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剣+鞭=?

お城に住む研究者(魔術師団)の皆さんがお城そっちのけで私直属の私兵になりました。

と言っても、私がこの国の公爵で、エトワール公爵家となるわけですが、この国での役目は、クラリティ王国の王族を支えるための一族と言うことになっているのでこの国に仕えているという状態は変更されてはいない。

ただ、最優先がちょっと王様とかからパパと私に移ってるだけ。


良いのかな?と思いましたけど、お兄ちゃんとお姉ちゃんはそれでいいと言ってくれたのでそれで良しとなりました。

元々ノクスさん率いる騎士団の皆さんが優秀だから何だそうです。




で、そんな私は魔術師団長となりました。

主な役目としては、この国一帯に施されている防御用の魔道具の管理や強化を初め、国民の生活を支えるような魔道具の作成、そして、魔術師団の皆さんを鍛え上げること。

大まかにこんな感じですね。

この国の魔道具の管理は、かなりの重大機密となります。

そんな役割を私が担っているのは、魔法の実力もですが、ある程度の魔法を私の目の力で解析することが出来るのでその力を想定してと言うことです。

後は、王族の一族(公爵ですけど)としての役割がこれです。

政治とかはよく分かりませんし、出来たとしても戦い、守ることだけ。

だから魔法の実力を考慮して魔道具の管理と、強化、防衛です。



それと、研究者の皆さんの内、女性陣3人はみんな獣人なんですね。

獣人というのは名前の通り、動物の特徴を体に宿す人族のことです。


動物の姿の精霊の血が祖先に混じっているとか、動物の姿をした魔物が人の姿になり、その子孫だとか色々言われています。

その中でエルフは、祖先に精霊の血を持つ為、妖精族とほとんど同じ扱いになっているんですよ?



そして、魔族ですが・・正直色々種類があります。

魔物が人の姿になった場合と、人族や獣人族が、悪に身を染めた状態で進化した姿という場合の2つです。

人族も進化します。

実は、獣人は祖先が人族から進化した為、その姿になったとも言われているんです。

と言っても、獣人も人族も進化するんだそうです。


どういう姿になるか、そのままなのか、どのように強くなるのか、一切不明なんです。

何せ、魔物が進化するよりも確率は低く、ただステータスを強化し、ワザや魔法を強化するだけではならず、それぞれの組み合わせやその人の心や思い等々・・何か決まった条件があるそうですが、かつて進化した人たちもどう口にして良いか分からないと言うほどその条件は難しく、ほとんどが偶然だったり、必死に頑張り続けて気付けばこうだった・・と言うパターンがほとんどだからです。




翠ちゃんが言うには、私はもしかすると進化する可能性があるそうです。

それが、私のそこについてたはてなマーク。

おそらく何か条件が一部当てはまったのではないかとのこと。


まー今はどうしようもないので様子見ですけど。



で現在、そんな獣人な女性陣の尻尾とお耳をモフモフしてます。

結果として、全員色っぽい吐息を荒く吐きながらへばってます。


彼女らが言うには私のマッサージ(もふってただけです)が気持ち良すぎたんだとか。


ふむ?

シャスティが喜ぶやり方をそのまましてあげただけなんですけど?

そして、そのシャスティはいつも幸せそうにしてるだけですよ?


まぁ、気にしなくていいですね。


後に密かに、獣人たちから私はゴッドハンドの持ち主とか言う人がいたりいなかったり。



「君たちは、メイドの仕事は出来るかい?」

「本業のメンバーと比べるとまだまだですけど、ある程度は出来ます。」

「私も同じくです。」

「お茶入れたりとかは苦手だけど、お掃除とか得意ですよ?」

ティア、エアロ、ルミエールと言う順に答える。

「ルミエール!イリスさまに何と言う口の利き方ですか!」

「えー?良いじゃん。気軽にねーってイリス様言ってくれたし、師団長も普通の女の子として扱って欲しいってお願いされたしさ。これは言わば主からの命令だよ?それに従ってるだけだし、そう言う場ではきちんとするし、ね?」

「ったく・・イリス様ルミエールが申し訳ありません。」

「気にしないでいいよ?主と僕とかじゃなくて先輩と後輩くらいの気安い感じで行こうよ。気疲れしちゃうでしょ?」

「イリス様まで・・・」

きっちりとしたいらしいティアさんがうなだれてるので、頭を撫でてあげつつ告げる。

-私たちが疲れるんです。自分がやりやすいようにして下さい。-

「師団長・・」

-それに、忠誠は誓わなくていいと言っているんです。なので、そこまできっちりする必要は一切ありません。-

「リアちゃんの言う通りだよ。君たちは言わば押しかけ女房みたいなポジションだよ。」

「押しかけ・・・」

「あまり崩れるとそれはそれで落ち着かないので敬語はご了承下さい。」

「良いよ。やりやすいようにして?」

「かしこまりました・・。」

「あ、そうでしたイリス様。」

「イグニス、どうしたんだい?」

「俺等ってイリス様が今作ってもらっている家に共に過ごすのですか?それとも通う感じですか?」

「そうだったね・・君たちは一緒に過ごしたいんだよね?」

「まぁ・・許されるのならば。」

「通う形でも鍛錬の1つと思うので気にはしませんが。」

「ふむ・・ギルドに行こうか。」

と言うわけでギルドに行き、丁度受付をしている人に指示を出している姉さんを見つけ、建ててもらっている部屋数をもう少し増やせない?それか、近くにもう1個建てられない?というお願いをしてみました。

「建ててもらってる途中で言うのもアレなんだけど・・どっちか出来そう?彼ら彼女らが一緒に住むことになりそうなんだ。」

「そうでしたか。彼らは・・あぁ、研究者の皆さんですね?」

「あぁ、同時に魔術師団で、僕たちの直属の部下になったよ。」

「言わば私兵ですか?」

「そんな感じだね。元々城に勤めている一部のメンバーは僕の従者としても護衛としても着いてくることになってたからね。で、丁度良い感じで彼らがお供したいって言うからね。」

「そうでしたか。・・それで、大変申し訳ないのですが、ディフィスの皆さんから完成したと返答をつい先ほど頂きまして・・」

「思った以上に早かったね?」

「えぇ、相当うれしかったのと、気合いが入りまくっていたらしく・・いかが致しましょうか?」

「とりあえず見に行ってから考えようか。すぐに行かないと駄目かな?」

「いえ、休憩でもしながら待つそうですので。」

「そっか。じゃあ、武器屋に行ってからだね。」

「分かりました。では、依頼達成の旨、伝えておきますね。」

「あぁ、よろしく頼むよ。」








「イリス様、どうして武器屋ですか?防具ややアクセサリー店なら分かるのですが・・」

「イリス様の武器って確か、昔、ペチュニア様と騎士団のみんなで討伐したエンシェントウッドの変異種の核を惜しみなく使った特別製でしたよね?」

「そうだよ?今回はリアちゃんのだね。君たちも欲しいなら一緒に買うけど?」

「俺等は十分です。」

「元々金を使うことが少なかったので、十分です。」

「私も同じくです。」

「問題ありません」

「大丈夫だよ?」




エンシェントウッド

大樹の魔物で、かなり長い年月生き、莫大な魔力を内包しており、あらゆる生物の生気と血液、魔力を奪い尽くし、ゆっくりと宙からの魔力も吸収し、成長し続ける。

獲得部位:魔石、核、魔核、木材



魔核は、魔石よりも内包する魔力は多いです。

魔石は生きることと魔法を使ったりと戦いに使われますが、魔核は内包する魔力は全て攻撃や防御など戦闘に使われるので魔核のありなしでかなり強さが異なります。

そして、核は、この木の魔物の中で最も硬く、内包する魔力密度が最も高い部分のことです。


どこかの森で全ての生物が跡形もなくいなくなり、近くに住む村からも行方不明者が続くという事件が昔あったらしく、その時にいたのがこの魔物で、お母さんとパパ、騎士団のみんなで全員がぼろぼろになりながら討伐したんだそうです。


で、パパのメイン武器をどうするかと素材を含めて考えていたときにこんなことが起ったので、核をメインに使用し、削らずに圧縮して形を変えてより硬く、より強いモノに変え、魔核と魔石を粉にしてすべて染み込むように魔水に溶かし込んで長い時間お月さまの光にさらし続けながらゆっくりと吸収させたんだそうです。

魔水とは、魔力を含んだお水で、浄化の魔法もたくさん込めているので一部では聖水とも呼ばれているんだそうです。

お月様には浄化の力と聖なる力が宿っていると言われており、光に照らすことで武器はよりよくなるんだそうです。



「ですが、師団長の持つ杖は一見ただの杖ですが、そこらのものとは比べ物にならないくらいの一品ですよね?」

「そうだね。けど、副武器は必要だと思ったんだ。」

「あぁ、そういえば師団長にはありませんでしたね。」

基本的にメインで使う武器とサブで使う武器と合計2種類持っているのが普通らしいです。


グリムさんで言うところの物干しざおと呼ばれるあの長い刀と小太刀という少々短い刀という感じです。


大抵は、杖を持つ人はナイフを持つことが多いらしいですけど。

稀にメリケンサックというものだったり、爪型の武器だったり、拳や蹴りで対抗する人もいるらしいです。



-では、ナイフなどが無難ですか?-

「んー、確かリアちゃんは結構な数を扱えるよね?」

-12はありますね。無手を含むともう1つありますが。-

刀とか剣とか短剣などを別々に扱っての数ですけど。

「12!?」

「師団長そんなにたくさん扱えたんですか!?」

-護身術程度ですし、実践ではせいぜい素人に毛が生えた程度ですよ。-

「いやいや!それだけでも十分ですよ!」

「それなら、単純にナイフと決めるのはもったいないかもしれませんね。」

「でしょ?君たちはどう思う?」

何が扱えるか一応一通り教えました。

「んー。鞭とかどうです?命綱代わりにもできますし、リーチもそれなりにありますし。」

「やっぱりナイフじゃない?」

「爪!」

「斬るか貫くなどの利器関係がやはり欲しいですね。杖ですし、魔力を扱えば別ですが扱えない際は鈍器だけになりますし。」

「利器系で珍しそうなのがあれば面白そうだよな。」

「アース・・・面白そうで決めるな。」

「良いじゃねぇかイグニス。興味のある武器じゃないと練習なんてしないし手入れも適当になるだろ?少なからず気に入ったものを使うっていうのは結構基本だぜ?」

「そうだけどさ・・師団長が扱うんだぞ?」

「あはは!みんなの意見はわかったよ。とりあえず見てから決めよう。最終的にはリアちゃんに決めてもらおう。」

「そうですね。師団長の意見が最優先ですね。」

そんな感じで武器屋に到着。


「ここはね?この町でもかなり大きい武器専門店なんだ。防具やアクセサリーはいろんな店があるけど、武器屋だけはなぜかここぐらいしかないんだよね。」

「確か、防具やアクセサリーに関してはそれぞれの職人がそれぞれ店を構えてますが、武器に関しては全員が1つの店を持ち、それぞれが作ったものを纏めて店頭へ並べいたのではありませんでしたか?」

「あぁ、確かそうだったね。武器に関してはなぜかいい意味でライバルっぽい感じで1つの拠点で頑張ってるんだよね。」

防具やアクセサリーに関しては武器を作る人たちほど仲良しとは言いにくいようです。

仲が悪いわけではないらしいですけど、どうしてもその人たちのこだわりと言いますか、我が強いようです。



で、目の前にあるのは3階建てのおっきくて丈夫そうな建物。

元々この国には、守りを固める方面の人たちが多かったらしくその影響で防具やアクセサリーのお店はあちこちにあるんだそうです。

なら、なぜに武器だけは1つのお店?となりますが、この国が出来上がったばかりの頃、基本的に鍜冶を営む人たちは自分たちのこだわりがメインで同じ鍜冶の人たちとは喧嘩しながらのライバルが普通だったそうです。

そんな中、この国には偶然変わり者の武器屋さんが多く、それぞれ作る腕はあるがお店を経営したりする実力に自信がなく、同じ武器を作る者たちで集まり、同じお店で売る代わりに共に互いを支え合って協力しようと言うことになったのだとか。

で、その影響が残ったままなんだそうです。




中に入ると、たくさんの武器が並んでいます。

お店の人たちはあちこちにいますが必要以上に近寄ることもなく静かに頭を下げていらっしゃいと仕草でしてくれるので、こちらも軽く頷く。


「とりあえず一通り軽く見て回ろうか。」

「そうですね。」

「戦術的にここに来ることが少ないので新鮮ですね。」


それぞれのジャンルごとに分けて置いてあり、そこから更にジャンルが増えるようです。

大きさや重さ、全体のバランスやデザインなど。

利器系になると両刃か片刃か、等も含むので更に分かれます。


色々ありますがどこかしっくりきません。

「師団長、何かありましたか?」

(フルフル)

「んー、あ!じゃああっちに行ってみましょうよ。」

「あっち?・・あっちは、その他とか書かれてるぞ?」

ナイフとかハンマーのように大まかにジャンルの場所には天井に書かれてます。

その一部でその他と書かれている部分がありました。

「だって、面白そうじゃない?」

「面白そうってお前なぁ・・」

ルミエールさんがそう言うと、イグニスさんがうなだれる。

「その他・・つまりは、ジャンルわけするには難しいモノが並んでいるってことだよな?」

「そのはずよ?」

「確かに・・確認する価値はありますね。」

とりあえず行ってみました。



「あぁ・・うん。確かにその他だな。」

「そうね・・」

「面白いのが色々あるね。」

「ホント面白いね・・リアちゃんどう?」

そこは確かにその他でした。

ハンマーとして使えるけど杖代わりもありとか、杖だけど仕込みで刃があったりと、ジャンルわけが難しそうなのが色々。


その中で1つ、なぜかしっかりと丁寧に安置してあるモノが1つ。

「・・どうしてこれだけ丁寧?高いのかな?」

「どれどれ?・・んーちょいと高めだがヤバイほどじゃないぞ?」

「銀貨40枚・・確かに高いですが、最高級というほどではありませんね。」

「けど、最高級一歩手前って感じじゃない?」

「値段的にはそうだな。触っても良いのか?」

「構わぬよ。」

そこで、肌が日に焼けたがたいの良いおじいちゃん登場。

「よろしいのですか?」

「あぁ。」

「ですがこれは、かなり高いモノですよね?」

「まぁなぁ・・本来ならもっと高いんだが、扱える人間がいなくて値段が下がってるんだこれは。」

「そうなのですか?」

「あぁ。マジックメタルっていう金属があってな?そいつはマグマの中にしか存在しない貴重なものなんだが、そんな超高温の間魔力を吸収し続けるんだ。結果、マグマから出て冷され固まったときには魔力は吸収しなくなるんだが、そいつは魔力を含めば含むほど硬くなるちょいと特殊な金属なのさ。」

「冷えたのを更に温めても駄目なの?」

「多少はいけるがマグマにあった頃よりは1割も吸ってないみたいだな。」

「そんな貴重な金属はどれほどの?」

「んーお前らで言うところのミスリルと同等か、それ以上かもなぁ。」

「それ・・結構ヤバイですよね?」

「まぁな。」

ミスリルというのは、魔法の影響を強く受けやすい金属で、その金属で作った防具や武器に魔法を込めると他の金属で作ったモノと比べて同じ量の魔力でも威力に結構差があったり、装着者がその魔法を発動するときの負担が凄く軽くなったりするとても凄いモノなんです。

ただまぁ、それ自体は結構希少で数十年で数キロ出たら運が良いねってくらいらしいです。



「それならかなり安いのでは?下手すれば倍はしますよね?」

鉄の武器屋防具で大体銀貨10枚は下るほどですからね。

「それくらい癖のある武器なんだよ。」

みた限りではごく普通の剣です。

両刃でまっすぐな直刀です。

純銀に若干ワインレッドの赤が混ざったような色をしていて、グリップ部分は黒に赤を混ぜたような濃い色をしている。


「一見ただの剣にしか見えないのですが・・」

「軽く何度か振ってみりゃ分かる。」

「え?じゃあ、お言葉に甘えて・・・・・」

で、イグニスさんが軽く数回振うときれいに輪切りされたように均等に刃が全て分かれて落ちた。

「壊れた!?」

「壊した!?弁償!?」

「落ち着け、若造共。よく見ろ。」

みんなが壊れた弁償だとパニックになっているとおじいちゃんが呆れた表情でツッコミを入れる。

言われた通りにみるとそれぞれ輪切りされた部分は細い何かでつながっています。


-剣を鞭のようにした感じでしょうか?-

「その通りじゃ。蛇腹剣というモノでな。刃は先ほど行ったマジックメタルじゃが、その糸の部分は、メタルスパイダーの糸を使っておる。」

-メタルスパイダー?-

「うむ。金属を好んで食べるクモでな、食べた金属や量によって糸の硬さや柔軟さが異なる面白いクモでな、その中で柔軟さと丈夫さを兼ね備えた丁度良いモノが手に入った故、作られたのじゃが・・」

「剣として使おうとしても鞭として使おうとしても中途半端になってしまって扱える人がいなかったと?」

「そういうことじゃ。鞭として使おうとしても刃が良い感じに当たったり当たらなかったりし、剣として使おうとしてもこの状態になってしまうからな。」

-このようにバラバラになるのは何か仕掛けがあるのですか?-

「うむ。グリップ部分の鍔の部分に魔力を流しながら鞭の状態となるように軽く念じれば良い。逆の時は逆のことを考えるだけじゃ。」

-上手く扱えなかった方々は、無意識に意識してしまったり、魔力を武器に込めるときにうっかりを?-

「そういうことじゃ。意識しなければ魔力を流しても形など変わらぬからな・・。」

「確かに神経使いそうだね。」

「私はムリそうだわ。」

「俺もムリだな。」

「リアちゃん他のをみようか?」


みんながそれを聞いて納得して他を見に行こうとする中、私はなぜかそれが気になってしょうがなかった。

「リアちゃん?それが気になるの?」

「師団長・・辞めときましょうよ・・かなり難しいですよ?」

「師団長のご意志に従いますが・・大丈夫ですか?」

「お嬢ちゃん、試してみるかい?ムリはしなくとも良いぞ?」


私はおじいちゃんたちと共に屋上にあるらしい試し切りの場所を借りてそれを振ってみることにしました。




手に握って構えてからふと思う。

他の剣よりも幅は細くて凄く軽い。

だって、力のない私が丁度良いと思うくらいの重さなんだもの。

それと、長さは、普通の剣くらい。

けど、色は凄く格好いいと思う。

マグマの色が写ったようなイメージですよね。



さてと、一度剣の状態で何度か振ってみる。

それから、鞭の状態にしたり、剣の状態に戻したりを何度か繰り返す。


ふむ。

元々そう言う何をしたいとか言う意識が薄いせいかちょっと強めにイメージしないと私が軽く思った程度では変化しないようですね。


それから、鞭の状態にして振いながら考える。

これだと、剣としての部分は活かせない。

振いながら改善部分を直していく。

時折剣に戻したり、剣を振う途中で鞭の状態に変えたりと少しずつバリエーションやパターンを増やして行く。


元々魔法でも鞭を扱っていることが多いのでイメージがしやすい。

おまけに蛇腹剣は、私が最も得意とする武器かも知れない。

なにせ、触手さんで斬ったりしてるからそれとほとんど同じですし。



しばらく振い、体力が結構ヤバイかな?と言うところで休憩。

「リアちゃんお疲れ様。凄く上手だったよ。」

「お嬢様さすがですね。振う姿に違和感はありませんでした。」

「師団長さすが・・」

「師団長ってホント器用ですね。」

「動きも特に問題なかったよな?」

「そうですね。数日も練習すれば実戦でもある程度通じると思いますよ。」

「ティアさんもやっぱりそう思う?私も凄くしっくりきてるっぽいなーって思ってたよ?」


「お嬢ちゃん!是非!是非買っていかないかい!?今ならメンテナンスのやり方もそれに必要なのも全部おまけしちゃうよ!?そうだ!これもおまけしよう!」

と凄く盛り上がってるおじいちゃんはサバイバルナイフを数本並べる。


「リアちゃんどうする?」

何度か振って思う。

確かに杖意外の武器も持っておいた方が良いと思ってましたし、その武器はこれ以上にしっくりくるモノはありませんでした。

なんとなくですけどこれ以外にこれほどしっくりくるのはないと思う。


-欲しいです-

「よっしゃ!毎度あり!!」

お金はパパが嬉々として払ってくれました。

お礼を込めてほっぺにチューしたらお顔がでろんでろんになってました。







衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

武器:聖華の杖、聖木せいぼくの義手、紅蓮の蛇腹剣

装飾:教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア、ペチュニア、イリス




紅蓮の蛇腹剣

マジックメタルとメタルスパイダ-の糸を使用して作られた非常に頑丈だが、扱いにくい蛇腹剣。

直刀で両刃剣だが、長さは通常の平均ほどだが幅は通常より狭くかなり軽いが、しなやかであり、頑丈に出来ているためとても丈夫。

刀身部分は純銀に若干ワインレッドの赤が混ざったような色をしており、グリップ部分は黒に赤を混ぜたような濃い色をしている。

鍔部分へ魔力を流しながら念じると剣の状態と鞭の状態に切り替えることが可能。







写真の部分の表記が変わっていますが、これはパパの分が追加されたからです。

ファミリネームの部分はカードさんが面倒と思ったのか何なのか略されました。

装備部分もよりすっきりして見やすくなりましたね。

・・私の義手・・武器扱いだったんですね。

それに、儀礼剣は装飾品と・・確かにこう言ったらアレですけどお飾りですしね。

そして、おじいちゃんは嬉々としてサバイバルナイフをいくつかと、お手入れの書かれた本をくれました。

私の蛇腹剣を初めとした、それに近い武器類のも書かれてるみたいです。

しかも、メンテナンス用のですが、防具の分も書かれた本までくれました。

これは、おじいちゃんの趣味だそうです。


相当うれしかったようですね。

杖は、握っていることがほとんどですし、私はまだまだ背が低いので蛇腹剣は背中に斜めに装備です。




「それにしても、師団長って万能過ぎない?」

(?)

「だって、扱う武器の種類は豊富、魔法は反射が使え、バリエーションも豊富。凄すぎるでしょ。」

-そうでもありませんよ。-

「そうなの?」

ルミエールさんがそう言う。

-至近距離はとても苦手なんです。見ての通りの体格ですので体力も力もありません。-

「接近戦だと時間稼ぎ程度しか出来ないってこと?」

(コクリ)

-私がこれらの武器を扱えるようになったのは魔法を経由しているから覚えるのが早かっただけなんです。それと、今回の蛇腹剣に関しては私が扱う魔法の動きと扱い方に凄く似ていたからと言うのもあるんです。そうでなければ魔法を経由しても数日以上はかかってしまいますので。-

「魔法の経由・・あぁ!師団長が言うところの影さんか!」

(コクリ)

「アレは確か、見て聞いたことも全て共有されるんでしたっけ・・・」

「師団長の場合、その武器の扱いも魔法を扱っているという認識で感覚を掴みやすかったのでは?師団長はとことん魔法使いですし。」

「あぁ、なるほど。」

「もしかして師団長が扱う武器の量が多い理由は、魔法戦で戦うときのために?」

-私は武器を自分の魔法である程度作り出せることが出来ますので。形は変えられても振うのは自分自身ですからそこからは魔法は関係ありません。-

「真面目だなぁ。」

「だが、さすが師団長。」

「武器を作り出すってアレですよね?影がそのまま武器の形に変わっていく・・」

(コクリ)

-作り出すのは得意ですから。-

「そういえば師団長はどうやって魔法反射が出来るようになったのですか?差し支えなければ教えて頂いてもよろしいですか?」

-構いませんがつまらない理由ですよ?-

「そうなのですか?それでも知りたいです。」

-当時は、まだまだ不慣れで防御と攻撃の両方を同時に行使することが出来ませんでした。カタクリの町のギルドマスターが私に魔法を当てないようにしながらも戦い方を教えて下さいました。防御は出来ても攻撃は出来ない、反撃も出来ない私は防御したまま相手を攻撃するワザを考えました。がむしゃらにしたようなものですが、防御の結界の形を変えて攻撃ではなく、飛んでくる魔法をはじき返すという形で反撃したんです。-

「元々魔法反射を思いついたのではなく、防御と攻撃の両方を行なうために偶然出来たのが反射だったと言うことですか?」

(コクリ)

「なるほど。」

「魔法反射が防御の魔法を扱う技術の中で最も難易度が高いっていうことを知らないということは世間的な固まった認識にとらわれないと言うこと・・おまけに師団長の魔法はとても自由度が高い魔法です。更に姿形を変えることは師団長にとっては十八番、そう考えると偶然でも十分あり得ますね。」

「確かになぁ。偶然でも反射が出来るわけがないって普通は思うが、師団長のことを聞いてると十分あり得るな。常識にとらわれてる俺等じゃちょっとやそっとじゃムリだ。けど、それにとらわれてない師団長だからこそなんだろうな。」

-常識にとらわれるとは?-

「こういう言い方をするのはアレですが、魔法を普通の使い方をしないと言うことですよ。」

(?)

「例えば盾は防御なのでその場で構えるだけですが、そのまま突進して攻撃を行なったり、相手の攻撃を防ぐ魔法を足場にしてある程度の空中戦を行なったりと・・過去にあり得ない使い方をした事例がこんな感じなのですが、常識にとらわれているとそう言う使い方をそもそも思いつかないんです。」

-発想力と言いますか、思いつく範囲が無意識の中で縛られてしまっていると言うことですか?-

「そういうことです。」


だから、色んな人は私に想像豊かだの、自由な発想をしているだの言っていたのですね。


さてと、そろそろ新しいお家のあるとこに着きますね。

どんな感じなのでしょうか。

私の初めてきちんとした私のお家。


凄く楽しみです。

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