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穏やか?な普通?の学園生活

※1話の中身を一部修正しました。

特に本編に影響はない・・と思います。


作者の気まぐれなおまけ

フリージア「今日は甘い日?」

カルナ「何で甘いんだ?おやつのホットケーキか?」

フリージア「?3の月の10日だからですよ?」

カルナ「さん・・・じゅう・・さん・・とう・・・砂糖・・・はぁ~~~」

フリージア「長いため息ですね。」

カルナ「誰のせいだろうな?」

フリージア「?」

イリス「僕にとっては毎日が甘い日だよ。」

フリージア「どうしてですか?」

イリス「僕にとってリアちゃんはコーヒーにミルクと砂糖のようなモノだからさ。」

フリージア「私にとってもそうですよ。」

イリス「リアちゃん?」

フリージア「大好きなパパがいつも私にきれいな笑顔を見せて下さいますから」

イリス「リアちゃん大好き!!」


カルナ「・・確かに甘い日だな。・・色んな意味で・・はぁ。この天然親子め。」

--フリージア--

先輩たちと知り合いとなった学園生活1日目。

本日はその2日目です。


セイちゃんは以前よりも特訓にすごくのめりこんでるし、読書してることが増えた。

けど、本に向かって泣きそうな顔をしたり怒った顔したり真っ赤な顔しつつも好奇心が収まらない。

そんな様々な表情を顔に出さないようにしてるけど顔に出てるという状態が結構続く。

それと、私に魔力操作の特訓をお願いすることが増えた。

特訓としては、魔力弾の打ち合いとかです。

魔力弾とは、何も属性を込めずに純粋な魔力を相手に向かって飛ばす技です。

球体以外の形に出来ないという不思議ですが、ボールを投げる程度の威力はあります。

ただまぁ、投げるのも、飛ぶ威力も相手に与える威力も全て魔力操作以外では絶対に強化も出来ないどころか逆に魔力操作以外でそういうことをしようとすると威力が落ちるというかなり難易度の高いものです。

おまけに球を出している状態でも魔力は消費し続けるし、操作するのも魔力が必要。

更に球体を維持させないとあっという間に形が崩れて霧散するし、小さすぎると魔力操作し続けないと勝手に霧散して、大きすぎると維持するだけでも負担が大きくなるのです。

それを私は遠慮無用で打ちまくっていて、それを魔力弾だけでどうにかしてもらうという特訓です。

これ、流星の里にいたころにおじい様たちに教わった特訓法です。

魔力操作を魔力量を増やす特訓でこれ以上に大変で充実したものはありませんから。


精神面を鍛えたいのか私の過去のきつかったあれこれをちょくちょく覗こうとしたり(精神がおかしくなるかも知れないので1回しか許可してません)、基礎訓練を行いながら読書をしたりとまぁ、様々。

とはいえ、基礎訓練に近道はないのでただひたすら暇があれば魔力が続く限り続けるしか方法はない。

ただ、集中力を上げるというのも含めて、他のことをしながらでも基礎訓練が出来るようになったらいいよねとはアドバイスしておいた。

同時に複数のことを考えて行動するのはとてもメリットが大きいですからね。


そして、頻繁に治癒や回復の魔法を扱う機会を見つけては治している。


・・たぶん私のせいなんでしょうね。

私が長く生きることが出来ないとセイちゃんだけは知っている。

だから、そうさせないために頑張ってる。

まぁ、さりげなく無理させないようにしてますけど。

シャスティにはちょくちょくお団子を渡すように言ってますし、翠ちゃんには答えられる範囲は答えてほしいと言ってるし。

あまり無理するようなら強制的に眠らせますし(翠ちゃん直伝技)

まぁ、眠らせるというより気絶させるという感じですけど。

ちなみに痛い方じゃないですよ?

ちょっと前にもした、耳元でささやくというあれです。

ただし、囁くときに抱きしめたりほっぺにキスしたりとやることは様々ですが。


時折ユウちゃんにやらせてます。

恋人でしょ?支えなさいという私による指示によって。

頑張らないとユウちゃんに女性用のお洋服を強制的に着せようかなーとおどs・・・つぶやいた結果積極的に手伝ってくれるようになったのですが。

実はすでに準備がいくつができていたりします。

後、無理をさせないようにするのと悟らせないように一言、私との思い出を二の次にしてつまらないものにしてしまうのですか?と言っておきました。

その結果、アッサリと無理をするのをやめました。

流石翠ちゃんの作戦です。



とはいえ、私も読書はしてますよ。

作者不明の”勇者ミカンの大冒険”

実戦形式とか含めて、あらゆる面での教科書代わりにもなるとても頼もしくあり、楽しいお話です。




それはさておき、周囲のみんなからすると積極的に頑張ってるなーくらいにしか思われないので問題なしです。

私は普段からポーカーフェイスが完璧と言われてるのでそれと追加して隠し事は誰1人としてばれたことが皆無。

それを本気で隠しているのですからばれることはありえません。

まー翠ちゃんも協力してくれているのもありますけどね。

翠ちゃんは知識が膨大ですし、表情なんてありませんから。





「みんなおはよー、みんな揃ってるみたいだねうんうん。優秀だから楽でいいね。」

そんなネルさんの声とともに授業は開始された。

とはいえ、各自で教科書を読むか、独自の研究に力を注ぐかのどちらかです。

ちなみに順調にいけば今年卒業のリクトさんは自身の研究に対して翠ちゃんに質問を色々してます。


研究内容は、環境と魔物の生息地の関係についてです。


要するにどういう状況でどういう魔物が出現しているかということです。

突然予想外な魔物が出てきたりすることもあるのでそういう部分を調べているようです。




で、私はネルさんに質問

-質問良いですか?-

「良いよー何?」

-剣士であれば剣を扱う技を中心に、魔法使いであればそれぞれの属性に関連する魔法を覚えますが、テイマー関係で、そのような技はあるのですか?-

「基本的には、互いの居場所を知ることが出来るってことと、呼び寄せることだね。後は、意思疎通が遠く離れていても出来たりするくらいかな。」

-呼び寄せるとは?-

「世間的には召喚魔法と呼ばれるものだね。契約した相手の名を呼ぶことで手元に呼び寄せる技。意思疎通とか互いの居場所がわかるとかはすでにフリージアさんはできてるみたいだね。」

-呼び寄せるときはどうすれば?-

「具体的なイメージはその人次第だけど、相手のいる場所から自分の近くまで転移させるようなもので、とある人は空間を操っているんだから、テイマーは限定的でも空間を操る魔法を扱うすごい職業だーって言ってたよ?」

空間を操る・・転移・・・

-試してもよろしいですか?-

「おっきい子たちは勘弁ね?」

(コクリ)

空間を操る魔法はわかりませんけど、私の魔法をベースに考えるなら影を移動させる感じでしょうか。



私の影に魔力を流し、呼び寄せたい相手をイメージして陰から引き上げるようにする。

すると、私の影がにょいと伸びてそこから影の球体が出てきました。

先輩たちもユウちゃんたちもフリーズしてるけどスルー。

そして、その陰の球体がするりと霧散するとそこにはイメージした通りシャスティがいました。

「にゃう?(リア様?なぜ?)」

-テイマーが扱うという召喚魔法を試してました。どのような感じでしたか?-

「にゃ~うにゃう(リア様の魔力を私の影から感じたかと思うと影に沈んでいき、そして気づけばここにいました。特に影に沈んでいくときにいやなイメージはなく、むしろ優しく抱きしめてくれるような温かい気持ちになりました)」

なるほど

-ありがとうございます。今度は戻してみますね-

「にゃう(かしこまりました。カルナたちにも説明しておきます)」

そして、先ほどの逆のイメージでしてみるとするすると影に沈んでいきました。


うん、無事に元の場所に戻ったみたいですね。

シャスティの居場所がきちんとお城の方に感じますから。


「さすがだねー。あっという間だよ。テイマーとしてはそのくらいじゃないかな。後はフリージアさんの場合はすでにしていることの延長戦だしね。」

-ありがとうございます-

「何の何の」





【影移動】

契約した相手を自身の影を経由して召喚することが出来る。

逆に元の場所へ移動させることも可能だが、契約相手限定であり契約主やそのほかの移動はできない。




攻撃技1のところに無事に増えてるようです。

要するにシャスティたちはできても私や荷物は無理ということですね。

教科書を色々と読んでますが面白いですね。

魔方陣とか儀式魔法とか色々ありますね。


儀式魔法は、かなり大規模な魔法のことで魔力と共に素材と言いますか生け贄?と言いますかその魔法を発動させるために必要なモノとかなり膨大な魔力と決まった詠唱や仕草が必要だったりします。

大抵2桁以上の人数が必要だったりするのだとか。

ちなみにこの国で使用されている防衛システムの結界は過去に3桁もの優秀な魔法使いさんたちによる儀式魔法が元になっているらしく、その後は少しずつ多くの先祖代々改良し、強化しているそうです。


で、魔方陣ですがこれは決まった図形と模様のような文字のようなモノを描くことで発動させる魔法です。

その図形や模様などによって色々と設定が出来るらしく、誰が使うか、何の魔法が発動するか等々。

魔方陣は主に魔道具や、防具や武器を作成したり強化するときに使われることが多く、大抵は補助魔法と呼ばれる類いが多いようです。

何かしらの魔法を強化したり効果を持続させたりと言った感じですね。



丸や三角などのそれぞれの図形の形によって発動させる魔法のジャンルがことなり、模様のような文字のようなモノが通称魔法文字と呼ばれる魔方陣を作成するときのみ使用される特殊な文字です。

その魔法文字によって設定を加え、実際にどういう魔法を発動させるかが決まるそうです。


で、図形によるジャンルの違いですが、形によって持続させるタイプか、強化するタイプか、魔方陣そのものを隠蔽するタイプという風に色々あるようです。



まぁ、どちらにしても魔方陣を自由自在に描けるようになるには魔法文字(種類だけでも3桁4桁はあるらしい)を覚えないといけないのに加えて、図形による効果の種類(2桁から3桁ほど)もあり、更にそれぞれの組み合わせでまた異なってくるのでそうなってくると4桁5桁とものすごいバリエーションになります。

なので大抵の人はその内の1割から2割、ごく稀に4割まで覚えている人がいる程度で、自分が扱うジャンルを最初から決めてその方面やそれに関連するモノだけを覚えるんだそうです。

まぁ、大抵の人は魔法文字と図形の広辞苑のようなリストになっている本があるらしいのでそれとにらめっこしながら何だそうですよ?


魔道具や武器、防具に魔法を込めるときに魔方陣を使わずとも出来はします。

ただ、魔方陣の方がきちんと描ければ確実性は上がり、安定した魔法が発動します。


使用しない場合は、実際に付与して発動させてみないとどのくらいになったか判別がつかないのです。

まぁ、大抵の人たちは後者ですね。


付与魔法と呼ばれる魔法を扱うことで魔法を対象に込めることが出来るのですが、その魔法を扱えない人のために、魔道具作成用道具の一部として付与魔法を使用するための手袋があるそうですよ?

それを着けて魔法を込めるのがそれらの道具を造る人たちの恒例行事だそうです。



「ネルさん」

「今度はセイさん?何?」

「魔法の詠唱って何のためにあるんですか?私たちみたいに全く喋らない無詠唱の人もいれば魔法名を叫ぶ人もいますけど」

「んー。自己暗示だったり合い言葉だったりするかな。」

「自己暗示?」

「そうそう。この魔法はこんな感じで使うって口にしなくても出来る人もいれば毎回細かい部分まで頭で覚えてない人だっているでしょ?そう言う人は合い言葉となる言葉を口に出すことでほとんど覚えてない部分を略しちゃうんだ。あぁ、アレだよアレ。武器を振うときにえいとかやぁ!とか叫び声を上げるでしょ?その声を出す出さないで出せる力に差が出るからそれと似たような感じかな。後は、どの魔法を放つって自分に言い聞かせながら集中力を上げるためでもあったりするよ。逆に、ワザと詠唱することで消費する魔力を抑えたり、騙し討ちしたりする感じかな。」

「消費を抑えたり負荷を少なくするのは分かるんですけど騙し討ちって?」

「例えば、火と風を操る人がいたとして、火の魔法の詠唱をしてると普通は火の魔法が飛んでくると思うでしょ?」

「はい」

「けど、そこでいきなり風の魔法を放ったりすると相手はとっさの判断が出来なかったりする。他にも、貫通系の魔法と思わせて打撃とか斬撃とかってこともあるね。」

「あぁ、そう言う使い方もあるんだ。」

「そうだね。ようは使い方次第だよ。詠唱しなければ確かに発動するまでの時間は短くて済むし、実際に魔法が放たれるまでどんな魔法か分からないけど、詠唱することで1つ1つの魔法を確実に放ったり、魔力を節約したり、さっき言ったみたいに相手を混乱させたりすることだって出来る。使い方は色々あるから今後の参考にしてね。」

「はい。・・・そっか、威力の強化と言うよりワザの安定化を図る為の詠唱って手もあった。」

セイちゃんは何かヒントを見つけたみたいです。



さてと、鐘が鳴ったのでお昼ですね。

「フリージアさんたちはお昼はどうするの?」

「私とユウは食堂を使ってみたいなと思ってました。」

「フリージアさんは?」

-お弁当を持ってきていますが、食堂のは気になります。-

「そっか。ちなみに私は食堂かな。」

「俺等はグリムさんのとこでパンを買ってきてる。ネルさんは?」

「んー?俺もグリム君のパンだよ。大抵はこれなんだよね。」

-食堂へ持ち込みはありなのですか?-

確かリカルさんが食べ物を扱うお店は大抵は他のところの食べ物を持ち込むのを好まないと言ってたのですが。

「あぁ、それは大丈夫。持ち込みは普通にあり。むしろ持ち込み推奨されてる。」

「推奨?どうしてですか?」

「ここの食堂の人たちってとにかく勉強熱心でさ。色んな人たちの料理を見て勉強したいんだと。」

なるほど。


と言うわけで食堂へ行きます。


食堂は丸いテーブルは4人掛けの大きさのと10人は座れる大きさのがあり、他に横長で向かい合って座れる長方形のテーブルが並んでいたり、正方形で4人掛けのもあったりします。

後、テーブルはない代わりに壁側にみっちりと横長の椅子が並んでいます。


かなり大規模な社員食堂っぽいと翠ちゃんは言います。

・・相変わらず色んなこと知ってますね?



で、シスカさんとセイちゃん、ユウちゃんは食堂に頼みに行きました。

ついでに、単品でいくつか頼んでもらうことになりました。

お金はきちんと渡してますよ?


そんな中、私たちはネルさんと一緒に大きい丸いテーブルを1つ貸し切った状態で座ってます。

・・正しくは私たちの元に他の人たちが近寄らないが正解ですけど。



そりゃそうですよね。

Sクラス勢揃いですし。


5分もしないうちにセイちゃんたちは戻ってきました。

和洋中とホントに色んなのがあります。

-かなりの人数が利用しているのでもう少し時間がかかると思っていましたが。-

「それだけ優秀なコックさんたちが揃ってるんだよ。」

なるほど

「それにしても・・でっかい弁当箱だな。」

「ま、まぁ・・理由も知ってるけど。」

私のお弁当箱を引きつった表情で見てます。

「フリージアさんは食べるのが好きなんだね。」

(コクリ)

私のお弁当箱はいわゆる重箱です。

ちなみに5段です。

それと別に2段あったりしますけど、こっちはデザートですね。

別枠ですよ?別枠。



で、中を開けると明らかに数人がそれぞれ別々に作ったと思われるような感じでした。

かわいくデコレーションされていたり、今にも動きそうなほどリアルに飾られてたり、大雑把だけど1つ1つは丁寧に作られてたり、きっちりと揃っていたりと。

「凄いね。」

「けど、明らかに色んな人たちが作った感じっぽいね。・・これは間違いなくリカルさんだよね?」

「うん・・だね。」

「芸術方面だから・・かな。」

「にしてもリアルだな。」

-お弁当箱にとどまらない場合は、立体作品になります。-

「え?」

「うん・・アレは驚いた。」

「・・君たちは何を見たの?」

「私たちの時は神々しい鳥が羽ばたいてました。」

-他にも色んな動物やドラゴンが創造されてたりします。-

「創造って・・」

「あながち間違ってないよね?」

「だね・・アレは動きそうだったモノ。」

-とりあえず頂きましょう。-

ちなみに私たちが食べ始めた頃、近くでここのコックさんたちと思われるおじさんたちがそれはそれは目をキラキラさせて観察してたので、おかずをいくつか分けてあげたところ凄く喜ばれました。


「ホントおいしい。」

「にしてもリアちゃん。このお弁当誰が作ったの?明らかに色んな人が作ってるっぽいけど」

-おそらく魔術師団の皆さんとリカルさん、パパですね。-

「あー・・・え?」

(?)

「かわいく首かしげてるけど、イリスさんって料理出来たの?」

-お母さんと一緒に作る機会が多かったらしいので作れますよ。どちらかというとデザートが得意なようです。お料理の方もおいしいですけど。-

「ペチュニアさんってそういえば料理上手だったんだっけ?」

「へぇー意外。王子様だから料理出来ないと思ってた・・けど、料理を作ってる姿がなぜかしっくりくる。」

「うん・・どうしてだろう。王子様なはずなのに」

基本的に王子様や貴族などの偉い人はメイドさんやコックさんなどの人たちに対応させるので料理や掃除が出来ないことが多いらしいです。

へたすれば自分で着替えるのも難しい人もいたりするらしいですよ?

子供以下ですよね?



ちなみに私が黙々と食べているとき、なぜか周囲の人たちは驚いた表情になってたのですがなぜでしょう?

それにしても、ここの食堂のもおいしいですね。

あちこちのお料理屋さんで食べましたけど、どこにも勝らずとも劣らずと言う感じです。



で、デザート!と言うことでそっちを開けてみると

「わぁ!きれい!」

「ホント凄いね。」

鮮やかにカットされた果物から、ゼリー関係に焼き菓子と色々ありましたが、どれも芸術と呼べる感じでした。

なんとなくですがリカルさんがしたという感じは全く無かったので最初から最後までパパ作のようです。

「味も凄くおいしい!」

「天才王子様は万能なのね・・ホントにおいしい」

「フリージアの父親だし、器用さも遺伝なのかね?」

「なんだかんだで俺もごちそうになっちゃってごめんね?」

先輩たちとネルさんも私のお弁当を分け合ってます。

私も先輩たちのと分け合ってましたし?

ネルさんが謝るので私はそんなことないと言います。

-私もそちらのを食べてますしお互い様です。-

「そっか。おいしかったと伝えておいて?」

(コクリ)


それから食べ終わった後、周囲の視線も結構集まり、面倒なので適当なタイミングで食堂を後にしました。


午後は、訓練場で実戦練習らしい。

着替えはこの制服のままでOKらしいのでそのまま。

防御の魔法などが込められてるのでそこそこ丈夫なんだとか。

「基本的に君たちSクラスは他のクラスと合同でするけど混じって一緒に訓練とかは基本的にないね。混ざりたかったら混ざっても良いけどだいたいは自習って感じ。」

「全体的に自習がほとんどなんですね?」

「そんな感じだね。優秀ならば独学でも優秀でなければ・・が初代学園長の言葉らしいし」

「へぇー。」

「ネルさん、今日は何年と一緒?」

「今日は2年生だね。」

そんな話をしながら私たちは訓練場へ向かいました。



「・・リアちゃん、1つお願いがあるの」

(?)

何を真剣な顔で言ってるのでしょうか?

「いつもしてるあの準備運動は・・この学園では禁止・・いい?」

(?)

なぜ?

「えと・・かわいく首をかしげられても困るんだけど・・アレは、とにかくここでは禁止!するならお家とお城だけ!良い!?」

(・・コクリ)

何か強引に納得させられた気がしますけどまぁ、良いでしょう。

言うことを聞きましょう。




仕方がないので手首と足首をくねくねさせつつストレッチ




「・・しょうがないじゃない・・アレはかわいいリアちゃんが世間では見せちゃ駄目なワザなのよ。」

「けど今更じゃない?最近は敷地内でしか訓練してないから問題ないけど、冒険者の人たちとか教会にお城のメンツとかは既に知ってるよ?」

「それでもよ。せめてこの学園のメンツだけでも知らない方が良いのよ。」

「あぁ・・言いたいことは分かる。リアちゃんの尊厳を守りたいんだね?」

「うん・・本人は尊厳のその字も持ってるつもりないだろうけど。」

「セイ?そのアレって?」

「えと・・言葉で説明するのは難しいんですけど、リアちゃんの準備運動がちょっと特殊で・・」

「特殊?」

「それを見た人たちは全員見えない何かが削られていくとか、何かを召喚する踊りだとか何か状態異常になりそうとか言うんです。」

「・・何その準備運動。」

「リアが言うには、準備運動とストレッチと、柔軟体操と目を回さないようにする運動を適当に混ぜたモノらしいです。」

「・・どうしよう全く想像がつかない。」

「けど、それを見せるのは精神的に何か来るからフリージアさんへの注目を少しでも・・と言うことだね?」

「はい・・知ってる人は結構知ってるので今更とも言えますけどそれでも・・と思いまして。」



セイちゃんたちが何か言ってるけどスルー。


「あ、そうだ。リア、影さんたちと模擬戦したいんだけど良い?」

-種類と数はどうしますか?-

「5人、種類は何でもありで」

種類は武器のことです。

-接近戦オンリーで良いですか?-

要するに私自身の参加はどうするかという質問です。

「接近戦だけで良いよ。」

(コクリ)

私は最大サイズの影さんを5人出します。


-ユウちゃんはどうしますか?-

「経験を積んでおきたいだけだから回避と軽く打ち合う程度だよ。」

なるほど

(コクリ)




「私は魔力制御メインかな。あ、怪我したら私が治すから遠慮なく良いよ。先輩たちもですよ?」

「セイ、ありがとう」

「治療出来る子がいるのはホントありがたいな。」

「それだけが取り柄ですから」

「それでもだよ。」

「はい」




そんな会話をしている内に授業は開始されました。

と言っても、扱う魔法の属性で別々に分け、接近戦と近距離戦の人を分けている状態です。

そして、同じ属性同士で魔法であれば的(石?か鉄で出来た人型の置物)に向かって魔法を放ち、武器があれば模擬戦で撃ち合う。

場合によっては魔法も武器も関係なく模擬戦をしていたりだ。

そんな状態を先生たちはあちこちを周りアドバイスをしている。


先輩たちは素振りをしたり魔力制御をしたりしている。

私はユウちゃんに貸した影さんとは別に追加で10体、最大サイズで呼び出し、コロコロと武器を変えながら素振りを行ない、私は蛇腹剣を振う。


ちなみにユウちゃんは、宣言通り影さんたちの縦横無尽な攻撃ラッシュを避けたり剣で受け流したりしている。

経験を積み、技術を学びたいようです。


影さんたちは、剣から薙刀、斧から鞭、大鎌から槍、刀と来て、かぎ爪に棍とそれぞれが別々の武器をころころ替えながらヒットアンドアウェイを繰り返す。

おまけに影さんたちが様々なパターンでチームプレイを繰り返している。

スピードは私ベースなのでそこそこ速いかな?と言う程度で接近戦と肉弾戦に自信のあるユウちゃんだと隙間なく攻撃ラッシュしてくること以外はある程度は余裕を持って対処出来ている。

まぁ、時折人間では種族的にどうまねようが出来ないようなやり方で攻撃したりしますけど。

体の大きさを変えたり、平べったくなって足下をすり抜けたり、ジャンプしたまま宙を舞ったり。


で、なぜか2年生の先輩方は引きつった表情になってるけどスルー。


ネルさんによるとスピードは対したことがなくても扱う武器の種類が豊富なのと攻撃パターンが豊富だからスピードだのパワー云々言っている以前の問題で対処が凄く大変らしいです。


とか言いながら普通に私の影さん8人相手に軽くあしらってますよね?

途中からネルさんに影さんたち(ユウちゃんに貸した以外の子たち全員)のことがネルさん気になったらしく、模擬戦を頼んできたんです。

で、やる気満々で挑む影さんたちでしたが、どんなジャンルの武器を様々なパターンで対応しても、姿を鳥や狼、ゲル状等々に変えたりと変則的なやり方も織り交ぜてるのに軽くあしらわれてます。

腕に風を纏わせて影さんたちの攻撃を受け流し、靴底に水を張り付かせて滑るように移動して躱し、風を足に纏わせて速度を上げる。

おまけに水で剣を作り、風を纏わせてどの種類の武器もひょいひょいと撃ち合いつつも受け流す。


ネルさんホントに強いですね。

とか言う私は、蛇腹剣を振っている感じですが。


私の影を纏わせて変則的な動きが可能な蛇腹剣を蛇さんのように自由自在に操ったりしてます。

まぁ、普通に魔力を扱わずとも自由に操れるように練習中なんですけどね?

大分上手に扱えるようになりましたよ。


どうやら、杖を除いて、私にとって扱いやすい武器は蛇腹剣のようです。

弓とか他のもそうですけど、一番しっくりくるんですよね。

世間では適正値と呼ぶらしいです。

ステータスのように表示されることはないらしいですけど、人には適正というどのくらい上手に扱えるか、否かを数値化させるんだそうです。

ステータスの伸び率や成長値のようなモノと同じらしいですよ?


翠ちゃんが言うには、

全く伸びない場合は×

一応適性はあるけどどれだけ頑張ってもあまり成長出来ない△

頑張ればそこそこ伸びる○

頑張れば○よりもずっと上手になれる◎


この4種類らしいですよ?

細かく言いますと

×→ゼロ

△→1.2

○→1.5

◎→2


数字で表すとこんな感じでゼロには、何してもゼロ

で、1は頑張った数値で、○で例えると1頑張るとその半分は頑張った結果・・つまりは成果となるんだそうです。


で、翠ちゃんの例で言うと私は蛇腹剣と杖は◎で、他は△のようです。

剣や鞭は△なのに蛇腹剣だと◎になるという不思議。


適正とはそう言うモノらしいですよ?


「ネルさんはさすがだな。あの非常識な接近戦をモノともせずにあしらってる」

「スピードが対したことがないのが唯一の救いよね。けど、そんなのはお構いなしで対処は大変だわ。チームプレイだけでも大変なのに扱う武器の種類が豊富だし、コロコロ変わるし、変えるパターンも攻撃パターンもバラバラおまけに対人戦前提の戦いがまるで役に立たない。」

「確かに経験になるんだろうね。あれだけの種類の武器をあんな形で経験するのはほぼ不可能だよ。出来たとしても2種類の武器を同時に扱う程度じゃないかな。」

「フリージアちゃんみたいに?」

「あー。うん、杖とあの変則的な剣・・・蛇腹剣だったっけ?あんな感じだと思うよ。」

「様々な形に変えることが出来るとは聞いていたけど、実際に目の当たりにすると相当やっかいだな。そこで武器の扱いを知らなければもっと楽だが、フリージアの場合はきちんと学んでるから相当やっかいだ。」

「だというのに本人は2人と模擬戦をしながら完全放置で素振り・・それと並行して魔力制御。」

「しかも、獣魔がいる・・数体。そして、最も得意な防御と遠距離戦とフリージアさんの十八番の魔法反射がある。」

「器用貧乏にならずに上位に至った存在ね。」

「両親がどっちも規格外だしなぁ・・」

「母親の方は知ってますけど、イリスさ・・んは?噂で聞くとかなり強いとは聞いてますけど」

「強いよ?イリスさんは弓の名手だ。おまけに接近戦もしっかりこなせるから多分フリージアさんと戦法が似ているんじゃないかな?魔法で手数を増やすか、1人でこなすかの違いはあるけどね。」

「言われてみれば確かに。」

「だとしても、ユウもユウだよな?」

「えぇ。回避を中心にしているだけみたいだけどそれでもしっかり余裕を持って対処出来ている。さすが黒騎士様のお弟子さんだ。」

「黒騎士って確か騎士団長様?」

「そうそう」

「そういえばそうだった。だとすればアレも特訓の1つか?」

「じゃない?ノクスさんって育てるというか先導したりする分では凄く理想的だったし。」

「しっかり育ててるイメージしかないよな。良い師匠というか先生になりそうだ。」

「だと思うよ。」

「それとは別に・・フリージアちゃんってよくあの武器をあれだけ自由に扱えるわね。」

「チラッと見せてもらったけどアレはちょっとやそっとじゃムリだぜ?剣と鞭のそれぞれの特性を混ぜ合わせた武器らしいけど、両方を同じだけ扱えるだけじゃムリだ。」

「そうなの?」

「俺はそう感じた。投擲が出来て魔法で狙い撃つのが得意でも弓は扱えないのと同じ感じか?確か、翠さんがそう例えてた。」

「あー。凄く分かった。」

「わかりやすいたとえだね。」

「武器の種類が豊富なのにあそこにあの蛇腹剣か・・更に変則的になりそうだ」


そんな感じで訓練は続きます。

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