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私の左腕

お城の壁の柱の中に、隠れてた悪い人をお仕置きして企んでいたことを全て喋らせた結果、私は不思議な木で出来た義手を手に入れることが出来ました。

なので、なくした左腕復活です。


けど、使い方を覚えないといけないので今はぴくとも動かせません。

なので、動かし方と力加減などを含めて扱い方を覚えるためにしばらくお城で過ごすことになりました。




改めて私の左腕となった木を見る。

木の中でも特に白に近い色をしているみたいです。

カルナが言うには、色は白樺っていう木の色に近いらしいです。


純白というわけではなく、自然色で木の色を白に最も近づけた感じと言った方が本当に正しいくらいの色です。

太さも関節部分も指の長さも何もかもが私の右腕を鏡越しにした全く同じ形で、かつての左腕と全く同じ。

動かし方はまだ分からないけれど、木で出来ていると分かるだけで長い手袋でもつければ義手だとは気づかれない可能性がほぼ皆無というくらいです。

まぁ、結局は木なので、触られるとすぐに分かっちゃいますし、義手が見えていてもそうでなくてもどちらでも良いんですけどね。



で現在、私はなぜかメイド服を着てます。

ラウさんが言うには正統派っていうスカートがすごい長いのです。


なぜかというと、私のローブは左腕部分がないので、その部分を直すために持って行かれたからです・・メイドさんたちに。

で、その間何を着せるかでメイドさんたちがまた大興奮(カルナ曰く大暴走)した結果、こうなりました。



それはあくまでも普段着(メイドさんたちによる強い要望の結果)でって言う意味です。

何を言っているかと言いますと、訓練したりと運動するときは私サイズにわざわざ作ったらしい騎士服を着てるからです。

当然、スカートに変更されてますが、スカートを推奨したのは、騎士さんたち全員でした。(理由は笑顔でサムズアップされるだけで教えてもらえず)



と言うのも、午前中は騎士さんたちと一緒に訓練を毎日行なうことになったからです。

それで、ハディちゃんは特に騎士さんたちと特訓してるときが多いです。

主に騎士さんたちから遊び感覚で力比べをしょっちゅうしているからです。

ハディちゃんも楽しそうなので好きにさせてます。


ラウさんは、私のそばにいつつも執事さんたちに混じって執事としてのあれこれや、身の回りのお世話とかで役立ちそうなことを色々と学んでるようです。

楽しそうなので良いですけど、ムリしたら駄目ですよ?


カルナやシャスティはほどよい距離感で私のそばにいますし、翠ちゃんとラナちゃんは私の両肩にいます。

その合間になぜかシャスティは時折通りすがりのメイドさんや騎士さん、執事さんにお手をしている。

と言うより、お手を催促され、面倒くさそうにしつつも一応してあげてるという感じ・・・なぜ?

シャスティも同じく首をかしげてましたけど、その時の気分で前足だったり尻尾だったりしますけど、どっちでしてもうれしそうです。


左腕が戻ったので、ラナちゃんは左肩のところにくっつく形で落ち着きました。

これまでは、左腕があるはずの部分にいましたからね。


それでは左側が見えづらくないか?と思いますが特に支障は無いです。

慣れですよ慣れ。

それに、いざって時はみんないますし、ラナちゃんがいち早く察知してくれますから。

危険を感じるのはラナちゃんが一番ですからね。

後、ホントに動き回ったりするときは背中側に回ってくっついてますし。




で、左腕の制御の特訓を始める前にカードさんお願いします。









名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

ランク:C(二つ名=魔鏡姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


性別:♀

年齢:6

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子


属性:陰

体力:C

魔力:S+

攻撃:D-

防御:E

俊敏:D

練度:S+


攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【杖術】【射撃】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【鳴く】【騎乗】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:聖華の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、聖木せいぼくの義手

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女








攻撃と防御の部分が1段階アップしてるみたいですね。

あ、やはり装備品が増えてますね。

教えて下さいカードさん。




聖木せいぼくの義手

聖なる魔力を内包する木によって出来ており、白樺の木の色をした義手。

契約者として認められるとその者の体の一部と全く同じ形となり、契約者と完全に一体化する。

一体化することで、常にサイズは契約者の体の一部として一切違和感のないサイズに変化し続ける為、契約者が成長すればそれに併せてサイズも変更される。

魔力を纏わせることにより自身の生身による力と頑丈さの10倍は発揮することが可能。

その代わり、自身の体として扱うには努力が必要。

ちなみに、自身の生身に比べ、滑りやすいため滑り止め兼義手を隠すために、義手にのみ、白い長手袋(魔力加工による滑り止め付)が身につけられている。(生身の右腕には未装着)







王様が言ってた通り、私がおっきくなったらそれに併せてこの左腕もおっきくなるみたいです。

パワーも頑丈さも私の右腕よりもいっぱいすごいらしいです・・おまけに上手に動かせるようになるにはいっぱい頑張らないといけないらしいので・・・頑張りましょう。

じゃないと、うっかり握りつぶしたりとかしちゃいそうですしね。

見た目はすごく細いのに・・私の腕の姿形になってるので余計にすっごい力があるなんて見えないからアレですけど。



午前中は騎士さんたちと特訓して、メイドさんに攫われてお風呂できれいにされてからご飯を食べます。

それから、眼鏡をかけた冷たい雰囲気のような鋭い目つきのお姉さんのところにやってきました。

宰相さんって人らしく、王様のお手伝いをする中ですっごい偉い人らしいです。

お姉さん美人ですよ?

おっぱいはBくらいですけど。


まぁ、鋭い目つきに冷たい雰囲気は纏ったままですけど出会ってからずっと私の頭を優しくなで続けてます。

どこかうれしそうな気がするのでホントは優しい人なんだと思います。

だって、なでなでが上手ですから。





「・・失礼致しました。簡単ではありますがフリージア様、その義手の扱い方を説明致します。」

(コクリ)

と言って、何事もなく説明を始めましたが私はお姉さんのお膝の上。



・・なぜ?

まぁ、説明してくれるらしいので気にしないでいいですね。



「この義手は、フリージア様の肉体とは完全に一体化しておりますが、フリージア様の体内に宿る魔力とは完全に一体化出来ていない状態です。なので、操作するには魔力を流し完全に一体化させる必要があります。そして、これは魔力操作以外では出来ません。人の体は神経という触られたと感じるための器官によってつながり、動かしているのだそうです。そう言う部分は無意識のうちに使っているらしいですが、その部分すらも魔力操作だけで対処して頂く必要があります。」

-魔力操作だけで、ですか?-

「そういうことです。身体強化をより精密に、よりはっきりとイメージする必要があるため、魔力操作というよりは、イメージ力と集中力が必要となってきます。」

触られても触れてもその感覚はないので・・と続けるお姉さん。


なるほど。

身体強化は、普通に動かしたりする分をサポートするようにより強い力で動かすようにしている感じなんですが、これに関しては一切動かないモノを魔力操作だけで動かさないといけないんです。

しかも、その動くイメージも事細かにはっきりとする必要あり。

指1本1本を別々にはっきりと動かしながら、腕や手首、肩の部分なども全て。

おまけに、それらの動きの組み合わせなども含めるとものすごく動かすための手順だけでも多いんです。



「ですので、お教え出来ることはこの義手に身体強化をかけるように、体内の血の流れのように魔力を流し、イメージさせ動かす必要があります・・その程度しか教えることが出来ず申し訳ありません。練習相手は私でも構いませんし、メイドたちや騎士たちでも執事たちでも近くにいるモノに伝えて頂ければ喜んで協力致します。」

(コクリ)

「それと、メイドたちよりフリージア様の装備品の改良が完了したと預かっておりますのでどうぞ。」

私のお洋服はどれも左腕がないタイプだったので全部着け直してくれたみたいです。

(ぺこり)

「いえ。」

装備品だったローブ以外のお洋服も全部してくれたのでまとめて翠ちゃんが受け取ります。

にしても、どれも全く違和感がないです。

すごい上手ですね。


「では、申し訳ありませんが私は仕事があるので失礼致します。」

と、膝から私をおろして頭を再度撫でた後、お姉さんは去って行きました。



で、団長さんは私の護衛役として常に近くにいてくれることになったのでずっと一緒なのですが

「あの宰相様が・・さすがフリージアちゃんですね。」

ちなみに、団長さんは私を様付けに変更しようとしたけどなぜか騎士さんたちにあえてちゃん付けでよろしくとすごい目力と共にお願いされ、ちゃん付けで固定されてます。

王様も面白いからOKって言ってましたし。

その時の団長さんは、なんとも言えない表情でした。

王様って思った以上に楽しい人なんですね。

て思ったら、結構珍しいタイプの王様らしいです・・ラウさん曰く。

そういえば、クラリティ王国の王様ってどんな人かなって思ってラウさんに聞いてみました。

「とても優しく他人思いの方ですよ。現在は、そろそろ次の国王を決めるつもりではあるらしいですけど・・どうなることやら」

と複雑そうな表情をしてました。

どうやら、王様のお子さんたちは兄妹で、とても仲が良いらしいので兄妹げんか?みたいな状況になるのが不安らしいです。


・・なんとなくですが、ラウさんが困るようなことにはならないような気がするんですよね。

・・・・・・・・・・・・・多分



だとしても、イリスさんって何者なんでしょう?

貴族さんでも学園長さんでもないらしいですし、けど偉い人で国の騎士さんらしいラウさんの上司さんみたいな人・・・らしい・・で・・す?


・・んー


分かんないです。

まぁ、その内分かりますよね。

今のところ困ってませんし。


考えても分かるモノじゃないですのでスルーしましょう・・うんうん。




話を戻しまして


団長さんが、宰相さんを驚いた目で見てましたけど、どうやら見た目通り常に冷静でクールなお仕事が出来るって感じで、冷気を常に纏っているような感じのお姉さんだったらしいですけど、とても雰囲気が柔らかく楽しそうに、そして微笑ましそうにしてたのが、すごく珍しかったらしいです。


ふむ?

目つきは確かに鋭かったですし、冷たそうな雰囲気でしたけどすごく優しい人なんだなってすぐに分かりましたよ?

だって、メイドさんや騎士さんたちにも常に気にしてましたし、私のこともとても心配してくれてましたから。

お膝の上に乗ってた間もずっと怪我がないか、ムリはしていないか等々をすっごい凝視して確認してましたし。(それが鋭い目つきと言われてる理由なのでは?とシャスティ談)

まぁ、結果として大丈夫って判断してホッとしてましたけど。





「フリージアちゃん、とりあえず義手を動かす練習のために訓練場へ向かいましょうか?」

(コクリ)

そして、私たちは訓練場へ向かいました。








「あ、団長と幼女様。午後もこっちなんですね?」

「先ほど宰相様から説明を受けたからな。ここで訓練を行なった方がいざと言うときに対処しやすいだろう?」

「さすが団長。」

「褒め言葉は良いからまじめにやれよ?それか、任務に戻れ」

「了解でーす」

「はぁ・・まぁいい。」

で、相も変わらず騎士さんたちは私を幼女様と呼ぶ。


ちなみに、メイドさんや騎士さんたちはお嬢様呼びです。

不思議と神子様呼びはしないんですよね。

私が神子って呼ばれてる幼女なのは知ってるはずなんですけど。


まぁ、好きに呼んでもらってかまいませんよ?

不自由してないですし、色んな呼ばれ方されるのは慣れてますし、どうでもいいですし。






とりあえず、悩んでもしょうがないので特訓開始です。


魔力だけで動かすんでしたね。

元々人の体は魔力がなくても動かそうと思えば動かせますが、それを魔力でサポートすることで身体強化という扱いになるらしいです。

で、今回は人がなんとなくで動かしている腕や指の全ての動きを魔力で操作する必要があります。



動かすためにはまずは、魔力だけで肩から指先までの全てを把握しないといけませんね。


まずは、生身の方でイメージを固めるために右腕に魔力を流します。

普段身体強化をするように体内を流れる血液の流れと共に魔力を右腕に満たしていく。


しばらくその状態を続けているとなんとなく腕や手、指がどんな感じか分かった気がします。


次に、血液中から筋肉や骨、神経などの血以外の部分に魔力を浸透させていく。


・・結構この状態を保つのは大変かもしれません。

何と言いますか、集中力と言いますか、ちょっとでも気が抜けると魔力が体から外に漏れたりムラが出来たり乱れたりしてきちんとした身体強化として成り立たないです。

身体強化は、流す魔力のムラを減らしてなるべく均一になめらかに纏わせるのが一番良いんです。

きちんと出来ると1の魔力で2、強化できますが、ムラがあったりなめらかではなく乱れたように流れると1しか強化出来なかったりと使う魔力が無駄になってしまうんです。

おまけに、体から外に漏れると同じように使う魔力を無駄にしてしまうという理由です。

まぁ・・ワザと外に流すことによって別の用途で扱う場合もあるらしいですが・・威圧感を出したりとか。

一箇所だけの強化(脚だけとか拳だけとか)でも、ムラなくなめらかにしないと駄目です。

だからこそ全身の身体強化は結構難しいと言われてます。


というのは、全部ラウさんと翠ちゃん談



後、妙に体がこわばります。

妙な力の入り方をしてるらしいです。


なので、さっきから何も言わずに翠ちゃんがなんとなく私の体で力が無駄に入ってるところをつついたりして指摘してくれてます。



むむむ・・。

この状態がばっちり出来て、しっかり隅々まで把握出来てからじゃないと、左腕で試しても、ほとんど無駄になっちゃいますね。

しばらくはこの練習を続けましょう。





という感じで練習をして、魔力が尽きたり体力が尽きたりすると(体力切れが先に来ます)休憩しながら私の腕やてをじーっと見てどんな感じなのか、イメージを固めるためににらめっこです。

一応、左腕を通して魔力を循環はさせてはいるんですよ?

その方がより私の体にこの左腕が馴染むからだそうです。

今は、確かにくっついてますけどそれは肉体と一体化しただけで私の魔力とこの左腕に元々内包されていた魔力が完全に馴染んで混ざりきっている状態ではないからです。

それが馴染んだところで初めて完全なる一体化となるらしいです。


例え、団長さんやメイドさんたちに愛でられてても、騎士さんたちに高い高いされてたり撫でられたり、重り代わりに抱っこされたまま走ってても、気にせず集中です。

それを見ているその他の人たちは、すごい集中力だなと感心しつつもほっこりとして眺めてるだけです。


一応言っておきますけど、さっきからしている訓練のイメージは、団長さんからのアドバイスも含まれます。

身体強化に関しては団長さんはすごく得意らしいですし、使っている魔法もそうなので、すごーく物知りなんです。

今も、頑張って私の纏う魔力を感知しながらアドバイスをしてくれています。

すごくわかりやすいので今もこうして1人でするよりもスムーズに出来てるんですよ?




「リア、そこまでだ。そろそろ夕飯の時間だ。」

カルナがそう言いながら私の右手をつんつんと優しく突っつく。

声だけでは、私がなかなか反応出来ないのでいつものことです。

まぁ、と言っても集中している内容によって突っつくか軽くポンポンと叩く箇所も異なるのでそうじゃないところをしてもほとんど反応出来ませんけど。

強くすれば反応しますよ?

けど、軽くならなかなか反応出来ないんです。


例えば、今だと手に集中しているので手に。

見ることに集中していれば眉間などの目の近く。

足だと足

という感じで、その時に合わせてその場所をタッチしてくれないとムリです。


で、なかなか反応しない私に声をかけようとしてタッチしようとするその他諸々の人たち相手だと、その人次第では、私にタッチする前にカルナたちが制裁してるときもありますけど、その時と場合の比率と言いますかそういうのは全く分かんないですし、教えてくれないんです。


むぅ。


まぁ、良いですけどね・・どうでもいいですし。




それから、お風呂に入り(いつものようにメイドさんに攫われ)、ご飯です。

ご飯は、そこまで厳しくはないですけどちょっとずつ食事中のマナーとかを教わりながらそれにしたがって食べてる今日この頃です。

どうやら、ラウさんを経由してそういうのを教えようと言うことになった模様・・なぜかは不明です。



「フリージア殿は、そのスカーフは外さないのかね?少々今更じゃが。」

(?)

「あぁ・・何と言うか、目立ちにくくするためのもので、ペチュニアさんの知り合いからもらったんだ。」

「ほう!ペチュニア殿の知り合いとは!」

知り合い・・確かに知り合いですよね。

正しく言うと桜華さんの知り合いで、お母さんは大暴走(ラウさん談)して、その知り合い(リフさん)の里に住む子たちを助けただけで直接会ったことはないわけですから、お母さんは知らない可能性がすっごい高いですけど。

「珍しいタイプじゃな。まぁ、ムリはせずとも良いが、この城の中ではその度合いがどう変わろうとも悶える人数が多少増える程度じゃ。」

(コクリ)

まぁ、外す気は早々ないですけど。






その後は、歯磨きをしたりお話をしたりしてその日はお休みしました。



その後も、団長さんたちと特訓をする日が続きました。







「フリージアちゃん。これで陛下より伺っていた内容全ての教育は完了です。・・後は、それを継続して練習すれば自ずと出来るようになります。」

(ぺこり)

「いえ・・完璧に動かせるようになるにはあまりにも長くなりますし、皆さんはここにあまり長居はするつもりはないのでしょう?」

「えぇ、まぁ。世界は広いですから。」

あれから、20日くらい経ちました。

練習に大分慣れてきたところですが、結果はまだまだです。

今は義手がぴくっと動い・・た?くらいです。

後は、毎日コツコツと練習していくしかないらしいです・・頑張りましょう。


で、これ以上長居するのは、迷惑じゃね?というカルナの声と、世界中を見て回ることを考えると世界は私が思い描くよりもずっと広いのでさっさと行きましょうと言うことになったわけです。



一応練習内容はと言うと、右手で血の流れから筋肉や骨などの腕を作ってるあれこれ?に魔力をムラなく馴染ませたり循環させる形の身体強化(技術としては結構上位のやり方)をしながら、どこがどうなっているのかを把握してから、左手の義手で同じことをして動かしてる感じです。

まぁ、先ほども言ったようにぴくっと動いた?と思えるくらいなのでまだまだですけど、後は継続して練習すればその内動かせるようになるらしいです。



で、練習以外にも騎士さんたちと一緒に魔物狩りに行ったり、模擬戦をしたりもしました。

その他にも、礼儀作法とかもメイドさんたちや執事さんたちが教えてくれました。

まぁ、教わったと言っても素人に毛が生えた程度ですが・・というのは、カルナ談。







「もう行くのかの?」

「はい。ずいぶんと長居してしまったので。」

「特に気にすることでもないのじゃがのぉ。まぁ、無理強いはせぬがまた遊びに来てくれ。」

「はい。」

「あぁ、後これを受け取ってくれ。」

金貨10枚でした。

後、本が数冊

「これは?」

「騎士たちと色々と活躍してくれたであろう?その分の礼じゃ。後その本は、礼儀作法やその義手の特訓で役立ちそうな範囲が記載されているモノじゃ。」

「よろしいのですか?活躍と言われましても、囚人脱獄の件は既に頂きましたし、騎士たちとの特訓はこちらとしてもありがたかったですし、魔物狩りなどもその場で報酬は頂きましたが・・。」

「構わぬ。ワシが許す。それに、騎士たちだけではなくメイドや執事たちもこれまでにないくらい良いリフレッシュになったようじゃしの。その分の礼もある。」

「かしこまりました、ありがたく頂戴致します。」

「うむ。気をつけていくのじゃぞ?」

「はい。」

「フリージア殿もムリはするでないぞ?義手の特訓は片手間に続けていけばそう遠くないうちに動かせるようになる。フリージア殿は優秀じゃからの」

(コクリ)

「うむ。」


それから、王様になぜか頭をなで回された後、メイドさんたちからは1人ずつハグされ、執事さんたちからは順番に握手と頭ポフポフをされ、騎士さんたちからは1人ずつ高い高いされ、団長さんからは盛大なハグをされてからお城を出ました。


・・出発はお昼ご飯の前だったのにすっかり過ぎちゃいましたよ。




とりあえず、屋台で適当に食べ歩きをしながら腹ごしらえをしながら、屋台のおじさんたちや果物屋さんのおばさんたちに軽くご挨拶。


騎士さんたちとしょっちゅう目撃されたりお買い物に来てたので顔を覚えられました。


「そっかぁ。もう行っちまうのか。さみしくなるな。」

「あはは・・また遊びに来ますから。」

「おう!これ餞別だ!持ってってくれ。」

「こんなに・・よろしいのですか?」

「もちろんだ。そのくらいたいしたことはない。むしろ礼を言いたいくらいだ。」

「え?」

「いやぁ・・な?そんだけ無表情だっつってもかわいい嬢ちゃんがよ?もっくもくと家の果物を食ってくれるからそれが良い宣伝になってたらしくてな?・・あはは。」

「あぁ・・・なるほど。ありがたく頂きます。」

「嬢ちゃんもまた遊びにきな!」

(コクリ)

「次来る時は笑顔が見たいもんだなあっはっは!」

「あぁ・・そっちは練習中みたいなモノなので期待しないでください。」

「そっか。まぁ、元気にな」

「はい」



その後も似たようなお話しをあっちこっちで繰り返しました。


「お?行くのか?」

「えぇ。」

「さみしくなるな。ま、気をつけなよ?」

「ありがとうございます。そちらこそ」

「おうよ!じゃあな!作戦名はいつでも命大事に、だぜ!」

「逃げるのも大事なことだからなー。誰も文句は言わん。むしろ推奨する。頑張れよ」

門番さんと軽くご挨拶して国を出ました。











「なんて言うか、色々と収穫の大きいとこだったな?」

「そうですね。色々とイベント満載でしたが、そのおかげでリア様の左腕が復活なわけですし。」

「その縁を引き寄せたのもリアなんだろうなぁ。・・偶然というか運命というか。」

「運が良いですからね。リア様は」

「そうだな。それに、色々と珍しいのも見れたしな。」

「そうですねぇ・・なんとなく察してましたが、まさかベル様が国王様だったとは・・」

「確かにな・・同じく察してたが、予想以上にフレンドリーだったな・・王様ってどこもあんな感じなのか?」

「そうではないはずですよ?自分のことそっちのけで国民のために動く王様がいたり、口べただったり無口だったりと色々いますよ?」

「・・周囲のメンツがモノの見事に振り回されそうな特徴だな。」

「否定はしません。」

「はぁ・・まぁいいや。次がいよいよ。」

「えぇ、流星の里と呼ばれる場所ですね。」

「まぁ、焦ってもしょうがないしいつも通り気楽に行こうぜ?」

「そうですね。リア様」

(コクリ)

ハディちゃんに出発の合図で背中をポンポンとタッチ。

するとニャーと鳴いていざ出発です。


次は、いよいよ流星の里って呼ばれるお花畑いっぱいのところですね。

どんな出会いが待っているんでしょうか。

ドキドキとわくわくが私の中であふれ出してきます。


でも、焦ったら駄目です。

1つ1つを確実に丁寧に・・ですね。


たしか、お船で出会った占いのおばあちゃんが言ってたところだと思われる場所です。


どんなところか楽しみですね。

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