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熊熊熊熊・・・・クマ?

--フリージア--

ある日ー森のー中ー熊さーんにー出会ったぁぁー♪



そんな歌が頭の中を通り過ぎていく。

どこで聞いた歌なのか知りませんし、なんで知ってるかも分かりませんけど。



春の大陸をてくてくと進んでいる私たちです。

どうしてその歌がよぎったのかと?


それは、今そんな状態だからですよ?


ただ、森の中ではなく草原で、

ただの動物の熊さんではなく全身を硬そうな鱗に覆われて頭には長くて硬そうで鋭そうな角が生えてて、爪はすっごい伸びてて鋭そうで、牙もむき出しになってたりするギリギリ熊さん(にかろうじて見える)に遭遇してます。


50頭くらい。

おまけに、お友達になりたいなという感じではなく、食欲的な方面でおいしそうですね?という感じで目は血走ってて、お口からはよだれが流れてる状態です。



どう考えて、どう見ても仲良くなれませんし、萌え萌えなことにもいやーんなことにもなりません。

多分むしゃむしゃとおいしく頂かれる感じです。

・・当然食べられたら死にます・・・私たちが。




何かしていたわけでも、寄り道をしていたわけでもないんですよ?

ホント偶然遭遇したんです。


どこからかドドドドドドー!!!って、響くなーと思ってそっちを見るとその例の熊さんが正面と左右からやってきました。







アーマーグリズリー

全身をドラゴンのような硬い鱗に覆われ、頭部には鋭い角が生え、爪は鋭く、牙もサーベルタイガーのごとく伸びている平均全長5メートルの熊

大変どう猛で、そこらの馬よりも素速いのに加え、パワーも鉄は軽くひねるほどはある。

怒らせると、どう猛さが倍加するので注意しましょう。

獲得部位:角、爪、牙、鱗、毛皮







翠ちゃんが言うには、そこそこ珍しい生物らしいです。

あまり出会わないらしいですが、稀にこうやって襲ってくるらしい。

ラウさんが言うには、Aランク冒険者の人たちが1体を数人で倒すレベルらしいです。

ようするにすごく強いクマさんらしいです。

けど、世間的にはクマの姿をしたナニカとかクマもどきとか呼ばれてるみたいです。



まぁ、そうですよね。

クマさんが鎧着て角生えて、牙も爪もすごいことになってるんですもの。

パワーとか素早さに関してはクマさんは元々速いらしいのでそれが動物と魔物の違いくらいでは強化されてるくらいだから予想の範疇らしいです(ラウさん談)。


そんなのに何で50頭もいっぱいいて、私たちは囲まれてるんでしょうか?

おまけに、どう見てもブチ切れている状態です。


何もしてないのに何で、怒ってるのでしょうか?

私たちは何もしてませんよ?




で、なんで私たちは襲われてないかというと、私がとっさに結界を張って防御中だからです。

と言うより、とっさに対処する前にあまりに数が多いのでシャスティたちが頑張ってもカバーしきれなかったからです。

だって、全方位からがっつり突進してきてるんですから。



今もガンガンとすっごい攻撃してきてます。

時折結界をウニにして串刺しにしてますが、身体強化の類いの技を持っているのか浅い傷を与える程度でそれ以上は距離をとられ致命傷を与えきれません。






「リア様!サポートお願いします!シャスティさんいきますよ!」

「グルルル!!(当然です!!カルナ!)」

「あいよ!サポートするぜ!翠!ハディ!頼むぞ!」

-りょーかい-

「グァウ!(了解)」




ラウさんとシャスティが左右に分かれて突撃し、死角からそいつらを攻撃する。

カルナがシャスティの動きに合わせて毒を爪からつけようとするが、皮膚が硬く毒状態に出来ないようだ。

そのため、シャスティが怪我を負わせ、そこを狙って毒を仕込むようです。


ラウさんが突撃するのに合わせ、私が【射撃】で鋭くした影を飛ばして注意を引きつけつつ攻撃する。

ある程度は効いてるけど致命傷は避けられてしまう。

それでもラウさんは死角から攻撃を行なう。


私に向かって他の熊たちが襲ってくるが、翠ちゃんがハディちゃんの尻尾に薄らとまとわりつき、ハディちゃんが熊たちの攻撃を受け止め、尻尾でカウンターを食らわせる。

ぶつかったのに合わせて翠ちゃんが【溶解】して当たった部分をとかすが、勘が良いのかジュッと軽く溶けかけた時点で距離をとられる。



数が多いので、むやみに突っ込むことも追撃も出来ずにいるので最も私たちと距離が近い熊を狙っている状態。




それでも、怪我は負わせることが出来ているし、ラウさんの隠密行動は熊たちも見失いかけていることも多々ある。

そんな隙を見てラウさんが斬首。

どうやら、自身の剣に風を纏わせてより切れやすくしてるみたいです。


私は、防御しながら熊たち全員の動きを把握しながら【射撃】する影の鋭さ、硬さを計算しながら対応する。

どのタイミングでどのくらいの威力でどのくらいの速さでどの熊に当てれば最も効率が良いか。

私の考える関係の力と見て聞くことの方面の力をフルに活用して自身の動きを最適化させていく。


そして徐々に、熊たちの動き方などを把握し、それに併せて関節や目などの急所を狙っていく。


このタイミングで狙うとこう避けるからそれに併せて到達時間と到達場所を計算して、それにあわせて攻撃し、きれいに的中させ、当たった隙を見てラウさんが斬首。

もしくは、ワザと避ける方向を誘導するように攻撃し、それを避けた位置からザクッと攻撃。

だんだんカバーする範囲を広げ、シャスティたちの方も合わせて対応する。


自身を守る結界も攻撃するタイミングに合わせてその場所に避けきれいな居場所を狙って一部の結界を鋭くさせて貫く。

かなり魔力を使うけど、今は惜しみなく使う。

切れたときはその時だ。

魔力を回復させる薬は持っているからそれを使えば良い。

使うと体力が奪われるから出来るだけ使うなって言われてるけどね。



それを繰り返していくうちに、シャスティたちも慣れてきたらしくラウさんとシャスティの連携で更に多く削っていく。

ハディちゃんもシャスティと連携をとり、はじき飛ばしながらそこでシャスティが待ち構えて攻撃。

翠ちゃんは、地面に潜り、地中の土を食べて地面を陥没させそこに落ちた熊にまとわりつき、爪や牙などの武器の類いを先に溶かし、倒していく。


カルナも私がそうやって傷つける数を増やしたため、毒を次々に死角から襲いつけていき、毒殺する。











「これで!!最後!!」

最後の1体をラウさんが倒した。


そして翠ちゃんがせっせと全てのアイテム類を回収する。




-リア-、全部で67頭だったよ?-

50頭ではなく、もっといたんですね。

{ありがとうございます、翠ちゃん}

-リアも魔力少なくてキツいんでしょ?休みなよ。-

(コクリ)

「はぁ・・お疲れさん。」

「お疲れ様です・・さすがにキツいですね。」

「にゃう(リア様、助かりました)」

「ニャー(さすがリア様。サポートが的確)」

「ホントにリア様・・助かりました。あのサポートはすごかったですね。」

{その分魔力が少なくて頭がクラクラしてて、少々だけ疲れましたけどね・・ありがとうございます}

「だとしてもリア、すごかったぞ?まさしく、俺たちのリーダーだ。・・・だとしても疲れた・・・今日は近くで休もう。」

「賛成です・・。リア様もですが、アレ相手はなかなか骨が折れますね・・。」

ホントにお疲れ様でした・・という感じです。

頑張ったので、魔力は結構ギリギリですし、知恵熱の一歩手前の状態で頭がクラクラします。





「にしても何であんなに大量に襲って来たんだ?偶然と言えば偶然かもしれんが。」

「確かにそうですよね・・。」

「翠、あの魔物は確かに好戦的だが、あんなにまとまって襲ってくるモノなのか?」

-なくはないけど、基本的に平均グループは10頭前後だよ?-

「軽く6倍はいましたよね・・。」

「これは、警戒しておいた方が良いな。」

「そうですね・・カルナさんは原因は何だと考えますか?」

「翠がいう頭数からすると巣がやられたって訳でもないだろうし、住処にしてた場所がまとめてやられたんなら他の魔物も来るだろうし、あいつらを興奮させる何かがあったんだろうな・・わからん。」

「そうですよね・・確かに好戦的なのですが、それは彼らのテリトリーに入った場合なんですよ。後は、視界に収まってなんとなく気にくわなかった場合とかですね。」

「少なくとも俺等が視認出来る範囲にはいなかったよな?」

「そうですね。それほど離れていれば気にくわなかったからといって襲ってくることはないと思います。テリトリーから大きく離れるわけですし。」

「にゃう?(翠は何か分かりますか?)」

-ありきたりだと、上位種が出たとか?-

「上位種・・ですか?」

「翠・・どういうことだ?」

-カルナとシャスティは経験あるでしょ?スタンピート-

「あぁ。カタクリの町であったエンシェントゴーレムのだろ?」

-アレは、エンシェントゴーレムっていう上位種が産まれたからその影響で魔物が集まり、スタンピートが起きたんだ。元々魔物って強者にはその下位の種か、そいつに類似した種類の魔物、種族によっては種族関係なく片っ端から・・って色々あるんだよ?-

「じゃあ、翠はあのクマどもの上位種が産まれたからあんな感じで興奮した状態であったのと同時に、大量に集まっていると思ってるのか?」

-私が知ってる限りは、その辺りが一番可能性が高いかな-。-

「スタンピートについては軽く調べたことがありますが、確かにリーダーとなる上位種とそれに近い種類が大量に存在していましたね。それ以外と言われてもわかりませんし、可能性はありますね。」

「とはいえ、そいつをたたきに行くつもりもないし、確信も今のところない。とりあえずは様子見だな。周囲の警戒は普段以上に気合入れないとな。」




そして、その日の夜はラウさんやハディちゃんとかが1人でどうにか出来る程度しか襲ってこなかったらしく異常はなかったようです。

だって、私は夜の番はしなくて良いから寝てろって言われてる感じですし。


カルナが言うには寝る子は育つらしいですよ?

そんなに変わるモノなのかよく分かりませんが言われた通りにします。








翌日

朝ご飯も食べて準備も済ませてさて進みましょうーと言うところで再びクマさんもどきはやってきました。


2回目の参戦のため多少コツを掴んでいたこともありましたし、数も30頭と1回目より少なかったのである程度余裕を持って倒せました。





「はぁ・・ったく。どんだけ出てくんだよクマもどき・・。」

「そうですね・・数をこなしたおかげである程度慣れてきたところが我ながらおかしな感じですが。」

途中途中で変異種も混じってきました。

爪とか牙とかが多少短い分鱗?鎧?部分が頑丈なのとか、逆に鎧?部分がとげとげになっていて攻撃特化!ってなってるのとか鎧?も薄く、爪や牙が短い代わりに動きが速かったりとかとにかく色々いました。

ちなみにそれぞれ、ディフェンスグリズリー、ストライクグリズリ-、スピーダーグリズリーという名前らしいです。


と言うのも、現在お昼ご飯中なのですがそれまでの間に朝一の襲撃以降に計5回は戦ってます。

順番に、40頭、20頭、50頭、30頭、70頭という感じで。

どれもだいたいそのくらいなので5体前後は差があったりしますが、気にしません。






結局その日は、その後7回のクマ襲撃があり、大まかに40頭から80頭の間位の数が襲って来ました。




だとしても、夜の番の時は全くクマさん襲撃はないんですよね。

クマさんは夜はきちんと寝る派なのでしょうか?


まぁ、クマさんですしね。

夜行性なのかどうかは微妙ですけど。

魔物ですがそう言うモノなんでしょうねうんうん。

魔物だって夜行性だったり時間なんて関係ないっていうのも色々いますし。




おかげさまでみんな魔力も体力もぎりぎりの状態でいるのでなかなか先に進めず、ペースが落ちまくってる状態です。

それでも、ペースは落ちていても先に進むことが出来るのは、夜にクマさん襲撃がないからです。

他の魔物からはちょいちょいあるけど、それはどうにでもなるので。


私は、問答無用で寝ろと言われてるので野営中は見張り番はないですけど。


それはまぁねぇ?

私自身がとんでもなく体力が少ないって言うのとかあるしねぇ。


ラウさんたちも寝ててくれた方がむしろ楽と言ってるのでお言葉に甘えている状態なんですよ。



ということもあり、シャスティは常におっきいバージョンのままですごし、ハディちゃんの上に私と翠ちゃん、ラナちゃん。

その両サイドを、シャスティとラウさんが並走し、上空をカルナが飛んでいる状態です。


これは、戦う前提での移動中のフォーメーションです。

普段は、守る前提でいるため、ハディちゃんの上にいることが多いだけです。



で、日中遭遇する魔物は熊さん以外出てこない有様になりました。

しかも、回数は1日で10は軽くあり、1回で50頭前後は平均的。

稀に、70~80はいたりしますし、変異種も交じってる割合が増えてきてる有様です。






私たちは、疲れは溜まっていく一方です。

それでもどうにかなっているのは夜の襲撃がないからです。


それに並行して私の中では、黒くてもやもやした気持ちが膨らんでいきました。

それを世間では、イラっとしたとか言うらしいです。





「あ・・あの・・リア様?」

(?)

「日を増すごとにソワソワが大きくなってませんか?・・それと・・・背景が黒いです。」

後ろを見る。

通ってきた草原が広がってるだけで黒くないです。

(???)

「あぁ・・気にするな。なんか落ち着かないみたいだがどうした?」

(・・・?)

とはいえ、このもやもやした気持ちが何なのかはうまく説明ができません。


「まぁ・・いい。何かあったら言ってくれ」

(コクリ)



とか言ってるタイミングで熊さんチーム参上。


約70頭

内4割変異種。





イラッ♪



私の中で何か弾けた。

{シャスティ}

「グァ、グァウ?(な、なんでしょうか?)」

どうして、ぴくぴくしてるの?

おっきい姿だけど小っちゃく見えますよ?

{この”熊共”の親玉がどっちにいるかわかりますか?}

「ぐ・・・・・グルル・・(む・・・向こうの・・方かと思われます。)」

ちょうど私たちの進路方向からちょっぴりずれる程度ですね。

強い力を感じる方向がなんとなく分かるようです。


{ハディちゃん}

「にゃ、ニャー?(な、なんでしょうか?)」

どうしてハディちゃんもぴくぴくしてるの?

ウフフ

{大暴れしたくありませんか?}

「に、ニャー(よ、喜んで)」

{ラウさんも翠ちゃんもお手伝いしてくださいますよね?}

「もちろんであります!」

-リア様のお望みのままに-

どうしてラウさんも翠ちゃんもかしこまってるの?

あはは♪





私は、シャスティにそいつらの親玉がいるであろう方向を常に察知するようにお願いします。


で、熊たちは”なぜか”瞳に魔法陣が顕現してる私によって全部脳天を私が鋭く圧縮して硬くした影によって貫かれ絶命する。



「・・やっぱりリアは一番怒らせちゃだめだな。あの瞳の魔法陣の影響で威力が倍加してやがる・・。」

{カ・ル・ナ?}

「ひぃ・・な、なんだ?」

{空中から”こいつら”の親玉を探してもらえますか?}

「お、おう!も、もちろんだ」

カルナはどうしてそんなに汗をかいてるの?

ウフフ♪





さぁて。

何頭も何頭も熊共をよこした親玉はきっちりと私が息の根を止めてあげなくてはいけませんねぇ。

アハハ♪



先に進みながら、親玉の気配がだんだん強くなっていくのをシャスティから聞きながら私は作戦と言いますか、戦闘の状況とかを指示します。

{翠ちゃん、私は戦闘にのみ集中します。私の体を支えてていただけますか?私も前線に出ます。}

-了解。守るよ-

{ハディちゃん。私を背中に乗せたまま前線に出てもらっても?背に乗ってる私は無視してかまいません。}

「ニャー?(いいの?)」

{守りを捨て、攻めに転じなさい。}

「ニャー(了解)」

{シャスティとカルナは私が親玉を確認出来るまでは感知を継続。私の合図からラウさんとともに敵を殲滅してください。}

シャスティたちがうなづきます。


カルナが激おこモードだとか言ってるけど気にしません。

襲ってくるにもほどがあるでしょう?

熊共?


私の旅の邪魔をしないでいただけますか?

私たちの旅を邪魔をした代償としてあなた方の命を頂きましょう。









全速力でハディちゃんに駆けてもらいながら、近寄ってくる魔物(9割熊)をキレかけてる(と言うか既にキレてる)私によって瞬殺するか動けなくしたところで翠ちゃんに【溶解】してもらって退治。

普段はやらない戦法ですが、私の目に魔方陣が発動しているので、ハディちゃんやシャスティたちの影からも私の魔法は発動出来る状態なのでサクッと終わらせます。

翠ちゃんの溶解にあわせて私の影によって串刺しにもしてるし、翠ちゃんもさりげなく私の影に合わせて体の形を変えて自身にダメージが食らわないようにしてますし。

私の気持ちや心がダイレクトにリアルタイムで分かる翠ちゃんだからこそ出来る芸当です。

家族間では、なぜか翠ちゃんだけが私の気持ちを最も理解出来るんです。

みんな契約してるからある程度の感情は互いに流れ込んでくるから分かるけど、その割合はだいたい2~3割という感じ。

けど、翠ちゃんは100%なんです。

なぜかは不明。

翠ちゃんが言うには、相性が良いのではないか?とのこと。

魔法の属性なのか、種族的なモノなのかどうかは分からないけどなんとなくそんな感じがするんだそうです。


と言うのも、そういうことは稀にあるそうです。

翠ちゃんが言うには、複合魔法?のように火の魔法と風の魔法を合わせてすっごい火の魔法に出来るけど、火の魔法と水の魔法だと蒸気っていう水でも火でもない互いの属性が反発して新しい属性になるパターンとあるらしいです。

で、そんな複合魔法も複数人で発動させるときに上手くいきやすいペアとそうじゃないペアがいるらしく、それと同じなんだそうです。

その辺りもなんとなくって感じらしいのでなぜ相性が良いのかと聞いても上手く言葉に出来ないのと同じなんだとか。






「グァウ!(リア様!親玉確認しました!)」

-アレは、ドラグニルベアーだね-

ハディちゃんに全速力で駆けてもらって数時間

すっごい数(3桁はいそう)の熊たちがいる中心にどこがクマ?と言いたくなる生物を発見。

そいつのようです。




ドラグニルベアー

2足歩行の人型のドラゴンで翼を持たない魔物で、クマの要素皆無(誰もがなぜベアーと名付けたとツッコミを入れることで有名)。

平均全長10メートル

とにかく頑丈で力があり、素早さはやや劣る代わりに技量はそこそこあるため、非常にやっかいと有名。

獲得部位:魔石、革、鱗、牙、爪







ラウさんが言うには、Sランク冒険者が頑張らないといけない強さらしく、Aランク冒険者だと10人は必要なんだそうです。



けど、関係ありません。

確かに強そうですが、あのフォレストロードで戦った毒蛇?毒ドラゴン?よりは、強くないらしいですし。




{ラウさん、シャスティ、カルナは露払いを。私とハディちゃん、翠ちゃんで本陣を撃ちます}

全員「了解」

全員がそれぞれの言葉で返事をして私たちは、初めてこれまでのフォーメーションではなく、全員で攻める殲滅モードを開始します。







シャスティとラウさんが私を守りながらの戦いではなく、敵を倒すことのみに集中することになった為、それぞれが左右にばらけて大暴れしています。

シャスティは、1体を倒しているときには2体目の攻撃をし、それをしながら次を狙う。

ラウさんは、気配を消せるだけ消しながら死角から死角に回り込みながら急所を的確に攻撃しながら倒していく暗殺形式。

カルナが、2人のフォローとして、上空から毒針を放ちながら、毒殺したり注意を2人から背けたりとしている。



ハディちゃんは私が指示した通り、私が背にいるけどお構いなしに全力で咆吼しながら音撃をまき散らしながら尻尾でなぎ払い、噛み付いて砕く。

私はハディちゃんの上で仁王立ちしながら影から触手さんを20本(今の限界本数)出して伸ばせるだけ伸ばして(現在最高10メートルまでが限界)剣のようにしてなぎ払いながら切り裂き、空中に影の針を大量に呼び出しながら貫いていく。

翠ちゃんは私がハディちゃんから落ちないように支えながら私の影に沿って体を伸ばして巻き付かせて敵がくっついた瞬間に【溶解】する。

翠ちゃんがいるからこそ、私はことごとくをなぎ払いながら瞬殺出来るんです。

と言うのも、魔力を込めたり集中すれば私1人でも出来るけどそうなると負担が大きいから翠ちゃんのフォローが必要です。

フォローが入ると結構負担が減るんですよ。

それに、翠ちゃんが私を支えてくれるからこそハディちゃんは全力で大暴れ出来るわけですし。





シャスティとラウさんが暴れてくれてるけどそれでも数が多いから親玉までたどり着く間に結構の数のクマがいる。





それでも、倒し続けながら私たちは親玉にたどり着いた。

クマの要素が皆無でどう見ても人型ドラゴン(翼なし)

翼がない分パワーと技量が高いようです。


私が影数本でそいつを貫こうとするけどそいつは両腕でそれらを弾き防ぎ、私に攻撃を仕掛けてくる。

ガキン!

と言う音を立てて影の結界で防ぐ。



くぅぅ。

なんてパワーなの!?

それに併せて結界をウニにして串刺しを狙うけど、浅く切り裂いた程度で避けられる。

そこでハディちゃんが脚を狙って尻尾で薙ぎ払いを仕掛ける。

クマが避けたけど、ハディちゃんに勝敗が上がり、体勢を軽く崩すことに成功。

それに追撃をかけるように


「グァァァアアアアアアア!!!!!!」

ハディちゃん全力の咆吼と音撃

それに併せて私の影の針をクマの目や関節、脳天、心臓など急所を重点的に【狙撃】する。


クマは体制を整えつつも両腕をクロスして全力で防御する。

貫くことは出来なかったけど、ある程度の急所も避けられた。

けれど、それなりの数の怪我を負わせることが出来た。


そこでハディちゃんの尻尾の薙ぎ払いが再度炸裂し、きれいに転がすことに成功するけど、クマはまさかの体を転がしながら体勢を立て直した。


なんて器用なの!?


おまけにそこでクマが一気に突進してきた。

私は影数本を地面に刺し、ハディちゃんの体に数本を巻き付かせ、ハディちゃんとクマが激突する部分に盾を創り出す。


ガァァン!!

と言う音を立ててクマとハディちゃんが激突する。


2人の力比べだ。

ハディちゃんも全力で押し返す。

私のフォローもあってじりじりと押し返すことに成功し、翠ちゃんがくっついた部分を【溶解】する。


クマは瞬時にハディちゃんの激突する勢いを利用して後ろにワザと後退して、再度激突し、爪で切り裂きに来た。


私は影数本を何重にもクロスして硬くして防ぐ。


そこで、背中や横側にさりげなく展開した影の針をクマに当てる。


「っ!!」


がくっとクマの力が抜ける。

関節などの力を入れるときに重要な部分などを私が影で刺したのですから当然です。

そこで、ハディちゃんの突進でクマにマウントをとることに成功し、そのままハディちゃんはクマの首筋に思い切り噛み付く。

両腕や脚は私が影で全力で縛り上げながら地面に縫い付ける。


クマは全力で抵抗するが、翠ちゃんが私の影を伝って【溶解】し、ハディちゃんが全力で噛み付き、私が縛り上げ、抑えているから私たちをどうにかすることが出来ない。

とはいえ、私は全力で抑えているので結構力比べとしては拮抗してたりする。

どうにかなっているのは、翠ちゃんが【溶解】してて、ハディちゃんが全力で体重をかけて抑えているからどうにかなっているだけです。




「リア!そのまま動くな!!」

カルナがそう叫ぶとクマに追わせていた怪我の部分に毒針を突き刺す。

「こっちはもうすぐだ!!!そっちはもうちょっと頑張ってくれ!!」

私は了解と答える。


カルナの毒が効いているのかそいつの抵抗は徐々に弱くなっていった。

私は押さえつけながらギリギリあった余裕で空中に長さ2メートルの陰のヤリを10本ほど創り出す。

出来る限り硬くして。


{ハディちゃん、3秒後に後退!!}

「グゥゥ!!(了解!!)」


そして3秒後にハディちゃんが思いきり後退するのに合わせて、空中で展開していたヤリで全身を貫く。

【射撃】に残りの魔力を全て注ぎ込んで作ったのに加えて、真下にズドンなので重力?という力も加わり更に威力が増加。


そして、そいつの体を難なく貫通し、翠ちゃんがとどめとばかりに首から上にまとわりついて【溶解】してそいつは倒れた。



それに併せてシャスティたちも残り全ての討伐を終わらせた。




私たちは、無事に大量発生したクマもどきの軍団を殲滅することに成功した。


そして、私は気が抜けた直後に体力切れと魔力切れと頭を使いすぎて知恵熱のようなのが発生してそのまま気絶した。











目を覚ますと既に真っ暗でお星様やお月様が輝いてました。

「お、リア。起きたか。腹は減ってるか?用意してるぞ」

カルナがそう言う。

私はみんなに挨拶をしてお腹の調子を確認する。


・・うん。

いっぱい動いたからその分お腹が空いてますね。



と言うわけで山菜系をメインにした炒め物とパン(ドーム型の石窯パンのようなもの)を食べながら現在の状況を聞く。




どうやら、今私たちはあのクマたちが集まっていたあの場所でそのまま野営をしているようです。

なぜその場?となりましたけど、クマたちの気配?とかがまだ何気なく残ってたらしくその影響で魔物が近寄ってこないらしく、1晩野営するくらいは保ちそうだしとりあえずこの場で休もうぜ?ってことになったようです。

あ、翠ちゃんがアイテム類を全て回収済みのようです。




カルナたちもようやくクマ続きの戦いに終止符が打ててホッとしているようです。

その日の晩は、普段以上にゆっくりとしてたらしく、翌朝はみんなとてもすっきりと起きることが出来ました。

次回更新は8日です。

その次は日曜日ですので、そっちはいつも通りですね。

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