入学式の前に遠征
そんなこんなでその日、夕方頃に私たちは別れ家に帰りました。
え?
セイちゃんとユウちゃんはどうなったって?
ギリギリまでノクスさんとバトってたユウちゃんととことん回復しまくってたセイちゃんは2人ともダウンしたので泊まってるお宿を教えてもらい、ハディちゃんの背中に乗って運んであげました。
で、帰ろうとしたらなぜかセイちゃんから帰ったら嫌だとだだをこねられ、最終的に抱きしめて耳元で
「大好きだよ。」
と一言囁き、ほっぺにチューしておきました。(翠ちゃん直伝ワザ)
するとなぜか顔を真っ赤にして一瞬で寝てしまいました。
ついでにユウちゃんにもしてあげたところ、同じく顔を赤くして寝てしまいました。
凄いワザですね。
あっという間に寝ちゃいましたよ。
で、お部屋のテーブルの上に私が今滞在している場所の簡単な地図とクランの名前を書いて置いておきました。
-アレ、本当は寝たんじゃなくてキャパオーバーで気絶したんだと思うんだけどなぁ。-
-翠ちゃん、何か言いましたか?-
-何でもないよー。-
気のせいですかね?
で、帰宅するとちょうど同じタイミングで帰宅した姉さんにお風呂に攫われました。
いつものように体を丸洗いされ、洗われながらもなぜか洗う側からおっぱい触って?とお願いされることが増えましたが、お構いなしでむしろ嬉々として揉み、顔を埋めたりしてますが・・逆に私のおっぱいも揉まれることが増えました。
・・なぜに?
私のはかろうじておっぱいと呼べる程度?な気が・・する?くらいしか・・というより、膨らみ始めましたくらいなので揉んでも面白くない気がするのですが、うれしそうと言いますか、楽しそうなので好きにさせてます。
私も思う存分揉んでますし。
ご飯は、仲良しこよしで姉さんと兄さんが作って、リカルさんが飾ってたので相変わらず凄いことになってましたけど。
それから、おやつを食べながら今日のことを報告したところ
「さすがフリージア。おめでとう」
「おめでとう。」
-ありがとうございます-
「でも、その子たちも結構優秀なんだね。あそこの試験って確か範囲がものすごく広いから多少賢くても知らない範囲があったりするらしいのよね。」
「私もそれ聞いたわー。」
「それを満点か、フリージアはさすがだな。」
「それに、学園長の判断は正しかったと思うね。」
「あぁ、確かに。下手に戦えば注目を浴びてただろうし。」
「リア様の場合は特にそうでしょうね・・ただでさえ、注目を浴びてたでしょうに。」
「あぁ・・うん。」
なぜに?と首をかしげても頭を撫でられるだけでした・・・なぜ?
「そんなの当たり前よ。」
「なら、近いうちにそのお友達とは仲良くしておきたいわね。」
「そうだね。」
「ほらほら、お前らだべるのも良いが、フリージアも疲れてるんだ。今日は早めに寝かせようぜ?」
「そうね。さて、歯磨きしておいで。」
(コクリ)
それから、歯磨きをして星空観察をしてから休みました。
ちなみに、お風呂する時は必ず誰かしらの女性陣に攫われ、揉み、揉まれの状態ですが、ご飯の時やだべってるときなど、おとなしくしてるとき(訓練や勉強をしてるとき以外という意味)は必ず誰かしらの女性陣のお膝の上であ~んされてる状態です。
・・絶えず私にはくっつきたくて仕方がないという感じです。
まぁ、おっぱいを思う存分楽しんでますし、おあいこだと思ってますから気にしませんが。
一応最近はちょっと気にするようにしたので、男性陣がいるときは揉むのは遠慮してるんですよ?
・・一応。
ついでに言いますと、セイちゃんのおっぱいは私よりちょびっとおっきいです。
しれっと抱きついたときに確認済みです♪
翌日
朝ご飯を食べて身支度を整えて軽く勉強を済ませた後軽くいつもの運動しましょうかなーと思ってると玄関からお客さん。
「いらっしゃいませ。いかがなさいましたか?」
「え、えと・・リアちゃんの友達のセイとユウなんですけど・・。」
「あぁ、当日合格をリア様と同時にたたき出した黒髪組ですね。」
「は、はい・・間違ってないけどどんな説明されてるんだろう・・。」
「リアのことだから、しっかり伝えてるんだと思うよ?アレはきっと、お茶目かあの人たちの解釈の末だと思う。」
「軽いボケですので、ツッコむなり、スルーするなりご自由にどうぞ?」
「まさかのボケ!?ツッコミ待ち!?なんとハードルの高い!!」
「冗談です。」
「冗談かい!!」
「セイ・・落ち着いて。」
「なかなか楽しい方々ですね。俺は、ラウ。リア様の身の回りのお世話をしております。」
「あ、ご丁寧にどうも。ユウと言います。こっちは幼馴染みのセイです。」
「よろしくお願いします・・・あ!あなたが、あの実家を思い出すお弁当を作った新婚さんですか?」
「え?あぁ、そうですね。お気に召して頂いたようで何よりです。」
「こちらこそごちそうさまでした。・・・リアが言ってた通りだね。」
「だね。」
「ちなみになんと伺ってますか?」
「え?リアちゃんからは、職業的には騎士さんだけど自称護衛執事の誰がどう見ても専業主夫のお兄さんと。」
「で、あなた方の感想は?本音をどうぞ。」
「そのままだなぁと。」
「同じく。」
「くっ!どうして身の回りのお世話が出来るようにと色々学び、覚え、リア様に実戦しているだけだというのに、執事ではなく料理担当でもなく、主夫なんですか!!」
「何と言いますか、ラウさんの雰囲気と言いますか、あのご飯の味がそうさせてるのではないかと。」
「え・・」
「あ、それ私も思った。すっごいホッとするご飯だったもんね。けど、リアちゃんにはそれが必要なんだと思う。・・詳しくは聞いてないけどあの5年間は大変だったらしいし、そんな家族の温かさを仮にでも・・ね。」
「そう言って頂いて感謝致します。リア様でしたらお庭の方にいますよ。これから準備運動の末に自主練習を行なうところですので。よろしければ参加しますか?」
「え?良いんですか?お邪魔だったりは・・」
「大丈夫ですよ。他の連中は依頼に出かけておりますが、手が空いているときはしょっちゅう乱入してるので慣れっこです。」
「なるほど・・じゃあお邪魔します。」
で、いつものように準備運動をしてるとやってきたセイちゃんとユウちゃんはなぜかフリーズしてました。
「あぁ・・やっぱりこうなった・・。」
何で固まったかと言いますとおそらく分かったと思いますが、いつもの柔軟体操と準備運動と目を回さないようにする運動とバランス感覚を鍛える動きとかを織り交ぜたオリジナルの踊りっぽいのをしてるだけです。
「あ・・あの・・あの見えない何かが削られていく気がするあの動きは一体・・」
「元々は翠さんの動きをまねてたそうですが、柔軟体操と準備運動と目を回さないようにする運動とバランス感覚を鍛える動きを良い感じに混ぜまくった結果、あんなことになりました。」
「そっか・・うん・・何と言うか・・うん。」
「けど、凄く合理的かも・・・」
「ユウ?」
「だって、それぞれの運動を順番にすると時間が掛かるから結果として訓練する時間が少なくなるけどアレを1つすれば訓練する時間は増える。それに、あの動きをすることによって精神面も鍛えることが出来るんだよ。」
「精神面・・あぁ!羞恥心とか堂々としたあれこれとか!」
「そう。きっとリアのあの度胸とかはここが原点なんだよ。きっとどこでもお構いなしでリアのことだからアレを踊ってたんだとしたら・・ね?」
「確かに・・何と言う合理的で効率的なんだ!!」
「・・何と言うまじめっ子たち。」
「ラウさん?」
「あぁ、お気になさらず。何かあれば呼んで下さい。」
「は~い」
「ありがとうございます」
そう言ってラウさんは部屋に戻っていきました。
「ラウさんって凄く優しい人だね。」
「けど、あの人怒らせない方がいいよ・・」
「強いとは思ったけどそれほど?」
「うん・・多分スピードタイプだから僕たちが反応するときにはとっくにやられてるレベルだと思う。」
「・・リアちゃんの周囲のメンツもえっぐいよね。」
「そう思う。」
「む?お主らがリアの友達かの?」
「はい!セイとユウです。」
「うむ、ワシはバレク。リアの保護者・・・正しくは後見人のバレク・フォルシェンじゃ。」
「フォルシェンって・・あの!?」
「やはり知っておったか。」
「当然ですよ。憧れの方々の1人なんですから。・・他にも憧れはいっぱいいますけど。」
「憧れが目標と同等と考え、日々の努力を惜しまなければより憧れが多いほど強くなれる。ワシはそう思うぞ?趣味と実益が揃うと凄いじゃろ?魔法の特訓が楽しいリアなどがそうじゃ。」
「なるほど。為になります。」
「ワシもそれなりに実力には自信がある。模擬戦など稽古して欲しくば言え。相手をしてやろう。」
「本当ですか!?」
「リアの友達じゃからの。当然じゃ。」
「ありがとうございます!」
「私は回復やサポートメインなので機会は少なそうですが、よろしくお願いします。」
「棒術などの稽古なども出来るからの。どんな内容でも構わんぞ。かなりの数のアホ共を潰してきたからの。経験は豊富じゃ。」
「あ、そっか。ありがとうございます。」
-お二人ともおはようございます。-
「リアおはよう。」
「リアちゃんおはよう。昨日はありがとうね//」
-構いませんよ。ですが、どうして顔が赤いのですか?-
「あぁ・・昨日の強制睡眠のワザが強力すぎてその余波が・・ね?」
「う・・うん。」
それほど効きましたか?
みたいですね。
「けど、アレ・・余所様には使わないようにね?・・色々と面倒なことになるから。」
(?・・コクリ)
「・・よく分かってないっぽいけど納得はしてくれたし・・まぁ、いっか。」
「で、向こうですっごい勢いで絵を描いてるお兄さんは?」
-リカルさんです。私の専属の絵師で執事としての身の回りのお世話をお勉強中です。-
「へぇ-。専属の絵師さんいたんだ・・すごい。」
-最初は私に興味を持ったという感じでしたが、最終的に私の将来をそばで見守りたいと言ってくれたんです。-
「凄く良いと思うよ。」
「うんうん」
-それに、リカルさんの絵は幸せな気持ちになるんです。-
「そっか。いつか、見せて欲しいな」
「ねー。」
-機会があれば見せてくれると思いますよ。・・訓練始めましょうか?-
「うん。・・・で、何するの?」
-私の場合は、基礎訓練がほとんどになります。-
「・・ちょっと見てて良い?」
「私は、リアちゃんの魔力操作とかの練習を見たい。」
-参考になるかは、分かりませんが。-
と、私は手のひらサイズの影さんを13体出して、それぞれが武器を作りだし(1体は【合気】なのでなし)、それから各々の練習を始めます。
途中でそれぞれの武器の交換もします。
で、私は杖さんの素振りから順番に始めます。
それから、それぞれの武器に形を変えて素振りを継続する感じです。
「凄い・・アレ・・獣魔かな?」
「多分魔法だと思う。だから、ゴーレムの一種と考えても良いかも。」
「人形に近いのかな?」
「私はそう思うわ。と言うより、手のひらサイズでちっちゃいと言っても、あれだけ精密な操作を13体も同時にそれぞれを操りながら自分は違うことしてるなんて・・・魔法の練度の格が違うわ。」
「まねして出来るレベルじゃないのは確かだよね。僕の場合は、あれだけの数の武器を扱えることがびっくりだよ。・・例えそれぞれがちょっと扱えるってレベルだったとしても。」
「アレ、それぞれの武器の表示はあっても出たばかりか日が浅いってレベルと考えて良いくらいってこと?」
「うん。だから、戦う武器と言うより守るための護身術レベルだと思う。けど、リアの魔法は色んな形で作り出せるみたいだからそれぞれの特徴の武器を扱えるようにするために素振りとかをするのは凄く良いと思う。他の属性みたいに属性ならではの強さはないようなモノだし。」
「そっか。火なら火力、雷なら・・って感じの属性ならではのアレがないんだものね。色んな形に出来るからバリエーションは多いけど、それぞれの武器やその形を使った戦い方を知らないとその力は意味がないもんね。凄いなぁ・・。」
「よし、たまには素振りでも良いかも。魔力操作の練習を並行しながらだけどね。」
「私も。余計なことをせずに基礎をコツコツとするのが大事って改めて思っちゃった。」
「そうだよね。基礎が出来てないと始まらないもんね。リアはきっと、その基礎を大事にしてきたんだと思う。・・あの強さは才能なんて言葉だと逆に失礼だよ・・れっきとした努力の結果だよ。」
「一生懸命な子だなってまじめだなって思ってたけど、頑張り屋さんだったんだね。」
「負けてられないね。」
「だね。」
それから私たちは、素振りや魔力操作などの基礎練習をお昼ご飯の時間まで続けていました。
「はぁ・・お弁当でも思ったけどホントにホッとする味。」
「うん・・けど、飾り付けがすっごいわ。」
「絵師ですので。」
テーブルの上には相変わらず立体的な作品(と言う名のお料理)が並べられております。
「あぁ・・それで納得してる自分がいるわ。」
「うん。」
「改めましてセイ様、ユウ様、リカルと言います。世間的にはビルドアーティストと呼ばれてたりしますが、お嬢様専属絵師を務めております。身の回りのお世話や護衛としての術は勉強中ですが。」
「ご丁寧にどうも。」
「よろしくお願いします。」
「お近づきの印にどうぞ。」
「ありがとうございます・・わぁ。きれい。」
「凄いきれい・・良いんですか?」
二人がそれぞれ素振りなどの練習をしている姿が描かれている絵でした。
「私は、誰にも見せたくない絵を描けば例えお嬢様でも見せませんし、売るためでしたら売るためだけの絵を書きます。そして、その絵はお二人が持つべき絵だと思いました。」
「ビルドアーティストの噂って本当だったんだ。」
「えぇ。自分の意思は誰にも曲げさせません。現在お嬢様のそばにいるのも、お嬢様のお言葉により自分の意思でここにいて、自分の意思で術を学んでいます。」
「え!?ってことは、もしも今からそばにいたくないってリカルさんが思ったら実行出来るってこと?リアちゃんはそれを許可してるってこと!?」
「そういうことです。だというのに、お嬢様はそばにいたければその間は絶対的な信頼を置いて下さいます。」
「わぁ。そりゃあ、守りたくもなるわ。」
「うん。それだけ自由があるのはホント凄いよ。」
「自分もそう思います。しかも、忠誠を誓った後にそうおっしゃって忠誠を取り下げられましたから。」
「ホントに凄い。」
「それにしても、基礎練習だけであれだけ集中して、すっごい充実した気分なのは久しぶりかも。」
「うん。ホントにそう思うよ。」
-私の場合は、実戦経験は十分だから基礎の練習を中心にするように伺っているんです。-
「そうなんだ?」
「基礎があってこその応用だからってこと?」
-それもありますが、私の場合は魔法の1つ1つの細かい部分を全て考えてから発動させているのでそれが良くないらしく、基礎の練習をしながらなんとなくで魔法を発動するように練習中なんです。-
「全部意識的に!?それ凄すぎない!?」
「けど、どうしてなんとなくで発動するように?頭に掛かる負荷を減らすため?」
-それもありますが、今の状態だとつい魔法を放ってしまったと言った無意識的な行動が皆無なので、いざと言うときがとても危ないそうなんです。-
「あ・・その可能性があった。」
「確かに危ないかも。」
-と言うことらしいです。-
「あ、午後はどうするの?」
-お勉強と特訓などの練習は一通り済んだので午後は町をうろついてどうしようかと思っていたところでした。-
「そうなんだ?じゃあ、一緒に町を回らない?」
-ご一緒しても良いのですか?-
「当たり前だよ。」
-では、お言葉に甘えます。-
「それにしても、ここ凄く穏やかだよね。」
-その分自由な人たちが多いですよ?-
「そういえばここのクランって演奏しながら町を練り歩きを時々してるって聞いたあのクランだったね。」
-幼い頃からの趣味もあるんだそうです。-
「なるほど。」
「後、ちょっと依頼を受けてみたいなって。」
「この3人でってこと?」
「そうそう。多分私たち学園ではセットで動くことになるだろうし、チームプレイも必要になると思う。そうなると一度は実戦で互いの動きを把握しておいた方がいいかなって。」
「確かにそうかも。それに、運が良いことにチームバランスは凄く良い。魔法戦の遠距離、近距離、回復や治癒などのサポート。」
「ホントすっごい偶然よね。ここまでチームバランスが良いのは珍しいわ。あ!」
「どうしたの?セイ。」
「私たち3人ってあの心技体の伝説と同じ感じじゃない?」
「あぁ!回復、剣、魔法。まさしく心技体!」
・・・賢者とは言ってませんしバレてないのでアレですけど、すっごい偶然ですね。
「まぁ、獣魔たちがいるけど些細なことよね。でも、それなら尚更、今代の自称心技体として頑張らないとね。」
「あはは!それ良いね。やろう!」
「僕は力を司る剣。」
「私は、心を司る癒し」
-私は、ワザを司る魔法-
「僕は、剣を振う以外ほとんど出来ない。」
「私は、癒すこと以外ほとんど出来ない。」
-私は、魔法以外はほとんど出来ない-
「けれど、3人揃えば何でも出来る。」
「出来ない部分はサポートし」
-世界にはびこる悪を滅ぼし平和へと世界を導く。-
「これが我らの信念であり」
「信条であり」
-叶えるべき目標である-
ちょっとだけかっこつけて心技体の伝説の一説をちょっとだけ改良して私たちなりに唱えてみました。
それからたくさん笑って頑張ろーとえいえいおーとしてから私たちは食事を終え、歯磨きなどを軽く済ませてから町へとお出かけです。
「それにしても、リア・・すごいね。」
「あぁ・・うん。気持ちは分かるけど。」
-いつもサービスして下さるので食べ歩きはほぼ習慣化してます。-
歩いてると大抵近くを通ったお店の人が割引してくれるので1つ2つ買って食べながら次へと向かうのはいつものことです。
「ホント、相変わらずよく食べるよね。」
「それと、その細い体のどこにその食べたのが行ったんだろう・・。おっぱいかな。」
「・・セイ・・僕がいるんだからそういうのは言わないで欲しいな・・//」
「あぁ、ごめん。私も、たくさん食べればおっきくなるかな。」
「だからセイ・・。」
「ごめん。」
どこか居心地が悪そうにしつつ顔を赤くするユウちゃん。
おっぱいの話しは男の子にとっては素直に反応出来ないお話の内容らしいです。
「それと、ハディさん、すみません。」
「ニャー(気にするな、軽い)」
-軽いから気にしないで欲しいそうです。-
「そっか・・それと、どことなく楽しそうな気がする。」
-運んだり背に乗せたりするのはハディちゃんは好きですから。-
「だから、リアも一緒に背中に乗ってるんだ?それに、凄い力持ちだよね。僕たち3人が乗ってるのに加えて普通サイズのシャスティさんとカルナさんも乗ってるのに平然としてるし。」
「ハディは俺等の中で一番の力持ちで、尚且つ頑丈だからな。」
「うん・・ノクスさんとか騎士さんたちとの模擬戦で十分把握した。」
「だろうな。俺は、ほとんどサポート役って感じだからな。単体での強さはおそらく俺は弱い。」
「そんなことないと思うけどなぁ。」
「ありがとうな。」
「それに、カルナさんがいるからこそリアちゃんと今こうしてそばにいられるんだし。」
「そうだよね。カルナさんが賢く立派に育ててくれたから何だし。」
「真っ正面から褒められるのは結構くるな//」
「あはは!」
「けど、思った以上に注目は浴びないんだね?」
「それは、リアのことを考えてるからなんだよ・・周囲のメンツがな。」
「え?」
「どういうこと?」
「下手に注目を浴びたら気疲れしたり、あまり良い気分にはならないだろう?ナルシーならともかく。」
「あぁ・・うん。」
「だから、あえて注目しないようにとか、不快に思われないように気を使ってるぽいんだよ。」
「良い国だよね。」
「あぁ、本当にそう思う。」
とか、話している内にギルドに到着です。
ちなみに二人はハディちゃんの背中から降りて頭を撫でながらありがとうと言って、ハディちゃんは満足そうと言いますかうれしそうです。
普通に接してくれるからうれしいんでしょうね。
見た目がどうしても威圧的ですからね。
「リアさんいらっしゃい。」
-姉さんこんにちは。-
「姉さん?リアのお姉さん?」
「あなた方お二人がリアさんのお友達だったんですね。私はアリス。このギルドで職員の教育係を勤めております。後、ラウの嫁です。」
「嫁・・ラウさんの?」
「あぁ、義理の兄の嫁だから姉か・。」
「そういうことです。それで、どうしましたか?」
「あ、ちょっとこの3人で依頼を受けたいなって。今後多分この3人で戦うことが増えそうだったので。」
「そういうことでしたか。でしたら、ちょうど3人に指名依頼が来てますよ。」
「私たち3人に?」
「正しくは、黒髪の3人組にって感じですが。」
「え・・」
「それ、私たちじゃない可能性があるのでは?」
「大丈夫です。皆さんです。」
「その結論づける理由を伺っても?」
「獣魔に愛される黒髪ストレートの少女と、フワフワの黒髪の回復のエキスパート、見た目女の子の剣の玄人の男の子の3人組で、学園で入学が確定した3人組に指名依頼を頼みたいと伺っていたからです。」
「・・普通に私たち以外いないわね。」
「うん・・すごく個人的には複雑だけど。」
-依頼内容と依頼主さんを伺ってもよろしいですか?-
「依頼主は、ノクス騎士団長。依頼内容は、5日間の遠征に同行して欲しいという内容です。」
「え?」
「ちなみに報酬は、1人銀貨10枚。道中の消耗品などは全て団長持ちだそうです。」
「何と言ういたり尽くせり。」
「受けるかどうかは、皆さんにお任せするそうです。強制はしないそうですが、参加した方が互いにメリットは多いそうです。」
「確かノクスさんって、遠回しなことは言わずにストレートに真実しか言わなかったんだよね?」
(コクリ)
「ってことは、報酬以外でも良いことがたくさんある。・・入学式までまだ余裕はある。」
「これは。」
「受けるしか」
-ありませんね。-
「と言うわけで受けます。」
「承知致しました。詳細は、城の訓練場に来て欲しいそうです。直接話した方が意見の食い違いがないからだそうです。」
「分かりました。」
「頑張って下さいね。」
「はい。」
それから、ギルドを出て城へ向かいながら。
「アリスさん、すっごい美人だったね。」
「それに、穏やかだけどまじめそうですごく良い人だよね。」
-魔法を初めて使い、魔力操作を扱うようにするための初歩の初歩の部分を教えて下さったのは姉さんでした。それと、私にとっては初めて優しくしてくれたお姉さんです。-
「そっか。あ、もしかしてその髪飾りって」
-姉さんからの頂き物です。・・正直高いモノではありません。けど、とても大事なモノなんです。-
「そっか・・なら、納得するよ。凄く大事にしてるんだもの。ちなみにその髪型って何か思い出あるの?」
-結果として、お母さんと同じ髪型だったのですが、始めた理由は楽だからです。-
「え・・」
-動くときに邪魔にならないので楽ですよ?-
「なるほど・・。」
「ちなみに、リアがその髪型にした理由は、母親の方も全く同じ理由だったりするぞ?」
「理由も同じだったんだ・・。」
「おじいちゃんが性格は真逆って言ってたけど、根本的な部分はやっぱりそっくりなんだ。」
「見た目はホントにそっくりだぜ?リアの母親を知ってる連中が最初にリアをみたときの第一声が、幼女になって生き返った!だからな。最近は、成長してますます似てきたねとかだが。」
「なるほど・・そのリアクションは確かにそっくりだからこそのリアクション。」
「お城ついたね。」
「クテン様いらっしゃいませ。あ、ノクス団長ですね。」
-遠征の依頼の件、ご存じなのですか?-
「えぇ。団長は訓練場ですよ。どうぞ。」
-ありがとうございます-
「来てくれたと言うことは、受けてくれたか。感謝する。」
「いえ、僕たちにも得があると聞きましたし、何か依頼を受けたいと思っていたのでちょうど良かったです。」
「入学式までも十分ありましたし。」
「それなら良かった。元々その部分も考慮してたのは確かだ。では、早速だが説明をしても良いか?」
(コクリ)
「端的に言うと、セイには回復や治癒の要員として、フリージアには、翠による荷物持ちを、ユウには騎士たちへ影響を与えて欲しい。」
仲良くなれたのでみんな呼び捨てでお願いしますとお願いして納得してもらってます。
「私は分かりますし、リアちゃんのも分かります。けど、ユウのは一体?」
「ユウは年齢からすると十分剣の腕は確かだ。だが、まだまだ子供だ。これから頑張っていけばまだまだ実力は伸びていく。そんな頑張りを騎士たちに見せ、良い意味で向上心に影響を与えて欲しいんだ。まだまだ、俺に頼る部分があるからな。それは、いざという時を考えると避けたい。フリージアに関しても、魔法戦で良い刺激を与えて欲しいのも確かだ。それに、セイの棒術もみてみたいと言うのが本音だ。模擬戦と実戦ではやはり異なるからな。」
「そういうことでしたか。納得しました。」
「どうする?出発はいつにする?遅くとも入学式の前日には戻れるくらいにはしたいが。」
-では、明日の朝でいかがですか?-
「承知した。集合は国の門前で構わないか?」
(コクリ)
「それで、フリージアには悪いが、ラウやリカルたちの引率は控えて欲しい。俺たちがいる。それに、君たちへの依頼だから念のためな。」
-そのように伝えておきます。-
「頼む。・・少しは子離れしてもらわないと後々面倒になる・・保護者側が。」
「あぁ・・過保護ですもんね・・リアの保護者グループ。」
「うん・・基本的にリアちゃんに甘えてリアちゃんがなだめてるから、リアちゃんが姉と言われても違和感がない状態だったし、過保護にしても・・うん。」
「そういうことだ。」
そんな感じで、遠征に明日の朝行くことになりました。
次回は25日投稿です。