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和服はゆったりと、髪型色々、そして裏の二つ名

--フリージア--

私たちとすれ違うように卒業していた元Sクラスのパン屋のグリムさんと仲良くおいしいパンを食べたりお話しをしていました。

また遊びに来てくれと楽しそうにほほえんでくれました。

私も素直に頷いてその場を後にしました。


纏う雰囲気は威圧的で目つきも鋭いし、看板は血まみれっぽい感じで、死神という二つ名のお兄さんですけど、グリムさんの内面はすごく優しくて頼りになるお兄さんです。

初めは少しだけ緊張気味だったセイちゃんとユウちゃんもお話ししていく内にすっかり仲の良い先輩後輩でした。


けれど、グリムさんとお話をしているともっとほほえんで欲しいと思っている私がいるのですが、この気持ちは何なんでしょうか。

・・パンもおいしかったですし、その気持ちを理解するためにもまた遊びに行きましょう。



はぁ・・グリムさんかっこよかったなぁ・・・。





ん?

なぜにこんなことを考えたのでしょう?

グリムさん以上にかっこよかった人はチラホラいました。

けれど、素直にそう思ったのはグリムさんだけ・・。



んー?

「お嬢様、いかがなさいましたか?」

-何でもありませんよ。-

「左様でしたか。」

現在はリカルさんにお人形さんのように抱っこされてます。

リカルさんは、私を女の子扱いしてくれてるらしく、私のおっぱいに腕が当たらないようにしてます。


ふむ?

まだまだおっぱいと呼べるほど膨らんでませんし、子供なんですから気にしなくてもいいんですけど。

と思って試しに聞いてみると

「こういうことは幼い頃から常に気を使うのが紳士というモノです。お嬢様はかわいいのですから。」

と微笑ましそうにそう答えてました。


そう言うモノらしいです。

よく分かりませんけど、そういうことなんでしょう。



ちなみにその日の夜はみんなでそのパンを食べながらそれらに合いそうなおかずを並べておいしく頂きました。






で、それはさておきお腹もいっぱいになりフラフラしていると今度はとあるお店を発見。


「・・・」

「・・・」

「すごいですね・・。」

「個性的な建物じゃのぉ・・・。」

「個人的には絵心をどことなくくすぐられる感じですが。」

みんなが色んなことを言っている理由は、その建物が原因です。


屋根はピンク

そして、壁は地面に近づいていくとグラデーションにだんだんと黄色、水色、青、紫、赤と続いています。

おまけにそのグラデーションもマーブルなのです。

2階建てで、お店としては20~30人くらいはギリギリ入れそうかな?と言うくらいです。


で、看板はなぜか





あなたを最高傑作にする装備品見つけます



とだけ書いてありました。

「んー・・お洋服屋さんってことなのかな?防具屋さん・・装飾品屋さん?」

「少なくとも武器とかじゃないわよねぇ・・。」

-体に身につけるものを全体的に扱っていると言うことなのでしょうか?-

「あれからするとそんな感じだよねぇ。」

「あ、ここだったらあるんじゃない?」

「何が?」

「ほら、ネルさんの。」

「あぁ!看板の通りだったら確かにそうかも。」

-では、入りましょうか。-

と言ってサクッと中に入ります。


「さすがリアちゃん、ここでも怖じ気づくことなく全スルーですか。」

何か言われてる気がしますけどスルーします。






中に入ると端から順に種類ごとに装備品が陳列され、そこから更に細かく種類別に分けて並んでいました。

後、柱や壁、天井、地面にどの種類はあっちと細かく矢印付きで書いてあります。


翠ちゃんが言うには、お母さんの故郷である異世界では当たり前なやり方らしいけど、この世界ではないに等しいレベルで珍しいらしいです。


けど、これ凄くわかりやすいですね。

それに、壁も天井も中は凄く普通です。


「ほぅ・・中は普通だった。」

「だね・・後、商品とかは凄くわかりやすく並んでいるし、凄く品揃えが良いよね。」

「あら、うれしいことを言ってくれるじゃないの♪」


と言う声が聞こえて振り返ると珍しい格好のお兄さん?がいました。


赤みがかった茶色っぽい髪をツインテールにした筋肉がもりもりのお兄さん。

お洋服は、水色やピンクなどのふりふりがいっぱいのかわいいお洋服。

お化粧とかはないものの、肌はきれいでむだ毛の処理?とかは凄く徹底してるポイ。


ちなみに私以外のみんなはフリーズしてます。


で、一切驚いていない私をみてお兄さん?お姉さん?は、少しだけ驚いた顔をした後黄色い声を上げる。

「いやぁん!なんてかわいいの!?それに、何を着せても完璧に着こなせるなんて・・なんていう小悪魔ッ子♪」

と大変幸せそうに暴走してます。


ちなみに、キツくないくらいの果物の香りがする香水?とか言うのをつけてました。









「いきなりごめんなさいね?私は、リーリス。このお店を1人で営んでいるわ。」

「せ、セイです。」

「ゆ、ユウ・・です。」

「2人もかわいいわねぇ。1人は男であるのが勿体ないほどだわ。」

「っ!?僕が男だって分かったんですか!?」

「私オカマよ?そういうのには敏感なのよ。」

「な、なるほど・・。」


翠ちゃんが言うには、リーリスさんが言うオカマというのは体は男性だけど精神的には女性である人なんだそうです。


ふむ?

女性でも男らしくて凜々しいとか言われてる人はチラホラいますしアレと似たようなモノですかね。

うんうん。



-フリージアです-

「あぁ!あなたが噂のクテン様ね?」

(コクリ)

「分かるわぁ。あの噂で聞いてた通り溺愛したくもなるわぁ。」

と大変幸せそうに私の頭を撫でてます。


「それで、そちらは?」

「ラウと申します。」

「リカルです。」

「バレクじゃ」

「色んな意味でバリエーションが豊富ねぇ。」

「あはは。」

職業的にとつぶやくリーリスさんに苦笑いの兄さんです。


「それにしても、あの見た目でスルーして普通に入ってくる猛者が誰かと思ったらとんだ大物だったわね。」

「お嬢様のスルーは、並大抵のモノでは揺らぎませんので」

「凄く分かるわぁ。では、お仕事しましょうか・・何かこのお店に求めるモノが?」

「私たちがと言うよりは、知り合いのお兄さんの服で捜し物があるんです。」

「あら?どんな人か教えてくれないかしら?」

で、ネルさんの名前を出さずに見た目や性格などを話しました。


「あぁ、ネルちゃんね?」

「ネルさんを知ってたんですか?・・と言うよりちゃん付け・・」

「えぇもちろん。かなりのイケメンで、優秀なのに色々と勿体ないって思ってたからよく覚えているわ。」

大抵の人にはちゃん付けをするらしい。

・・どことなく私と同じことをしてるっぽいですね。


「やっぱり、気づいてたんですね。」

「その反応からすると君たちも気づいてたのね。」

「えぇ、まぁ。」

「それなら丁度似合いそうなのを見つけてたのよ。みてみてこれよ?」


と言って見せてもらったのは、ボタンがないタイプの羽織るお洋服・・しかも長い・・ワンピースレベル?


「和服って言われる種類よ。これは、かなり簡易的だから着流しって種類ね。」

どうやら着るのが面倒なのもあったりするらしいですが、種類や柄はたくさんあるらしいので普通のお洋服よりもきれいで芸術的らしい。

なので、組み合わせるもの次第ではまだまだ印象を変えることが出来るらしいです。


ちなみに目の前にあるのは黒1色の凄くシンプルな着流しと呼ばれる和服。


「これってどう着ればいいんですか?」

「これは、ここを・・こうして・・こうするのよ?」

「あぁ、なるほど。少し大変かも知れないけど慣れれば結構楽かも。」

「でしょう?ネルちゃんは前から勿体ないって思ってたからね。それで、ユウちゃんたちは私と同じ意見だったってことでしょ?」

「はい。私たちのクラス担任をしてくれることになったんです。」

-とても優秀で、のんびりするのが好きなだけなのに他の教員共は見た目で判断する愚か者だったので〆ましたけど、とりあえず見た目を多少は改善するのではないかと探してました-

「なるほどねぇ。分かるわぁ。」

「先生たちを教員共って言ったこととか、〆たことはスルーなんだ・・。」

「何か内面的な部分はリアちゃんに色々似てるかも。」






それからリーリスと軽くお話をしているとこんなことを教えてもらいました。

「あ、そういえばフリージアちゃんに裏の二つ名が出来てるみたいよ?」

「え?」

(?)

「二つ名に裏も表もあるんですか?」

「なくはないわね。」

「それで?」

「夜叉姫ってフリージアちゃんは呼ばれてるみたいだわ。」

「理由などはおわかりになりますか?」

「知ってるわよ~?裏世界の人間たち・・いわゆる指名手配犯や盗賊などのメンツから呼ばれててね?黒い髪と杖、どう猛な笑みを浮かべる美少女って容姿としかあっちは分かってないけど。で、結構な数のそいつらを殲滅したんでしょう?」

(コクリ)

しましたね。

おじいさまたちと一緒に拠点をいくつも潰して回りましたね。


「で、その辺りから言われてるのよ。恐怖の代名詞として。」

とある人曰く、黒髪に杖を持った黒いローブ姿のどう猛な笑みを浮かべる美少女が片っ端から敵という敵を殲滅する姿が異世界人が言うところの夜叉のようだと思ったらしくそのまま夜叉姫という呼び名になったのだとか。

ちなみにそんなことを言い出したのは、私の戦う姿を偶然見た人たちと指名手配犯の情報管理などをしている極一部の人たちが中心なんだとか。

指名手配犯の金額を決めたり、新しく追加したり、討伐、もしくは捕獲済みなどの情報を管理する人たちがギルドの中にはいるらしいです。


「あぁ・・やりすぎた感はありますね・・確かに」

「とことん潰して回ったからのぉ。」






カードさん、増えてます?








名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:B(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

クラン:ポレール・ジュレ

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:10

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子クテン、狩人


属性:陰

体力:C

魔力:SS

攻撃:D

防御:E

俊敏:D

練度:SS


攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】

攻撃技3:【杖術】【刀】【剣】【短剣】【鞭】【槍】【薙刀】【棍】【棒】【鎌】【斧】【かぎ爪】【合気】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【威圧】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:聖華の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、聖木せいぼくの義手

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女








増えてました。

どうやら

/

これの左側が表世界・・いわゆる今私が過ごしているような良い人たちが過ごす側で呼ばれてて、それの右側は裏世界・・指名手配犯などを筆頭とした悪い人たちが過ごす側で呼ばれてるってことみたいですね。


ちなみに、グリムさんは死神と裏世界側で呼ばれてるのが恐怖の代名詞として表側でも同様に呼ばれるようになった感じらしいです。


-これ下さい。いくらですか?-

「ちょっとお高めで銀貨3枚よ?」

-お洋服だと高い方なんですか?-

「普通の服だとね?けど、一応ある程度の耐性とかを上げたり防御を上げるように魔法を付与してるからそれからするとちょっと安い方かしらねぇ。」

-魔法付与で考えると安め・・と言うことはかけられている魔法はランクは低いと言うことなのでしょうか?-

「低くはないわよ?両手で溢れる程度の大きさの魔法をぶつけても火なら軽く焦げる程度で済むし、その焦げも【浄化】って言うきれいにする魔法でなくなるし。」

-となると安いのでは?・・よろしいのですか?-

「あぁ、良いの良いの。一応私自身が現地調達してるし、魔法付与も知り合いがしてくれてるから元手が安いのよ。だから、その辺りからするとぼちぼちねぇ。」

なるほど

-これ下さい。-

とお金を渡す。

「毎度ありがとうございます♪プレゼント用に包んでおきましょうか?」

-恐縮して受け取ってくれない可能性があるのですがどうすれば良いのでしょうか?現状は、着せ替え人形にするという扱いで押しつける予定ですが。-

「面白い考えね。なら、私と仲良くなるきっかけで買ったってことにして、これ自体はこれから5年間よろしくってことで感謝とこれからの期待を込めて渡せばどう?」

「なるほど。これを渡すから頑張ってねと言うある意味での先行投資」

「そういうことね。それだと対価は今後の頑張りってことでモノやお金が動くことはないから安心でしょう?」

「なるほど・・今後も色々と相談しても良いですか?」

「良いわよ?って言いたいところだけど私みたいなオカマに聞くの?他にも優秀な子たちは多いはずよ?」

-それに関しては否定しませんが、リーリスさんの方が私たちが求める答えとして凄くわかりやすく納得しやすいんです。この服のようなそう言う関係にするとですが。-

「そういうことね。良いわよ。私は大体この店にいるから。」

「ありがとうございます」

「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね。私こそ感謝したいわ。あなたたちみたいなかわいい子たちと仲良くなれるなんて目の保養よ。」

「そうですか?」

「そうよ。そういうときは笑顔でお礼だけ言っておきなさい。」

「は~い」

「僕は遠慮したいんですけど・・」

「否定はせず、肯定もせずに無言で笑顔を作れば良いわ。そうすれば相手は黙るし、そうすることで自分を偽って隙を作るやり方もあるから。参考にしてみて?」

「なるほど・・考えてみます。」

「ムリはしなくて良いわよ。」

「はい。」


「あ、リアちゃんごめんお金・・」

「僕たちも出すよ。」

-気にしないで下さい。-

「けど・・」

-初めてのお友達に対してもお礼です。これからも仲良くして下さればそれだけで十分です。-

「うん・・」

「何か機会があればお返しするね。」

(コクリ)


「うんうん。素敵な友情だわぁ。ちなみに、フリージアちゃんのその髪型が好きなの?」

「リアちゃんっていつもポニーテールだよね。かわいいかわいい」

と言いながら私に抱きついて撫で回すセイちゃんとなぜかうんうんと頷くリーリスさん。


「師匠が言ってたけど、リアのお母さんも確か同じ髪型だったよね?お揃い?」

ユウちゃんが師匠と呼ぶのは、ノクス団長さん。

この間、正式にユウちゃんはノクスさんに弟子入りしたらしく不定期ながらもユウちゃんとノクスさんの都合があれば積極的に模擬戦をしたりして鍛えているらしいです。

そのため、他の騎士さんたちとも模擬戦をすることもそれなりに多いらしく最近では最年少の騎士団の1人みたいな感じで思われていることもちょいちょいあったりするとセイちゃんは言う。

セイちゃんはその付き添いと、怪我を治すと言う名目上ワンセットでいるのでユウちゃんの補助か相棒のような扱いでみられているらしい。



「あら、フリージアちゃんのお母さんも同じポニーテールだったの?どんな人?」

「見た目は凄くリアちゃんそっくりらしいです。生まれ変わりだとか分身とか言われるレベルらしくて。」

「あらそうなの。」

「けど、中身は真逆だとか。」

「そう・・と言うことは性格が真逆なせいでぱっと見ではその人とは思われないという感じなのね?」

「まさしくそんな感じです。」

なんとなく、リーリスさんは私のお母さんが流星姫だと気づいてるような気がします。

けど、気を使ってあえて言わずに避けてるような気もしますがそんなところがリーリスさんの優しいところですよね。

「それで、どうなの?」

で、そんな大それた理由もありませんし、何かよさげな理由など思いつくはずもなく

-楽だからです。-

「・・・」

「・・・・え?」

「・・そんな理由?」

正直にストレートに答えてみましたところ、呆気にとられた表情になるみんな。


-首元もすっきりしますし、動きやすいですし。-

「・・予想外な理由だったわ。なら、髪をショートにする手もあったんじゃないの?」

「リアちゃんの髪って凄くきれいでストレートですっごい長いよね。」

-皆が駄目だと即答するのでそのままになってるだけです。-

「あぁ・・・」

「分かる気がする。」

で、おじいさまたちは強く頷いてる。


「それにしても私は運が良いわぁ。」

リーリスさんが私の髪を弄りながらそんなことをつぶやく。

と言っても、髪留めを外されて櫛で髪をとかれてる状態ですが。(髪留めなしのストレート)


「何がですか?」

セイちゃんがリーリスさんとともに私の髪を弄りつつ(上寄りのツインテール)リーリスさんのつぶやきを拾う。

「今年のSランクの子たちは一度目にしておきたかったのよ。」

「あぁ・・僕たち結構目立ってたみたいだしね。町での噂でもあっちこっちでそれだったし。」

色んな髪型にされてる私を微笑ましく眺めてるユウちゃんがそう答える。

「私個人としてはSランクに入る子たちは年度ごとに面白いのよ。今年は特に凄いのに加えて3人もいるんだから。」

おさげ

「学園長のおじいちゃんが特別優秀な生徒だけだと認めないと入れないんでしたよね?」

「そうそう。一番印象的だったのはネルちゃんにグリムちゃんじゃないかしら。」

「グリムさんはさっき会ったので知ってますけどネルさんもあの学園の卒業生だったんですか?」

「そうよ?って、グリムちゃんともう知り合ってたのね?」

「はい。看板は色んな意味で凄かったですけど、優しかったですしパンもおいしかったです。」

耳辺りの高さのツインテール

「そうなのよ。みんな見た目とあの威圧感でしか判断しないからアレだけど、凄く良い子なのよ。」

「やっぱりそうなんですね。」

「で、ネルちゃんはSクラスに在学してる間、学園長のお弟子さんだったのよ?」

「へぇ~。」

ツーサイドアップ

「だから、ネルさん凄かったんだ。」

「本人は面倒ごとを嫌うけど、それがプラスに働いたのよ。」

「どういうことですか?」

右よりのサイドテール

「魔法を含むありとあらゆるワザや技術をより効率的に改良していったのよ。しかも、無駄はどんどん省いていくの。だから、魔力の消費量から、相手の弱点を見抜くやり方に、魔法の相性とか魔法と接近戦の組み合わせとか、とにかく色んな方面で消費が少ないやり方になっていったのよ?だから、ネルちゃんは持久戦が得意分野よ?おまけに、見た目とか本人の性格がアレだし、実力を隠すのが上手だから相手を油断させたり隙を突くのが上手いのよ。」

「凄くネルさんらしいですね。」

顎辺りの高さのツインテール

「けど、簡単に無駄を省くとか、効率的に改良したりするのって凄く難しいですよね?威力を高めるよりもずっと。」

「そうよ?意外とその点を理解してる人間は少ないけどね。」

左寄りサイドテール

「私たちは、無駄を減らすことから先に考えてましたし、家族から教わるときもそちらからでしたけど、珍しい方なんですか?」

「珍しいでしょうね。大体は魔力量を増やして威力を高めろ!範囲を広げろ!って感じなのよ。」

お団子

「あぁ・・なるほど。」

「確かに魔力量が多いのは良いことなんだけど、そこを重視しすぎると魔力が少ない人を差別し始めるから問題なのよねぇ。」

「確かにそうなりますよね。魔力が少ない人は頑張って消費が少ない方で頑張るか、肉弾戦とかに走るか、いっそのこと戦いから離れるか・・ですしね。」

「消費を少なくする方面が少ないから大抵は魔法をあきらめる方が多いわね。」

ハーフアップ

「やっぱりそうなっちゃうんですね。」

「まぁねぇ。」

「で、リアちゃん。」

(?)

髪型をやりたい放題してたのはもう良いのだろうかと思いつつ首をかしげる

「リアちゃん的にどの髪型が良かった?」


え?

そこで私に聞くのですか?


-どうでもよくありませんか?効率性を優先させればそれで。-

「だめ」

「だめよ?」


えぇ・・・


と、面倒くさいという顔を作ってみてユウちゃんをちらり。

「えぇっと・・そこで僕に言われてもなぁ・・。僕個人の意見だとリアと同じだしなぁ・・けど、しいて言うなら、どの髪型もかわいかったし、髪型次第で気分とか気持ちも変わるから時と場合に併せて色んな髪型にしてみるのは良いかもしれないよ?」


なるほど・・。

-基本的にはポニーテールですね。やはり楽ですし。-

「やっぱりそっちに行くか・・。次は?」

-何も留めないか、ハーフアップ?と言うモノでしょうか。-

「あぁ、なるほど。」

「じっくり髪型は考えても良いと思うわよ?意識の切り替えとかで髪型を決めるって人もいるし。」

-と言いますと?-

「気合いを入れるときにはこれとか、のんびりしたいときはこれとか、気軽に遊びに行くときはこれとかね。まぁ、全部統一しても良いとは思うわ。その辺りは自由に考えて良いのよ。そう言う考えもあるってだけよ。」

(コクリ)


そんな感じで髪型をやりたい放題された結果、その日はハーフアップになったままお家に帰りました。

その後、お風呂に入るまで愛でられたのは余談。


そして、色んな髪型になっている間、リカルさんは大変楽しそうに私を描いてました。

ちなみに、リーリスさんも元Sクラスだと言うことが判明しました。

どうやら、グリムさんとすれ違う形で卒業してたそうな。





--イリス--

リアちゃんが無事に入学して、歴史至上最速&最高値をたたき出した才女になったみたいで本当にうれしく思うよ。

それに、新しく友人になった2人も良い子みたいだしね。

あの2人は、色々と有名だからね・・一族がね。


本当はリアちゃんにおめでとうと言いたいし、抱きしめてあげたいし、ニアさんが与えることが出来なかった親としてのぬくもりを与えたい。

あ、ニアさんっていうのはペチュニアさんの愛称だよ。

現状、そんな呼び方をするのは僕だけだね。



今日は父上・・陛下からの呼び出しで謁見の間に集まっている。

その場には当然アイリスとルイスもいるし、宰相のグリルもいる。

そして、ノクスもいる。

まぁ、この城の中でもリーダー格が揃っている感じだね。


「父上、緊急での呼び出しとは珍しいですね?」

「うむ。急で悪いのだが、ワシはこの席を譲りたいと考えておる。」

「急ではありませんか!?お父様!?」

「いつか来るとは思っておりましたが突然すぎます!」

うん、僕も驚いた。

いきなり次の国王を決めるとか言い出すんだから。



で、アイリスとルイスは

「では、当然兄様ですわよね?」

「そうだな、兄上だな。」

「ふむ、やはりそうなるか。では・・」

当然僕にしたいみたいだ。


けど、

「申し訳ありませんが、嫌です。」

「っ!?」

「兄上!?」

「イリス!?何を言っているのだ!?」

「え?嫌ですよ?2人に譲ります。」

全員がパニックになっている中、母上だけは冷静に訪ねる。

「イリス?あなたのことだからずいぶんと前から決めていたのでしょう?」

やはり、母上は気づいてたのですね。

「はい。ニアさん・・ペチュニアさんと出会って共に卒業したあの頃から既に決めていたことです。」

「そんなに前から・・」

父上がそうつぶやく中母上は続ける。

「それで、あなたはどうするの?そうなると下手に結婚は出来ませんよ?あなたの血筋は我ら王族の血が流れていますから。」

「僕は誰とも結婚はしませんよ。僕の隣にたつのはニアさん・・あの人ただ1人です。」

「そう・・それで?」

「しばらくはアイリスとルイスを支えていきたいと存じております。」

「それは王族として?」

「はい。最終的には、適当なくらいの貴族にでもして頂ければこの国の王族を支える直属の一族として傍にいたいと考えております。」

「そうなると公爵だけね。」

「そうだな・・それ以外はムリであろう。」

「はぁ・・兄様は一度決めると絶対に意思を曲げることはありませんから・・・」

「そうだな・・兄上・・突然すぎます。」

「それに、僕はこの国の王にふさわしくありませんよ。」

「そんなことはありませんわ!」

「そうですよ兄上!」

「そんなことはないさ。」

「では、どうしてですの?」

「僕はね。ニアさんの代わりに・・ニアさんが頑張ってくれた唯一の繋がりを大切にしたいんだ。あの子を守りたい。親として傍にいたいんだ。けれど、僕には王族の血が流れているから平民にはなれない。それに、この国のことを知りすぎている。この国を離れたとしても最終的にはこの国に戻る必要があるからね。」

「兄様・・それほどまでに」

「あぁ、ニアさんは・・ニアさんだけなんだ・・僕を引っ張ってくれて、今の僕があるのはあの人がいたから。あの人がいたから頑張れた。あの人がいたから今僕はここにいるんだ。」

「そうか・・ある意味でのペチュニア殿への償いだったのだな。」

「はい。ニアさんが命がけで繋いでくれた命を今度は僕が守らないといけないんです。それがニアさんへ出来る唯一の約束なんだ。あの人の最初で最後の約束だから。」



あの日・・今の流星の里が町だった頃にいたあのクズが上手く隠していた裏事情を法的に裁くためにスパイとして潜入することになった・・決めたあの日




-イリス、私は多分あいつを裁くときには死んでると思うわ。生きていたとしても歩くことも出来ないと思う。だから、こうして自由にうろつける今だから・・今しかないから・・あなたの子供が欲しい。私が死んでも私とイリスとの繋がりを残したい。私の代わりにあなたの傍にいられるように。私の代わりに守ってあげて?-


そして、ニアさんは、数日後にあの町に行った。



「分かった。アイリス、ルイス。どうする?」

「それは・・」

2人はほとんど双子のようなものだ。

生まれつきがほとんど同じだからね。


そして、この2人・・婚約者とかを決める気が皆無でなんとも言えない・・。

と言うよりこの2人は凄く仲良しなんだよねぇ・・よし。


「では、2人一緒にすればどうですか?」

「え?」

「ですが、兄上。そうなるといつか我々2人それぞれに出来る婚約者が出来ると立ち位置などで騒動が起るのでは?」

「その頃になればどちらが上に立つか決まるんじゃない?」

「あぁ・・確かに。」

「では、父様。」

「うむ、仮ではあるが、そのようにしよう。」


そして、次世代の王は、アイリスとルイスが勤めることになり、僕は公爵としていることになった。


「て、ちょっと待って下さい!!」

「どうしたグリル。」

「イリス様の先ほどの台詞を聞いているとあなた様の子供がいるという風に聞こえるのですが!?」

「あぁ、いるよ?」

「!?誰ですか!?誰なんですか!?」

「ニアさんとの子供さ。僕がニアさん以外を抱く分けないだろう?」

「・・・そうでしたか。ですが、大丈夫なのですか?」

「何が?」

「その子供が・・フリージア殿でしたか?フリージア殿が身分を得たことによって増長する可能性などは。」

「ないね。むしろ僕と同類だと思うよ?」

「え?」

「身分に興味を持つくらいなら今頃今以上に凄いことになってると思うし、クテン様なんて呼ばれないと思うけど?」

「た、たしかに・・」

「兄様、フリージアちゃんへの告白はどうするのですか?さすがに周囲が大騒動になると思いますわ。」

「そうですよ兄上。それに、どのように会うのですか?さすがにホイホイこちらへ呼ぶわけにもいきませんし・・。」

「んー。さすがに危ないかも知れないけど彼らなら大丈夫だろうね・・この手でいこう。」

「何をするのですか?」

僕もいざと言うときは手伝うから、頑張って。

君の力を僕に見せてね。



僕は静かにほほえんだ。



次回は日曜日です

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