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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
初めての出会いと幸せとは
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私の魔法

翠ちゃんとの出会いから10日経過しました。

私は大分1人で歩き回れるようになりました。

杖さんはないと危なっかしいとか言われるし、手放す気はないんだけど前は杖さんに頼りっぱなしでないと立ってるのもやっとという状態でした。


そして、魔力操作の練習も体の中を隅々まで巡らせる練習は大分スムーズにまんべんなく出来たかなと思います。

それと、翠ちゃんはゆっくりだけど体に○と×以外に簡単な文字なら表現出来るようになりました。



で、カルナとシャスティ、翠ちゃんは魔物を倒したりといった実戦的な訓練もしてます。

私はまだムリ。

と言うわけで護られっぱなしです。

この魔物討伐は、ギルドでの討伐依頼です。

依頼というのはこれをあげるからこれをお願いという約束事で、冒険者としてのお仕事です。

ムリして受けなくても良いらしいけど、受けないと稼げないし、いっぱい受けて良い評価を受けないと上のランクには上がれないんだって。

上のランクじゃないと良いお値段の依頼とかは滅多に来ないらしいし、相手からご指名で依頼も高いランクじゃないとないらしいからそれなりに高いランクを目指すんだって。

で、私が受けてカルナたちが倒すという流れになってます。

その他にも薬草とかの採取の依頼とかも受けます。


けど、私が依頼を受けてると結構な頻度で助けてくれたり捜し物を手伝ってくれたり魔石とかくれたりする。

理由はわかんないけど頭を下げるとうれしそうに去って行く。


何だろうね?




とりあえず、そんな感じでいっぱい頑張ってます。

そのおかげで大分強くなりましたよ?


カードさんお願いします









ランク:F

名前:フリージア・エトワール

性別:♀

年齢:5

種族:半異世界人

職業:魔法使い、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者

属性:陰

体力:E

魔力:D

攻撃:F

防御:E

俊敏:F

練度:D


魔道具:賢者の杖


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り








ステータスが全体的に伸びてます。

その中でも魔法関連である魔力と練度はいっぱい上がってます。

魔法の強さは、出来るだけ細かい操作ができるのかって言うのと、イメージの力が大事なのでステータスに出るのはせいぜい練度で確認するしかないらしいです。

ほとんど想像力だしね。

魔力の量も多ければ良いと言うわけではなく、出来るだけ効率よく使うかが大事なんだとか。

まぁ、あればあるだけその分すごいのは確からしいけど。



私は、職業的な都合上、身体能力面はほとんど伸びない。

今伸びているのは弱っていた分が回復しただけで、言わばこれは上達したんじゃなくて戻っただけ。

・・むぅ。

最低でも体力はいっぱい伸ばしたいです。

その他の部分はカルナたちがそっちがいっぱい強いから頼りにしてます。

チームとか家族ってそう言うモノなんでしょ?

頼りにしてます。

それにカルナたちが、

「俺たちは遠距離攻撃がほとんど出来ないし、出来るのは近接戦闘ばっかりなんだ。だから俺たちとは逆のことが出来るし、出来ないフリージアには俺たちを遠距離で護って欲しい。逆に俺たちはフリージアに出来なくて俺等に出来ることで護るから」

って言ってたし。






リリさんたちは私が特訓とかお勉強とかで色々頑張ってることもあって、別々で行動することが増えました。

主に依頼を別々で受けてるからです。

お宿に泊まってるんだもんね。

お金ないと大変だよね。


まぁ、私もそのお金で一緒にお泊まりしてるんだけど。

お金・・出そうと思ったんだよ?

足りなくても一応稼いでるし。

だけどいらないって言われちゃったもん。





そんな中、私はお悩み中。

それは自分の魔法について。

陰魔法って言う魔法で闇属性の派生版の1つ。

けど、闇属性自体も大して多くないのに加えて、私のはほとんどいない。

なんか、闇属性の魔法は大抵精神攻撃の方に行くのが多いんだって。



それに、自分でどんなのが良いって考えるのが大事だからって考えてます。

たとえ、リリさんたちに抱きしめられようとも撫で回されようともお洋服を脱がされて色んなお洋服を着せ替えさせられようとも色んな髪型に勝手に変えられようともお風呂に攫われようとも頑張って考えます。

例え、目の前でリリさんやアンさんたちのおっぱいがいっぱいぽよんぽよんと揺れていようともほっぺにチューされようとも、翠とリリさん(全裸)が格闘していようとも。


おまけで無表情だからホントにお人形のようだとしみじみとダンさんたちに言われてます。



で、時々考えるのに疲れて翠ちゃんをぽよぽよしたりアンさんとかリリさんのおっぱいに埋もれてみたりカルナとシャスティをもふもふしたりしてます。

毎日のお散歩も、魔力操作の練習も続けてますよ?

体力は大事ですから。



で、魔法の相談はリリさんたちはよく知らないからムリって言われちゃったので、ギルドにいるアリスさんに聞きに行きました。

ちょうどお休みの日があったのでアリスさんのお家にやってきました。

アリスさんは私の魔法のことは知ってるし、色んなこと知ってるし、相談に乗るよって言ってくれたからです。

ちなみに、私自身がお風呂で大掃除されてから会うのはちょっとだけ久しぶりだったのでちょっとだけ驚かれました。

思った以上にかわいくなったとかで。



アリスさんのお家はカルナが言うには1人で過ごすにはちょうど良いくらいのシンプルなお部屋でした。

けど、小物とかカーテンとかはお花の柄だったりしてかわいいです。


そして私はアリスさんが普段使うベッドに一緒に横になってころんと横になった状態ですごく幸せそうな表情のアリスさんに抱きしめられながら撫で回されてます。

家という場所で、私たち以外誰も見ていないからのんびりしながら思いっきり私を堪能したかったらしいです。

ちなみに、お家ではアリスさんはブラはつけない派らしく、ギルドで抱きしめられたときよりもおっぱいが柔らかいです。

そして良い匂いがします。


で、アリスさんのおっぱいに顔を埋めながら甘えつつ匂いを堪能してたらアリスさんは私の頭に顔を埋めてにおいを嗅ぎながら

「フリージアさんは、スミレの花の匂いがしますね。」

どんなにおい?とアリスさんの顔を見ながら首をかしげたら

「とてもささやかで、そっと甘い香りと優しい香りがしますよ。フリージアさんの印象ぴったりな香りです。」

アリスさんは、スイセンってお花の匂いがするって後で翠に聞いた。


「はぁ//かわいい//・・と、そうでした。相談でしたね。」

そして、翠によって私のお願いを伝えた。

ちなみにアリスさんには翠は撫でられてました。

「なるほど。魔法の・・・確かにフリージアさんの魔法は世間ではほとんどみられませんからね。端的に言いますとギルドカードにもあったようにかなり万能らしいのでフリージアさんが願ったことは全てとは言いにくいですが大抵のことは出来るようですね。・・ですが、まずは発動させるところからですね。・・そういうのは自分自身で思いつかなければならないんですよね・・でしたら、周囲でなんとなく見ている光景をまねてみてはいかがですか?」

まね?

ちなみにアリスさんと一緒にベッドの上で横になって抱きしめられてるのは続行です。

私もアリスさんのお洋服1枚のみのノーブラおっぱい(Dにやや寄りのC)を堪能します。


それと、私がアリスさんのおっぱいに顔を埋めて甘えるとアリスさんはうれしいらしくより強く優しく幸せそうに抱きしめてくれるしほっぺにチューしてくれます。

それに、いつもギュッてしてくれるしその強さも苦しくないくらいですごくちょうど良くて私が心地良いなと思えるくらいと言う凄く絶妙な力加減です。

アリスさん大好きです。



ん~近くのを参考ですか・・・

過去に実際に発動させたときは偶然だったし、怖いで頭の中がいっぱいだったんだよね。

その時は確か陰が水たまりみたいに波打ってたんだよね。

波打つってことは私の感情で陰が揺らいだ?動いた?振るえた?


今目の前にあるのはアリスさんのおっぱい。

ぽよんぽよんです。

大きさで言うとリリさんの方がちょっとだけおっきいし、アンさんはもっとおっきいけど、私としてはアリスさんのおっぱいが好きです。

何がとか言われると分かんないけど、アリスさん含めてアリスさんのおっぱい好きです。


翠もぽよんぽよんだし、翠のぽよんぽよんも大好きです。

ちなみに翠はアリスさんのおっぱいをいっぱい調べながら自分のぽよんぽよんの違いを調べてより私が大好きになってもらえるよう研究中。


カルナは微笑ましそうにちょっと離れて毛繕い。

シャスティは私の背中側にぴったりと寄り添ってお昼寝。

けど長い尻尾はゆ~らゆら。


お尻尾ですか。


ん~

何か思いつきそうなので考えます。




「後、私が言えることはフリージアさんの魔法は影を操ると言うことです。その操る範囲や操り方、それらの方法によって万能と言われる様々なことが出来るようになるのだと解釈します。そうなると、影を操ると言う部分をフリージアさんなりに考えて一番操りやすい方法を考えてはいかがですか?・・私からはこのくらいしか言うことは出来ませんが。」

私なりに操りやすい方法



・・・・・視界の端っこでしゃすてぃのしっぽがゆ~らゆら



そうだ。

アリスさんに抱きつく体勢からお膝の上で後ろから抱きしめ状態に変更して、背中でアリスさんのおっぱいを堪能しつつ魔力を足下に集中させます。

いっぱい練習したから問題ないのです。

ただし、体の中で行ったり来たりさせる分はと言うこと。


そこから地面に映る私の影に私の体から魔力をしみこませるようなイメージで足下から流し込む。

ゆっくりと流し込んでいくと他の人よりも濃い色をしている私の影が波打ち始めた。

ゆっくりと流し込む魔力に併せて私を中心に水の波紋がゆっくり、ゆっくりと伝わっていく。

その感覚もこれまでの魔力操作の練習のおかげで理解出来ました。


そして、その影に浸透させた魔力と混ぜ合わせてそのまま影に実体を持たせて引き延ばす!!


-にょ~ん-


地面から黒くて透明な見た目はぷにっとしたのがびよ~んと1本伸びてきました。

ちょうど私の目の高さまで。


成功?・・・・か・・・なぁ?


で、そのまま左右にゆらゆらとか前後にゆらゆらとかはてなとか丸とか色々イメージさせるとその通りに動いた。

けど、頭の中でイメージしていたよりちょっとだけ動きがぎこちない。


しばらくお部屋を壊さない程度にぶんぶんとふってみたり色んな形に変化させたり伸ばしたり丸めたり、薄くしたり平べったくしたりと色々やった。

どうやら、魔力はこの触手さんを創り出すときまで必要で、一度創り出せば私のイメージが維持出来ていれば特に魔力は必要ないみたいですね。

ただ、形を変えることに関しては魔力は必要みたいだけど創り出すときよりは少なくてすむみたいです。



で、いっぱい考え事をしながら操っていたら意識がちょっとだけがちょっとだけぼ~っとしてきたので頭の中のイメージを軽く首を横に振ってかき消します。

すると、すっと空気中に溶け込むようにあっという間に消えました。



「お疲れ様です。意識が遠のいたのは魔力切れとは別で知恵熱の親戚のようなモノです。」

知恵熱?

「つまり、魔法を維持するためにいっぱい考え事をしていたので、頭が疲れてしまったのですよ?」

体をいっぱい動かすと体が疲れちゃうのと同じですね。

「ほどほどにしておきましょうね。基本的に頭を使う中での限界は魔力量と練度の平均ほどと言われておりますから。ムリせずにゆっくりと確実にですよ。」

(コクリ)

「ですが、上手くいったようですね。アレはちゃんとした魔法ですよ。後はあれをフリージアさんが好きなように作り替えていくんです。どの魔法使いもフリージアさんと同じですよ?それぞれが初めて使った魔法を元に様々な魔法を編み出していくんです。とりあえずお昼にしましょうか。カルナさん、フリージアさんは食べれないモノはありますか?」

「大分体の調子も良くなったからあまりこってりしたり顎を使うのはほどほどにして欲しい。」

「では、あっさり系で歯応えなどもほどほどのモノを作りますね。」

「何か悪いな・・」

「お気になさらずに。たくさんフリージアさんをかわいがることが出来たのでとても満足です。」

「そっか。じゃあ、世話になるよ。」


それから、アリスさんが作ってくれたのはじっくりと柔らかくなるまで煮込んだお野菜のスープで、カルナが言うところのポトフって言うのでした。

すごくおいしかったです。


そして、お空が赤くなるまでアリスさんに撫で回されたり抱きしめてもらったりしながらほどよく休憩を挟みながら影を操る練習をしました。









「フリージア、今日はいっぱい練習したんだ。早めに寝ろよ?あ、その前にカードをチェックしておけ?」

夕ご飯とかお風呂とか色々済ませて後は寝るだけって時間でいつもより早い時間帯でカルナがそう言ってた。


カードさんお願いします









ランク:F

名前:フリージア・エトワール

性別:♀

年齢:5

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者

属性:陰

体力:E

魔力:D

攻撃:F

防御:E

俊敏:F

練度:C


技:【影操作】

魔道具:賢者の杖


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り




おや?

練度が上がってますね。

いっぱい頑張ったからでしょうか?

それと、魔法使いが賢者になってますね。

そういえば、魔法が使えるようになったら賢者になれるって書いてあったっけ?

後は、技名が出てる?



カードさん、教えて下さい。




賢者

魔法を扱うことに非常に長けた存在。

魔法関連全般が非常に上達しやすい代わりに、身体面に関しては体力をかろうじて除き、ほとんど上達しない。

魔法関連が上達するのに合わせて魔法のイメージを行なう際、脳に掛かる負担が軽減され、集中力も増加する。



【影操作】

自身の体によって創り出される影を操ることが出来る。

好きな形に好きなように変形させることが出来る。

防御も攻撃手段もイメージ次第でどんな形にも変形可能。

威力は魔法練度と魔法のイメージ次第。




おー

体力は多少は上がるようです。

けど、その他の体を使ったあれこれに関してはほとんど上がらないみたいです。

その分魔法があがるっぽいからまぁ良いか。

そっちの辺りはカルナたちが頑張ってくれるし。

それと、技名が出てくるようになった。

私の頑張り次第で色んなことが出来るみたいですね。

頑張りましょう。



今後は、この触手さんをもっとたくさん出したりもっと上手に扱って戦えるようにしていくんですね。

後は・・・そうでした。

目ですね。


確かお母さんの娘だから何か目覚めるかもって書いてありましたね。

それに、見る目を養え?とか言ってたし。


そんな感じで触手さんを操る練習と一緒に魔力を目に集中させて目の身体強化を行ないつつ自分が何を見たいのか考えるようになりました。







とそんなある日、いつものようにカルナたちのために討伐依頼か採取の依頼を受けにギルドにやってきました。

けど、すごく慌ただしいです。

アリスさんと目が合ったので頭を下げて挨拶してから聞いてみます。

「あら、フリージアさんおはようございます。カルナさんにシャスティさん、翠さんも」

(ぺこり)

「にゃ」

-おはよー-

「おはよう。何か慌ただしいが何かあったのか?」

「それがですね。どうやらスタンピートが起るらしいんですよ。」

(?)

「ってなんだ?」

「つまり、大量の魔物が襲い掛かってくると言うことです。」

「どれだけの数が来るんだ?こんなに慌ててんだ。10とか20とかのレベルじゃないんだろ?」

「えぇ、聞くと500は軽く超えているらしいですよ?」

「はぁ!?」

「アリスちゃんの言うとおりだぜ?カルナ」

「そうなのか?」

ちょいちょい依頼を受けているので他の冒険者さんたちとは顔なじみ程度に仲良くなりました。

結構な頻度で助けてくれたり訓練とかでアドバイスをくれるいい人たちです。

みんなは怖い人って言うけど、いつも幸せそうにニコニコしてる人たちです。


「俺のダチが感知とか得意でさ、そいつがしっかり何度も確認してそう言ったんだ。下手すればもっと増えてる可能性がある。」

「マジかよ・・」

「しかもな・・他の奴らが言うには変異種が結構な割合で混じってる可能性があるらしいんだ。」

「はぁ!?それヤバイだろ!?」

「わかったろ?全員が慌ててる理由。だから、フリージアちゃんは町から出ないようにした方が良いぜ?」

「なるほどな・・ちなみにどんな魔物かって分かるのか?ごちゃ混ぜか?」

「それがよ・・確かに全体の9割とかのほとんどはごちゃ混ぜだし、その内の6割が変異種なんだが、その軍団のリーダーになるやつは把握してる・・そいつが今回のスタンピートの原因だ。」

「なんなんだ?」

「ダンディロックの変異種が進化したエンシェントゴーレムだ」



エンシェントゴーレム

全長30メートルは超える巨体の人型ゴーレムであり、全身が非常に頑丈な岩で出来ており、体を切られたり崩されたりしても周囲の土を元に復元してしまう。

動きはあまり速くないがパワーがものすごく高く、頑丈。

おまけで、そいつを中心に魔物が集まりやすく、2割の確率で変異種に変化させる能力を持っている

獲得部位:魔石、魔核


魔核というのは、魔物が時折持っている魔石に似たようなモノで、言ってしまえばとんでもない量の魔力が籠もっている代物で、魔法の威力も相当高くなるんだとか。

今回のゴーレムの場合は、周囲の魔物を寄せて変異種に変化させるという部分と、自身の再生に力を注いでるようです。




「で・・・勝てるのか?」

「わからねぇ。俺はDランクだし、そっちの連れの連中もCランクパーティ、一番高いランクでもBランクが1人いるだけだ。人数は全部で100超えるくらいだから圧倒的に不利だな・・だが、フリージアちゃんだけは絶対に護るんだ!」

「気持ちは分かるし同感だが、自分の身も守れよ?フリージアが泣くぞ?頭撫でさせるくらいは信頼してるっぽいんだからさ」

「おぅ!当然だ!・・・だからよ・・すっげぇ言いにくいんだが、カルナ、シャスティの二人にも今回の討伐戦に参加して欲しいんだ。」

おじさんの表情は私に向いており、すごく申し訳なさそうにしている。

ずっと一緒にいるカルナたちを危ないところに連れて行かないと行けないからという気持ちなんだと思う。

だから私は、カルナたちにお願いという意味を込めて撫でる。

「良いのか?」

(コクリ)

すごく大変なことになってるんでしょ?

カルナたちが頑張ったらおじさんたちも痛いこと少なくてすむんだよね?

「わかった。参加する。」

「すまねぇ・・」

「翠、お前はフリージアを護れ。良いな?」

-○-

「それとフリージア・・・今回の戦い・・・フリージアは参加しないが、見ていて欲しい。今後のためだ。」

(コクリ)

「それと、今回アレを使う」

あれ・・・あぁ、二人のとっておきですね。

(コクリ)

「アレって何だ?」

「色々とあれだから隠してたとっておきだ。」

「おぉ!期待してるぜ?フリージアちゃん、見守るんだったらこの国を囲うでっかい壁があるだろ?」

(コクリ)

「その壁の上のところに数カ所更に高いところがあるの分かるか?」

ありますね。

カルナが言うところの監視塔って言うのですね。

(コクリ)

「そこから見ててくれ。他の監視の連中もいてくれるし見晴らしも良いからな。」

(コクリ)


「では話がまとまったところで、カルナさん、シャスティさんギルドから正式な依頼として主であるフリージアさんへ指名依頼を行ないます。報酬は、金貨2枚。依頼内容はフリージアさんの獣魔であるカルナさんとシャスティさんのスタンピート戦の参加。回復薬に関してはこちらから支給させて頂きます。命の危機などで途中で離脱しても報酬は半額になる程度なので心配ありません。そして、成功報酬としてフリージアさんのギルドランクを1つ昇華を確約致します。」

「みんな指名依頼なのか?」

「そうですね。この町を護って頂くことになりますし、討伐した魔物のアイテム類がかなりの量が来るでしょうからそれらの振り分けなどをギルドが行なうと言うことなのです。後は、それに色を付けたりなどですね。監視からの報告もありますし。それと、本来であればフリージアさんが直々ではないにしても参加はさせてはいけないんです・・まだこんなに幼いんですから。」

「だから、そんなに高いのか・・わかった。」

私は受けるという意味を込めて頷いた。

「了承致しました。」



そして、リリさんたちも全員参加することがその後に決定した。


私自身は参加することはないし、出来ないけどいつもよりいっぱい魔法の練習をします。

見守ることしか出来ない無力な私はどうすれば良いのかと神父さんに相談に行ったりもしました。

神父さんは優しく頭を撫でてくれながら

「仲間を、家族を大切にしたいという気持ちと、その人たちのために何かしたいという気持ちを強く願うことは非常に大事なことですよ。そして、自分が何が出来るのかを改めて振り返ってみて下さい。今出来なくても強く願うことで出来るようになることもあります。心の強さや絆の強さはとてもすごいんですよ?絆があったからこそフリージアさんは今ここにいるんですから。」

カルナたちは産まれる前から私を見守ってくれた。

いっぱい護ってくれたし色んなことを教えてくれた。

カルナたちの力になりたい。

「では、神父としてフリージアさんへお告げを致しましょう。」

(?)

「仲間を強く願い、信じなさい。ムリかもという気持ちは必要ありません。自分自身が信じたことは強く純粋な気持ちで願えば魔法も応えてくれます。」

(コクリ)

「ホントに強い子ですね。ペチュニア様の娘さんとしてふさわしい。」




心には無限大の力があるんだって神父さんが教えてくれた。


そして、ギルドからスタンピートの件を聞いてから3日後の朝、モノすご地響きと共にそいつらはこの町に向かってやってきた。





「フリージアちゃん大丈夫か?これ食うか?」

(フルフル)

監視塔のところで私は椅子に座って大量に魔物がやってくる光景と町の前で戦う為に立ちはだかっている冒険者たちとカルナ、シャスティを見守る。

「ムリもないだろ。まだこんなに幼いんだ。しかも、カルナたちはずっと一緒にいた保護者みたいなもんだろ?」

「だよなぁ。大丈夫だって、カルナたちは俺たちから見てもかなりすげぇと思うぜ?それに、ムリをする必要はないんだ。」

監視してるお兄さんたちが色々と私を励ましてくれる。


私だってカルナたちはすごいって知ってる。

けど、私がこれまでみたことないくらいいっぱい魔物がいるし、変異種って言うのがいっぱいいるし、心配しないはずないよ。


ぎゅっと翠を抱きしめていると翠が

-心の中で強く二人のことを応援しよう?-

応援?

でも、聞こえないよ?

-ご主人様の職業もあるし、ご主人様はすごいんだから強く願ったら通じるよ。自分を信じて?-

ゆっくりと体に文字を出しては消してとやって私に話しかけてくれる。



そうだよね。

私自身が自分をいっぱい信じてあげなきゃ駄目だよね。



カルナ、シャスティ

頑張って!

無事に帰ってきて!



そして、


私の保護者を名乗るならすごいところ見せてよ!!!




強く強く、私は翠を抱きしめながら心の中で祈った。

戦いは始まった。

次回は日曜日に投稿します

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