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ラウと、アリスの衝撃珍事件?

ぞろ目!

カタクリの町で、私のギルドカードを作ったり、魔法の練習などいろんなことを教えてくれて、今も大事に扱っている桜のワンポイントがある黒い髪ゴムをプレゼントしてくれた実の姉のように優しくしてくれたアリスさん。

その人が今、私の目の前にいる。



「アレ?クテン様?アリスさん?お~い。」

「・・・・カルナカルナ・・もしかして知り合いだったりする?」

「あ、あぁ・・。前に話しただろ?リアの髪飾りのこと。」

「あぁ。確か色々教えてくれた優しいお姉さん・・・・・まさか。」

「あぁ。その本人だよ。」

「わぁお。」

「そういえば、数年前に移動してきたんだったなアリスさんって。」

「まさかの感動の再開。」





アリスさんがフラフラと馬車から降りた私に近づいてくる。

その表情は泣きそうな笑顔でした。

そして、私を優しく抱きしめて

「よかった・・・本当に良かった。お元気そうで本当に良かった・・。フリージアさん。」

「アリスさん・・・会えてうれしいです。」

「っ!しゃべれるようになったのですね!!」

-一言だけですので、まだまだ練習中ですが。-

「それでも・・それでも・・ようやく会えた。聞けた。フリージアさん。」

すごくうれしそうな、それでいて泣きそうな表情で私を抱きしめ続けるアリスさんに私は同じように抱きしめてあげながらその懐かしいぬくもりを肌で感じ取っていました。

そんな感動の中、私の頭の端っこでは、あのころよりもおっぱいおっきくなりました?とか思ってたり。




しばらくしてとりあえず落ち着いたアリスさんは私を抱きしめたまま離れてくれず、そのまま近くの食堂でご飯を食べることになりました。

・・全然落ち着いてないようです。

今私、アリスさんのお膝の上にいます。

そして、ずっと抱きしめられたり頬ずりされたりしてます。

そんな幸せいっぱいなアリスさん(周囲にハートマークが飛んでいる幻視が・・)を見て、周囲の人たちは非常に驚いた顔をしてます。

アリスさんはお仕事ができる美人さんで、笑顔だけど満面の笑みはないことで有名だったそうですが、今は満面の笑みで、誰が見ても幸せいっぱいという感じです。

私もアリスさんに会えてうれしいので抱きしめ返してますし、おっきくなったおっぱい(Dに届かない程度だったのがDを普通に超えてるようです)を楽しみ中。

ぽよぽよ♪

ちなみに、アリスさん定期的に私にチューしてます。

ほっぺにですが。

私もお礼にほっぺにチューしてますが、非常に幸せな表情になってぎゅっとより強く抱きしめてくれます。

けど、そこはさすがアリスさん。

私が苦しくなくてすごく心地の良い力加減にしてくれてます。




そして、あ~んされてる状態です。

「そっかぁ。アリスさんがクテン様が言ってた優しくしてくれたお姉さんだったのか。」

「どうりで、クテン様について詳しいはずだよ。」

「にしても、すっごい幸せそうだな。」

「気持ちはすごいわかるけどな。何年だ?」

「確か5歳のころだったらしいし、5年じゃね?」

「長いなぁ・・確かにそうもなるか。」


それから、食べ終えた後、

「俺たちは、この後別件で用事があるから。」

「そうか。わざわざすまないのぉ。」

「気にしないでくださいよ。あ、住む場所が決まったら教えてくださいね?基本的にギルドに来てもらえればいるかどうかわかるんで。」

「わかった」

-ここまでありがとうございました。-

「お安い御用ですよクテン様。ではまた。」

「またねー」

そう言って、お兄さんたちは去っていきました。

ご飯代を払ってから去って行っちゃったのでおごられちゃいました。

そんなさりげないところが良い人ですよね。





ちなみに、アリスさんは休憩時間が終わっても離れてくれず、そのまま私は普通に抱っこされてギルドに攫われました。

「えぇっと・・アリスさん?」

「どうしましたか?」

「その・・膝の子は・・・」

「私の最愛です♪」

「そ、そうですか・・」

満面の笑みで即答されるため、他の人たちもそれ以上は追及できず。

結局そのまま私はずっとアリスさんのお膝の上で愛でられ続けました。



・・・住む場所とか教会にご挨拶とかいろいろやることがあるんですけど。




「お嬢さん、こんにちは。」

-こんにちは-

筆談で語る私に一瞬だけ目を見開いた後、すぐに何事もなかったかのようにほほえんでご挨拶してくれているのは、ギルドのお兄さん。

アリスさんに質問しに来たようです。

で、質問が終わったところで私は誰?と質問したけどさらっとあんな答えを即答しちゃったので、私に聞くことにしたようです。

「アリスさんとは知り合いなのかな?」

-アリスさんが以前いたカタクリの町で大変よくして頂きました-

「あぁ、なるほど。ここで再会してこの通りというわけでしたか。」

(コクリ)

「私は、このギルドでギルドマスターの補佐をしておりますルダと言います。世間的にはサブマスターと呼ばれてますね。」

-フリージアです。この国の学園の入学試験を受けに参りました。-

「あぁ、なるほど。と言うことは10歳かな?」

(コクリ)

「へぇ?しっかりしてるね。そちらのおじいさんのおかげかな?」

-おじいさまのおかげでもありますが、獣魔であり家族であり教育係でもあるカルナたちのおかげでもあります。後、兄さんたちです。-

「優秀なんだね。」

とても優しくてほんわかとしたお兄さんです。

そして、見た目で判断を決してしない人らしく、ハディちゃんにも私と同じように優しく挨拶をしてそっと頭を撫でたりと楽しそうです。


「それにしても・・・・アリスさんがフリージアさんにべったりですね・・。」

-実の姉のように優しい方だったのですが、再開するまでの間にずいぶんと心配して下さっていたようで・・。-

「あぁ・・なるほど。心労が溜まりに溜った結果、溺愛状態・・そして、見ての通りというわけですか。」

(コクリ)

「・・しばらくは離しては下さらないようですね・・」

そうなんですよね・・。

教会にご挨拶にいきたいのですが・・

けど、アリスさんもお仕事があるのでギルドから離れるわけにはいきませんし何より私を手放しては下さらないっぽいですし・・そうですね。

-カルナ、シャスティ、影さんたちを連れて教会にご挨拶に行って下さいませんか?-

「あいよ。伝言とかあるか?」

-私自身が直接挨拶に行けなかったことのお詫びと後日改めてご挨拶に向かうことを伝えて頂いても?-

「了解。行くぞシャスティ」

「にゃう(リア様、行って参ります)」

-行ってらっしゃい。よろしくお願いしますね。-


そして、カルナとシャスティは手のひらサイズの影さんを2人乗っけて行きました。

ちなみに、影さんたちを出したときにルダさんは驚いた顔をしてました。


「先ほどのは・・魔法ですか?」

-はい。お人形遊びのようなモノです。-

「なるほど。器用なんですね。」

ふんわりとした私の答えを聞いて深く追求せずに察して下さいました。

さすがサブマスターさんですね。


「それにしても、獣魔の皆さんは本当に優秀ですね。下手すればそこらの人間よりもしっかりしているのでは?」

-私の保護者&教育係筆頭ですから。-

「なるほど。ちなみにそちらのお二人は?」

「俺はラウ。リア様の護衛と身の回りのお世話に勤めております。一応この国の騎士です。」

「私はリカル。お嬢様の専属絵師です。後、執事見習いです。」

「なるほど。よろしくお願いします。・・アリスさん?フリージアさんを手放すなとはもう言いませんので、もう少しまともに対応して頂いても?しっかりとした大人として働いて頂かなければフリージアさんに呆れられますよ?」

「っ!・・・フリージアさん失礼しました。」

速攻で私はお膝からおろされ、隣に座らされましたが、とりあえず解放されました。

そして、すっごい勢いでお仕事をするアリスさん。

やっぱり、アリスさんはお仕事が出来て格好いいですね。


「・・ふむ。彼女には飴の扱いだけで十分効果があるようですね。すみません、フリージアさんをだしに使うようなことをして。」

-お気になさらず。-

「ありがとうございます。」

そこで、一息ついたのかアリスさんが戻ってきて、兄さんとリカルさんにご挨拶。

「お二人にはまともにご挨拶が出来ず申し訳ありません。改めてまして、私はアリス。ギルド職員の補佐官として現在指導中ですので、ギルド職員ではありますが、立ち位置としては少々異なるので特殊なケースの一人です。よろしくお願い致しますね。」

「こちらこそ。クラリティ王国騎士、偵察部隊の一人であり、リア様の護衛を務めておりますラウと申します。」

「お嬢様の専属絵師、リカルと申します。世間では、ビルドアーティストと呼ばれておりますので、そちらの方がご存じかも知れません。」

「まぁ!あなたがビルドアーティストだったのですね?フリージアさんの専属になられたのですか?」

「はい。初めは利害関係の一致で、私の興味が最も強かった相手としての関係でしたが、後々にお嬢様ご自身の魅力に惹かれ、お嬢様のこれからの人生をお側で見守りたいと思い、こうしてお側に。」

「素晴らしいですね。良ければ近いうちにリカルさんの作品を見せて下さいね?」

「えぇ、機会があれば」

「それにしても、アリスさん・・あなたでしたか。ずっとお礼がしたかったのです。」

「ラウさん?」

「リア様にとても親切にして頂き、多くを教えてもらったとカルナさんから伺ってましたので。」

「いえ。私も楽しかったですから。フリージアさんの一生懸命な姿は私の癒しです。」

そうやって二人はどこか幸せそうにほほえみながら。

よろしくと握手をした瞬間なぜか目と目を合わせながら互いに目を見開いてフリーズ。




・・・ん?

「おや?」

「ラウさん?アリスさん?・・お嬢様、どう思います?」

-長い間離れ離れだった相手とようやく再会出来たというシチュエーションが似合う感じでしょうか?-

「あぁ・・ぴったりですね。」

「確かにそうですね・・お二人もお知り合いなのでしょうか?」


とルダさんとリカルさんとお話ししてると二人がいきなり同時に



「見つけた!!運命のパートナー!!」

「見つけました!生涯のパートナー!!」

そう叫びました。




「は?」

「・・予想外な方向に進んでるような。どう収集をつけるのでしょうか。」

そして、再度しばらくにらめっこを済ませた後

「よし!結婚しましょう!」

「えぇ!結婚しましょう!」

と強く強く握手を済ませ、ハグを軽く済ませました。





・・・・・なぜにそうなったんですか?


全員「えぇぇぇぇぇえええええ!?」


周囲からすっごい驚きの声が上がる。

そりゃそうですよね。

「憧れのアリスさんがなぜ!?どうして!?」

「嘘だぁぁ!!!!」

「何がどうなってるんだぁ!!」

「何なんだ!!何なんだというのだぁ!!!」






-アリスさん、兄さん。とりあえずどうして結婚することにしたのか教えて頂けませんか?否定はしませんし、お二人が納得してるのであればおめでとうの言葉を贈らせて頂きますが。-

私がそう語ると周囲の人たちの何割かは強く頷く。

残りは、すっっごいうなだれてる。

アリスさんは美人さんですし、憧れの的だったのでしょうね。


「世間一般的には一目惚れになるのかと思いますが、気持ちとしては、死ぬまで共に人生を歩み、互いの未来を支え合っていきたいと思える・・まさしく生涯のパートナーはアリスさん以外あり得ないと感じました。」

「私も同じような感じです。互いが求める夢、目標・・それらのために互いが互いのために支え合いながら死ぬまで共にパートナーとしている相手・・それは、彼・・ラウさん以外あり得ないと感じました。・・一目惚れを恋などの方向と言うよりは、戦場で背中を支え合う強い絆のようなモノでしょうか?」

「そうですね。後は、野生の勘や仲の良すぎる兄妹・・そのような感覚に近いのかも知れません。」


うんうんと二人ともそう言う。

-結局、好き、愛しているという意思はあるのでしょうか?-

「ありますが、周囲が見えなくなるようなラブラブなどのようなモノではなく、常にそばに寄り添いながら共にいる、あうんの呼吸が出来る熟年夫婦の感覚に近いのかも知れません。」

「そうですね。その感覚に近いですね。まぁ、子供が欲しいかと言われると最終的には欲しいとは感じますし、ラウさん以外は生理的に受け付けないと断言出来るので、一目惚れで間違いはないのだと思います。」

「俺も同じく。」




とりあえず

-ご結婚おめでとうございます?-

「ありがとうございます」

「ありがとうございます」



「って、許すわけがないだろうが!アリスはこの俺様のモノだ!!」

とか言い出す筋肉の塊の鬱陶しいオーラ全開のお兄さん。


「おいおい・・空気読もうぜ?俺等も悔しいけど、なぜかあの兄ちゃんとアリスさんはぴったりだってどこかでそう感じるほどだと思うし。」

なだめながらそう言うちょうどギルドで次の依頼を探していたお兄さんがそう言うと、周囲の人たちも複雑そうな表情だけど頷く。

なんだかんだ言いつつ、ラウさんをアリスさんの将来のパートナーとして認めてくれるようです。


「あなたのモノになった記憶は一切ありませんが?そもそも誰ですか?」

アリスさんがすぱっと真顔でそう言った。

「は?・・と、とにかく俺は許さん!!アリスは俺のモノだ。」

「ぐちぐちとうるさい奴じゃのぉ。本人たちが互いにそう言っておるのじゃ。周囲の連中が何を言おうとも関係ないじゃろうが。」

「じいさんもうっせぇんだよ!!!!」


これは、何を言っても無駄ですね。

なので、

{兄さん、すぱっと模擬戦で斬り捨てた方が早くありませんか?}

「なるほど・・では、模擬戦をしましょうか。あなたが俺に勝てれば考え直しましょう。」

「よし!じゃあ早速行くぞ!!」


そして、模擬戦をするための場所へ移動。

ちなみに、後々で教えてもらうのですが、考え直すだけで別れる、結婚しないとは限らず、考えか結果、やっぱり結婚することにしましたと状況次第ではそういうつもりだったらしいです。

まぁ、負ける確率はゼロに近かったので、保険という扱いだったらしいですけど。



彼は、パワー重視の人で動きが遅くてシンプルで単調な動きしか出来ないらしいけど、あまりに力が強いためランクがAランクまで登っている人らしい。

で、一方見た目はスリムで文学系にしか見えないラウさん。



なので、周囲の人たちはラウ兄さんの無茶な頑張りが一人の女性のために立ち上がる勇気ある人と扱われ、なぜか周囲の人からの株が上がり中。






「よ~し。じゃあ、このコインが地面に落ちた瞬間に試合開始だからな。」

そう言って、5秒後にコインが宙を舞い、地面に落ちた瞬間。


「うぉぉぉ!!!・・っ!」


筋肉お兄さんが大声を上げて大きな斧を掲げて襲ってこようとしたけど、一瞬で気配を消して素速く背後に回った兄さんが双剣で片方を首筋に、もう片方を両目を切り落とす寸前のところで寸止め。

「動くと、死ぬぞ。身の程をわきまえて行動するんだな。」

ドスのきいた声で殺気をまき散らしながら若干周囲に聞こえるようにワザと大きめの声で脅しをかけます。


やっぱり、兄さん相手にあの人は相性が良すぎましたね。

元々兄さんは、暗殺者タイプ。

おまけに双剣士なので、とにかく速い。

しかも、扱えるのが風の魔法で素早さを上げたり、音を消したり出来ますし、天性の才能として気配がとことん薄くて、本人が意識すると更に薄くすることが出来ます。


とにかく気配が読めず、速く、相手の急所を狙うのが上手い。


そんな人相手にパワーだけの人なんてただの的です。




すると、筋肉お兄さんは斧を地面に落とした後、地面にうなだれて

「も、申し訳ありませんでした・・。二度と馬鹿なことは言いません。」

とすっごい怯えた表情と声でそう言いました。


「次馬鹿なことをしてみろ・・問答無用でその首、切り落とすからな。」

「ひぃ・・はい。」

兄さんは殺気のまき散らしを継続させたまま精神的にとどめを刺しました。


で、返事を聞いた後何事もなかったかのように殺気を沈め、別人?と言いたくなるほど穏やかにほほえみながら

「リア様、いかがでしたでしょうか?」

-兄さんらしかったと思いますよ。さすがです。-

「それは良かったです。」

「ラウさんは、思った以上に強いのですね。」

「縁に恵まれていたんですよ。持って生まれた力を最も適した職に導いて下さった方がいたからこそ、今の俺があるんです。」

「惚れ直しました//」

「その思いを無下にしないように頑張りますね。」

「あら、私の応援はして下さらないのですか?」

「応援し、支えることも当然含んでますよ。」

「それならば良かったです。」

二人は本当にぴったりですね。



-と言うより、私の一言があればほとんどの方々は黙るのではありませんか?-

「あぁ、そういえばそうですね。」

「え?あぁ・・なるほど。リアさんは、クテン様でしたね。」

アリスさんとは、仲良し(正しく姉になりましたし)なのでリア呼びをOKしました。

で、アリスさんがさらっと私のことをクテンと呼ぶと周囲のメンツが目を見開いてフリーズ、そして速攻で土下座して。

全員「失礼致しましたぁ!!!」


どうやら、私が兄さん呼びする相手に色々言ってたことに対してのお詫びのようです。

と言うより、クテンと言う名は結構広まってるようですね。

と、アリス姉さんに伝えたところ

「えぇ。教会の方々がそれはそれは強く語っておりましたから。神子様のことは今後はクテン様と呼ぶようにと。そうでなければ、そう呼ぶまで1秒たりとも暇を与えずに説得し続けると。」

・・・すっごい頑張ったようですね・・うん。



まぁ、気にしないことにしましょう。

「とりあえず、アリスさんおめでとうございます。」

「ルダさん、ありがとうございます。」

「周囲がうるさいですし、ラウさんと教会へその旨の報告と結婚の契約を結んできてはいかがですか?」

「そうですね。ラウさん、参りましょうか?」

「えぇ。」


ついでにアリスさんの今日のお仕事はこれで終わりで良いとルダさんが言ってたのでそのまま解散のようです。







教会に着きました。

聞いてた通り、すごく大きくて立派です。

翠ちゃんが言うには、白を中心に、所々を金と銀で彩られたサクラダファミリアにそっくりだそうです。


それ何?

と聞くと、異世界人なら大抵は知ってるお城っぽいすごい建物の1つの名前なんだそうです。

さすが翠ちゃん。

何百年も長生きしてるので、物知りです。





そして、全ての硝子はステンドグラスです。

中に入ると、いたる場所に本と石像がありました。

石像は天使様と女神様と思われる姿のです。



で、中央をまっすぐ進んでいくと、お祈りをするであろう場所に到着しました。

「お?リア、来たのか。そろそろそっちに戻ろうと思ってたところだ。」

「おぉ・・おぉぉ。お会い出来ることを心待ちにしておりました。お会い出来て光栄でございますクテン様。私、ここで神父を努めてさせて頂いております。」

そう言ったのは、おばあさん。

すごく優しそうな雰囲気で、内面もおそらくみた通り優しい人なんでしょう。

それをはっきりと断言出来るほどそんな雰囲気の人です。


「で、どうしたんだ?」

-兄さんと姉さん・・アリスさんが互いに一目惚れで結婚することになりました。-

「・・・・・・そうか。それで、さっさと結婚してしまえとここに来たと。周囲があれこれ言う前に。」

(コクリ)

「左様でしたか。私が認め、証となりましょう。祈りを捧げ申告して下さい。それで終了です。」


そう言って、兄さんと姉さんは何も描かれていないシンプルな銀で出来た指輪を手にそれぞれが握り、二人並んで祈りを捧げる。

私は二人が終わった後で祈りを捧げました。



二人が祈りを捧げると、ふんわりと温かい光に包まれます。

おそらく神様も祝福してくれてるんだと思います。

なんとなく分かるんです。






そして、祈りを捧げ終えると二人は手に握っていた指輪を見せてくれました。

すると、何も描かれていなかったはずが複雑な何かがびっちりと描かれていました。

ですが、一部だけ純白の宝石らしきモノがはめ込まれていました。

近くでじっと見ると、その白い宝石の中には”ラウ、アリス”と2人の名前が刻印されていました。

なぜか、のぞき込むと見えるんです。

のぞき込まないと見えないすごく不思議です。


で、首をかしげていると神父のおばあさんは教えてくれました。

どうやら、銀色の指輪を握って祈りを捧げるのが結婚する二人が教会で行なう儀式で、祈りを捧げ、無事に結婚出来るとその証としてその指輪にはお揃いの宝石と、その中に二人の名前が刻印されるんだそうです。

そして、読めないけどびっちり描かれている文様は、神様だけが読める字で、私の教会の腕輪に描かれているモノと似たようなモノらしいです。


これは、神様が認めた証でもあるんだそうです。

そして、認められた人以外は、決して触れることが出来ないモノでもあるらしく、その魔法が描かれているとも言われています。


つまり、あの文様は神様の文字で”これはこの人の物だから、他人は絶対に触っちゃ駄目”って描いていると言うことだそうです。





教会の腕輪の場合は、それ以外にも色々描いてあるらしいですが良く分からないんだそうです。

-宝石の色は、必ず白なのでしょうか?-

「いえ。お二人のつながりを表す色だと言われています。詳しいことは存じておりませんが、色にはそれに連なる所以があるらしいです。神様がお二人の相性を色で表したモノだとも言われています。どういう意味かを互いに考えることも、お二人の仲を深める1つらしく、どういう意味かはお二人が考えるべき何だそうです。」

「色にはそんな意味があったのですね。どのような意味が俺たちには似合うでしょうね。」

「そうですね。じっくりと決め、それにふさわしい人生にしたいですね。」

二人はすごくうれしそうです。


改めて、二人とも・・おめでとうございます。



ちなみにリカルさんはというと、大興奮してあちこちを描いてます。

と言ってもあっちこっちを描くのはまた後日と言うことで、今は兄さんと姉さんが祈り、光っていたところから、きちんと結婚してほほえみ合うところの計2枚を描いているところです。


後日、きちんと色づけされ、完成したモノを二人にプレゼントし、それがリカルさんからの結婚祝いだったりします。

それは、とても喜ばれました。


リカルさんの絵は本当にきれいで、心がキラキラするんです。



ちなみに私もお礼がしたいと考え、教会で歌いました。

うれしい、幸せ、いっぱい幸せになって欲しいと、色んな幸せな気持ちを込めて歌いました。


教会の皆さんもまとめて感動してくれましたし、兄さんも姉さんもすごくうれしそうにありがとうって言ってもらえました。



喜んでもらえて良かったです。

特に私の歌は私の心がダイレクトに伝わる手段でもあるので、良い歌だとそれだけ私が幸せという意味なので、余計にうれしかったんだと後に教えてもらいました。



宝石の色が白に変わった理由。

それは、誰も知らない。

その代わりに、唯一答えを出せるのは、当事者である兄さんと姉さんだけ。


すごくロマンチックなことなんだと思います。



私もいつかそんな相手が現れるのでしょうか?








その後、なぜか大量に喉に良いと言われている(らしい)食べ物や飲み物などをそれはもう大量に頂きました。

・・頂いたと言うよりは、満面の笑みで押しつけられたと言った方が正しいような気もしますが。



「あ、そうだ。なぁ神父さん、質問良いか?」

「何なりとカルナ様。」

「様付け・・・・まぁいいや。俺等、5年くらいは少なくともここで暮らすことになるしどこか空き家とかないか?」

「でしたら、我が家へ来ませんか?」

「アリス?良いのか?・・てか、俺等だけでも結構いるし、バレクもいるぜ?おまけにラウもリカルもいるから結構な大所帯だが・・」

「心配ありませんわ。私、クラン:ポレール・ジュレに所属しているのですが、その拠点がとても大きなお屋敷なのですよ。」

「なら、なおさら大丈夫なのか?言わば俺たちは部外者だぜ?」

「それでしたら、リアさんたちもクランへ加入致しますか?」

「・・勝手に決めても大丈夫なのか?」

「心配ありませんわ。リアさんたちですから。」

「そう言うモノか?」

「えぇ、そう言うモノです。」

「クランに加入して何か良いことってそういや、あるのか?」

「他のパーティと連携をとる際のつながりは非常に広がりますね。後は、リアさんの場合、アホな勧誘等々の阻止に役立てるかと。私のいるクランは色んな意味で有名ですから手を出す愚か者は早々いませんし。」

「なるほど・・そう言う手もあるか・・リア、どうする?」

-途中で抜ける可能性もありますがそれでも構いませんか?-

「えぇ、リアさんの自由にして頂いて構いませんよ?」

-後、途中で家を見つけてそちらに引っ越す可能性もありますがそれでも大丈夫ですか?その時にクランに加入したままだったりそうではなかったりする可能性もあります。-

「そちらも構いませんわ。何度も言いますが、リアさんの自由にして頂いて構いませんよ。」

-では、お世話にあります。-

「ようこそ。ポレール・ジュレへ。」



私は、クラン:ポレール・ジュレへ加入することになりました。

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