私のギルドカードと、猫と鳥の種族とは
現在地:カタクリの町
私のギルドカードを作るためにギルドってところにやってきました。
けど、リリさんが周囲を威嚇して、それを見てるダンさんとアンさんが呆れた表情をして、ゼルさんがリリさんをさりげなく落ち着かせようとしている。
で、私はアンさんに抱っこされたままなので動けません。
とりあえず、カルナに受け付け?のお姉さん(さっきからおいでおいでしてる人)に対処をお願いと目で伝えると、頷いてくれた。
「あぁ・・あの連中が騒いで悪い・・」
「いえいえ、今回はあのお嬢ちゃんのギルドカードの作成と言うことでよろしいですか?後は、お二人の獣魔契約の処理も併せてでよろしいでしょうか?」
「あぁ、頼む・・・お金って掛かるか?」
「初めての登録ですか?」
「あぁ」
「それでしたら無料ですよ。ですが、再発行が必要になるとランクは一番下に初期化され、金貨5枚は頂きますからね?」
「結構掛かるな」
「そうでもしないとろくなコトしないでしょう?あぁ言う連中は」
「確かにな・・・って、さらっと流しちまったが、俺みたいなのと普通に喋ってるんだな?大抵の奴は驚くんだが・・あっちの連中みたいに」
あっちの連中とはその他のギルド職員とカルナの声が聞こえているその他の人たちのことです。
というより、驚いてないのは私たちとこのお姉さんだけですね。
おしゃべりする鳥さんはかなり珍しいらしいですね。
「喋る魔物や動物はいなくはないですから。それに私の知り合いに喋る剣とかがいるのでなれてるんです。」
「魔剣とかそう言う意味でってことか?」
「いえ、純粋にその剣に幽霊が取り憑いてそのまま守護霊になっただけらしいですよ?」
「そういうモノか・・」
「そういうものです。それに、適当に流しておかないとやっていけませんから」
「しっかりしてるんだな。」
「そちらの鳥さんこそ」
「マスターであるあっちの幼女にカルナって名前をつけてもらったんだ。そっちで頼む。こっちはいわゆる同僚のシャスティ」
「にゃ」
「よろしくお願いしますね。一応名乗りますと私は、アリスと申します。とりあえず、その主さんの情報をこの紙に書いて頂けますか?」
「本人じゃなくても良いのか?」
「私の意見を申しますと、あの子は文字はまだ書けなさそうですし、カルナさんが保護者のようなモノだと判断致しましたので。代筆は意外とよくありますよ?」
「そうか、じゃあシャスティ頼んだ」
「にゃう」
シャスティが尻尾でペンを受け取りさらさらと記していく。
「きれいに書くんですね・・てっきりカルナさんが書くのかと思いました」
「書けなくはないが、シャスティの方が見ての通り字がきれいなんだよ」
「適材適所ですね」
「そう言うこったな。俺はしゃべれるから通訳とかそっち系が多くなるから」
「にゃう」
「あ、書けたんですね。」
「書くのはファミリーネームがあればそれを含んだフルネームと性別、年齢だけか?」
「はい。年齢は書かなくても良いのですが、自己申告した後にこちらで調べて異なる際は少々お話しが必要になってくるのでこの3つだけです。その他に関しては本人が知らないと言う場合もあるので」
「なるほど・・・確かにフリージアは何も分かんないからな」
「お嬢さんはフリージアさんと言うんですね。素敵なお名前ですね」
「あの子の母親からの唯一の贈り物だからな」
「・・左様でしたか、失礼致しました。」
「気にしないでくれ」
「後は、本人の情報が必要になってくるのでほんのわずかに血と、魔力を頂きたいのですが・・」
「血かぁ・・」
「いかがなさいましたか?」
「いや・・怖がらないと良いんだが・・」
「過保護なんですね」
「俺等が保護者だからな。」
「大丈夫ですよ。この魔道具を使いますから」
「なんだそれ?」
「これはかなり小規模の転移魔法の籠もった特殊な魔道具なんです。」
「どうするんだ?」
「それを対象の肌に直接くっつけて、魔力を少しだけ流すとここに血液だけが転移するんですよ。体に害はありませんし、魔力を込めるのは今回で言うところの私ですね。」
「本人じゃなくても良いのか、便利だな。それに助かる」
「いえいえ。ですが、魔力に関してはこちらの水晶玉に直接触れて頂くので・・・」
「こっちに連れてこないと駄目なんだな?」
「そうなんですよ。」
「わかった。シャスティ、軽くで良いからやれ。」
「にゃう」
全員「いてぇ!?」
シャスティが素早く移動したと思ったらぴょんと近くにある椅子とテーブルを使ってジャンプして私以外のメンバー全員の頭を尻尾で叩いた。
けど威力が少々籠もってたようで-ベシッ!!-とか-バシッ!-とか聞こえてたけど。
ちなみにそれらの動きを見ていた冒険者の人たちは感心した顔をしてました。
「いきなり何すんだよ!シャスティ!!」
「にゃう?」意訳:もう一発食らっとく?
「いえ何でもありません」
「にゃう」意訳:よろしい
「そ、それでどうしたんだ?」
「にゃう」
「あっち?・・・あ・・・失礼致しました。」
尻尾であっちと指さす方を見ると呆れた表情のカルナと穏やかに手を振る受付のお姉さんのアリスさん。
どうやら、カルナがシャスティに私をそっちに連れて行くために軽くお仕置きをさせたようです。
シャスティ、ほどほどにね?
それから、アリスさんの元にようやくたどり着きました。
・・で、そのタイミングでおろしてもらおうと思ったけど身長が足りないから抱っこは継続です。
「では、フリージアさん、この透明な球に手を触れて魔力を流して頂きたいのですが・・・・カルナさん、フリージアさんは魔力操作などは・・・」
「まだ教えてなかったんだ。体がこれだったから慎重に行きたくてな」
「そうでしたか。では、こちらに来て頂けますか?時間が掛かりそうなので」
そういわれて、奥の個室にやってきました。
と言っても、やってきたのは私、アリスさん、アンさん、リリさん、カルナ、シャスティです。
ダンさんと、ゼルさんは倒した魔物のアイテム類をその間に売っておくそうです。
けど、カルナがアンさんとリリさんを追い出しました。
理由は、そこまで私の個人情報?をさらす気はないからだって。
ギルドカードにはそれほどいっぱい情報があるからどんなに親しい仲でも見せることはあまりないからなんだって。
で、納得してくれたのでそこでようやく抱っこは解放です。
私は、よたよたと杖さんを使って歩いて個室に向かいました。
その個室にはソファーっていうおっきくてフワフワした長い椅子がありました。
・・おっきくて座れないのでアリスさんに乗せてもらいました・・けど、膝の上。
そして、撫でられてます。
「申し訳ありません。あまりにもかわいくて我慢が出来なかったので//」
すごく丁寧で冷静な人だと思ってたけど、カワイイのは好きらしい。
私は世間的にはかなりかわいいんだとか。
でも、髪はぼさぼさばさばさってやつで、見た目もお洋服もぼろぼろだよ?
って思ってたら見る目があるんですと言われた。
よくわかんないけどまぁいいや。
「ここで公開される情報はしっかり管理し、他者には公開しないことを誓いますのでご安心下さい。」
(?コクリ)
よくわかんないけどお任せします。
後でカルナによくわかんないのに頷くなと言われました。
「では、魔力を流して頂くのですが、魔力をご存じですか?」
知りません。
首を横に振る。
「では簡単に説明しますと、体の中には血とは別に魔力というモノが流れています。魔力を使うことで魔法が使えます。良いですか?」
手から火とか水が出てくるのが魔法でそれを使う為にあるのが魔力だね。
とりあえず分かりました。
「そして、その魔力を使う為には自分の力で操らないとなりません。その操り方をこれから説明するので頑張って下さい。」
と、撫でられながら言われるので頷く。
「まず、自分の体の中の魔力を見つけて頂きます。目を閉じて自分の中に存在するフワフワしたような、もやもやしたような不思議なモノはありますか?それが魔力です。」
とりあえず、目を閉じて言われたとおり自分の心を見つめて探してみる。
・・・・・・・・・・・分かりません。
「やはり、いわれてすぐに見つかりませんよね。」
「そりゃそうだろうな。幼女だぜ?」
「そうですね・・はぁ、カワイイ//」
「フリージア、気にしなくていい。魔力を見つけるのも2~3日は掛かったっていうからな。」
「そうですね。私の感覚からするとフリージアさんの魔力は通常より多いとは思います。あくまでも同年代と比べてと言う意味ですが。」
「それと、自分自身をふさぎ込む癖があるから同じように魔力を内側に閉じ込めてるんだろうな。」
「感情と一緒に無意識にということですか?」
「俺等の感覚だがな」
「あり得ますね。感情が激化し、威力が増大したという話はよくありますから。」
「じゃあどうするんだ?これに関してはフリージアが頑張らなきゃどうしようもないんだろ?」
「では、先に属性を調べましょう。」
「どうするんだ?」
「フリージアさん、あなたにとって当たり前でも周囲の人たちからすると当たり前じゃなかったことはありますか?どんな些細なことでも構いませんよ。」
いわれて振り返ってみる。
ん~~~~
あ、
「足下がどうか致しましたか?」
「足下・・あぁ、そういえばそうだな。」
「カルナさん、何か分かったのですか?」
「フリージアの影だよ。昔から他の奴らより影が濃いんだよ。」
「え?少々失礼しますね。」
お膝の上からひょいと抱っこされて高い高いされてます。
脚はぶらぶらとぶら下がる状態で足下を見てるアリスさん
「あぁ、本当ですね。そうすると闇属性の魔法の可能性がありますね。」
「影に関係するってことか?」
「今は想像ですが。・・ですが・・・では、フリージアさん、これから私があなたに魔力を直接流しますのでそれを感じ取って頂けますか?」
「痛くないから安心しろ」
(コクリ)
「では、少々失礼しますね。」
アリスさんは私のお洋服の中に手を直接入れてきた。
私が着てるのはワンピースの形のだから膝の辺りから手が滑り込んできてお腹とか胸辺りに直接手が触れる。
ちょっとくすぐったいようなムズムズする。
そして、ほっぺにチューされた後、私の耳の下の首辺りに唇をつけた。
すると、私の中にアリスさんが直接触れてる部分から何かが流れ込んできた。
ふわりと温かいような、体の中に流れ込んでくる感覚がすごくムズムズする。
フワフワしたような、ほわほわしたような何か
「フリージア、その感じるのが魔力だ。同じのが自分の中に流れているはずだ。その感覚を自分の中で強くするイメージだ。」
言われてから、ムズムズを我慢して目を閉じて自分の心からそのフワフワしたような不思議な雲みたいなのがあふれ出すようなイメージで強く願ってみる。
すると、ちょっとずつアリスさんから感じたのとは違ったフワフワしたのが心からあふれてきた気がする。
そしてそれは、私の体を巡って祈るように両手を握ってた私の手元に集まってくる。
「っ!アリスさん!今だ!」
「っ!はい!」
カルナがそう叫ぶとアリスさんは私を水晶玉に近づけて両手を握ってぺたんと触れさせる。
すると、手元に集まっていたフワフワしたのが透明な水晶玉って言うのに流れていって、私の中から出て行っちゃう。
けど、それで正しいんだって。
「どうだ?」
「はい。成功です。まさか、魔力を感じ取った後に手元に集めるまでの操作がまとめて出来るとは」
「きっかけがあれば結構優秀だぞ?フリージアは」
「これからも保護者頑張って下さいね。私も出来る限り協力致しますので」
「あぁ、助かる。フリージア、今回のやるべきことはアレで成功だ。それも大成功だぞ。」
「フリージアさん、上手でしたよ。」
「にゃう!」
カルナとシャスティに褒められて、アリスさんも褒めながら再度抱きして撫でてくれた。
アリスさんのおっぱいはリリさんよりちょっと小さいけどお花の良い匂いがするし、抱きしめる力加減が私にとってすごくちょうど良いくらいだった。
「では、次にカルナさん、シャスティさんもお願いして良いですか?そのまま登録してしまうので。」
「わかった」
「にゃう」
二人も私と同じように魔力を流し込んでた。
私と比べてあっという間に終わったから、やっぱり二人はすごいなぁ。
それから、私の血を魔道具って言う不思議な道具を使ってとった後、1枚の堅そうなカードにくっつけてた。
全く痛くなかったすごい不思議だった。
汚れちゃうなぁと思ってたら吸い込まれた。
すると、一瞬だけピカッて光ったかと思うとそのカードにいっぱい文字が出てきた。
でもカードって言うには、すごく小さかった。
だって、カルナが言うところの幅1センチ、長さ2~3センチの板なんだもん。
確か、ネックレス型のネームプレートってやつだって言ってた。
「出来ましたよ。これがフリージアさんのギルドカードです。」
見せてもらったら、すごい不思議だった。
文字が読めないのにこのギルドカードに書いてあるのだけははっきり読めるんです。
読めると言うより、意味が分かるって感じかな?
「ギルドカードはな?本人にしか読めないんだよ。不思議なことに。それが他人から見られないようにするご先祖様たちの知恵なんだがな」
ギルドカードは不思議なカードでこれは、私のだから私にしか読めない特別なカード。
うん
覚えた。
けど、書いてあるのは-フリージア・エトワール-ってフルネームと、Fって書いてある。
「細かい情報を教えますのでまずは自身のことについて詳細をご覧下さい。見たいとお願いすると分かりますよ。見えなくて良いときも同じようにして頂ければ大丈夫です。」
言われてやってみる。
カードさんカードさん、私のことを教えて下さい。
するとブォン!って音がたつような感じで(実際は鳴ってない)目の前に透明な壁が出てきた。
そこには文字がいっぱい書いてあった。
けど読めた。
ランク:F
名前:フリージア・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:魔法使い、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族
属性:陰
体力:G
魔力:E
攻撃:G
防御:G
俊敏:G
練度:F
魔道具:賢者の杖
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
加護
母の溺愛、母の過保護
で、アリスさんが教えてくれた。
ステータスって言われるのがその人の強さを表わすモノらしくアルファベットで、F,E,D,C,B,A,S,SS,SSSとなっており、Fが下で、SSSが上なんだって。
偶にSSSを超えるときがあるらしく、その時はEXと出てくるんだって。
それ以降があるとかないとかって話しらしい。
そして、逆にFより下の場合は、Gとなるんだって。
ギルドのランクは高いと高いほどすごいらしく、ランクによっては貴族っていう身分が上の人たちに匹敵する権限?があるんだとか。
ランク:冒険者としてどれだけ出来るかという証
名前:見ての通り
性別:見ての通り
年齢:見ての通り
種族:人族とか、猫族とか色々ある内のどれか
職業:その人が何が出来るかと表す
称号:その人が行動した結果、多くの人や、特別な人に認められ、認識された際に出てくる。
属性:その人が使える魔法の種類。火とか水など
体力:どれだけ長時間動けるか
魔力:どれだけ多く自身の体に内包しているか
攻撃:素の身体能力の強さ
防御:素の身体能力でその人の体が頑丈か
俊敏:どれだけ素の身体能力で速く動けるか
練度:どれだけ素で器用か、細かい作業が上手か
魔道具:特殊な道具のみ表示される
契約:いわゆる獣魔と契約している場合、ここに出てくる
加護:神様や精霊様、妖精様などのすっごい人たちから送られるモノ。
称号と加護は、与えられる種類によってその人の手助けになるものが違うらしい。
で、それらの詳細が知りたかったらそこを触れば良いよって言われたので触ってみた。
種族
半異世界人
・両親のどちらかが異世界人の証
・通常の人族に比べ、運が良くなる。
職業
魔法使い
・魔法を扱うことに長けた存在。
・他の職業に比べ、身体能力が劣ってしまう代わりに魔法関連の上達が早い。
協奏師
・獣魔と契約し、対等の存在として互いに心を通わせる者
※心を通わせない場合は、調教師、魔物使い、動物使い等になる。
・絆が強いと連携プレイと意思疎通の上達が早い。
称号
絶望を知る者
・かなり悲惨な過去を持つ者に贈られる。
・周囲の人が優しくなりやすく、運が良くなる。
幻獣の家族
・幻獣と家族のように接し、互いの信頼関係が相当高い者に贈られる。
・善なる心を持つ者たちと仲良くなりやすい。
属性:陰
闇属性魔法の派生版
・影を使用した魔法に特化しており、訓練次第ではかなり万能になるが、それなりに高い練度と感覚が必要。
賢者の杖
・青さを残した木によって作成された大人1人分の身長のサイズの正真正銘本物の賢者の杖
・効果は、身につけている間常に身体能力を向上させ、魔力練度が向上しやすく、魔力回復速度が通常より速まる。
・杖に契約者として認められた場合、それ以外の存在には一切触れることが出来ず、場合によっては強力な防御結界となる。
・認められた証として、杖の上部には両サイドに肉球マークが描かれている。
・込められている効果は、認められた存在の場合、使用者の強さに合わせて上昇する。
・使用者以外、一切調べることも出来ない。
【幻獣】八咫烏:カルナ
脚が3本ある非常に知識が豊富な人の言葉を喋ることが出来る黒いハシボソガラス。
元々は魔力持ちのカラスだったが、様々な経験と努力などにより、いつの間にか幻獣へ進化した。
爪には遅効性の毒が含まれる。
嘴からは毒針を発射することが出来る。
契約者がいる場合、【守護モード】を使用することが可能。
【守護モード】時の姿:全長10メートルであり、翼を広げると2.5倍になる。
変身時限定で、半径3キロの範囲を風を伝って周囲の状況を把握することが出来る。
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
尻尾が1メートルほどある蒼い月を彷彿とさせる毛並みをした成猫。
元々は魔力持ちの猫だったが、様々な経験と努力などにより、いつの間にか幻獣へ進化した。
素早い動きによる奇襲攻撃が得意であり、その中でも尻尾の威力は全身を使った攻撃の1.5倍はある。
かなり器用で、頑張れば大抵のことは出来る。
爪を10センチまで伸ばすことが出来る。
爪は生え替わりが早い。
契約者がいる場合、【守護モード】を使用することが可能。
【守護モード】時の姿:全身4メートル、尻尾の長さが10メートルになる。
変身時限定で、斬撃を跳ばすことが出来、爪の長さを1メートルまで伸ばすことが出来る。
【守護モード】
いわゆる変身で、体のサイズを巨大化することが出来る。
自身が変身を解くように念じなければそのままのサイズ。
巨大化した分、ステータスがその体格に合わせて上昇する。
加護
母の溺愛
死して尚、娘かわいさに加護を授けた異世界人によるモノ。
悪の心を持つ者が接触しようとするととんでもない悪運を強制的にプレゼントする。
その判定は、企んだ時点で自動的に発動し、威力も企みの度合いとペチュニアの気持ち次第で変化する。
母の過保護
死して尚、娘かわいさに加護を授けた異世界人によるモノ。
全ての状態異常に対する耐性を取得しやすくし、威力が上昇しやすくなる。
ステータス情報の全てを盗み見ることを絶対に許さない。
おや?
カルナとシャスティは動物さんではなく幻獣さんでした。
幻獣って言うのがなんなのか聞いたら、魔物で言うところの上位の存在で、精霊様とかとは別のすごい存在なんだって。
それと、じいさまって人からもらった杖さんは本物の賢者さんの杖だったようです。
じいさまって人がそうだったのかな?
それとも、色んなことがあって私のところに来てくれたのかな?
私を訪ねるために来てくれたんだったらうれしいな。
「マジか・・俺等せいぜい妖精族とかそのくらいの変化しかないと思ってたら予想以上なことになってるし」
「にゃんにゃん」
うんうんと言ってるシャスティ
本人たちも気づいてなかったらしい。
「あぁ、あるとすれば俺の脚が3本になって、シャスティの尻尾が伸びた辺りか?」
「にゃう」意訳:多分その辺り
「あぁ、やっぱそこら辺だよなぁ。でも、なんでそうなったのか覚えてないんだよなぁ。」
「お二人の変化についてということですか?」
「あぁ、俺等いつの間にか魔力持ちの動物の域を脱してたらしくてな?その境目はどこなんだろうなって話してたんだ。」
「そうでしたか。そういえば、未契約だと門番の方から聞いてましたが、既にお二人は契約済みなんですね?」
「え?」
「にゃう?」
「へ?違うのですか?」
「と言うより、どうやって契約するかもわからねぇんだよ。」
「そうでしたか。端的に申しますと、互いに強い絆があることと、主となる存在の血に触れることが条件ですよ?最後に、主から名を授けられて完了です。」
「え?・・・・・・・・あ、なぁもしかして」
「にゃう」意訳:多分その時
「だよなぁ・・それしかないよなぁ・・・」
「心当たりが?」
「あぁ・・事情は省くがフリージアの怪我を治療してやるときにどうしてもな・・」
「なるほど、そしてお二人が子育てをしていく内に絆が生まれ契約されたと」
「だろうな。俺等が親代わりだしな」
「そうでしたか。では、申し訳ありません。ステータス情報を一度お見せ頂けませんか?登録上どうしても必要でして・・」
「分かってる。最初にこの部屋に来たときに言ってたからな。それにアリスさんは嘘はついてないって分かるし、信用してるんだ。」
「ありがとうございます。」
言われてから・・・・どうやって見せるの?
「フリージアが見ても良いと強く願えば大丈夫だ。」
言われた通りに強く願ってみた。
強くじゃないと駄目なのは軽く思ったり思わせたりして情報を無理矢理見られたりするのをなくすためなんだって。
で、
「はい。確認とれました・・・・・・これはまた珍しい魔法をお持ちのようですね・・それと、お母様はそうでしたか・・」
「色々あってな」
「そうでしたか。ですが、加護に現れるほど強い思いがあったのでしょうね。大変素晴らしいお方のようです。」
「ホントすごい人だったよ。それと、フリージアの魔法はやっぱり珍しいのか?そこら辺の人間事情は知らないから教えてくれ。」
「そうですね。では、簡単に事前情報として、基本的に火、水、土、風、雷が最も多く、基本と言われている属性なのはご存じですよね?」
「あぁ」
「にゃう」
(コクリ)
「それから、その基本的な属性を複数有しているけれど、それらの属性を全てステータスに表示させるほどではない・・・そんなときにまれに例外として異なる属性として表示される場合があります。過去の例を申し上げますと、樹木、無、強化、腐敗などですね。それから、基本的な属性が変化した場合は、その人たちの鍛えた内容や、強い思いによってまた多くの種類が存在します。そして、先ほど申し上げた基本的な属性以外で有名なのが、」
「光と闇か?」
「そうです。フリージアさんはどうやら闇属性の派生版・・言わば、上位の種類へいつの間にか変化しているようですね。そこで、闇魔法について細かく説明致しますと、闇魔法は本来、精神攻撃を得意とした属性になります。基本的な属性と並行している場合、毒を扱うことが出来ることもあるらしいですが。そして、フリージアさんの魔法はその中でも精神攻撃などの方面を放棄し、影を操るという方面へ特化した魔法にいつの間にか昇華しているようです。
世間的には、魔法は血縁者の影響を受けやすいという話がありますが、加護や生まれ育った環境によって異なった形に変わったり、祖先が持っていた属性を受け継ぐ場合もあるようです。」
「そうか・・・ありがとう。」
「いえ、ですがこの情報は当然ですが他者には見せない方が良いでしょう。幸いなことに加護の一部に最高クラスの覗き見防止の効果があるようです。どこまでも娘さん思いなんですね。」
「あぁ、すごくいい人だったんだよ。普通の動物だった頃の俺とシャスティに優しくしてくれて本まで読んでくれる人だ。」
「ホントに素敵な方ですね。と、そろそろ出ましょうか。お連れの方が首を長くしてお待ちしていらっしゃるでしょうし。」
「道中、犬っころと狼共の群れの魔物に襲われてな、その時に助けてくれた後、フリージアを気に入ったらしく、今に至るんだ。」
「大まかですがよく分かります。気に入ったと言うより、懐かれたという言い方の方が正しいかもしれませんね。」
「たぶんそれ、正しい」
「にゃうにゃう」
(ぺこり)
お礼を込めて頭を下げる。
「良い子ですね。私も楽しかったですよ。何かあればギルドを訪ねて下さい。きっと力になりますから。」
(コクリ)
「親御さんの教育は素晴らしいようですね。」
「まぁな」
「にゃん!」
「あら、否定しないんですね。」
「ペチュニアさん・・フリージアの母親が亡くなったのは産んだ直後だったから俺等が育てたって言っても過言じゃないんだ。」
「あら、そうでしたか。これからも頑張って育てて下さいね。お父さん、お母さん」
「や、やかましい//」
「にゃう!」意訳:当然!
カルナは雄だし、シャスティは雌だから、カルナがお父さん、シャスティがお母さんかな。
すごくぴったりだと思う。
「それと、フリージアさんの魔法は珍しがられるだけであまり心配ありませんが、おふたりの場合は、魔力持ちの動物の変異種と思われる可能性があるため、妖精族に動物から進化したという形で動いた方が良いかと思います。余計な騒動に巻き込まれる可能性がありますし、見て幻獣だと分かることは基本的にありませんから。ある程度はフリージアさんとの契約の影響でそういう雰囲気が曖昧になっているのではないかと思いますが。」
「どういうことだ?」
「おそらくおふたりの場合は、本来の姿は【守護モード】によって変化する大型の姿なのでしょう。ですが、フリージアさんとの絆などの影響で現在のお姿、纏う雰囲気が本来の姿ということになってるのではないかと思います。」
「そういうことか。すごくありがたいと思うよ」
「そうですね。では、参りましょうか。」
そして私たちは個室から出てリリさんたちの元へ向かった。