人なのでしょうね。
おそらくは、暴走しがち何でしょうけど、魔法以外でも戦えるか、身を守れるか確認しておきたいのでしょうね。
その証拠に取り巻きさんたちに怒鳴ってますけど、本気でキレているわけではなくワザとのようです。
取り巻きさんたちも呆れつつもその人のそばを離れるつもりはなさそうですしね。
まぁ・・暴走するのを止めるのが面倒だからお灸を据えて欲しいのは本音っぽいですけど
-模擬戦をお願いしますね。-
「あぁ!怪我をしたときは・・あー・・名前は?」
満面の笑みで返事をした後、申し訳なさそうにセイちゃんをちらりと見てる。
「セイです。ゲレール先輩も怪我した分は私が治しますよ。・・リアちゃんの後ですけど。」
「それで構わない。いくらだ?」
「お金は必要ありませんよ。ただ、次からは喧嘩腰は辞めて欲しいですね。」
「・・それはすまなかった。」
「じゃあ、審判は俺がするよ。」
「ネル先生お願いします。」
「気にしないでいいよ-。一応忠告しておくと、勝ち負けに関しては問題ないけど、卑怯なワザとかしたら狂信者たちが襲ってくるからね?」
「うっ・・当然真っ向勝負だけです。それに俺自身が卑怯なワザを許せない。」
「そっか。・・君はホントに不器用だね。」
「・・・」
どこか微笑ましい表情でゲレールさんを見つめるネルさん
「あれ、ホントは魔法以外で、獣魔がいないときの守る術があるか確認したかったんでしょ?模擬戦は、あると分かったからどのくらいか確認するため。場合によっては鍛えてあげるつもりだった。違う?」
「・・・俺は・・俺自身暴走してしまうからあいつらにサポートしてもらわないとならない欠陥品だ。それにこういう形以外で支えてあげることなんて出来ない。嫌われても構わない。それで守られるならば。」
「ふふっ。まぁ、ほどほどにしなよ?」
「・・はい。」
そして、翠ちゃんはセイちゃんが預かってくれました。
ラナちゃんは私の肩にくっついたままですよ。
基本的に離れることはありませんし、ゲレールさんもそのままで良いって言ってくれましたし、ラナちゃんを狙うことはしないって言ってくれましたし。
で、試合前に杖でバトントワリングと呼ばれるいわゆるバトンでの演技と言いますか魅せる技をやってたり。
この3つの動作が基本となります。
エーリアル - バトンを空中に投げる動作。
ロール - バトンを手で持たずに身体で転がす動作。
コンタクトマテリアル - バトンを手や指で回転させる動作
で、それらの組み合わせを変えて行く感じですよ?
結果として、盛大な歓声を頂きました。
うむ、ありがとう。
「じゃあ、試合開始!」
「はぁぁっ!!」
ゲレールさんが両手で剣を握って私に襲い掛かる。
思った以上にスピードが速かったので蛇腹剣で受けつつ、力では負けるとすぐに判断して受け流す。
このままではやばそうだなと思い目に魔力を集中させて魔力の動きを視る。
ちなみに扱う武器は蛇腹剣だけです。
武器は1つと最初に約束したからです。
受け流したところで蛇腹剣を鞭状態にして腕に巻き付かせようとするけどすぐに後ろに跳んで距離をとられるので、私は接近して蛇腹剣を剣の状態にしてまっすぐに突きを放つ。
更に後ろにまっすぐ跳ぶそのままの勢いを利用して蛇腹剣をそのまま鞭状態にする。
こうすると突きのリーチがすっごい伸びるので結構便利です。
「っ!?」
すぐに横にかわされ、私の元に瞬時に近づいて薙ぎ払うようにして斬りかかるのでしゃがんで躱しつつ蛇腹剣の先だけに私の影を取り憑かせて操り、後ろから襲い掛かる。
まるで蛇さんのようにぐねりとうねって動き始める蛇腹剣に驚きつつも剣で弾き、私に蹴りを放つ。
私はとっさに合気を使って足を掴んでその勢いを利用して放り投げる。
けれど足取り軽く片手で地面に手をつき、軽やかに着地。
「思った以上にやるな。」
-そちらこそ。-
「そりゃ、どうも!」
それから何度も斬り合いが続き、互いに躱し、距離を開けては近づくを繰り返す。
純粋な剣技と蹴りを扱うゲレールさんと変則的な動きで闘う私。
一応武器としては蛇腹剣だけですが、他の武器の扱い方を応用した動きを蛇腹剣に使ってます。
槍を突くように蛇腹剣で突きつつ伸ばしてリーチを広げたり
その伸びた状態のまま影で剣を覆って斧や大剣を振り下ろすように振り下ろし
そのまま首を狩るようにして鎌のように薙ぎ払ったり
薙ぎ払ったまま鞭状態で絡め取ろうとしたり
私に触れた瞬間に合気で投げた飛ばしたり
けれど、ゲレールさんは器用に躱す。
それに、攻撃する頻度としてはゲレールさんが上
それだけではなく、力もスピードもあっちが上。
私はどうしても身体能力で劣ってしまうので魔力の動きから察知して先読みして対処してるのでどうにか持ちこたえている。
浅い切り傷だけだけど、それでも私の方が怪我した量は多い。
一応あっちにもつけてるけど。
ちなみに言うとメンタル的にはあっちの方が大変そう。
主に私が目や喉、股間など容赦無用で急所を合間合間で狙ってくるから。
せめてスピードだけでもどうにかしないと。
私が扱うワザを一通り思い出すけれど、身体強化みたいなのってなかったですし。
一応純粋な魔力操作の中で身体強化はあるので使ってはいるんですよ?
それで今の状態です。
ワザ名として表示はされませんが、魔力があれば身体強化は誰でも出来ます。
それです。
表示される強化の類いはその身体強化の上位の存在と思って頂ければ大丈夫です。
せめて空を飛べれば上から襲えるのに飛んだら駄目ですし。
・・そういえば、飛んだら駄目でも動きのサポート程度なら良いって言ってましたね。
元々空を飛ぶのは風を翼で受けて浮かび上がらせる感じです。
そこに翼を動かすことで風を起こして自力で動くと言うのも混ざってきます。
ふむ?
つまりは、私のスピードアップも出来ると
私は翼を広げ、駆け出す。
それに併せて翼を羽ばたかせて風を作り、勢いをアップ。
よし。
思った通りスピードアップです。
いきなりスピードの上がった私を見て驚いてるけど、どこか楽しそうに再度襲い掛かってくるゲレールさん。
私も楽しくてどう猛な笑みが自然と浮かび上がる。
--セイ--
うん・・何と言うか、リアちゃん楽しそうだ。
翼を広げたときは正直格好いいと思ったしきれいだなぁとも思った。
だとしてもスピードアップのために翼を使うってよく思いついたよね。
「せ、セイ・・フリージアちゃんは飛べるの?あれ・・本物?」
「あれはリアちゃんの魔法ですよ?・・家の中では出してることがほとんどなので本物かも知れないと思っている自分がいますけど。」
「そ、そっか。」
それにしても、リアちゃんってホント器用だよね。
あの扱いが難しそうな蛇腹剣をあぁもたやすく扱ってるんだもの。
リアちゃんが言うにはあの触手の魔法と扱いが似てるからって言うのと、剣も鞭もどっちも扱えるからだって言ってるけど、それでも難しいよね?
多分リアちゃんにとっては蛇腹剣が一番適正値が高かったんだよ。
なんて言うか運命の相手的なレベルで?
それと、闘ってる姿を見て思ったのは、接近戦だと身体能力で劣るリアちゃんが不利と思ったけど、相手の動きを先読みして対処してるからどうにかなってる・・・あれどうやって先読みしてるの?
まるで未来が見えてるみたいだよ。
イリスさんって確か予言者って二つ名があったよね?
まさしくあれだよ。
だとしても、ゲレールさんって意外と強い!
リアちゃんが先読みするからたいしたダメージは与えきれてないけど、リアちゃんのあの予想不可能な変則的な動きをきちんと対処してるし避けてるし。
おまけにガンガンツッコんで攻撃してきてるし。
「あの人ただの当て馬じゃなかったんだ・・。」
「そりゃそうだよ。あの人猪突猛進だしアホだけど、性格はまっすぐで優しいんだ。」
あ、取り巻きさんたち。
「そうなんですか?」
「そうそう。」
「俺等は元々いじめられてたんだけど、ゲレールさんが助けてくれて強くなるアドバイスをちょくちょくしてくれてるし、勉強も教えてくれるだ。」
「・・多分フリージア様のことを心配したんだろうなぁ・・声をかけるタイミングを逃して焦った結果暴走したっぽいけど」
あぁ・・つまりは不器用な人なんだね。
「不器用な人なんですね。」
「そうなんだよ・・改めてごめん。あの人が暴走して口が悪くなってて」
「きちんと謝ってましたし、本人が反省してるみたいなので大丈夫ですよ。された本人が全く気にせずスルーしてますし。」
「あぁ・・うん。今後は暴走してもどうにか出来るように頑張るよ。」
「頑張って下さい」
ホント頑張って下さい。
「魔法戦以外でもフリージア様は強いな。」
「相手の動きを読んで動いてるし、手数が多いからどうにかなってる感じだな。」
「一方スピードとパワーと、元々の技術で圧倒しつつも直感みたいなのでどうにかしてるゲレールさん。」
「ゲレールさん魔法は?」
「多分色々とフリージア様に制限をつけさせてしまったからなのか補助程度に身体強化を使ってるくらいで何も魔法は使わないみたい。今は純粋な剣技と身体能力程度だよ。」
「ホントまっすぐな人なんですね。」
「冷静ならな」
「あー・・色んな意味で面倒な人ですね。」
「そうなんだよ。あの暴走さえなければ良い人なのに。」
「なるほど。」
真面目な性格で不器用でも相手を陰から支えたりしつつも実力はかなりあるみたい。
確かに優良物件ですね。
けど、その良い点を暴走の数文字が全部台無しにすると。
ホントに勿体ない人ですね。
取り巻きさんたちがため息をつくわけだよ。
リアちゃんはリアちゃんで夜叉姫モードになりだしてるし。
あの戦闘狂の状態というか、ワイルドな笑みを浮かべてる状態を私は夜叉姫モードと呼んでる。
まぁ、バウンティハンターとしてリアちゃんと指名手配犯を狩りに行くときに狩られる人たちと付き添いの騎士さんたちが夜叉姫怖いとつぶやいてたからそんな呼び名を思いついちゃったんだけど。
夜叉姫は、狩られる側からすると恐怖の代名詞らしいですよ?
見た目極上でもターゲットロックオンされたら人生終了と言われてるんだとか。
うん、間違っていないね。
一度敵認定したらリアちゃんは遠慮無用で狩るだろうし。
--フリージア--
私とゲレールさんは、大体互角
けど、私の体力的な問題で結構ヤバイ。
今は翼で地面を滑るように動いてるからどうにかしてるけどこれ以上はやばいなぁ。
ゲレールさんも結構ヤバイみたいだし。
仕方がない。
私は翼を羽ばたかせて勢いよくツッコむ。
ゲレールさんも私と同じ意見なのか同じくツッコんできた。
互いにこれ以上の戦いはムリと察して最後の一撃でけりをつけるつもりだ。
私が薙ぎ払うように蛇腹剣を鞭状態にして伸ばしながら振うとゲレールさんは私に向かって走りながらジャンプしてそれを躱し、私に向かって薙ぎ払うように襲い掛かる。
私は体を反らせて躱して蛇腹剣の先につけておいた影で操ってゲレールさんの背中から襲うけど、ゲレールさんは無理矢理足で私の剣を蹴り飛ばして弾き、その勢いのまま体を回転させてそのまま再度薙ぎ払い。
このままだと直撃。
私はとっさに翼で体を覆い、硬化させる。
するとガチン!と音を立てて攻撃をしのいだ。
私はそのまま翼を羽ばたかせてゲレールさんの懐に飛び込み蛇腹剣の柄をゲレールさんのお腹に向かって突き上げる。
「ぐえ!」
重力によって地面に落ちかけていたところで私が下から突き上げたので思った以上に威力があり、妙な声がゲレールさんから聞こえた。
けど、ただではやられる気がないのか剣を持っていなかった手で私の腕を掴んで地面に倒す。
私たちは隣同士で並び合うようにして地面に倒れた。
「えぇっと・・勝者は・・・」
「俺の負けですよネルさん。」
「そう?」
「フリージア殿が最初に俺に致命傷を与えた。あのときの突き上げが刃の方だったら間違いなく俺は死んでいた。」
「そっか。勝者フリージア!」
歓声で訓練場がいっぱいになった。
私とゲレールさんは互いに肩を上下させて荒く息をしながら握手。
「良い戦いだった。」
-こちらこそ。-
「まさか翼で防御するとは思わなかった。」
-とっさにしてしまったのですが、後々に思うとあれは禁止と予め言っていた魔法による防御に入るのかと思ったのですが。-
「魔法でだしたと言っても体の一部としてだろう?ならば問題はない。いやぁ、ホントに参った。改めてあのように喧嘩腰になってしまい申し訳なかった。フリージア殿の将来のことなどを思うと心配だったんだ。」
-やはりそうでしたか。-
「・・気づいていたのか。」
-私が見ての通り無表情で感情が薄いので他の方の思いを察するのは簡単なんです。-
「なるほど。」
-心配して下さってありがとうございました。-
「いや、気にしないでくれ。ただの自己満足だ。だが、何か心配事があれば声をかけて欲しい。俺と共にいたあいつらもだが、何かあれば力になろう。」
-ありがとうございます。その時は頼りにさせてもらいますね。-
「あぁ!良い勝負だった。今度は魔法もありでやりたいモノだ。」
-そうですね-
こうして、初めての実戦訓練の時間は終わった。
次回は21日です。
ぞろ目ですよ?・・多分