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魔術師団長

あれから私はお城で過ごしています。

と言うのも、パパ以外にもおじいちゃんやおばあちゃんお兄ちゃんにお姉ちゃんが一緒に少しの間だけでも過ごしたいと言ってくれたからです。

ちなみに、兄さんは姉さんと結婚してるのでお部屋はお城ではなくこれまで過ごしていたお家で姉さんと同じお部屋です。

ラブラブなのでバラバラに過ごすのは駄目ですよね、うんうん。





「リアよ、突然じゃがワシは家へ帰る。」

-流星の里にですか?-

「うむ。娘夫婦や孫に言わなければならぬからの。それに、ワシは元々リアの保護者としていただけじゃ。確かにずっと一緒にいたいがそれはあやつらも同じ。今はイリス様という保護者がいる故な。」

さみしいけど、おじいさまの言う通りだった。

お城で1晩過ごし、パパの兄妹とおじいちゃんたちと朝ご飯を食べているときにおじいさまからそう言われた。

それに兄様もお父様もお母様もおじいさまと一緒で私と一緒にいたいけど離れて暮らしている。


-分かりました。とてもさみしいですけどお父様たちも寂しがってますからね。-

「ワシだけがいつまでもここにいればあやつらはすねるからの。」

苦笑いしながらそう言う。

「けど、バレク。どうやって帰るんだい?歩いて帰るのではないんだろう?」

「えぇ、荷運びを専門とする冒険者たちでワシの仮の弟子のような者たちがいる故。その者たちに頼らせてもらおうかと思いましてな。」

「そっか。僕の代わりにリアちゃんの傍にいてくれてありがとう。」

「いえ。ワシも楽しかったですから。リアのこと、よろしくお願い致します。」

「あぁ、まかせて。長期の休みが入ったら遊びに行くから。」

「楽しみにしてます。お土産話もたくさんある故、あやつらも楽しんでくれそうじゃ。」



王様が変わってからドタバタしてる状態ですが、その影響で学園は現在お休み。

一応明日には再開することになってるそうです。


「そうじゃ、バレクよ。」

「いかがなさいましたかグラン様。」

「ワシとライラじゃが、おぬしたちの元で世話になることは可能だろうか?」

「ワシらは構わいませぬが、何もありませんよ?」

「実はな・・余生は土をいじりながらのんびりと過ごしてみたいんじゃ。じゃがなぁ・・立場がある故に許されぬからな・・。」

立場・・そうでしょうね。

元とは言っても王族ですし、暗殺だの何だのと色々と狙われる可能性もありますし、そういうのの対策とかを含むと凄く難しいです。

「そう言う点で言うと、流星の里は最も適した場所だね。バレクたちもいるから安全性もあそこ以上に優れてるところはそうそうないでしょう。」

「当然手伝えることは手伝うぞ?」

「ある程度は自分で動くことになる可能性もありますが構いませんか?多少は護衛術を含め鍛えることにもなると思いますが・・ワシらの家系上。」

「修行か!実はしっかりとしてみたかったのだ。王位を継いでからはなかなかそう言う時間がとれなかったからな。」

「では、ワシは昼過ぎには出る予定ですが・・そんな急に大丈夫ですか?」

「たいした荷物はない。衣類も道具類もシンプルなモノを既にそろえている故な。」

「さすが、我が国のメイド・執事たちは優秀だわ。」

今回のことを想定して既に準備してたっぽいです。

凄いですよね。


今も、私が食べ終えたタイミングに合わせて食べたいなーとか思ってるのが普通に良いタイミングで出てきますし。

で、お礼を込めて頭を撫でると凄くうれしそうです。

頭を下げるよりも頭を撫でることが私、実は多かったりします。


まぁ、シャスティたちがいつもずっと一緒にいたのでその影響ですね。


「では、世話になる。」

「うむ。」

「その報酬などで何か求めるモノはあるか?」

「ふむ・・・では1つだけ。」

「何でも言ってくれ。」

「ワシらフォルシェンファミリーはリアたち以外に仕えぬと言う証が欲しい。」

「ふむ・・では、流星の里は、イリスたちが所有する土地として認め、そして・・これを渡そう。」

「これは・・」

おじいちゃんが渡したのは私が持っている公爵の証である儀礼剣ナイフに描かれている同じペチュニアのお花のマークが描かれた銀色のコインでした。


パパが言うには、ナイフの形は上位貴族が持つ上位貴族ですよーという証らしく、伯爵から上なんだそうです。

で、子爵から下だとナイフからコインになる。

色は金色。


コインの色の違いは、貴族としての証か、その貴族にゆかりのある人たちかと言う違いらしいです。


今回で言うとおじいさまたちは私たちと縁がある・・つまりはとても親しい間柄だという証であるけど貴族じゃないから銀色と言うことです。

そのコインやナイフに描かれているマークはどの家系はどのマークだというリストのようなモノはあるらしい。

貴族だとそういうのは一通り知っておくのが当然なんだとか。

面倒だなぁーとか思ってますけど、貴族や王族は、誰がどれほどの身分か見分けるのが当たり前のワザなんだそうです。


まぁ、知ったことではないですけど。

けど、翠ちゃんはどうやらそのリストの本は既に読破(いつどこで読んだのやら)してるので誰がどのくらいというのは普通に分かるらしいです。


ふむ。

翠ちゃんにその時その時で教えてもらいましょう。




「じゃが、それだけで良かったのか?元々そうするつもりだったのだが・・。」

「まぁ、後言うとすればあなた方お二人と友となりたい・・リアのことをよろしく頼みたいと言うことくらいじゃ。」

「そうじゃな・・ワシも友になりたい・・それは良いな。」

「私ともなってくださる?」

「当然ですとも」

おじいちゃんたちは敬語なしでお話し出来るほどの仲良し(お友達)になれたようです。


普通なら王族と友達になりましょうでホイホイなれるものでもないので、凄いことだったりします。

まぁ・・お母さんみたいに身分をガン無視して仲良くなると言うことはなくはないですけど。





それから、ご飯を済ませた後、ノクスさんたちがいる訓練場へ運動しに向かいます。

お勉強はどうしたかと?

既に済ませてますよ。

影さんたちを数人呼び出して同時にまとめて勉強してるんですよ?

魔法の練習にもなりますから一石二鳥です。

で、その影さんたちにそれぞれお勉強を教えるメイドさんや執事さんたちがいます。



「あ、姫様おはようございます」

(ぺこり)

ノクスさんはフリージア様呼びだけど、他の騎士さんたちやメイドさん、執事さんたちはほとんど私を姫様呼びする。

・・一応呼ぶとしたらお嬢様じゃないかと思ったんですけど。


確かに王子様であるパパの娘なので間違ってはいませんよ?

けど、公爵になるわけですしね・・とか思ってたらおじいちゃんたちは

良いんじゃない?

好きに呼ばせれば?

間違ってないし。

とのことでスルーされることになりました。



「フリージア様おはようございます。訓練ですか?」

(コクリ)

少し今更ですけど、このお城には守る立場の人たちは騎士団が中心です。

その騎士団の中で少しだけ例外なのは門番さん。

騎士団の一部のグループが門番になるので、仮で騎士団に組み込まれている状態です。

で、騎士団は一部のメンバーがローテーションを組んでおじいちゃんたちのような王族を守る近衛としてたちます。

団長さんであるノクスさんは近衛として動くことがほとんどですね。


そして、身の回りのお世話や家事全般などを担当するのは執事さんとメイドさん。

その内の一部は料理をメインとしているコックさんたち。


それと、ちょいちょいお世話になってる研究者の皆さんですが、彼らは戦闘する場合は魔法がメインになるので魔術師団となります。

と言っても騎士団が大体戦って済ませるので彼らが戦いをすることは以外と少なく、あるとすれば国の防衛(魔法的)に関わることがほとんど。

民の避難や、この国のあちこちにかけられている防衛システムと呼ばれる魔道具や魔法を発動させたり保守点検などを行なっています。

あちこちというのは、教会、この国の城壁、お城の防壁、学園の敷地内にメインに備え付けられています。

後は、ギルドですね。

大抵は公共施設と呼ばれている部類です。


そして、騎士団と魔術師団で違うのは騎士団は団長であるノクスさんがいますが、魔術師団にはいわゆるリーダーポジションがいません。


それは大丈夫?と思いますけど、彼らは独自の考え方ややり方で行なっているので連携やチームプレイは出来てもそれはあくまでも互いの邪魔はしないと言う程度。

そして、彼らは互いが研究するモノを互いに意見を言い合ったり協力して研究したりするので仲違いするようなことはない。


更におまけで先ほど説明した人たちの内、一部・・というよりは半数ほどはそれらの職業を掛け持ちしてたりします。

例えば執事と騎士団とか、魔術師団とコックさんとか、メイドとコックさん等々。


ごく稀に3つ以上掛け持ちしたりする猛者もいたりします。

その辺りはこの国柄でもありますが、1つのことをとことん追求して頑張る人も居れば複数を学んで色んなことが出来るようになろうとする人もいます。

他の国など、基本的には、そう言う職業の掛け持ち・・おまけにお城に仕える立場ではあり得なかったりします。

要するに中途半端にしか出来ないくせに色々やるなとか、それぞれの職業ごとの内緒なこと・・いわゆる社外秘?とか言われるような関係者以外は知ってはいけませんよーと言う部類です。


まぁ、この国は貴族同士も民とも基本的にギスギスするようなこともなく身分はほとんど関係なく仲良しだったりしますし、お城に仕える立場の職業ごとの情報も定期的に共有したりしてます。


情報漏洩?とか大丈夫?と思いますけど、いざと言うときに動けるようにそれぞれで情報を共有した方がすぐに対応出来るでしょ?と言うわけでこういうことになってるんだそうです。


・・・・まぁ、ほとんどの原因はお母さんらしいですけど。

結構やらかしたっぽいですね。

で、その対応に追われたメイドさんや騎士団たちはそれぞれで情報を共有しないとムリ!絶対のたれ死ぬあの人!!となったので、こういう形でやってみたら以外とスムーズにいって良い感じとなり、通常の業務でも便利となり、おじいちゃんにそのことを申請して、お母さんとのやりとりの実例を話したところ一部のメンバーで試してみて、実際に良い感じだったのに加え、偶然入り込んでいたスパイを捕まえることが出来たこともあり、採用となったそうです。





で、話を戻しましょう。

私はこれから訓練です。

どうやらパパも訓練するみたいです。


・・そういえばパパってどんな魔法を使うのか知りませんね。


パパにいつものように抱っこされてる私ですので、ほっぺをつんつんして呼ぶ。

すると幸せそうにほほえんでほっぺをすりすりされつつ

「どうしたんだい?」

-パパはどのように戦うのですか?-

「僕の武器はこれだよ。」

そう言って見せてくれたのは弓でした。

パパの身長ほどはある凄く大きなモノです。

-弓ですか?-

「そうだよ。」

-矢が見当たらないようですが。-

そうです。

弓はありますが矢がどこにもありません。

「それは僕が毎回作りだしてるから必要ないんだ。これが、僕の扱う魔法だよ。」

そう言ってパパは手元で矢を作りました。

透明で硬そうでキラキラしてきれいです。

触って良いらしいので触ってみると冷たくありません。

見た目は、透明度の高い氷ですが、氷ではないようです。

-リア、多分これは結晶魔法だよ。-

結晶魔法?

翠ちゃんがそう言うとパパは頷いて教えてくれました。


パパは元々土魔法と水魔法を扱うことが出来ていたらしいです。

強さで言うと土魔法の方が強くて水魔法はほとんどおまけ状態だったらしいです。

例えると同じ魔力量で50センチサイズの土の塊を作り出せるか、両手いっぱいですくえる程度のお水が作り出せるかと言うほどの差だったらしいです。


それが、お母さんの暴走・・と言いますか、特訓等々によって昇華した結果、この結晶魔法になったらしいです。

名前の通り結晶を作り出すらしく、硬くて火に強いらしいのでそこらの岩よりも頑丈です。

透明度の高さによってその硬さは異なるらしく、その辺りは冷気を漂わせたり熱くなると溶けると言う部分を覗くと氷とほとんど同じらしいです。



で、武器に弓を選んだのは元々パパは【投擲】と言うワザを持っていたらしく、狙いを定めて跳ばすという動作は非常に得意だったらしい。

おまけにどの武器でも大体は扱うことは出来てもパパ曰くしっくりこなかったんだそうです。

魔法も含めて組み合わせの良いものを考えた結果弓だったそうな。


魔力量はパパ曰くあまり多くないらしく(Aはあるらしいですけど少ないの?)、出来るだけ消費を抑える方面で考え、弓は矢を常に消費することを悩んだところ、お母さんが提案した魔法で矢を作りだしパパの【投擲】を利用して撃つ。


こうしてパパの戦闘スタイルは出来上がったんだそうです。

ちなみに私が持っている【射撃】も持っているそうです。



パパは魔法で矢を作り、弓で撃ち、自身の周囲に結晶で作りだした盾を複数漂わせて自身を守るスタイルで、高いところで隠れずに堂々としてるという弓矢を扱う人たち曰く少々変わったやり方なんだそうです。


ちなみにこれがパパが扱うワザです。


【格闘術】

【投擲】

【精密射撃】

【貫通強化】

【視力強化】

【並列思考】

【思考加速】

【気配探知】

【敵意察知】

【標的捕捉】

【弓術】

【盾術】

【薙刀】

【槍】

【短剣】

【威圧】

【結晶造形】

【絶倫】





一番最後のは何なのか教えてくれませんでしたけど、いっぱいありますね。

どれも読んで字のごとくらしいです。


その中で【思考加速】ですが、私が持っている【思考速度上昇】の上位版らしく、私よりも早く考えることが出来るんだそうです。


それと【結晶造形】ですが、これがパパが扱う結晶魔法なんだそうです。



【結晶造形】

自身の魔力を使用して結晶を作り出す。

姿形は自身が思い描く必要がある。

魔力量によって透明度が変わり、魔力が高ければそれだけ透明度が高く、硬度も高い。





-パパはどんな女性よりも美人ですが、魔法もきれいですね。-

と思ったことをストレートに言ってみたところ凄く複雑そうな顔になりました。

なぜに?と首をかしげると苦笑いしながら私の頭を撫でつつ教えてくれました。

「男性としてはね・・美人ってちょっと複雑な気持ちになるんだ・・気にしないで?」

何だそうです。


女性に格好いいと言って喜ぶ人とそうでない人のような感じでしょうか?

私にとってはどうでもいいですけど。





で、お話しはそのくらいにして特訓をしました。

今日はパパと模擬戦をしました。

と言っても、私が遠距離による攻撃役とパパによる防御と攻撃

と言うパターンと

私の近距離攻撃の練習をパパが受け流しつつ防御

パパの攻撃に私が防御


と言う3パターンです。



いやぁ・・パパ凄いですね。

狙い撃った場所は常に正確で、矢を5本まとめて作り出して同時に発射させて5本とも正確に当たったり、矢を作って撃つまでの動作がすっごい早い。

それとパパの結晶の盾も優秀でヒビを入れてもたちまち修復されますししっかり防御してますし。


接近戦では文字通り遊ばれました。

私が攻撃すると軽く躱してほっぺにチューしてきたり、受け流しつつ頭を撫でたりパパが私を攻撃する振りをして抱きしめてほっぺをすりすりされたりと・・・おや?

私は攻撃・・・してるんですよね?・・思い返すとパパにじゃれついているようにしか見えないのはなぜ?


ちなみに模擬戦が終わった後普通にパパに抱っこされてお風呂に攫われました。


一緒に入ったんですよ?

男と女がどうのとか言う人もいましたけど私は少女(幼女と呼ぶ人はまだ多いですけど)で、おっぱいもまだまだないですし親子ですよ?

そのよくわからない注意事項は必要ないです。


と言うよりお風呂に一緒に入って思ったのはパパって脱ぐと意外と筋肉あるんですね。

細身ですけどしっかりとしてますしがっちりです。

けど、美人。

それを見てもパパは女の人にしか見えない。

脱ぐと美人度が上がりました。


細身で筋肉はしっかりあるのになぜかはかなげな雰囲気の美女にしか見えないという不思議。

それを幸せそうな表情で私のお世話をしてるメイドさんたち(私とパパの体を洗ったりお着替えしてくれる人たち)に言うとしっかり頷かれた。

パパと一緒にいると時折性別を忘れそうになるんだそうです。


後、パパをみて自分の容姿に自信がある女性達がたちまち心がぼっきぼきに折られたことも少なくないんだそうです。



「それにしてもリアちゃんの遠距離も防御もすさまじいけど、接近戦は面白いね。」

(?)

面白いとは?

「扱う武器の種類もそうだけど、それらを複数の組み合わせで襲ってくるから次にどの武器でどんな攻撃が来るか凄く読みづらくて対処に凄く苦戦したよ。」

私には力も速度もありません。

しいて言うなら技術程度でしょう。


それに元々私は護身術の延長戦で接近戦を嗜んでる感じですし、【人形劇】と【守護者召喚】の強化のために学んでる程度ですからね。

後は、魔法を扱うまでの牽制と時間稼ぎ、それと隙を作るという予備動作の1つです。

-そう言いつつもたやすく対処してましたよね?-

「まぁ、慣れだね。」

それなりに数をこなしてきたからねとパパが言う。

色んなことを経験した故の慣れですか・・頑張らないとですね。



ちなみに、私が色んな武器で攻撃してる姿を見たノクスさんたち騎士団一行は、さすがイリス様の娘と言ってました。

扱う武器の多さと器用さが同じだそうです。


そういえば世間的には武器を2種類扱うだけでもそこそこ珍しいと言われるほどですからね。



-そう言うパパも狙い撃つのが凄く上手でしたし、矢を作って撃つまでが凄く早かったですよ?-

過去に何度か弓矢を扱う人を見たことがありますが早い人でも数十近くはかかってました。

けどパパは、数秒あるかどうかという感じです。


「ありがとう。頑張ったからね。ニアさんの隣に立つ為にふさわしくありたいというのと支えたいと思ったから。」

お母さんのために頑張ってたんですね。

そんなパパをみて将来私の旦那様が出来るとしたらパパとお母さんみたいな互いを支え合いながら仲良しな感じになりたいと思いました。

内緒ですよ?





で、朝の特訓とお風呂(私の意思は無視され強制)が終わった頃には影さんたちを経由するお勉強も終了したので、お庭でおやつ中。

今回のおやつは数種類あるクッキーです。

なぜかいつもやる気満々のコックさんたちが総出でそれぞれが思いついたり得意だったりするのを作ってくれたので形も種類も凄く様々です。


-そういえば研究者の皆さんは全員で何人いるんですか?-

「そうだね。5人だね。」

-少ないんですね。-

「まぁね。対応出来る子たちが少ないんだ。せいぜい手伝える子たちが国民の中でチラホラいるから彼らを含むと20人前後とかじゃないかな。」

なるほど。

あれ?

-魔術師団と言うことは、団長さんと申しますか、リーダーのポジションの方はいないんですよね?-

「いないよ?」

-ではなぜ魔術師”団”なのですか?-

「戦うことは少ないけど志は同じだからチーム名の延長戦だったんだよ元々は。」


ちなみにその研究者さんたちは私の特訓してたときから近くで興奮状態のまま観察中でした。

観察しながらも魔力制御の練習と言った基礎練習はしてましたけど。


今は、私が作り出した影さんたちを観察しながら色々と考え中のようです。


「それにしてもリアちゃんが来てから彼らが凄く活き活きしてるよ。」

-そうなのですか?-

「まぁ、他の子たちもだけどその中で特にね。」

メイドさんはいつも幸せそうにほほえんでますし、コックさんたちはいつもやる気満々で私がどれがおいしかったと伝えると大変盛り上がる(歓声による)。

で、そんな研究者さんたちは私の傍に執事さんたちのごとく静かに傍にいつつ色々と教えてくれたりフォローしてくれる。



「姫様、お食事中大変申し訳ございませんが少々よろしいでしょうか?」

研究者の1人が私を呼ぶ。

-いかがなさいましたか?-

「姫様、我らの団長になって下さい!」

「お願いします!」

「私たちの団長はあなた様だけです!」

「従えてぇぇ!!」

「あなた様の僕になりたいです!!」


大変大興奮してる状態です。

「ふむ・・そうだね、それ良さそうだね。」

「殿k・・イリス様!!」

パパがそうつぶやくとパァー!!っと満面の笑みでうれしそうな表情になる研究者さんたち。

-リーダーポジションは元々必要ない部隊だったのではないのですか?-

「うん。けど、リアちゃんがいる今、研究職以外にも魔法戦にも力を入れたいと思ってたんだ。それに、リアちゃんの地位を決めたかったんだよね。」

-私の地位ですか?-

「うん。こう言ったらアレだけど、リアちゃんは今、国民でありながら突然この国の王族の娘になったって状態なんだ。まぁ、凄く注目されてる国民って感じだけど。」

あぁ。

-ただの一般市民のくせに、お城の中で好きかってしてる小娘と言いたいのですか?父親の身分を利用した。-

「・・・あまり言いたくないけどそんな感じかな。お城で職員としての立ち位置がないでしょ?つまりはただの冒険者であり、血のつながりがあるだけ。まぁ、僕の場合は王族としての仕事のサポートって感じで何かしらあるけど。」

-ではパパは、このお城での私の立ち位置や、職員として働くために?-

「うん。彼らがここまでやる気になってるし、リアちゃん専属の部隊も欲しかったんだよ。」

丁度良かったとほほえむパパとそれに喜ぶ研究者さんたち・・

良いのでしょうか?


-ですが良いのですか?そうなると私兵となるので、このお城での戦力・・と言いますか、大事な職員が減ると言うことになりますけど。-

「大丈夫。彼らの頑張りのおかげで既に国民に依頼する形でどうにかなってるんだ。今は彼らはここで研究をしている・・一部の場所を間借りしているような感じなんだ。」

なるほど・・で、私は彼らに聞く。

-私自身、冒険者として稼ぐ程度で、皆さんに対して十分なお金を渡すことが出来ないんですよ?皆さんの雰囲気から察するに城を出て私の私兵になりたいと言っているように聞こえるのですが。-

「はい!自分たちで作った魔道具を売ったり、特許を取って一部の利益をもらったり、冒険者として片手間に依頼をこなしたりと色々と行なわせて頂いているので問題ありません!」

「我らは元々作ったモノを売り、完成品を他の国民たちが作り売り、その売り上げの一部をもらい受けると言う感じで少なからず一定の周期でお金は入るんです。」

「趣味で農業を行ない、野菜を作ったりもしているので自給自足もバッチ来いです!」

特許という、自分が思いついて作り出したモノを他の人たちが作ったり売ったりしたときにその時の利益の一部をもらえるという契約があるらしくそれをいくつか持っているそうです。


「それに、私たちはあなた様の傍にいたい!お役に立ちたいんです!」


・・心の底からそう言ってるんですね。

-分かりました。魔術師団長に就任致します。ですが、あなた方は忠誠を誓う必要はありません-

「なぜですか!?」

-忠誠によって縛りたくありませんので。嫌になればすぐにでも私のそばから離れることを許可します。ですので、常に自分の意思を押し込めないで下さい。-

「俺自身は現在専属絵師兼執事としてお嬢様の傍にいますが、これは俺自身が傍にいたくているだけで、忠誠を誓っているわけではありません。」

リカルさんが補足するように告げる。

「自分の意思で、自身の気持ちを妨げる障害になりたくないのですよお嬢様は。」

リカルさんがそう言うと全員私の気持ちを理解したらしく。

「では、私たちは私たちがあなた様の傍にいたいので傍にいます。あなた様の力になりたいので傍で学び、鍛え続け、支え続けます。」


「では、この国の王としてフリージア。お主を魔術師団長として認める。」

お兄ちゃんがすごいタイミングでそんなことを言ってました。

それと、お姉ちゃんも揃って頷きつつクッキーをつまむ。

-お兄ちゃん、お姉ちゃん、いつからこちらへ?-

「ん?彼らが懇願し始めた辺りからかな。」

つまりは、最初からですね。



-承知致しました。喜んで-






名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:B(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:10

種族:半異世界人?

身分:公爵、クラリティ王国魔術師団長






こうして私は魔術師団長になりました。

-お兄ちゃん、お姉ちゃん。団長として私は何をすれば良いのでしょうか?-

「彼らを鍛え、国民のためになるような魔道具の開発、そして、緊急時の対策、この国の防衛装置の強化、保守などだな。」

魔道具作りは出来ないですし、この国の防衛装置もよく分かりませんが彼らがやる気満々なのでお任せするとして、他はいつも通りですね。

まぁ、私の賢者としての力を使えばどういう魔法が込められているかくらいは分かりますが。




魔術師団

団長:フリージア

副団長:エアロ

イグニス

ティア

アース

ルミエール



副団長となったエアロさんは、風魔法を扱う、淡い黄緑色のふわふわの髪を肩を越えるほどの長さのお姉さんで、ほんわかとした雰囲気のおっぱいDさん。

それと、狐さんっぽいお耳と尻尾付き。(狐人族と言うらしいです)


イグニスさんは、火魔法を扱う、真っ赤な髪をつんつんさせてるお兄さんで、熱血さん。


ティアさんは、水魔法を扱う、青い髪を背中の真ん中くらいまでまっすぐ伸ばしているお姉さんで、秘書さんって感じの雰囲気だけどかなりのかわいいモノ好きのおっぱいEさん(本人曰くおっぱいはまだ成長中だとか)。

猫耳と尻尾がついてました(虎人族らしいです)


アースさんは、土魔法を扱う、焦げ茶色の短髪でがっちりとした体格で身長も高いお兄さんで、結構豪快な性格だけど作業などの細かい作業は上手で大抵の人から意外だと言われてる。


ルミエールさんは、雷魔法を操るレモン色の髪を肩にギリギリ届かないほどの髪のお姉さんで何と言いますか、わんこっぽい雰囲気のおっぱいCさん(本人曰くDらしいけど、ティアさんが言うにはギリギリ届かない)。

実際に、わんこのお耳と尻尾が着いてますけど(狼人族らしいです)


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