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ご近所さんへご挨拶(と言う名の見せびらかし)

この国の第一王子である美人さんは実はパパでした。

そして、パパと揃って公爵という貴族になりました。


それと、これから住むお家を作ってもらうためにディフィスという建物を建てることだけに人生を捧げるクランの人たちにお願いしにギルドへ向かっています。

お家の場所は、羊さんたちがいるあの区間に平屋で部屋が数カ所、それとやや広めで、ハディちゃんたちがゆったり出来るくらいの広さをお願いしようと考えてます。


その依頼料や材料費ですが、パパが出してくれるそうです。

私も出そうと思ったんですが、

「娘の為に父親はお金を出すモノです。娘におごってもらうには高いですから。」

だそうです。

こんど、グリムさんのお家にパンを一緒に買いに行って、おごってあげましょう。

パパもグリムさんのパンは食べてみたかったらしいので楽しみです。


それと、パパは密かにあちこちで色んなことをしてたおかげでお金はしっかり稼いでいるらしいです。

どうやら、相談役?をしていたらしくそのお礼としてその活躍による売り上げの極一部をもらえるという約束でしてたようです。

相談する人は意外とジャンルは多かったそうです。

しかもパパは凄く頭が良いらしいので相談すればほぼ百発百中と有名で凄く人気なんだそうです。

ただ、身分的なモノでそうホイホイ頼めなかったのでそれなりに身分の高い人たちが固まってただけで・・とのこと。

他にも、お城と学園、この国全体の3箇所には緊急時の対策としてかなり大規模な防御用の結界が施されているらしく、その設計や魔法の部分に深く関わっているんだそうです。

で、そっちの方の維持や強化、補修などでもお金がもらえるんだそうです。



これからは、私の父親として身分はガン無視しているらしいのでそう言うお仕事は増えそうだとパパは言っています。



で、パパが王様にならないと言って、弟さんのルイスさんと妹のアイリスさんに決まったことで国中が大パニックでしたが、今は凄く静かになってます。

まぁ、目は見開いてフリーズしてますけど。

主に視線はパパと私の方。


それと、アイリスさんとルイスさんは2人の強い要望でお兄ちゃんとお姉ちゃんと呼ぶことになりました。

王様のグランさんと王妃様であるライラさんはおじいちゃんとおばあちゃんです。

正式な場とかそういうのは良いのでしょうか?と思いましたけど気にしないでいいらしいです。



ちなみにパパは私を抱っこして凄く幸せそうで、セイちゃんとユウちゃんはハディちゃんの背中に乗っかって、シャスティはなぜかリカルさんに抱っこされ、カルナはおじいさまの肩にとまってます。

兄さんはパパの隣にいます。


最初は護衛がーとか、色々声は上がりましたけど、パパが一言

「ハディたちがいるからむしろ過剰戦力じゃない?僕もそれなりに戦えるし、リアちゃんもかなりの実力者でしょ?」

だそうです。

で、全員黙りました。


私の実績は色々と知られてますからね。

まぁ、通りすがりに討伐したりとか偶然採取したのがとかそういうのばかりなので依頼数としては、あまりこなしてないのでランクはぼちぼちという感じですけど、ランク自体はどうでもいいんですよね。



あ、今更ですけどお兄ちゃんやお姉ちゃんたちやカルナたちとも全員、自己紹介は済んでますよ?

まぁ、ノクスさんは私を様付け以外で呼ぶのはムリっぽいですけど。

リア様じゃなくて、フリージア様呼びです。






「さて、ギルドについたね。久しぶりに来るなぁ。」

-最後に来たのはいつですか?-

「そうだね。ニアさんの暴s・・・コホン、ニアさんに付き添ってた頃に色々とね。」

お母さんですか。

なるほど。


いつも引っ張り回されてたけど楽しかったと懐かしそうにパパは言いました。


で、ギルドの建物に入るとお外同様中が凄く静かになりました。

「リアさん、イリス様いらっしゃいませ。いかがなさいましたか?珍しい組み合わせですね。」

けれど、姉さんだけはいつも通り普通に対応中。


全員がバッ!っと姉さんを驚いた表情でみてます。

スルー!?スルーして普通に対応するの!?って感じです。



「あぁ、ディフィスのみんなにね建築の依頼を出しに来たんだ。」

「左様でしたか。場所や設計は既にお決めに?」

「大まかにだけどね。細かい部分はお任せしちゃおうかなって思っているよ。いつ頃なら空いてそう?」

「そうですね・・丁度手が空いてるメンバーがそれなりにいますね。十分人数は足りているので材料次第ですぐにでも始めることは出来ますよ。」

「それは良かった。・・このくらいのサイズでこんなイメージでお願いしようかと思ってるんだけど、どのくらい掛かりそうかな?材料とかはけちしないで良いよ?」

「なるほど・・このくらいでしたら・・・金貨30枚でいかがでしょうか?材料もかなり良いものを選らんで・・でですが。」

「思ったより安くなるね?」

「彼らはイリス様に恩義があるようで、原価ギリギリで対応したいと伺っておりましたので。以前何度か相談に乗ってもらい、その時のお礼だそうですよ?」

「真面目だなぁ。損してないならそれでお願いしても良いかな?」

「承りました。期間はいかが致しましょうか?」

「慌てる必要はないけど、そこそこ早めにしてくれたらうれしいかな。僕とリアちゃんが住むんだから。」

「かしこまりました。では、出来れば早め対応とさせて頂きますね。」




-パパ-

「ん?どうしたんだい?」

-材料に使えそうで、かなり質の良いものが色々余っているのですがそれ・・使えますか?-

「1つ2つ見せてくれるかな?」

(コクリ)

{翠ちゃん}

-はいは~い。イリスさん、これだよ?-

とある木材と石材を出します。

「ふむ・・良いね。凄く質が良いよ。軽くAランクは超えてる魔物のだね。どうしたの?」

-流星の里にいた頃に指名手配犯の殲滅戦を行なったのですが、その時に討伐したり、相手が持っていたものをそのまま頂きました。-

「なるほどね。数はどのくらいありそう?」

-建てる予定の大きさだったら十分足りますよ。-

「じゃあ、そのまま使わせてもらっても良いかな?」

(コクリ)

「ありがとう。木材と石材がかなり余裕があるみたいだけどそれ、このまま使ってもらえるように頼んでいいかな?」

「かしこまりました。あ、そうでしたイリス様。」

「ん?」

「余裕があれば石材と木材を買い取りたいとのことでした。質が良いモノは買い取れるときに買い取りたいそうです。」

「そっか。なら、買い取るって言ってた値段の2割で良いよ。」

「かしこまりました。イリス様がよろしければそのように伝えておきます。材料はもしよろしければこのまま頂いてもよろしいでしょうか?あまり分もそのまま渡しておきますので。」

「いいよ。翠、頼んでいいかな?」

-OK-

で、姉さんが持つマジックバッグへ移しました。


予想外なところで役立ちました。

流星の里に数年ほど住んでた頃に指名手配犯のアジトを潰して回るという私たちとブレインズホークという荷運びのお兄さんたちの修行としてのツアーを行なっていたと以前話していたのを覚えていますか?

その時に石で出来たゴーレム(Aランク相当の強さ)の軍団だったり、独りでに動き回る木の魔物(同じくAランクレベル)の集団と遭遇することがちょいちょいありました。

結果としてその指名手配の人たちがその群れに紛れるように悪いことをしていたことが原因だったらしいのでそのまま殲滅したんです。


で、その時のがこれです。




「一応集計ですが、先ほどの材料分と買い取り分を差し引き、金貨20枚となります。多めに集計していますのでほぼ確実に余ると思いますが、余った分はいつ頃返却致しましょうか?」

「良いよ。そのまま渡しておいて?お駄賃扱いしておいて欲しいな。その分頑張って欲しいからね。」

「かしこまりました。期待値としてお渡し致します。」

「よろしくね。さすがアリスだね。君くらいだよ?大まかにでもどのジャンルでも概算がとれる子って。」

姉さんの見積もりは、かなりぴったりに近い数値になるらしく、大体1.3~1.6割ほど越える程度なんだそうです。

他の人だと3割や4割越えたり、下手すれば2割ほど足りなかったりすることも多いらしいです。

「依頼主の方と色々お話などをしていると意外と知ることは多いだけですよ。後は、趣味です。」

「そっか。だからこそ、君はふさわしい。ちなみにアリス、僕はどうして君を指導者として今いさせているか分かるかい?」

「他のギルドでの教育なども兼ねているのではないのですか?」

「それもあるけど、本当はね?アリス、君をここの次のギルドマスターにする為の教育期間でもあるんだよ。」

「私がですか?」

「うん。ここのギルドマスターはね。そろそろ引退したいらしいんだ。故郷でのんびりしたいんだって。僕も気持ちは凄く分かるから適当なとこで次の子を探そうかなって思ってるときに良さそうな子がいたからね。」

「それが私ですか?」

「そうだよ。」

「ルダさんはギルドマスターになるのではないのですか?」

「彼はね。本人が支える専門だからマスターになるのはムリって断言しちゃってるんだ。それに、彼も君が良いって思ってるんだよ?」

「だから、彼と仕事を共同することが多かったのですね。では、なぜ陛下や神父様など、この国のトップとの連携での仲介役や、指導者としての役割だったのですか?最初からギルドマスターとしての教育期間と言っても良かったと思うのですが。」

「そのトップのメンツとの連携は前々から考えてたんだよ。で、次期ギルマスの件が上がったときに併せて互いを顔見知りとしつつ、連携しやすいように方針も変えたんだ。偶然が色々と重なっただけさ。」

「なるほど・・ですが、よろしかったのですか?ここで話してしまって。」

「いいさ。君は多くの人に認められてる。その証拠にみんな反対する声は上がっていないだろう?」

実際驚いた顔はしてる人は多かったですがみんな頑張れと笑顔で頷いています。

「・・ありがとうございます。ご期待に添えるようより努力致します。」

「ほどほどにね。」

「はい。ところで、イリス様はどうしてリアさんを抱っこしているのですか?」


周囲の人たちがやっと聞いてくれた!って顔してます。


「ん?それは、僕の愛娘だからさ。」

「・・・養子としての娘さんですか?それとも・・」

「血のつながりはあるよ?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・左様でしたか。リアさんの賢い部分や物静かな部分はイリス様似だったのですね。・・母親の方は・・その・・こう言っては何ですが、格好いいという感じですので。」

「あはは!そうだね。ニアさんは女性に凄くモテてたよ。性格が男前だったから男性からは姉御、女性からはお姉様だったしね。」

「やはりそんな感じのお方だったのですね。」

「見てて飽きなかったよ。」



と、さらっとパパは告げると




全員「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」




「娘!?」

「ってことは。」

全員「クテン様ってリアルお姫様!?」

「そうなるね。」

「さらっと言うんですか!?イリス様!」

「事実だからね。わざわざ嘘を言って得なんてないだろう?」

「確かに・・アレ?確かイリス様は王位は継がなかったんですよね?」

「そうだね。」

「となると、立場としてはどうなるのですか?あ!すみません!聞いてはまずかったら流して下さい。」

「構わないよ。後ほど正式に発表するけど、僕とリアちゃんは公爵になるよ。名ばかりで基本的には平民と変わらないけどね。」

「名ばかり・・というのは、王族の血や、そう言う関係の安全策という感じでしょうか?」

「そんな感じ。だから、ムリしてかしこまらなくても良いよ。リアちゃんのただの父親として扱ってくれたらうれしいな。まぁ、難しいだろうから徐々にその対応で慣れて欲しいな。」

「わ、分かりました・・今現在のクテン様への対応ほどで良いですか?それが俺等としても限界です・・色々と。」

「それでいいよ。」


「イリス様、ディフィスと通信がとれました。残額が金貨1枚で、その分は約束通りに告げたところ、【隠密】関係の魔法を材料に込める形で活用するようです。」

「注目されにくい建物になるってことで良いのかな?」

「はい。それと、別口ですが、イリス様宛のお祝いとして家そのものに防御と癒しの魔方陣を描いてもらえるようですよ。」

「誰からだい?」

「名前は伏せて欲しいとのことでしたが、大まかに言いますとこの国の貴族でイリス様にかつてお世話になった方だそうです。元々は、イリス様へのお礼として守り用の魔道具を渡す予定だったそうですが今朝方の発表で新しく建物を建てて別で暮らす可能性を浮かび、今回の形にしたようです。」

「ふぅん。お礼と言っておいて?」

「かしこまりました。他にも家具などを教会やこの国の警備を務めている者たちから後に送られることになるようです。」

「みんな過保護だなぁ・・そっちもお礼を言っておいて?」

「かしこまりました。・・イリス様が言ってもとぼけるでしょうしね。」

クスクスと笑いながら言う姉さんに苦笑いで頷くパパ。

「そうだね。・・みんなこんな時だけは手が早いんだから。」


それと、魔方陣とは幾何学の模様を描く魔法なのですが、その描く模様でどんな魔法を発動させるという設定をするものです。

少しでもずれたり間違ったりすると全然違う魔法になったりしてとても精密な作業が必要なモノです。

ですが、一度描ければその模様が欠けなければ魔力を込めるだけで使用者(これも魔方陣で設定可能)だけ込められた魔法を何度も発動することが出来るんです。



あ、そうでした。

-姉さん-

「いかがなさいましたか?リアさん。」

-私、クランを脱退します。-

「そのまま入団したままでもよろしいのですが、本当によろしいのですか?」

(コクリ)

クランは出ます。

私個人の心意気のようなモノですから。

「かしこまりました。・・完了致しました。」



ちなみに、後に、リリさんを初めあの建物に住むみんなに寂しがられました。

特にリリさん。

まぁ、なだめていつでも会えることを言いましたけど。

最終的にしっかり者のお姉ちゃんが好きですよって言ってなっとくしてもらいましたけど、その時のやりとりでなぜか、リリさんが妹で私が姉のようだと言われてしまい首をかしげました。






名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:B(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:10

種族:半異世界人?

身分:公爵

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子クテン、狩人


属性:陰

体力:C

魔力:SS

攻撃:D

防御:E

俊敏:D

練度:SS


攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】

攻撃技3:【杖術】【刀】【剣】【短剣】【鞭】【槍】【薙刀】【棍】【棒】【鎌】【斧】【かぎ爪】【合気】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【威圧】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:聖華の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、聖木せいぼくの義手、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女






きちんと脱退出来たようです。

そういえば、種族のところにはてながありますけどなんなのでしょうか?

まぁ、気にしなくてもいいですね。


「作業は、大まかな希望も既に伝えておりますので、早速始めるようです。」

と話を聞いているとお外が騒がしい。


「おらおらおらおらおらぁぁぁ!!!行くぞ!野郎共!!イリス様からの直々の依頼だ!!気合い入れて粉骨爆身で塵も残らぬ勢いで誠意と気合いと根性を絞りだせぇぇ!!!」

おじさんたち「おぉぉぉぉぉ!!!!」

「あの方専用の城!!作り上げるぞぉぉ!!」

おじさんたち「おぉぉぉぉおお!!」



という叫び声と共にドタバタと駆け抜けていく音が続く。

他にも頑張るぞーみたいなのを色々言ってました。

・・お城は作らなくて良いです。

普通のお家をお願いします。



「・・・」

「もうすぐ現場に着くようですね。」

「そうだね・・。彼らはもう少し落ち着いた感じだったと思ってたんだけど気のせいだったかな?」

全員がドアをみながらフリーズしている中姉さんが苦笑いしながらさっきの光景をスルーしてそう言うと不思議そうに首をかしげるパパ。

「彼らは気合いの入り方で出来上がる良さが変わることで意外と有名なのですよ?」

「つまりは、アレは色んな意味で最高潮だと?」

「そうですね。楽しそうですよね。」

「そうだね。仕事のありなしであそこまで変わるモノなんだね。」

「あの感じからすると、4~5日もあれば完成しそうですね。」

「そんなに早く出来るのかい?」

「元々ペースが速いメンバーなのですが、気合いが入れば完成度と共にペースも上がるらしく。」

「あぁ・・なるほど。」

「おまけにイリス様からの直々の指名依頼と言うことで依頼に出ていたメンバーも速攻で終わらせて参加しようと続々と集まっているようですので、更にペースアップです。」

あのおじさんたちはホントにパパが大好きなんですね。

うんうん。


「ちょいちょいここに顔を出す予定だからその時にでも出来たかどうか教えてくれるかな?」

「かしこまりました。では、完成はこちらに告げるように伝えておきます。」

「よろしく頼むよ。あ、それとこれ、どこかに張っててくれないかな?」

「これは・・あぁ、かしこまりました。依頼板の近くに貼り付けておきますね。」

「よろしく頼むよ。」

アレは何かとパパのほっぺをつんつんするとすりすりとほっぺをすりつけられつつ教えてもらいました。



アレは、パパが相談役として対応しますとか、依頼料はこのくらいでーなどを書いた紙のようです。

身分関係なく気軽にどうぞってことらしいです。


「”予言者”の再来ですね。」

「それ・・知ってたんだ・・?」

「当然ですよ。相談に乗ってもらった方々は忘れることはありません」

-予言者?-

「イリス様は相談役として様々なことの相談に乗り、的確な指示と注意事項を教えて下さいます。その正解率はほぼ百発百中。そこで、未来が見えているようだとも言われ、予言者という二つ名がついたんです。まぁ、結晶姫や結晶の貴公子、星煌せいおうと色んな呼ばれ方をしてますが。」

星煌せいおうって格好いいですね。

それに、予言者ってすごい知的な感じで良いですね。


「あぁ・・一応予言者になってたよ・・ギルドカードでは。」

「やはりそうでしたか。まぁ、そう呼ぶ方は少ないのですが。」

「まぁね。とりあえず、よろしく頼むよ。」

「かしこまりました。」




それから、ギルドを出た後

「リーリスのところに行こうか。」

-リーリスさんをご存じだったのですか?-

「まぁね。衣服関連だと彼は特に優秀だからね。よくお世話になってたよ。」

-お洋服を買うのですか?-

「うん。ありはするんだけど見ての通り豪華すぎるんだよね。」

パパは美人さんなので着こなしてますが、確かに豪華過ぎるかもしれません。

刺繍とか飾り紐とかとか。


で、シンプルで質が良さそうなのを買いに行くようです。

「いらっしゃいませぇ・・て、フリージアちゃんとイリス様ではないですか。珍しい組み合わせですわね。」

いつものようにきれいなお店に入ると、リーリスさんが迎えてくれました。

「まぁね。リーリスならもう分かるんじゃない?」

「もしかして・・・血縁者?」

「そうだよ。」

「はぁ・・フリージアちゃんがフリージアちゃんならイリス様もイリス様・・見事な美形揃いだわ。」

「あはは!もう聞き飽きたよ」

「嫌みなはずですがイリス様ならそうも言いたくなりますわ。・・と、いらっしゃいませ、何かお探しで?」

「あぁ。僕の服を一通り数セットほど見繕ってくれないかい?」

「普段着などと言うことですよね?」

「そうだよ。これはちょっと派手すぎるからね。」

「あぁ・・イリス様は普通に着こなしてますけど確かに普段着にするにはちょっと・・ですね。」

「そういうこと。よろしく頼むよ。」

「お任せ下さいな。」



しばらくしてから、シンプルだけど質の良さそうなお洋服を一通り購入しました。

「にしても・・・凄い眼福だわぁ。」

「かわいいよねぇ。」

「そうですけどイリス様も相変わらずおきれいですわ。」

「素直に喜べないなぁ・・ニアさんからもよく言われたけど。」

「あの方はストレートでしたからね・・・。過去に私のところにイリス様用の女性服を用意するように何度か頼まれたことがありましたけど。」

「アレはリーリスのところからだったの!?」

「・・・もしかして」

「うん・・着替えてる途中とかお風呂に入ってるときとか寝込みとかを襲われて着せられたよ・・。」

着替えが女性用以外一切なくなってたとおめめが死んだ状態で言ってるパパ。

「あの方らしいと言えばらしいのですが・・タイミングに関してツッコミを入れても?」

「ごめん・・流して・・そのままあっちの意味でも襲われたから・・何度も。」

「あぁ・・はい。」

-お母さんはパパを襲ったんですか?-

「え・・えぇっと・・喧嘩とかじゃないんだよ?ただ・・その・・ニアさんは僕のことを食べたいほど好きだったみたいでね・・その・・えと・・異世界人が言うところの肉食系女子だったんだよ・・あはは。」

肉食系?

お母さんは、お野菜が苦手でお肉が好きだったんでしょうか?


「・・イリス様、もしやあの方はしょっちゅう?」

「・・・うん。普段の病弱はどこに行ったのか不思議なほどだったよ・・。」

遠い目をパパはしてました。

パパはおいしいのでしょうか?

試しにパパの指をしゃぶってみましたけど、お指の味でした。


ちなみにその間、パパは身悶えてました。

くすぐったかったのでしょうか?

けど、どうして他の皆さんも悶えてるんでしょう?





その後、お洋服を購入した後、良い感じにお昼ご飯の時間だったのでグリムさんのパン屋さんへ行きました。

「うん。噂に聞いてた通りのとこだね。」

「イリスさん、グリムさんのこと知ってたんですか?」

「彼、結構有名なんだよ?それに優秀だしね。」

「なるほど。」

「それにちょっと気になってたんだよね。学園に通ってた頃には既に彼パンを焼いてたからね。食べてみたかったんだ、死神パン」

「死神パン・・間違っていないのに呼び名がすっごい。」

「死神と呼ばれてる人が個人的に作ったパン・・の略だもんね。」


で、パパもグリムさんのお店の看板を普通にスルーしてお店に入ります。

「やっぱりスルーするんだ・・さすがリアちゃんのお父さん。」

「見た目はペチュニアさんのまんまらしいけど、中身はそっくりそのままイリスさんだよね。」

「うんうん。」



「いらっしゃ・・・・い・・お嬢・・なんつぅ人に抱っこされてるんだよ。」

-パパです。-

「・・え?」

-パパです。-

「血のつながりが?」

(コクリ)

「マジかぁ・・お嬢って貴族じゃないって言いながらどことなく貴族っぽいと言うか高貴な感じがにじみ出てたけど・・そりゃ出るだろうよ・・。・・にしても親子揃ってとんでもない美形揃いだな。あ、イリス様いらっしゃいませ。ようこそおいで下さいました。」

「あぁ、リアちゃんが君のパンが好きらしいからね。それと僕も前から気になってたんだ。」

「知っててもらってありがたいですね。」

「君は優秀だからね。ノクスが褒めるんだよ?君が捕まえた奴らは全員従順で扱いやすいって。」

「あはは・・俺自身が威圧的ですからね。そういうのは十八番なんすよ。けど、騎士団長に褒めてもらえるのはうれしいっすね。」

グリムさんは時折犯罪者の捕縛依頼を指名で受けることが多いらしく、捕まえたり相手から情報を搾り取ったりするのでとてもそっち方面の人たちからは信頼されてるらしいです。

グリムさんが威圧を発動させてにらみつけるだけで大抵の人はぺらぺらと喋っちゃうんだそうです。

凄いですね。

さすがグリムさん、格好いいです。


「彼は嘘も遠回しなことも一切言わないから。さっきのは聞いてた通りの台詞だよ?」

「期待に応えられるように頑張ります。」

「あぁ、頑張って。」

「うす。あ、敬語とかきちんとした方が良いっすか?」

「いらないよ。リアちゃんの1人の父親として・・身分は無視して欲しいな。」

「分かりました。あ、パンですよね。好きなの選んで下さい。今日は良い燻製肉が入ったんでそれらを使ったのがおすすめですよ。」

「へぇ。ちなみにリアちゃんはどれが好きだったんだい?」

-どれもおいしいですけど、何も混ぜないシンプルなモノが好きです。-

「そっか。ちなみに理由はあるのかい?食べ応えがあるお肉が混ざったのとかが好きと思ってたけど。」

-シンプルなモノほどグリムさんの愛情が籠もっているような感じと言いますか、食べると心が温かくなるんです。-


そう。

私がグリムさんのパンが好きな理由はこれ。

どのパンも食べるごとに心がほんわりと温かくなれるんです。

多分これが幸せな味・・幸せな気持ちというモノなんだと思います。

それが、シンプルなモノほど強く感じるんです。


一生懸命心を込めてパンをこねて、楽しそうにパンが焼ける姿を見つめて、うれしそうに食べてくれる人を思い浮かべてパンを並べる。

そんなグリムさんの姿を感じるんです。



ふんわりとほほえんで私はそう答えました。

「そっか。じゃあ、グリムのおすすめとリアちゃんのおすすめの一番シンプルなのをもらおうかな。」

「っ!ありがとうございます。//」

グリムさんはお顔を赤くして凄く幸せそうに弾んだ声で会計をしてくれました。



そんな感じで町の中央にある広場でパンを食べてお昼を過ごしました。

パンの味はパパは凄くおいしいって心の底からそう言ってました。

そんなさりげない時間を過ごすことが出来る幸せをこのおいしいパンを焼いたグリムさんにも心の中でお礼を告げて私はパパに甘えます。


これが家族のぬくもり。

温かくて心がぽかぽかします。






ちなみにそんな幸せオーラを出しまくってる私とパパですが、その光景はかなり破壊力(色んな意味で)があったらしく、周囲で見ていた人たちは揃ってこうつぶやいて膝から崩れ落ちていたのだと後にリカルさんに聞きました。









尊い


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