染め物の国-ヴェルヴン-
クマ殲滅作戦が無事に終了した翌日。
昨日まで続いていたハードな戦いの連続(クマさんもどきは強いんです)で、疲れが残っているとは言え、大元と言いますか本陣である上位種は倒したのであれ以上クマもどきが大量発生する心配はないだろうと翠ちゃんも言ってたのでとりあえず一安心。
まぁ、疲れは残っていても精神的なモノはすっきりしてる感じです。
で、ハディちゃんの背中に乗ったときにいつも以上に安定してる気がして首をかしげていると
-リア、ギルドカードをチェックしてみたら?いっぱい頑張ったんだから何か変化があったのかもよ?-
と、翠ちゃんが言うのでカードさんお願いします。
名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)
ランク:C(二つ名=魔鏡姫)
パーティ:ハリーファ(リーダー)
性別:♀
年齢:6
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子
属性:陰
体力:C
魔力:S+
攻撃:E+
防御:E-
俊敏:D
練度:S+
攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【杖術】【射撃】
補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】
自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】
自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【鳴く】【騎乗】
覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】
衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ
装備品:聖華の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
【??】ウールスフィア:ラナ
【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ
加護
母の溺愛、流星姫の過保護
元英雄賢者/現神様のお気に入り、桜華の子孫
下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女
体力と攻撃がどちらも1段階上がってるようですね。
後、自動技の項目が1と2で分かれてるみたいです。
何か分ける基準があるのでしょうか?
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自動技1:主に知識面などのような頭を使うもの
自動技2:目や耳などのように体を使ったもの
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なるほど
後、新しい技を覚えているみたいですね。
【騎乗】
あらゆる生物に乗っかる際、安定しやすくなり、乗っかる対象との絆が強ければ強い分安定し、振り落とされる可能性がぐっと下がる。
その状態で移動している最中、向かい風などの影響を一切受けなくなる。
ほうほう。
つまりは、仲良しさんの背中や肩に乗ると仲良しな分だけフラフラよろよろしなくなるってことですね。
今回の分で言うと、翠ちゃんに支えてもらわなくてもハディちゃんやシャスティ、カルナに乗っかるとすごく安定して背中に乗っていることが出来ると。
すごいですね。
しかも、すっごい速く移動してても向かい風などで吹き飛ばされたり息苦しいようなことがないわけですね。
すごいです。
これなら、カルナの背中に乗ってても安心出来ますね。
そんな感じで確認が終わり、私たちは移動する。
けれど、クマの残党があちこちにいるため、移動中1グループ平均30体を倒しながら先に進みます。
あの戦いの時に余所に行ってたグループが戻ってきているところで私たちが遭遇してるようです。
と言うより、親玉(上位種)が倒されたことを察して集まっているようです。
気づくまでに1晩以上掛かるのは魔物の種類によって時間差があるらしいです。
ざっくり言うと、そういうのに敏感だったり、鈍感さんだったりと言うことです。
その後の移動は、昨日より前と比べてある程度は余裕がありました。
なにせ、遭遇率9割クマさん他の種類の魔物は夜の番以外はなしだったところが、クマさん4割、他の魔物チラホラ程度になってますから。
クマ退治に強制的になれてしまったとは言え、軽くうんざりという感じで倒してます。
はぁ・・クマさんがいっぱい・・うれしくないクマさんです。
だって、仲良くなれませんし、私たちを食欲的な方向で食べる気満々なんですもの。
まぁ、ごはん的な意味とは違う方って言われても何のことか分かりませんけど。(ラウさんとカルナが必死な顔で知らない方が良いって毎回言う)
そんなこんなでクマさん退治をしながら進んでいくと日を跨ぐごとにクマさんが出てくる割合が減っていき、出てこなくなったのはそれから10日は経たないくらいの頃でした。
「はぁ・・・やっと国っぽいのが見えてきた・・」
「そうですね・・クマ続きでしたからね・・」
全員がため息を吐く。
「あの国はどんなとこなんだ?」
「ヴェルヴンですね。主に染め物が有名なんですよ。」
「へぇ。」
色んな布を色んな色に染めてお洋服やタオルなど、色んなのを作るモノが染め物と言うらしく、染めたときの柄はその時によって変わったり、ワザと柄を入れるように弄ったりするらしいです。
「と言っても、染め物と言うよりも着色が有名と言うべきでしょうか?」
どうやら、布以外にも食べ物や、絵、色んなのの色を染めると言うことが有名みたいです。
着色する為のが食べても大丈夫なのとそうじゃないのと色々あるみたいですね。
それと、国と該当されるだけあって広いですから、その分色んなのが集まるらしいので、それ以外も色々と集まるようです。
と、ラウさんが町の説明をしてくれてます。
今は、門番さんの順番待ちで並んでる最中です。
息切れはないものの、私を含む全員が疲れた表情をしております。
なので、私はもちろんラウさんも珍しくハディちゃんの背中に寄りかかってます。
人前や、町中ではハディちゃんの隣にきっちりと立っているから結構珍しい光景です。
まぁ・・そうもなりますよね。
他の魔物はさておき、クマさん襲撃が結構あったし、まともな休憩も夜に寝てるときだけだったし、クマさん襲撃が落ち着いてきたのと同時に夜に襲ってくる魔物が増えていったから余計に疲れてる有様です。
どうして、クマさん襲撃が落ち着くと夜の襲撃が多くなるかというと、これまでクマさんが増えていた影響で他の魔物が少なかった分、そのクマさんがいなくなったのと同時にその余波で普段以上に他の種類の魔物が増えてたんです。
翠ちゃん曰く、一時的なモノらしいですよ?
1種の魔物が急激に増えて減った後はその余波でその他の魔物の数に変動があるのはスタンピート後ではよくあるらしいです。
それは、植物も同じらしいです。
「次の方~・・・って、大丈夫か?幼女含めて全員」
門番さんが次の番である私たちに呼びかけてくれましたがそれと同時に心配そうな顔を向ける。
ちなみに、並んでいる最中近くにいた人たちがほぼ全員同じ台詞を私たちに投げかけてました。
・・ついでに、飴玉もらいました。
「あぁ・・大丈夫です・・ただ、ここに来るまでの間に魔物の襲撃が思った以上に多かったのとクマもどきが・・」
「あぁ・・ご愁傷様。最近は落ち着いたがちょっと前までクマもどきがあちこちで目撃されてたからな。」
近くでその話が聞こえていた同じく並んでいる人たちもうわぁ・・という顔になって同情中。
ちなみに、クマさんのアイテム類はここのギルドで換金してもらう予定ですが、変異種や上位種のクマもどきに関しては全て翠ちゃんのご飯になってます。
クマもどきが多いのは言い訳出来ますが、変異種はともかく上位種だと確実に色々と言われる可能性があるからだそうです。
つまりは、単独パーティでスタンピートのボスになるような魔物を倒したのか!?という感じで。
ラウさんとカルナがそういうドタバタに巻き込まれないようにするのと、翠ちゃんが強化されるのは悪いことじゃないしむしろ良いことだからその方が良いって話をしたからです。
とはいえ、1パーティでクマもどきを倒せるのは結構すごいことらしく、私たちを感心するように眺めてます。
まぁ・・普通なら青年と幼女が!?となるらしいけど、ハディちゃんやその他の獣魔たちがいるからそれで納得してるみたいです。
見た目で言うとハディちゃんはすごい強そうですからね。
実際強いですけど。
で、他メンバーは一見普通の動物に見えるけど、分かる人には結構強いんだって分かるんです。
なんか、強者独特の匂い?とか、雰囲気とか立ち振る舞い?とかがあるらしいですけど・・よくわかんないです。
「とりあえず、ギルドカードを」
「どうぞ」
「・・・確かに。そっちの幼女・・お嬢ちゃんもありがとうなぁ。」
どこかうれしそうに門番さんがカードを見せた私の頭を撫でてる。
子供好きなのかな?
なでなでも結構上手です。
「確認しましたどうぞ。ギルドへ行くなら向こうにまっすぐ行けばでかい建物があるからすぐに分かるぞ。」
「ありがとうございます。ご苦労様です」
「そっちもしっかり休めよ-。全員顔が疲れ切ってるぞ。」
「もちろんですとも・・どうも」
そう言って私たちは門番さんに言われた方向へ進み、ギルドへ向かいました。
「・・そんなに俺たち・・疲れた顔してるのでしょうか?」
「あぁ・・うん。疲れた顔してるな。実際顔に出さないようにしようとはしてるが、それでも分かるぞ?」
「にゃう(同じく)」
「そうですか・・。否定はしませんが・・と、アレですね。」
「確かに目立つほどデカいな。」
3階建てくらいのすっごいおっきな建物がありました。
お屋敷とか洋館とか言われる規模ですね。
まぁ、すごくシンプルに作られてる分、実際のお屋敷よりも内装は広いみたいですけど。
中に入ると受付のカウンターは複数ありました。
どうやら、買い取り、依頼の受領、依頼の完了、パーティの申請や新規登録を含むその他という感じで分かれているみたいです。
「そうなると、依頼の完了のところでカードの更新をしてもらえば良いでしょうか。」
「そうだな。違ったら違ったで聞けば良いだろうしな。」
「そうですね。」
並んでいるのは数人だったのでそんなに待たずに私たちの順番になりました。
「いらっしゃいませ。」
「カードの更新はここで?」
「えぇ、大丈夫ですよ。お預かり致します。」
私とラウさんのカードを渡す。
一瞬だけ私を見て目を見開いてたけどすぐに戻りました。
・・お顔は赤くてどこか幸せそうですけど。
「お二人ともずいぶんと討伐関連の依頼が完了しているようですよ?たくさん倒したみたいですね。」
常時展開されてる~の魔物を何体倒せーという依頼でクリアしてるのがあるみたいです。
「そうでしたか・・クマもどきがやけに何度も襲って来たのでそれ以外には記憶がないのですが・・。」
「うわぁ・・あれが連続ですか・・お疲れ様です・・どうりで、そんなに疲れた顔をしているわけですね・・。」
「あはは・・」
「では、それ関連の依頼完了分がこちらです。」
銀貨85枚でした。
「確かに。」
「後・・奥の部屋によろしいですか?」
「・・事情をお伺いしても?」
ラウさんが目をすっと細める。
「討伐完了の分でここで言うのは少々アレなのが・・」
「・・分かりました。」
私たちは奥の部屋に行きました。
「わざわざ申し訳ありません。あの場で言うのはちょっとアレなのが多かったので。」
「いえ。」
「あ、申し遅れました。私、ここのギルドマスター:アルナと申します。」
このお姉さんはまさかのギルマスさんでした。
ちょいちょい受付嬢に混じってお仕事してるらしいです。
金の髪を背中の中央辺りまでまっすぐ伸ばしているおっぱいDさんです。
お耳がとんがってちょっと長いです。
カルナが言うにはエルフっていう種族らしいです。
エルフ
森の民とも言われ、妖精族の血が混じった種族で、人族と異なり寿命が大変長く見た目が若い状態が長く続く。
エルフさんたちは美人が多いらしいですけど、ホントですね。
後、20歳くらいに見えますけど、実際は百何歳とかなっててもエルフさんだと普通らしいです。
不思議です。
・・で、
「早速ですが本題に入らせて頂きますね。」
・・話を続けるのは構いませんけど、どうして私はアルナさんのお膝の上に座って抱きしめられながら撫で回されてるのでしょうか?
まぁ、おっぱいを堪能してるから構いませんけど。
それと・・おっぱいおっきいんですから、ブラをつけましょうよ・・まさかのノーブラですよ。
まぁ、お洋服の上からぽっちは見えないようになってますけど、シャツ1枚なのにぽっちが見えないのはちょっと不思議。
・・普通のシャツなのに。
でも、ぽよんぽよんで素晴らしいので構いませんね。
で、こっそりとアルナさんから見えないように魔法で何かしてるんですって教えてくれました。
ほう。
魔法すごいですね。
パフパフぽよぽよ。
「ギルドマスター権限で確認致しましたが、このメンバーだけでクマもどきのスタンピートを壊滅させたのですね?上位種や変異種、通常種とかなりの数のクマもどきの討伐履歴がありました。それ以外に関しても、ニーズヘッグヴァンパイアがいたり、アクアゲル、指名手配犯のグループの壊滅など・・かなりすごいですね。」
「このことに関しては・・」
「もちろん公開するつもりはありません。それで、そのクマもどきの討伐依頼を出すか、大量発生していた原因調査の依頼を出す予定でした・・ありがとうございます。未然に防ぐことが出来たのもあなた方のおかげです。」
「いえ。成り行きですから。」
ホントその通りなんですよね。
「ですが・・・いえ、そうですね。」
あまり追求すると逆に迷惑になるからと引いてくれたらしいです。
「そして、換金分を表ですると非常に騒ぎになりそうですのでここで受け渡しを致しますね。」
マジックバッグに換金する分を渡す。
「なるほど・・大量ですね。上位種の分はないようですが・・あぁ、武器や防具にするんですね。」
実際は翠ちゃんのご飯になったけど、説明が面倒なのでスルーです。
「では、この分はスタンピートの件を含めて金貨10枚、銀貨79枚です。」
うわぁお・・すごくいっぱい。
「・・ありがとうございます。」
見た瞬間にどれがいくらかアルナさんは分かるらしいです。
・・それで、渡した直後にお金も渡せたんですね。
基本的にはそういうのを調べる魔道具があるらしくそれを使うらしいんですけどね。
マジックバッグに入ってる中身を調べてどれがいくらでーと言うのを調べられるらしいです。
使い方次第では犯罪に使われるからギルドだけにしかない貴重品らしいです。
ちなみに、アルナさんは非常にまじめに素晴らしい対応をしてくれましたが、その間ずっと蕩けた表情で私を膝にのせて愛でてました。
そんな光景をラウさんは微笑ましそうに、カルナはアルナさんに呆れた表情で眺めてました。
「あ、それとラウさんはランクがBに昇格です。フリージアさんはもう少しでランクアップしますよ。」
「わかりました。」
クマさん退治は思った以上にすごかったみたいです。
「そういえば、1つ質問しても?」
「何でしょうか?」
「流星の里と呼ばれる場所がどこにあるか分かりますか?」
「あぁ。あの草花が生い茂る場所ですね。それでしたら道なりにまっすぐ進めば20日もしないうちに着きますよ。」
「なるほど。ありがとうございます」
「いえ。・・はぁ//かわいい」
すごく幸せそうに私を抱きしめてます。
その後30分ほどしてから私たちはギルドから出ました。
その間、アルナさんにずっと愛でられてました。
それから、教会でお祈りをしてから私たちは宿を探します。
シスターのお姉さんが私を大変幸せそうに愛でながらおすすめの宿を教えてくれたのでそこに行きます。
とてもきれいなところで2階建てでも横に長いところでした。
お値段も結構無難でしたしお風呂も部屋ごとについてました。
とりあえず3泊することになりました。
「はぁ・・・ようやく一息つけますね。」
「確かにな・・はぁ。」
お部屋の中は木造のとてもシンプルなお部屋です。
私たち全員がそこそこのんびり出来るくらいの広さです。
ちなみに、この部屋に来るまでの間、買い食いもしましたけど、お宿の人含めて関わった人全員から疲れた顔してるけど大丈夫?と聞かれました。
それと同時に、おまけもしてくれたという状況でした。
今現在は、お昼と夕方のちょうど真ん中くらいの時間です。
「観光したいのは山々ですが、今日はもう休みましょう・・・。」
「そうだな。」
私たちは、こんな時間ですが全員疲れ果ててるので早速お休みなさい。
目を覚ますとお外はすごく明るかったです。
窓から太陽を覗くとお空のてっぺんにあります。
・・・お昼くらいですね。
-リア、おそよう。-
おはようにしては遅いからおそようらしいです。
{おそよう?です?・・今いつですか?}
寝たのはお昼過ぎでしたから少なくとも1晩は越してますよね?
-ちょうど1晩明けた昼頃だよ。-
{起きてるのは私たちくらいですか?}
-獣魔メンバーは私含めて回復が普通の人間より早いし、体力の桁違いだから今は仮眠してるような感じ。熟睡は1晩あったからそれだけで全快してるよ。・・ラウがまだ爆睡してるけどね。-
すごく頑張ってくれましたからねラウさんは。
{宿の方にご飯をもらいに行きましょう。}
-そうだね-
「にゃう?(ご一緒しましょうか?)」
{大丈夫ですよ。私と翠ちゃん、ラナちゃんで行きますから。休んでいて下さい。}
「にゃう(何かあったら呼んで下さい)」
(コクリ)
そして私たちは、そっとお部屋から出ました。(部屋を出る前に身仕度をシャスティと翠ちゃんによって強制的に整えさせられました)
とりあえず、受付のところに行けば誰かいるのでは?とのことで、そこに行きます。
「おや、お嬢様。ゆっくりと休めましたか?」
受付をしてくれた若いお兄さんです。
(コクリ)
「それはよかった。ずいぶん疲れてたようですので。それで、いかがなさいましたか?」
私のお腹がくーと鳴る。
翠ちゃんが話すまでもなく伝わりました。(どことなく私の表情も空腹を訴えていたらしい)
「あぁ、わかりました。部屋にお持ち致しますね。一応全員分お持ち致しますので、部屋でお待ち下さい。残しても構わないので多めに持っていきますね」
微笑ましそうに私を眺めながらそう言ってくれました。
(コクリ)
軽く頭を下げてお礼を言った後、私たちはお部屋に戻りました。
部屋に戻り20分ほど経過した頃にご飯はやってきました。
その頃には、ギリギリラウさんも起きました。
と言うより、空腹で目が覚めた感じのようです。
やってきたご飯はホントにたくさんありました。
ざっと1人で2人分くらいは軽くアリ、シャスティやカルナたちの分もなぜか大人の男の人の1人分の量でした。
ホントに多めに持ってきてくれたんですねあのお兄さん。
「ふわぁあ。よく寝た。まさか、空腹で目が覚めるとは・・何年ぶりだろうか。・・俺が一番寝坊してたみたいですね・・申し訳ありません。」
「ラウは特に疲れてたんだから仕方がないさ。俺等は元々普通の人間よりも回復が早いんだ。とりあえず食おうぜ」
「そうですね。」
それから、しっかりと食べてお腹いっぱいになった後、お風呂で汗を流した後、お勉強を軽く済ませ、ストレッチをしてから私たちは、町へお出かけしました。
町の中を買い食いしながら見て回ります。
染め物の国と言われてるだけあってお洋服関係から、布を使った関連が特に多いですね。
模様も色も何もかもが違って面白いです。
そこで、私たちはハンカチ、タオル、膝掛けをいくつか購入し、ラウさんはそれとは別にスカーフを何枚かとラウさんの身長くらいある長さと1メートルほどはある幅のおっきなロールを数本ずつ数種類購入してました。
それらは、クラリティ王国のイリスさんという人に配達してもらうらしいです。
イリスさんという人とそのご家族のためらしいです。
それなりのお値段がしましたけど、クマもどきのおかげでいっぱいなので心配無用です。
「ラウ、やけに大量にロールごと買ってたが、イリスさんって人のとこに服でも作れるのがいるのか?」
「えぇ、メイドが数人ほど。スカーフは色も男女どちらが使ってもおかしくないモノを購入しましたが、服となるとまた変わってきますし、直接合わせないと難しいところもあるでしょう?なので、彼女たちにイリス様に似合うモノを作ってもらった方が早いかと思いまして。」
「作れるのがいるならその方が良いかもな。」
ちなみに、私もスカーフを2本別で購入して、【奉納】を使ってお母さんと桜華さんのところに届けてたりします。
デザインは、さわやかなタイプとほんわかと柔らかなタイプです。
いつものようにお母さんと桜華さんが喜ぶ声と感謝を告げる言葉が私に届きました。
あまり言ってませんけど、実はちょいちょい色んなのを【奉納】を使って送ってたりするんですよ?
文字の練習でお礼の言葉を書いたお手紙とか、先ほどのようにきれいだなって思ったのとか色々。
カルナもマメだなってどこか楽しそうに笑ってましたけど。
ちなみに、食べ物関係はどうしようかと悩んでたのですが、ちょいちょい色んなのを【奉納】で転送させてるときに、食べ物関係は私が食べなさいって言ってたので、いらないらしいです。
・・そうですね。
じゃないと結構な数を私は送りそうですし。
それと、昨日が昨日だったこともあり、通りすがりに結構な人数の人たちに
ゆっくり休めたか?
とかそれに類似したことを言われました。
相当昨日の私たちは疲れた顔をしてたようです。
その後は、軽く遠回りしながらお宿に帰りました。
で、今日は起きた時間が時間だったので、早めに帰ってご飯もお腹いっぱい食べた後、夕方を過ぎてお空が真っ暗になりかけることに休みました。
翌日
みんないつもの起床時間に起きました。
これですっきり全快ですね。
「今日は、町中で受けられそうな依頼をいくつか受けましょうか。内容次第ではこれも面白いかもしれませんし。」
「それは言えるかもな。普通の観光では行かないようなとこにもいけるだろうし、良い勉強にもなる。」
朝ご飯を食べながらそんな話しをしています。
今日は依頼を受けるみたいです。
どんな依頼なんでしょうね?
町に寄ったときに受けてはいましたけど、長居するときしか受けないので回数としては少ないです。
一番多いのは、町にやってきた直後に完了になってた常時展開されてるタイプの討伐関係ですね。
そっちで、主に稼いで依頼も数をこなせてる節がありますからね私たちの場合は。
ギルドにやってきました。
お宿の人たちがお弁当をくれたのでお昼が楽しみです。
いつも依頼を受けるときはギルドの人にお勧めを聞きますけど、今日はどうせだからと言うことで自分たちで選ぶことにしました。
掲示板?というおっきな壁にたくさんの紙が貼り付けてあり、その中から選びます。
一応ランクごとに分かれてるらしいです。
そこから、討伐系、採取系、その他(町中と外)という感じに大雑把に分かれてるみたいなので見方が分かれば結構探しやすいみたいです。
あ、常時展開型の分は別で貼られてます。
こっちは、受けるというよりはどれだといくらと書かれているだけです。
それを見てどの魔物の退治をするか決めたりする場合も少なくはないらしいですし。
で、私は幼女なので壁が高くて見えません。
なので、ハディちゃんの尻尾の上に乗っかって尻尾を持ち上げてもらい眺めてます。
バランス感覚はそれなりにあるので大丈夫です。
それに、翠ちゃんもシャスティもカルナもラウさんもみんないつこけても大丈夫なように構えてはいるっぽいですし。
今回は、町の中で受けるモノです。
ランクは私のランクであるCより下です。
一応同じパーティ内で一番高いランクの人がいればその人のランクの分も受けることは出来るらしいですが、今回はその必要は無く、ただ何かあればなーくらいの感じなので実はランクは低いのになります。
町中でする依頼はだいたいそうなります。
高いランクになると、魔物の一部の部位を持ってきてとか、護衛関係とか、魔道具の修理や城壁の点検に補修などなど色んなのがあります。
時々遺跡の調査とか、どこかのお偉いさんを鍛えて下さい(知識か実力かはその時次第)とかもあるらしいです。
後すっごい時々ですけど、求人情報もあります。
例えば、鍜冶士募集中とか、シスターさん募集とか、先生になりませんか?とかメイドさんの執事さん等々。
冒険者から職を変える人や兼任する場合はあるみたいです。
それにしても色々ありますね。
主にお掃除や、点検関係ですね。
時折、1日限定許嫁になってくださいとか、魔法研究のためにあなたの魔法を見せて下さい、報酬は結果次第
とかありました。
これはこれで面白そうですね。
「リア様、何かありましたか?」
(フルフル)
面白いのはありましたけど、興味があるかと言われたらないです。
「ならこれならどうだ?」
「あ、面白そうですね。リア様、いかがですか?」
(コクリ)
カルナが1枚のある依頼を持ってきた。
それを見てラウさんも私も同意して、その依頼を受けることにしました。
ランク:C以上
内容:騎士団との訓練を共にして欲しい
報酬:銀貨5枚(結果次第で増減の可能性アリ)
備考:対応前に確認事項あり(結果次第では不参加の可能性アリ)
次回はいつも通り日曜日投稿です。