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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
フォルシェンファミリー
54/177

魔法の使い方

フォルシェンさんたちのお家で過ごすようになってしばらくたちました。


多分半年くらいはたったのではないでしょうか?

なので、私も7歳になりました。


主に特訓とお勉強、色んなお話しをしたり遊んだり食べたりととても穏やか?に過ごしています。

なぜに疑問系かと言われますと、数日に1回の頻度で盗賊もどきと言いますか、指名手配されてるメンツがやってくるからです。

で、やってくるたびに私を初め、ここにいるメンツで全員1人残らず殲滅してるからです。


ね?

穏やかとは言いにくいでしょう?



それはさておき

「なぁ、バレクさん。」

「どうした?カルナ」

「リアの瞳に時々出てくる魔方陣・・アレって結局何なんだ?」

「アレこそが賢者の正統後継者の証じゃ。」

「そうなのか?」

「うむ。勇者、聖女、賢者。この3つの職業の正統後継者には激情状態になると魔方陣が現れるのじゃ。賢者であれば瞳、勇者であれば手の甲、聖女であれば額という風にな?」

効果は私のとほとんど同じでパワーアップの状態になるらしいです。


普通の職業は1つの職業になれる人がたくさんいたりします。

それが、珍しいモノになってくるとだんだんなれる人数は少なくなっていくのですが、勇者と聖女、賢者に関しては世界中でたった1人しか存在しない特別なモノなんだそうです。

なので、何かしらの役目があるらしいんですけど、それがどんなモノかは詳しくは分からないらしいんです。

桜華さんの頃は、強い魔物が世界の各地にいて多くの人が大変な目にあっていたからそれらの解決が役目だったそうです。

基本的に魔物退治なのは確からしいですが、それがどこでどんな相手なのか。

それがどのくらいいるのかも分からないらしいんです。


「なら、なんでリアの瞳に魔方陣が現れたときは周囲の連中は賢者だって気づかなかったんだ?」

「体に魔方陣が宿ると言う現象が勇者、聖女、賢者と世界で1人しか存在することが許されない職業についている証なんじゃが、知っているモノはほとんどおらんのじゃ。」

「みんな戦いの強さとかワザを大雑把にしか分かっていなかったんだよ。」

「って言うより、あちこちを旅しながら多くの人を助けたのは確かだが、本格的に戦っている姿を見た連中はほとんどいなかったらしいし、見れたとしても下手に近寄れば巻き添えになる可能性もあったからすごい遠くからだったらしいしな。」

「つまりは、体にどこかに現れる魔方陣そのものを見たことがない・・それか気づけないくらい離れてたから見えなかったと?」

「そういうことじゃ。」

「知っている人は知っていますわ。我々のようにそのお三方の弟子になったモノや、かなり深い関係だったりと関係者であればとその程度ですわ。ですので、フリージア様は気づかれていないのです。」

「なるほどなぁ。」


「そんな大事なモノだというのに、自称勇者と自称聖女、自称賢者が現れてイライラするんだよな。」

「分かりますわ。」

「最初の2つは異世界人が勝手に思い込んでるのも含むんだよな?」

「えぇ。異世界人でなくとも勝手に名乗るアホはいますわ。・・まったく」

「そういうときはどうやって偽物だって気づかせるんだ?」

「たまに武器もレプリカを持ってるアホもいるんだよなぁ・・そういうときはすっげぇめんどくせぇんだよ。」

「全くじゃ。まぁ、ギルドカードを見れば一発じゃな。」

「そういや、そっちに普通に載ってたな。」

「たまに、個人情報だとか叫んで見せない輩もいるが、そういうときは大抵嘘つきが多い。だから、お三方のことであることを1つ聞くのさ。」

「何を?」

「フリージア様、賢者様のお名前はご存じですか?」

リードさんが突然質問をする。


当然知っていますよ?

{桜華さんです}

フォルシェンさんたちと仲良くなったので念話でお話し出来るようになったんです。


「これだけで良いんだ。」

「え?名前を知ってる奴がいないのか?正統後継者以外?」

「我らは当然知っておる。故に関係者は当然知っていることじゃが、関係者ではないものたちは一切知らぬのじゃ。」

「もしも、関係者が喋っていたってので名前を偶然知って、それで自称勇者とかになったときはどうなるんだ?」

「そのお三方の容姿を訪ねます。」

確か桜華さんは、黒い髪と黒い瞳でスラッとした優しい王子様って感じの人でしたよね?


「なるほど・・」

「その次に、模擬戦をします。」

「ワザと相手の手を出し尽くすまで手加減してな?」

「鍛えている最中だとかさっき戦ったばかりだから本気が出せなかったとか言わせないように徹底的にワザを出し尽くさせるのさ。」

「あのお三方であれば、例え弱くとも消耗していても自身が得意とするジャンルではとても幅広くワザを習得していますので、簡単に分かるようになっている。まぁ、特訓をおろそかにするような愚か者であることは決して許されないので手数の多さに関しては確実にあるんです。」

「本人かその周囲の連中、そして家族がってことか。」

「そういうこと。」

「確かにフリージア様はワザの量と言うよりかなり万能でしたね。特に防御に関しては。」

「そういうことですわ。元々お三方の伝説では確かに強かったですが、1人でかなりの手数があったからこそどうにかなっていたのですから。強さは戦い続け、特訓を続ければ自然と身につきますが、手数に関しては本人が努力し、考えなければ決して増えませんモノ。」

「言われて見れば確かにそうだ。1つの技を磨き上げるのもある意味では手数を増やすと同じようなモノだしな。無駄を省いて効率的に改良するわけだし。」

「フリージア様は、接近戦は極端に苦手でしたが、身体強化だけではなく魔法を纏わせないのですか?」

{纏う?・・とは?}

「まず、身体強化はご存じですよね?」

(コクリ)

「そして、俺やギリが拳や足に魔法を纏わせているのもご存じですよね?」

(コクリ)

「アレは、魔法を纏わせているんです。」

{魔法を普通に放つのとどう違うのでしょうか?}

「魔法を普通に放つというのは、魔法を発動させて相手に向かって飛ばすまでの課程が必要になります。」

(コクリ)

「そして魔法を纏うというのは、その相手に向かって飛ばすという課程が必要なくなります。つまりは、イメージする範囲が狭まるんです。」

{負担が軽くなると言うことでしょうか?}

「そういうことです。そして、その分を発動させている魔法に威力が集中します。要するに、相手へ飛ばすと言う部分で使用していた魔力をそのまま発動させる魔力へ上乗せしているのでその分強化されるんです。」

(コクリ)

なんとなく分かります。

「そこで、拳や足、自身が扱う武器へ纏わせることで自身の身体能力による攻撃に上乗せする形でその魔法をぶつけます・・・そうなると例え身体能力が劣っていたとしても0ではないので多少はダメージを与えることが出来る・・更に、魔法での攻撃もあるのでもっと強くなります。」

なるほど

「その代わり、纏わせている間は発動させたままにしておく必要があるので少々慣れが必要です。」

長い間魔法を発動させ続けている必要があるってことですね。

「このやり方に慣れると、場所によっては・・例えば狭い場所で下手に周囲へ被害が及ぶと危険な場合は、このやり方の方が有効的です。まぁ、周囲へ当てない自信があれば問題ありませんが。」

「肉体へ宿らせているのは俺とか親父だけど、武器に纏わせるのって言えばラウだろ?」

そういえば、剣に風を纏わせてましたね。

「えぇ。俺の場合は剣に纏わせることで剣の切れ味を向上させ、肉体へ纏わせることで音を消したり走る速度を上げたり振う剣を軽くさせたりしています。無属性の身体強化の上位である属性を帯びた身体強化ですね。俺は風バージョンです。」

「俺等もざっくり言えば同じだ。扱う魔法の種類が違うから強化する範囲が変わってくるけどな。俺たちはスピードよりも威力重視だったり命中率を上げたりとかそんな感じだしな。」


「ワシの場合は、強化と言うより硬化になるのぉ。硬くすることで防御を上げ、1撃の威力を上げる。その代わりスピードはからっきしじゃ。」

ラウさんは、スピードと切れ味を向上させてる代わりに1撃1撃は軽いんだそうです。


魔法の属性次第でメリットとデメリットがあるんですね。


早くて鋭いけど軽いとか

遅くなるけど硬いとか

様々な形に変えてバリエーションが豊富な代わりに威力はその人次第とか




私の場合は、好きな形、好きな硬さに変化させることが出来ます。

ってことは・・・・・



杖さんに纏うように影を呼び出し




「おぉ!」

「お見事」



杖さんの頭?(お花のある方)の部分から先に影で曲がった刃を作ってみました。


いわゆる大鎌っていうのです。


硬くしているので切れ味も良い感じです。

と言うより刃だけの変化とかはよくやっていたので慣れっこです。

と言うより、杖さんに直接纏わせているので普段の私の影から伸ばしてやってるときよりも扱いやすいかもしれません。


で、自由に変化出来るのでそのまま大鎌から鞭バージョンにも出来ます。

勝手に動く鞭になってる感じですけど。

他にも槍・・を作ってみたらなぜか薙刀のようになったりとか。


「風や火のように属性特有の威力はない代わりに武器の形状はかなり自由度が高いな。」

「どちらかというとワシの硬化に近いのやもしれぬな。」

「硬さを変えているので確かにそうですね。」

「強くなると言うよりは、弱点が減り、オールマイティになりそうですね。武器の扱いを幅広く学ぶ必要が出てきますが。」




・・・・ん?

カルナをみてふと思いついた。


もしかして












「っ!?」

「飛んだ!?」

「羽が生えた!?」

「黒い天使!」



何をしたかと言われますと、私の影は自由に操ることが出来ます。

それは、空中へ浮遊させることも含みます。

それなら、私に纏わせた状態ですれば飛べるのでは?と思い、体に纏わせてイメージしてみました・・


結果

サクッと出来ました。


鳥さんをイメージしたので鳥さんの羽を背中からと、足のかかとから生えてます。

私の属性が原因なのかモノ見事に漆黒の羽が生えましたけど。


まさに言われた通り黒い天使でした。








カードさん、もしかして増えてますか?














名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:C(二つ名=魔鏡姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:7

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子


属性:陰

体力:C

魔力:S+

攻撃:D

防御:E

俊敏:D

練度:S+


攻撃技1:【影操作】【杖術】【射撃】【影纏】【影翼】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:聖華の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、聖木せいぼくの義手

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女





増えてますね。

後、数が増えたから攻撃の部分も2つに分かれてます。

カードさんお願いします





【影纏】

【影操作】により生み出された影を自身が指定した箇所に纏わせることが出来る。

【影操作】よりも威力が1.2倍ほど高く、イメージする負担は8割ほど



【影翼】

背中に1対と、かかとに片翼ずつ黒い天使の翼を生やすことで空を飛ぶことが出来る。

かかとの羽は、15センチほどで、背中の羽は片翼だけで自身の身長の3分の2の長さになる。

自由に飛ぶためには練習が必要だが、一度翼を発動すれば魔力消費はない。

空中に浮遊する際にはほとんどイメージする必要はないが、移動に関しては多少細かいイメージが必要となる。





なるほど。

空を飛ぶためにはいっぱい頑張る必要がありますね。

と言っても、カルナがいるので使う頻度はあまりないかもしれません。

「なるほど、フリージア様の魔法は確かに自由度が高かった。故にこういうこともイメージと練度次第で可能なわけじゃな。」

「色が黒いのはやっぱりフリージアの魔法の属性の影響か?」

「だろうね。でも、これで戦術のバリエーションは増えるね。」

「それにしても、翼が黒くとも白くともどちらも抜群にお似合いですわ//」


練習してみると翼を動かすことも飛ぶこともできました。

ただ、浮かぶのは良いですけどそこから移動するのが大変です。



練習頑張りましょう。

練習中にカルナが巨大化して常にそばにいてくれて飛び方を教えてくれたり翠ちゃんがいつでもキャッチ出来るようにスタンバイしてたりしてましたけど。

後、滅多に巨大化しないカルナをみて興奮したフォルシェンさんたちに囲まれたりと色々とにぎやかになりました。

ちなみにシャスティはサクッと巨大化してとっくにその洗礼は済ませてたりします。




で、飛ぶときの感覚を覚えるために飛ばずに背中の羽をばっさばっさと動かしてたりします。

カルナが言うには、運動する前の準備運動みたいなモノと一緒の動きらしいです。






そして、練習しているうちに分かったことがあります。

それは、私の目です。


私の目は、善悪の判断が出来るのと、魔力を目に集中するとある程度生物に宿る魔力や、何の魔法なのかの診断が出来ます。

おまけに、あの5年間が原因なのかものすごく真っ暗な場所でもはっきり見えます。

夜目が効くってカルナが言ってました。

おまけに、私は視力と聴力・・と言うより五感が結構鋭いらしくそれなりに遠くまで見えます。



これ、戦闘中に軽く浮いていればより遠くを見ることが出来ますし、全体を見渡しやすい・・だから、サポートやみんなに指示を出しやすいですね。

基本的に使わないってことにして、場合によってはそのやり方はとても良いかもしれません。




頑張って飛ぶのになれましょう。







そんなある日

「すみませ~ん。お届け物で~す」

という声がここ、流星の里の入口から響く。


ギリさんが見に行きました。

こういうときはギリさんが最初に見に行くのはこの家での当たり前です。

そして、何かあるとリードさんとクリアさんがやってきて、それでもやばかったらバレクさんがやってくるという感じの3段階になっています。



で、私はどこで何しているかと言いますと精霊樹の上の枝のとこに腰掛けてます。

空飛ぶ練習のついでに休憩中です。

普通なら、そんなとこに座っちゃいけませんって言われるんですが、私だからOK何だそうです。

駄目と言われる理由は、精霊樹に失礼って言うのと、登ったら危ないという2つの意味らしいです。

でも、大丈夫です。

常に翠ちゃんが構えてますし。



で、そこから入口はよく見えるので観察中です。


「兄ちゃんたちどうした?」

「ついこの間、換金した分・・・結構多かったろ?魔物とか指名手配のメンツとか」

「だな。いつもよりすごかったな?・・で?」

「で、いつものように換金してたらさ?どうもその中で敵討ちとして討伐して欲しいって内容の依頼が含んでたらしくて、その分も渡すことになったんだ。おまけに、普段より買ってるのが安かったのか、サービス中なのかかなり大量に手に入ったんだ。」

「あぁ、つまりはそれに入り切れなさそうだったと。」

「そういうことだ。わざわざ呼び出してスマン。買う量を減らして残りを現金で渡した方が良かったな。」

「気にしなくていいぜ?今は、お客さんてか、俺等の主が居候中だし。」

「主が居候って・・・」

「間違ってないぜ?ここにとどまる気はなさそうだし。」

「あぁ、旅ってか途中で立ち寄って長めにとどまってるってことか。」

「そういうこった。で、荷物は?」

「あぁ、これだ。」

「おぉ・・多いな。てか、まさかそんな収納魔道具を使ってくるとは。」

そんな魔道具って言うのは、馬車のことです。

ぱっと見はただの馬車ですが、その馬車の中は人は一切入れない代わりにあの空間の中は全てマジックバッグと同じ役割を果たしています。

普通のマジックバッグの何十倍以上も入る代わりに入れ物がおっきいから馬車扱いされてる状態です。

世間的には、移動式の倉庫って説明されてますし、一番わかりやすいです。



「にしても、よくこんなの持ってたな?これ、金貨30枚は軽く超えるぜ?」

「あぁ、これな?ギリさんたちのおかげでもあるんだよ。」

「は?俺等?なんで?」

「結構前から俺等ってここを行ったり来たりして荷物運びがすっごい増えてたろ?」

「そうだな。いつも助かってる」

「で、その影響なのか何なのか、俺等って指名依頼で荷物運びとか護衛として同行したりとかやっててさ。」

「んで、俺等って金の無駄遣いが性格的に出来なくて無自覚に貯金しててさ・・である日、結構な額になってたし荷物運びでマジックバッグを数個持っているよりいっそのことこの倉庫のマジックバッグを買った方が良いんじゃないかってなったんだ。」

「よく思い切れたな?」

「値段が値段だけに結構悩んださ。けどさ、あった方が絶対に良いって最終的になったんだ。おまけに、これを買ったことでモノ運び関連の依頼でより良いのが来るようになって実入りも良くなったからな。」

「兄ちゃんたちは最終的にモノ運びの方をメインにするんだな?」

「後は護衛関係だな。」

「まぁ、兄ちゃんたちが楽しければ助かるし、俺等の為ってのもあるからな・・ありがとうな。てか、もうちょっと兄ちゃんたちが受け取っても良いんだぜ?金」

「いやいやいや!あの額だけでも持て余してるからむしろ遠慮させてくれよ!」

「まぁ、何かあったら言ってくれ。ある程度は力になるぜ?」

「助かる。じゃあ・・結構な数があるし、兄ちゃん1人で大丈夫か?」

「あぁ・・・手伝いの連中連れてくるから。」

「俺等も手伝う。」

「助かる。」

ギリさんがモノを運ぶためにタイヤ付きの籠を持ってきたり、リードさんとバレクさんがマジックバッグもまとめて持ってきたりしてました。


{シャスティ、おっきくなって手伝ってあげて下さい。ハディちゃんも。翠ちゃんもお手伝いしてくれますか?私はお邪魔そうなのでここで待ってますので}

「にゃう(お任せ下さい)」

「ニャー(まかせて)」

-了解-


で、シャスティがおっきくなってから頭の上に翠ちゃんが移動して3体は行きました。

カルナもお手伝いに行ったみたいです。


お手伝いと言うより周囲の警戒を城壁の上からしてくれてるみたいですね。

念のためのようです。






「お?シャスティたちも手伝ってくれるか。助かる。」

「お?優秀な獣魔がいるんだな・・・・・・なぁ、気のせいかな?」

荷物を持ってきたお兄さんたちが微妙な表情でシャスティたちをみている。

「俺も同じ意見だ・・」

「しばらく前に似たような獣魔をみた気がする・・・」

「だよなぁ・・他人のそら似か?」

「けど、組み合わせまで全く同じって出来るか?」

「普通はムリだよなぁ・・・」


「って、兄ちゃんたちってもしかして俺等をここまで案内してくれた兄ちゃんたちか?」

「鳥が喋った・・・・・って、カルナか?」

「よぉ!」

「やっぱりそうだ。久しぶりだな。」

「てか、あのときからずっとここにいたのか?」

「まぁな。休憩中だ。後は、お墓参りって感じかな。」

「ってことは、ギリさんが言ってた主って、幼女様なのか?」

「そうだぜ?」

「マジかぁ・・」

「でも、神子様だしあってるんじゃね?」

「確かに。・・って、お墓参りって?流星姫様のか?」

「あぁ。」

「幼女様と何か縁が?」

「あぁ・・あまり他言はしないで欲しい・・無駄に注目を集めるだけだし。」

「分かった、誓おう。」

「リアにとっては、命をかけて産んでくれた命の恩人で、憧れで、目標で、何より最も大切な人なんだ。」

「・・・・・てことはまさか・・。」

「あぁ。リアはペチュニアさんの娘だよ。」

「流星姫様の娘・・そっか・・どこかでみたことがあると思ったら、流星姫様にそっくりなんだ。」

「噂で聞いたのと全くテンションが違うせいで思いつかなかったんだな。」

「それよく言われるよ。」

「そっか・・流星姫様は・・」

「あぁ、難産だったんだ。おまけに本人は体が弱かったからな。」

「そういうことか・・それで、ギリさんたちが主って言うわけだよ。」

「忠誠を誓われても正直扱いに困るし、ここでペチュニアさんの墓を守ってもらうことになってるがな。後は、ここでしばらく特訓と勉強、ついでに旅をしばらく休憩しようかってな。」

「確かにしばらくその場にとどまるのも良いかもな。」

「・・それより、あのでっかい木は何だ?すごい生命力を感じる。」

「あぁ、ちょっと特別な木なんだ。」

「へぇ。ここの花畑とすごくマッチしてるな。」



どうやら、ここまで案内をしてくれたあのお兄さんたちのようです。

とりあえず木から下りてお兄さんたちの元に行きます。

「お、幼女様久しぶり。」

やぁと左手を上げてご挨拶。

「元気そうで何よりだ。」

「相変わらずクールだねぇ。」

「ってより、義手動かせるようになったのか?」

「色々とギリたちに調べてもらって分かったことがあってな。結果的にあのイメージが難しいとか細かいとか言ってたのは準備期間限定だったらしい。」

「その準備が完了した後はそれほど難しくないってことか?」

「みたいだ。」

「なら良かったじゃん。」

「幼女様おめでとう。」

(コクリ)


そして、せっせと荷物を運んでる間、私は周囲を警戒しつつ馬車を引っ張ってきたお馬さんとじゃれ合ってました。






「終わったなぁ。」

「お疲れさん。」

「思った以上に荷物あったな・・」

「・・3割くらい買った記憶のないのがあったが。」

「え?」

「何か置き手紙っぽいのが混じってたから読んだらさ。お礼とかサービスとか書いてあったぜ?」

「どの分のだ?」

「さぁ?どこの誰かも分からん。」

「とりあえず、深くは詮索せずに困ってる人がいれば助けるようにすれば良いんじゃないか?その内その人たちのためにもなるだろ。」

「それもそうだな。」

「結構遅い時間になったな。兄ちゃんたち、ここに泊っていくか?」

「え!?良いのか!?関係者以外立ち入り禁止なんだろ?」

「まぁな。元々は墓荒らしとか、この地を荒れさせないようにしてる為だし。て言うより、フリージアをここまで案内してくれたっぽいし、俺等も結構助かったし、その礼代わりだ。」


「じゃあ、ありがたく。」

「空いたとこにテントを張って良いか?」

「こういうとこでテントで過ごすのも良いなって思ってさ。あ!もちろんあらす気はないし!むしろ明日の朝手入れの手伝いとかするぜ!?」

「構わねぇよ?そうだな・・特に気にしないんだったらペチュニア様のお墓の近くで良いか?」

「そんなとこに良いのか!?流星姫様に迷惑なんじゃ・・」

「むしろ、喜ぶと思うぜ?」

「確かに。」

「え?なんで?」

「ペチュニアさんは騒がしいって言うか、明るい雰囲気が好きだったんだよ。むしろ、墓の前で騒いでくれればその方が喜ぶ。どんな話しでも楽しいと思うし。」

「そんなので、喜ばれるならむしろこちらからも頼む。それと、お参りをさせてくれ。」

「当然だ」



それから、お兄さんたちはすごく真剣な表情でお祈りをした後、ご飯を食べ、休みました。

あ、バレクさんたちともご挨拶はサクッと済んでますよ?



ちなみに、いつもの日課となっている歌を歌ってたところ、お兄さんたちは非常に心地よさそうに目を閉じて聞いてました。

喜んでもらえて良かったです。







「やばいわぁ・・この歌・・ガチでヤバイ」

「その気持ちすっげぇ分かる。癒しの力半端ないわぁ。」

「体力がとか魔力がーとかじゃないし、純粋にただの歌だって分かってるけど、どこか元気をわけてもらえて、見えない何かが癒されていく感じがする。」

「おまけにここが花畑に囲まれてるのに加えて、この生命力溢れる木が合わさって威力が倍加してるって感じだよな。」

「分かる分かる。むしろただで聞くのが申し訳なくなる感じだよな。」

「だよなぁ。」

「・・ってより、幼女様しゃべれるようになったってことか?」

「けど、歌以外ではしゃべってないよな?」

「あぁ・・リアはまだしゃべる練習中で、あの歌は別なんだよ。」

「なるほどなぁ。それ以上追求するのはマナーに反するしな。」

「助かる」

何も言われませんでしたが、どうやらワザの一種だと分かったようです。

で、お兄さんたちは・・と言うより基本的に相手のワザや加護、能力に関しては本人のOKがない時以外は決して探ったりしたら駄目ってことになってます。

まぁ、人としての常識の範囲でのことらしいです。

【鑑定】等のような相手のワザをみて分かるような人は、無闇矢鱈と調べると罰はありませんが、周囲の人たちと仲良くなれないことが多いので、結果だけを見ると損しかしません。



そんな感じでお兄さんたちにお休みなさいと告げた後、私たちはお部屋に戻って休みました。

ちなみにお兄さんたちは星空観察や、周囲の花畑に精霊樹をのんびりと長めながら寝たらしいのでとてもリラックス出来たと満足そうでした。

次回はいつも通り日曜日に投稿致します

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