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獣魔と先輩たち、その2

おまけ

リア「2月22日が猫の日なら、3月3日は子猫の日?」

カルナ「なぜそうなった・・」

リア「2はにゃんで、3はミーだから?」

カルナ「はぁ・・正しく言うと3月3日はお雛様の日だ。」

リア「数日しかお外に出してもらえず、それ以外の日はずっと閉じ込められていて、規定日以外の日にお外にいると呪いがかかると言われるあの日ですか?」

カルナ「間違ってない・・間違っていないが・・何か違う!!」

イリス「リアちゃんは面白いね。ちなみにニアさんは明かりはぼんぼりっていうのにつけずに爆弾に着けて世界を照らす日だそうだよ?」

カルナ「リアもリアなら親も親か!!」

イリス「面白い親子だよね。」

カルナ「いや、面白いですますなよ。イリスさんも親だろうが・・」

イリス「2人が楽しければなんでもオッケーだよ♪」

カルナ「何気にイリスさんも同類かよ・・」

お城で先輩たち3人とシャスティ、ハディちゃんペアのバトルが開催されてます。

ネルさんはカルナとエアロさんたちとお話し中。


で、現在

「おらおらおらおらぁ!!」

「ふっ!やぁっ!はっ!」

ジャンさんが連続でパンチしながら時折キックをして攻撃攻撃攻撃の連続アタックをしていく中、リクトさんが清らかな風を体に纏わせて小太刀に鋭くまばゆくように濃く纏わせてヒットアンドアウェイを繰り返す中、シャスティがリクトさんの攻撃を尻尾でいなしながら回避して死角に回り込んだりしてヒットアンドアウェイを繰り返し、ハディちゃんがジャンさんの攻撃を自身を硬くして防ぎつつ尻尾や咆吼で不意打ちよろしくランダムに発動させる。

尻尾の攻撃はどうにか防ぎつつもかなりきつそうな表情をして、咆吼が来るとリクトさんと揃って苦痛の表情になる。

耳にダイレクトに聞くのに加えて精神的にも結構なダメージがありますからね。

おまけに、咆吼を出すのと同時に衝撃波や威圧などをまき散らすので物理的にもぶっ飛ぶ。


そこで、シスカさんが地面のあちこちに地割れを起こしながら木の根を呼び出し縛り上げようとするが、ハディちゃんが思いっきり地面を脚や尻尾で叩いて地割れを押しつぶしてなかったことにしてシャスティがものすごいスピードでそれらの合間をすり抜けていく。

更にハディちゃんが追加で衝撃波をぶっ放しながら砲台のようにまっすぐに地面を抉る。





「あいつらやるなぁ。」

「さすがSクラスだね-。カルナさん、そちら側は出力はどれほどの?」

「そうだな。7割くらいじゃないか?シャスティはまだアレを使ってないから半分かそれ以下とも言えるかも知れんがな。」

「アレとは、巨大化ですか?」

「まぁ、それだな。そこらの冒険者連中よりも善戦してるぜ?」

「それはうれしいですね。縦横無尽に凄い速度で動き回るヒットアンドアウェイのシャスティさんと頑丈な体と大木もへし折りそうなカウンターに物理的にも精神的にも威力がある咆吼。あのペアだけでも十分凄いね。」

「シャスティが前線で戦い、ハディがリアを守る。時折、リアと共に前線にでて、俺が全体のフォロー。翠はリアのフォローって感じなんだ。」

「なるほど。シャスティさんは攻撃特化。ハディさんはどちらかというと防御特化なんですね。カルナさんはそれらのフォローと全体の調整・・いわゆる参謀か。」

「正しく言うと参謀兼リーダーはリアだ。俺はリアの意図を察して動き、シャスティたちがより暴れられるように動く。それだけさ。」

「縁の下の力持ちですね。」

「そう言ってもらえて光栄だな。」

「ふむ。彼らもなかなかやるな。」

「先輩たち凄いね。」

「だね。シャスティさんはおっきくなってないけど、それでも結構力出してるよね。」



と先輩たち3人VSシャスティ&ハディちゃんペアのバトルが繰り広げられております。

で、私たちはメイドさんたちが嬉々として(自主的に率先的に)出してくれたお茶やお茶菓子を頂きながら観戦中。

私はその傍ら、用意してくれたメイドさんたちの頭を順番に撫でてます。

メイドさんたちは、凄くうっとりした顔になってますよ?

ちなみに私、パパのお膝の上にいます。

パパは私にあ~んしながら凄くうっとりして私を抱きしめつつすりすりふんふんしてます。

・・パパも私の匂いが好きなんですよね。

しょっちゅう私のにおいを嗅いでます。


それと余談ですが、パパとは毎日一緒にお風呂してる(パパは常にうっとり)のですが、お風呂上がりはエアロさんたちが顔を赤くして口元を抑えて膝から崩れ落ちてぷるぷるしてます。

毎回ですよ?

尊いとかつぶやいてましたけど何なんでしょうね?


「だとしてもフリージアさんの獣魔たちはホントに強いね。」

「物理は俺等獣魔が。魔法はリアが。互いに出来ないことがあるからその分を考慮して互いに全力を注ぐって言うのが俺等だからな。」

「アレにフリージアさんの魔法戦とカルナさん、翠さんが参戦するのかぁ-。おまけにイリス様にリカルさんや魔術師団が追加?・・うわぁ、強いわぁ。」

「遠距離技のバリエーションがイリスさんによって増えたし、魔法も属性がエアロたちがいるから増えたから更にバリエーションが豊富だな。リカルの魔法も面白いしな。」

「あはは。俺の魔法は奇襲程度ですよカルナさん。」

「だとしても凄いと思うぞ。」

「ありがとうございます。」


「ぐぁぁああああ!」

「うわぁあああ!」

「きゃぁあ!」



あ、先輩たちがやられた。

具体的には、シャスティの尻尾によるフルスイングとハディちゃんの尻尾アタックがそれぞれに当たって一歩も動けなくなったからですね。

シャスティたちはしっかりと先輩たちの全力を絞り出せるだけ搾り取ってそろそろ限界そうだなぁと言うところでとどめとして軽く力を込めて吹っ飛ばしたみたいです。


「うわぁ。シャスティさんたち遠慮なくなったなぁ。えい。」

セイちゃんが順番に治療をします。

ちなみにジャンさんとリクトさんは腕と足の骨にヒビがあり、シスカさんは背中を思いっきり打撲してたそうです。

後、魔力枯渇。

「先輩たち・・大丈夫ですか?」

「な、なんとかね。治療ありがとう」

「いえ。」

「にしても、強いな。ホント強い。遊ばれてる感じが抜けねぇ抜けねぇ。」

「ホントよ。初見であっさりと私のワザを対処されるんだもの。」

「だとしても良い経験だったよ。普通の模擬戦や魔物との戦いでは決して得ることが出来ない戦いだよ。」

「それは確かに。」

「異なる2つの種族のペアと命の危機のない戦いなんてそうそうあり得るわけがないわ。」

「だとしても強いな!ハディさんマジパネェ。頑丈だしカウンターエグいし。」

「ジャンと似てるわよね?」

「だな。あの頑丈さは確かに。俺は攻撃に使うが、ハディさんは防御に使った。方向性は違うが俺よりも扱いに慣れてる。無駄がない。」

「調整が難しいんでしょ?」

「部分的に調整するのは難しくて。」

「やっぱり場数をこなすのが一番なんじゃない?」

「確かに。ご指導ありがとうございました!」

「面白かったですよ。私たちはあなた方よりも経験があり、種族の違いによる強さがある。今回のことを糧に今後に活かしなさい。」

「うす!」

「うっ!」

「シスカさん!?どうしました!?」

治療を終えて私たちの元に戻ってきたシャスティとハディちゃんを撫でていると私をみてシスカさんが突然口を押さえて膝から崩れ落ちた。

「尊い」

「は?」

「なんて尊いの!?かわいい!かわいすぎる!癒しがすさまじすぎるわ!何と言う癒やし系親子!!」

「はぁ・・放っておくか。」

「・・そうだね。」

(?)

「気にしないでいい。アレは放置して良い」

(コクリ)

どうやらパパに抱っこされた私をみてあぁなったみたいです。

幸せそうな顔になってますしみんな放置しとけと言うのでそのままにしておきましょう。


「さっきまで戦っていた凜々しいシャスティさんと今のシャスティさんが同一人物・・猫物?とは思えない。」

すっごい喉をゴロゴロ鳴らしながら私に甘えまくってますからね。

周囲の微妙な表情も何のそのという感じです。


「いつものことだ。気にするな。」

「あー、いつものことなんですね。」

「ギャップが・・」


「でさ・・」

「やっぱり私の気のせいじゃなかったのね・・」

「フリージアさん・・アレ・・何?」

先輩たちが微妙な表情になって見つめる物は私が創った影さんたちです。

現在、私の半分サイズを13体出してそれぞれの武器の練習をしてます。

最近では、私自身は蛇腹剣の練習をほとんど行なっているので影さんたちに他の武器類はお任せです。

あ、杖の練習はもちろんしてますよ?

華麗なる魅せる技をね!


意外とアレ、良い練習なんですよ。

器用さと言いますか、体全体を動かしたりとか色々と予想外なところで役立ったりするんです。


-影さんたちですよ。-

「そっか・・で、その影さんって何?」

-私が創ったお人形です。ゴーレムと言った方がわかりやすいかも知れません。-

「へぇー。」

「あんなに個性豊かで器用だったっけ・・ゴーレムって。」

「自在に形を作れる陰属性だからこそのワザかもね。水だと原形を保つのが難しくて、土だと細かい部分が難しい。」

「後は自由な発想ととんでもない練度の高さだと思うよ。」

「やっぱりそうですよね。」

「って言うより、扱う武器の数多くないか?」

-私自身様々な形を作れますが、武器の扱い方を知らなければ役に立ちませんから。-

「武器の数で戦いのバリエーションを増やしても扱い方を知らないとってことか・・なるほど。」

「息をするように魔法を扱うんだねフリージアさんは。」

-魔法は楽しいですよ。-

「楽しいって気持ちが一番大事なんだよね。魔法でも武器でも何でも。」

「だよなぁ。楽しくなければ続かないしな。」

「そういえば、フリージアさんは弓は扱えるの?イリス様がイリス様だったから」

そういえば・・

-魔法で狙い撃っていたので弓は扱ったことがありませんでした。-

「そうだったの?」

「言われて見れば弓を扱わなくてもどうにかなってたから知らなかった・・納得だな。」

「じゃあ、僕が教えようか?」

-パパ、よろしいのですか?-

「もちろんだよ。父親は娘に自分の知識と技術を教えるモノだよ。それに僕も教えたかったんだ、父親としてね。」

-よろしくお願いします-

で、影さんを最大サイズにして数人分プラス私でパパに弓を教わりました。

と言っても狙い撃ったりするのは慣れていたので撃つときの構えと呼吸のしかたと基礎的な部分だけ。

後は数をこなすしかないらしいです。

呼吸のしかたと言われると、撃つときに併せて呼吸を止めたり吸ったりとタイミングも吐いたり吸ったりする長さや深さなど独特のやり方があったからです。

・・まぁ、その辺りは影さんたちは意味がないですけど・・呼吸しませんし。


それで、その日は先輩たちは騎士団の皆さんと混じってシャスティたちとみっちりと模擬戦を行ない、私はパパに弓を教わりました。

結果として、影さんたち数人で同時に聞いていたのもあり思った以上にあっさりと覚えることが出来ました。










名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:B(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:10

種族:?異世界人?

身分:公爵、クラリティ王国魔術師団長

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子クテン、狩人、アームズマイスター


属性:陰

体力:C+

魔力:SS

攻撃:D+

防御:E

俊敏:D

練度:SS+


攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】

攻撃技3:【杖術】【刀】【剣】【短剣】【鞭】【槍】【薙刀】【棍】【棒】【鎌】【斧】【かぎ爪】【合気】【弓】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【威圧】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

武器:聖華の杖、聖木せいぼくの義手、紅蓮の蛇腹剣

装飾:教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア、ペチュニア、イリス


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女






ステータス部分は最近視てませんでしたが、体力と攻撃が上がってますね。

それと、練度も上がってますね。

パパが言うにはステータスにSが入るのは100人の内一握りでその中で1人いるかいないかという割合でSSがいるほどらしく、私のSS+は1000に数人レベルらしいのでかなり凄いことらしいです。


それと、弓も無事に増えてますが、他にも増えてますね。

弓の効果は他の武器と同じようです。

ただ、私の場合は魔法で狙い撃ったりするので狙い撃つという動作に補正が掛かり、普段よりも狙いやすく、狙いを定めるまでの時間は以前よりもぐっと短くなるようです。





アームズマイスター

なぜウェポンじゃないとかマスターじゃないと言うツッコミが時折はいるが、あらゆる武器を扱うことの出来る者に授けられる称号

どんな武器も扱うコツを掴みやすくなり、練習を重ねれば重ねるほど上達しやすくなる。






おぉ。

要するに頑張れば頑張るほど上手になりやすいってことですね。

・・そういえば、種族のところがまだ変わってますね。

半異世界人の半の部分がはてなになってます。


ホントに何なんでしょうか?

まぁ、気にしてもしょうがないので気にしませんけど。





それはさておき、その日はお城の門で先輩たちと解散しましたが、全員怪我もなくつやっつやなのにげっそりと言いますかものすごい疲れた顔になってフラフラしてました。

まぁ、満足そうでしたけど。

ちなみにつやつやなのは怪我をするたびにセイちゃんが魔法で治療してたのと、シャスティがお手製のお団子を食べさせてたのでその影響です。

強制的に体調を整えさせられたというのが現実ですが本人たちは充実した日だったそうなので気にしなくても良さそうです。







その日の夜は、新しいお家の屋上の芝生の上で女の子座りしながら翼を広げて歌いました。

まぁ、日課ですからね。

エアロさんたちもうっとりして聞いててパパはいつものように蕩けたお顔。

羊さんたちも家に近づいて穏やかに聞いててくれる。


ホントに楽しい。

あの日・・あの地獄から脱出してから初めて願ったこと。


私と一緒にほほえんでくれて、優しくしてくれる人たちに囲まれて普通の生活がしたい



普通ではないかも知れないけど、それでも優しい家族がいる

心の底から慕ってくれる人たちがいる。

何も言わずに傍に寄り添ってくれる子たちがいる

頼もしい人たちもいる


これだけで十分。

こんな穏やかな生活がホントにうれしくて幸せ。



お母さん

ようやく毎日が楽しいと・・明日が楽しみだと思えるようになりました

これなら死んだ後お母さんに会ったときに楽しい思い出としていっぱい話す内容が増えそうです。

他の人たちよりも早く死にそうですけど、それでも何十年かは生きることが出来ると思うので、それまで待ってて下さい。



まぁ・・40年も50年も生きるのは無理な気がしますけど。

このことは実はまだ誰にも言っていない私だけの秘密。


私はお手洗いに行くという理由でセイちゃんだけを連れて人気のないところへ行きました。

ラナちゃんは離れないので絶対に内緒という理由で

翠ちゃんは私の許可なく喋る気はないとのことで同行を許可。


元々翠ちゃんは私以外は私が仲良しだからとりあえず仲良くしているだけで私以外は実際はシャスティ以上にどうでもいいと思っている。

まさしく私の命令(or 言葉、存在)は絶対なんです。

シャスティは親愛という形での絶対遵守ですが、それとは違うんです。

仲良くしてくれるけどそれでも獣魔とその主としての関係。





で、私はセイちゃんに相談しました。

「そ、それで・・こんなところで二人っきりで・・ナニをするの?//」

なぜか顔を赤くしてもじもじしているセイちゃん。

まぁ、個室で二人っきり・・おまけにその部屋は半径1メートルほどしかないので結構狭い。

-他の人たちに絶対内緒で確認したいことがあるんです。・・治癒や回復に詳しいセイちゃんなら分かると思いまして-

それを聞いてセイちゃんは何か察したのか真剣な表情になる。

「・・分かった。言って?」

-私はあと何年生きることが出来ますか?-

「っ!!・・・・リアちゃん本気で言ってるの?自分が何を言っているのか分かってるの!?」

-分かっていますよ。私には膨大なステータスも強い加護もあり、頼もしい家族がいる・・おいしいモノも治療もしっかりしてくれる良い環境にいる・・けれど、あの5年間の影響がその程度でなくなるはずがない・・私自身の体ですから分かりますよ。-

「・・・分かるよ。ちょっとだけ調べさせて・・怪我を治すという魔法の中でその人がそうなった原因とかを知るワザがあるんだけど・・いわゆる相手の記憶を覗くような感じ・・良い?」

-私は構いませんがセイちゃんが保ちますか?それと、それで分かるんですか?-

「うん。これまで怪我や病気をした数や大きさなどとそのタイミングを計算してその人の寿命を割り出すワザがあるの・・これは家の一族の先祖代々のワザなの。」

-それを私に教えて良いのですか?-

「リアちゃんだから良いの・・それに、リアちゃんの過去は聞いていたから大丈夫。」


それから、調べてもらい、セイちゃんが私が過去、何をされたか正確に知ってしまい戻してしまったり号泣したりと大変でしたがそれでも予め聞いていたこともありすぐに立ち直りました・・一応。

皆と合流するときにバレないように翠ちゃんが色々として、セイちゃんが頑張ったのは余談。



「・・分かったよ。やっぱりあの拷問の類いが行なわれたタイミングが最悪過ぎる。生まれて数年の間は一番その人の人生の中で大事なところなのに・・・・その・・」

-はっきりと言って構いませんよ。-

「うん・・リアちゃんは・・・これからどんな治療を行なっても長くて30歳までしか生きることが出来ないわ。」

-思ったより長いですね。お母さんがお母さんだったので後数年か十年ちょっとかと思ってましたが。-

「これは、リアちゃんの高いステータスと加護のおかげで無理矢理伸ばされてるような感じだから・・多分何もなければ二十歳まで生きられるかどうか・・ってところだったと思う。それと・・この寿命はあくまでも・・その・・」

-子供を産んだり大けがや大きな病気をしなかった場合と言うことですね?-

「うん・・こう言ったらアレだけど腕や足がなくなったとかだったら失った血をどうにかすれば多少は問題ないけど、内臓がいくつかやられちゃったり頭に強い衝撃とかがあったりするとかなりヤバイからホントに気をつけてね?後・・子供をリアちゃんが産んだらほぼ間違いなくペチュニアさんと同じ運命を辿るんだと思う。」

セイちゃんは泣きながら私に謝りながら抱きしめる。

「ごめん・・ホントにごめん・・私がもっと強かったら・・もっと魔法が上手で凄かったらリアちゃんのことも救えたかも知れないのに・・ホントにごめん・・。」

-気にしないで下さい。-

「けど!」

-今こうして私のために泣いてくれる優しい人がいる。そんな人たちと出会っただけでも幸運ですから。私は本来であれば5歳を迎える前にとっくに死んでいたんです。今生きている時間はただのおまけなんだと思います。贅沢は言えませんよ。-

「でも!」

-私の旦那様になる人と一緒に生きるのは楽しみでしたが、申し訳なくなりますね。子供も欲しいでしょうし・・-

「そんなことないよ!イリスさんは確かにペチュニアさんと一緒にいる時間が短くて悲しいと思う。けど、それでも!不幸なんて一切思っていない!私絶対にあきらめないから!リアちゃんを絶対に長生きさせてみせるんだから!!」

「ありがとう・・けれど、ムリは絶対にいけませんよ。それに誰にも言ったら駄目ですよ」

私が地声でそう言うと

「どうして・・」

「これ以上悲しませたくありませんから。どうかお願いします。」

「・・・うん。」




人の体とは不思議なモノで、生まれて数年の間の怪我や病気はその後の人生にとても大きく影響されるモノらしい。

その結果として私は長生き出来ない。

セイちゃんはパパとお母さんという実績があるから旦那様になる人は不幸にならないと言いますが、それでも悲しませたくない・・今はパパやカルナたちがいるだけで十分幸せ。

これ以上の幸せを求めてはいけない。


今生きているのは本当に奇跡で、ただのおまけの時間なんだから。

だから私は賢者としてこの命が続く限り悪を倒し続けてみせる。




その話を終わった後からですが、セイちゃんはこれまで以上に回復と治癒の魔法の特訓にのめり込み、私のことを心底心配するようになります。

何と言いますか、専属の医師さんみたいな感じになってます。

後、何と言いますかものすごく怪我をさせないようにしてるのですっごい神経質な感じになってるかも知れません・・。

ユウちゃんもセイちゃんの変貌ぶりに少し心配してたけどあまりにも真剣だったので何も言わずに支えることにしたんだそうです。


セイちゃんはホントにみんなに内緒にしてくれました。

それにホントに優しい子ですね。

私のために泣いてくれる・・ホントに優しい子。




そんなことがありましたが、ムリしてまで長生きをしたいとは思っていません。

今が幸せならばそれでいい。

そのせいでみんなを振り回したくありませんから。






そんなお話しなど色んなことがありましたが、その日はそんな1日でした。









--セイ--

私は、リアちゃんたちと分かれた後、夕飯やお風呂、歯磨きを済ませ、後は寝るだけというところで1人でグリムさんのところへ向かった。

ユウにはグリムさんに大事な用事があると伝えている。

ユウは何か察してくれたのか気をつけてねとだけ言った。

何も聞かずに信頼してくれるユウがホント好き!

お礼の言葉代わりにねっとりとした濃厚キスをしてあげました。

それ以上のことは・・私の胸がもっとおっきくなってからね//

ちなみにそのキスのおかげでユウは途中で意識が飛んだようで気絶してました。

むぅ・・

私よりもそういうのの耐性がないのよねぇ。

女の子みたいな顔しておいて・・どう見ても淑女って顔なのに。




で、グリムさんの元にやってきた。

「こんな時間にどうした?」

「お話しがあって来ました」

「・・・まぁ、入れ」

私の真剣な顔を見てグリムさんは何か察してくれて何も言わずに入れてくれた。


「で?」

「このことを話す前に確認したいことがあります。」

「おう、何だ?」

「グリムさんはリアちゃんのことが異性として好きなんですか?愛しているんですか?」

「っ!?ゲホッ!ゲホッ!!い、いきなり何を言ってんだ!ませがき!!」

顔を真っ赤にしてむせている。

「大事なことなんです!!」

私が真剣な顔で真っ赤な顔で怒鳴るグリムさんに怒鳴り返すとグリムさんは

「・・フリージアに関することなんだな?」

顔は赤いままだけど真剣な表情に戻り確認しなおしてきたので私は静かにうなづく。


「・・あぁ、そうだよ。好きだよ・・いわゆる一目惚れだよ。」

グリムさんが言うには、見た目もだけどリアちゃんの性格というか内面に一目ぼれしたのだとか。

それから、何度かグリムさんのパンを買いに来て、おいしそうに食べたりしながらお話をしていくうちにリアちゃんのことが好きになったんだとか。

見た目に一目惚れじゃなくて内面に一目惚れってところがグリムさんらしいよね!



・・じゃなかった落ち着け・・大事なことなんだから。

「それで?俺の恥ずかしがる顔を見に来たとかじゃないんだろ?」

実は半分くらいはそんな表情が見たかったのは内緒にしておこう。

「グリムさん・・あなたはどんな状況、どんな相手を敵にしてでもリアちゃんを守り抜き、信頼すると誓えますか?」

「当たり前だ。フリージアのためならたとえイリスさんだろうと実の両親だろうと世界だろうとフリージアの味方として敵に回ってやる。」

即答

そして、強い意志を目から感じる。


うんそれなら。

「じゃあ・・・お願いがあります。」

「おう」

「リアちゃんと子供を作りたいのはわかりますけど、リアちゃんを救ってください!」

「ぶふっ!!」


あれ?

大事なことを言う前に心の声が漏れた気がする。

「お、おま!!お前はぁ!!!いきなり何をぶっちゃけてんだよ!!!このませがきはぁ!!た、確かに!!そういうことがしたくないかと言われたらしたいけどさ!!そういう理由で好きになったんじゃない!!し、下心はぜ、ゼロじゃないが・・純粋にフリージアの心に惚れたんだからな?!」

「すみません・・心の声がもれました。」

「漏らすな」

グリムさんのジト目を頂きました。

「こほん」

「あ、流した」

はい、スルーします。

「で、改めて。リアちゃんを救ってください!」

「・・どういうことだ?」

「このことは私とリアちゃん、ラナちゃんと翠さん以外は誰1人として知りません。それと、リアちゃん自身から誰1人として話したらいけないとくぎを刺されてます。」

「それなら言わない方が良いんじゃないのか?」

「ダメなんです!!そんなことすれば手遅れになる!!」

「・・わかった。いざとなれば俺が脅して無理やりしゃべらせたことにして構わない・・だから話してくれ」

「はい・・実は・・」

私は、リアちゃんの寿命について話した。

「何だよ・・何だよそれ・・・あの絵本であったことがフリージア自身に起きた本当の話でその影響で20数歳までしか生きられない?」

「はい・・しかも内臓や頭に強い衝撃が加わったり、相当ひどい病気などにかかったり・・あとは・・・」

「妊娠というか出産とか体に強く負担がかかるようなことがあれば寿命はそれ以上に短くなる・・それどころかそれが原因でその場で・・そう言うことなんだな?」

「はい・・。なので、このままだとペチュニアさんと同じ運命をたどることになるんです。リアちゃんはペチュニアさんとイリスさんのような夫婦を・・あったかい家族を持つことが夢なんです。そんな子が長く生きられないなら夫になる人の悲しい思い出にしかならないからって!!全て諦めるなんて許せないんです!!リアちゃんは今生きているのはおまけのような時間帯だって・・とっくに死んでいた身だからって・・・・絶対にそんな悲しい目に合わせるなんて私が許さないんだから!!!」

絶対あきらめるものですか!

だから、最も信頼出来て、かつ、リアちゃんを幸せに出来る唯一の存在であるグリムさんに協力を求めた。

私1人ではどうしようもない。

実力をつけるだけじゃダメなんだ。

私の大事な友達を失ってたまるものですか!!

それで、誰にも内緒で協力してくれて、なおかつ一番リアちゃんのことを対等な存在として信頼してくれる人が必要だった。

私の中では、シャスティさんでもカルナさんでもイリスさんたちでもなく、グリムさん以外いないと思ったからこの人にだけ話した。

「それで、俺にフリージアへの気持ちを確認したんだな?それで、あんなこっぱずかしい言葉を口からもしたんだな?」

「はい。」

「よく話してくれた。ありがとう。で、俺は何をすればいい。」

「私に魔力の扱い方を教えてください。それと、リアちゃんと両想いになってください・・本人に恋というものを教えてほしい。生きることのすばらしさを知って欲しいから・・。」

「後半はわかった。だが、前半のはなぜ俺なんだ?俺以上に扱いがうまい連中なんぞごろごろいるだろ?」

「そうなんですけど・・一応もっと実力をつけたいという理由で教わるつもりですがグリムさんが一番向いてると思ったんです。感情による魔法の威力増加のやり方。魔力を感情によって強化する方法を。」



「それはつまり、俺が体から漏らす魔力が何も感情をこめずとも威圧となり、威圧を込めると通常以上に威力があることを考慮してそう言ってるんだな?」

「はい。私は知っての通り回復や治癒メインの魔法使いです。それらの力は相手を治したいという純粋な思いが重要なんです。当然治すための知識も必要なんですが・・。」

「フリージアの場合はあまりにも大まかすぎてどこが原因かがわからない・・下手すれば全身全てという可能性もある・・それで、感情による威力の強化を思いついたわけか。」

「はい。」

「正直言うが、俺のは生まれつきという部分も大きい。だが、俺なりに生まれて今日まで研究して調べたから大体は理解しているつもりだ・・かなりきついぞ。フリージアの場合は悪の気持ちを知っていたから俺と同等の威力の威圧を込められるが、俺の場合は俺を嫌い疎む奴らへの殺意が拍車にかけて強化されたんだ。・・セイの扱う魔法からすると感情のコントロールが重要になってくるからかなりつらいと思うぞ。良いんだな?」

「構いません。」

リアちゃんの過去を見てしまったこともあってそれなりに耐性ができているのも悪いことじゃなかった。

悪を知ると善が弱くなり、その結果として治癒や回復の威力が下がることがある。

それは、自身の欲望に負け、治してあげたいという純粋な気持ちが弱くなってしまうからだ。


グリムさんが言うつらいことそれは、私がさっき言った直したという気持ちの純度が落ちることだけではなく、悪に対することを知るということ。

つまりは、リアちゃんが経験したような嫌なことを見て感じること、そして、激情状態になりつつも冷静にならないといけないということ。

激情状態をコントロール出来る人は世界中を探してもひとつまみでもいたら運がいい方だ。


父様たちが言っていたけど、賢者の必殺技である今のリアちゃんが瞳に魔法陣を出してる本気モードの状態、アレは激情状態になることで発動するある意味でのバーサクモード。

下手をすれば味方もまとめて皆殺しにする可能性があるほどコントロールが難しい技。

リアちゃんの実力を知るからこそその大変さがわかる。

下手をすればリアちゃんほどの実力なら容易く国の1つや2つは堕とすだろう。


「・・わかった。と言っても、俺の本気の殺気に慣れることが最初だ。それから、本を読め。」

「最初はわかるのですが本ですか?実戦形式かと思ったのですが。」

「気持ちはわかるが、本だ。それが最も感情移入しやすいんだ。相手の気持ちになって考えることが当たり前なのは本だけさ。実践で言われても無駄が多すぎるし、時間がなさすぎる。その手の本はかなりバリエーション豊富で持ってる。」

なるほど、すごく効率的だ。

「で、それらの感情を表情に一切出すな。」

「え?」

「表情に出さずに内面に押しとどめるんだ。」

それは・・かなりきつそう。



そうして、私のひそかな特訓は開始された。

リアちゃん。

あなたのために頑張るから・・頑張るから!!!



けど、これだけは言わせてほしい。

これは、グリムさんとの浮気じゃないからね!?

グリムさんはリアちゃんにぞっこんだし、私はユウ一筋だからね!?


で、グリムさん・・あほなことは言うなとか言いつつも浮気じゃないとブツブツとつぶやくのやめてください。

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