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お船の旅-平和に終わりませんでした-

-フリージア-

目を覚ますとすっごい蕩けたお顔で幸せそうになってるお姉さんたち

ハディちゃんに乗っかったり尻尾で物理的に振り回されてたりしてる男性陣(の一部)

カルナとラウさんと子育て相談?な内容のお話しで真剣な顔して盛り上がってたり

シャスティの尻尾を捕まえようとしつつも素速くてなかなか捕まえきれずに奮闘してる男性陣(の一部)

色んなパフォーマンスをしてるピエロさん

を高笑いしながらお絵かきしてるお兄さん

の隣でいまだにポン菓子を作りまくってるおじさん(お金はそれなりにもらってるらしく隣に置いてある)

が作ったポン菓子を大食い大会よろしくがつがつ食べてる男性陣(の一部)

翠ちゃんをプニプニしながら餌付けしてるお姉さんたち(フリージアに顔を向けたまま)

と、

ラナちゃんを撫でようと奮闘・・と言うより説得して頑張ってるお兄さん(数人ほど)お姉さんたち

すっごい暗い顔したおじさんたちを占いながら慰めてるおばあさん





・・・・何かすごいことになってますね。

ちなみに、そんな感じでみんなすごいことになってるけど、その他に作られてるお肉とかお魚とかお野菜とかは食べ終わってるらしく空いたお皿がすっごい大量にある(後、食材を入れてたであろう箱も)




で、私の近くには私の分として別に避けられ、贅沢なお弁当みたいな感じでしっかりと重箱ってカルナが言ってるおっきくて高価そうな箱に入ってるのが目の前にある。



「あ、フリージアちゃん起きた?」

(・・・コクリ)

まだ、頭がホワホワしてますね。

「ふふ//かわいい・・」

「まだ微妙に寝ぼけてぽやんとしてるせいなのか、いつもよりちょっとだけ表情がほわっとしてるわね。」

「あぁ、分かる。説明しにくいけどそんな感じ。」

「表情と言うより雰囲気?」

「でも、その無表情は、これはこれでアリ!」

「分かるわぁ。」

「と言うより、フリージアちゃんの満面の笑みは見たいけど見たくない」

「なんで?絶対かわいいから見たい一択でしょ。」

「だってさぁ・・・この無表情でこのかわいさだよ?それで満面の笑みとかさ・・・理性保てる?・・と言うより、意識保てる?」

全員「ムリ!!」


・・何の話をしてるんでしょうかこの人たちは。

と言うより、他のことをしてたであろうお兄さんたちも全員わざわざリアクションするほどですか?

おまけに即答ですか?


・・・そういえば、カルナとラウさんが前に私の笑顔は破壊力があるとか耐性がないと一瞬で意識を持って行かれるとか言ってましたね。

私の笑顔は凶器なんでしょうか?

んー

といわれても自分の顔は見えませんし、頑張って笑顔とか怒った顔とか作ろうとしてもほとんど変わらないんですよね。


まぁ、ラウさんが言うには心の底から本当に怒ってるときは表情と言うより纏う雰囲気がすごくわかりやすくなるって言ってましたね。


結局表情はあまり変わらないと言うことですか?と思いましたが、まぁどうでもいいですね。






「お、リア。起きたか」

(コクリ)

「今は、昼を過ぎて1~2時間ってとこだな。」

カルナがそう言ってくれた。

あぁ、おやつの時間ですね。


で、目の前にあるお弁当のごとく色んなのを詰めているのをもぐもぐ。

入っているのは、ここで作っていたのを色々と敷き詰めてるみたいですね。

それと、味付けを少しずつ変えているらしくお昼寝すぐ前に食べたときとまた違った味がしておいしいです。


「・・ホントフリージアちゃんよく食べるわねぇ。」

「この体のどこに入っているのかしら・・」

「はぁ//ぷにぷにすべすべ//」

「ちょっと・・軽く変態な顔になってるわよ?」

「えへへへぇ//このまま私が食べちゃいたい//」

「それは止めなさい・・と言うより世間では見せられない顔になってるわよ・・」

「子供特有の温かいからだと抱き心地の良い感触と触り心地、それに、ほんのりとお花の香りがして良い匂い//・・このまま目覚めちゃいそう//」

「・・フリージアちゃん救出。それと、そいつ・・どうにかしといて・・」

「・・うん。」

私を抱っこしてた1人のお姉さん(お胸Dの茶色いショートの髪)がうっとりを通り越して蕩けた顔してたけど赤い髪のややロングで、お胸がCのお姉さんが引きずっていきました。

・・・途中で、茶髪のお姉さんに個室に引きずり込まれてたけど。


「はぁ・・・」

「大丈夫かしら・・・多分アレ・・・襲われてるわよ?」

「フリージアちゃんを襲わなかっただけ良かったと思いましょう・・」

「尊い犠牲だった・・」

どうして遠いところを見る目で引きずり込まれていったお部屋を見てるんでしょうか?

「はーい、気にせずに食べようねー。あ~ん」

気にしたら駄目なようです。

もぐもぐ



その後2時間ほどしたところでお姉さん2人は出てきましたけど、うっとりとしつつつやっつやになってるけど、何があったんでしょうか?

片方はげっそりしてるけど。


それも気にしたら駄目だったらしくあーんされました。

もぐもぐ





にしても、どうして私が食べてるたびにお腹をプニプニしてるんでしょうか?

ぽっこりさんじゃないですし、おデブちゃんじゃないですよ?

おっぱいも全く無いけど。


んー

たくさん食べてお母さんみたいに色々とおっきくて美人さんになるんです。

ふんす。


とはいえ、最近お腹がすっごい空くんですよね。

魔法・・正しくは魔力をいっぱい使った後は特にお腹が空きます。


で、カルナが言うには私が生まれてからのあの5年間の間の栄養失調の分を取り戻そうと今の段階でようやくお腹がご飯を寄こせーって言ってるんじゃないかと。

その他にも、6歳児ではあり得ないほどのレベルのお勉強をしてる(ラウさん談)からいっぱい頭を使っているというのと、普通の子(私と同じくらいの年)だとおんぶに抱っこをせがむのがほとんどなのに私はそういうことをしない分全部自力で動こうとするから、運動量も多少は多いからではないかとのこと。

まぁ、建物の外とか緊急時だとハディちゃんの背中の上かラウさんかおっきくなったシャスティに抱えられてるけど。




で、お弁当を食べ終えて歯磨きを済ませてから一息つきます。

食べた後は必ず歯を磨きなさいってカルナが言ったからやってるんです。






そして、窓辺でお外をぼんやりと眺めてると

ラナちゃんがもふっと何かに反応した。

{ラナちゃん、どうしましたか?}

ふよふよと体を揺らしながら私に何か伝える。


ふむふむ

何か大量にここに迫ってきていると。


え?

どうして分かるのかって?

いわゆるジェスチャー?と言いますか、ラナちゃんの体の動かし方でなんとなく言いたいことが分かるからですよ?

後は、契約している影響か気持ちがなんとなく伝わってくると言うのも理由の1つ。


{シャスティ}

「にゃう?(いかが致しましたか?ラナと何か話していたようですが)」

私が呼ぶとシャスティを構っていた人たちを全員がガン無視して私のところに来てくれた。

{ラナちゃんが何かたくさん迫ってきていると言ってるのですが分かりますか?}

「にゃ?にゃう。(え?少々お待ち下さい。)」

シャスティが首をかしげながらお耳をピコピコ、尻尾をゆらゆらピン!とさせる。


大変かわいいけどシャスティはこうやって周囲の状況を確認してるんです。

五感?と言うのが私たちの中で一番すっごいですからね。


「にゃ~うにゃう(分かりました。確かに大量に何か来てますね、向こうから。)」

尻尾で指す方向を見る。


んー?

海の波が一部変な・・気が・・・する?

何と言いますか、うごめいてる波がこっちに来てるようなそんな感じ。


「リア、どうした?」

{アッチに何かたくさんいます。}

「あっち?・・・なんか敵の気配がするな。それに、アレは何だ?ゲル種か?水がうごめいてるようにしか見えんが・・大量に何かが集まって1体に見えてるようなそんな感じだな。翠、分かるか?」

-アレ、アクアゲルじゃない?-

アクアゲル?

「アクアゲル!?何でそんなのがこんなところにいるんだよ!?」

話しを近くで聞いてたお兄さんが叫ぶ。

その言葉で周囲の人たちもヤバイとか色々言ってるけど、みんな慌ててる。


首をかしげてると翠ちゃんは教えてくれました。



アクアゲル

ゲル種の生物だが、他のゲル種と異なり水のある場所で生息している。

ほとんど無色透明な核を中心に体を形成しており、周囲の水を小さな粒状にして周囲へまき散らす非常に迷惑な生き物。

おまけに、数日に1回、自身の核を10分割して増殖する(1~2日ほどで元のサイズまで成長する)。

核を潰さない限り魔力切れを起こすことは皆無。

出来るとすればそいつらが存在している場所の水全てを蒸発させる必要がある。

とはいえ、水がなくなっても攻撃手段がなくなるだけで核が無事ならどんな環境でも生息出来、状態異常関連は一切効かない。

獲得部位:魔石




見た目は水そのもので、核もほぼ無色透明・・なので海に漂うクラゲさん以上に分かりづらく見えにくいことで有名らしいです。

確かカルナが言うには、透明のビニール袋を水の中に入れたときに見えにくいのと同じくらい分かりづらいとか言ってましたね。

聞くと、ゲル種はお水の中にいるのは珍しいらしいです。

と言うのも、弱い種だったら自身の魔力がお水に流れていってとけて無くなったりとか、逆に強い種だったらとんでもないほど巨大化したりするんだとか。

だから、基本的にお水の近くか、お水が全く無いところにいるらしいです。


すっごくおっきくなって強くなるならお水のあるところの方が良いのでは?と思うけど、そんなことをしてる間に、他の魔物のご飯になるようです。

後は、体をおっきくしても自身の魔力量はそのままだから逆に魔力が体のサイズと比較して薄くなってしまうから、おっきくなりすぎて魔力が薄くなりすぎるとそれだけで死んじゃうんだそうです。


彼らも大変なようですね。


・・そういえば翠ちゃんも体をおっきくして魔力量を増やすんじゃなくて、魔力を増やして体をおっきくしてましたね。

まぁ、翠ちゃんの場合は体の大きさを調整出来るから普段はワザと小さくなってるんですけど。


今、本来のおっきさになったら全長10メートルは軽く超えちゃいますよ?

と言うのも、大半の魔力を自身の体に収納してる道具類の保護に使ってるから戦いに使っても支障が無い範囲だとそのサイズだそうです。


どうやら、翠ちゃんにとっては4割が道具の保管、4割が戦闘用、残り2割で自分の命用らしいです。

翠ちゃんは核を持っていない代わりに、あまり魔力量が小さくなりすぎて体がバラバラになりすぎる死んじゃいます。

で、そうならない範囲で余裕を持ってる割合がその2割のようです。


余裕を持ってるなら良いですけど、基本的に命大事にを優先するようにお願いしてます。




で、アクアゲルって魔物のことでしたね。

そいつが放つ水の球は普通のお水を数ミリレベルの小ささにしてるだけなんですけど、その威力はすっごくて、そんじょそこらの木とかだと貫通して、鉄だとへこませちゃうらしいです。


それに、ネズミ算よろしく放置しておくとポンポン増えるし、あちこちで適当に攻撃するから漁業とかしてる人たちからするとたくさんお魚とかが死んじゃったり海の上を飛んでる生き物とかその他の海の生き物とかの死体がたくさん出来ちゃうから環境に悪いらしく、速攻で駆除しないといけない生物らしいです。





「ったく!穏やかに過ごしてたって言うのにこんなタイミングでこいつら来るなよな!?」

「けど、まだ良い方じゃね?かなり早い段階で気付けたわけだし。アレに気付かなかったら俺等が寝てたり飯食ってる間に船はやられて下手すりゃ全員・・ってこともあり得たし。」

「確かにな・・よし!ここにいる奴ら全員に聞く!!戦える奴は一緒に来てくれ!!ムリはしなくて良い!その代わり、人命救助に船員の手伝いくらいしろよ!?」

ムキムキのスキンヘッドにしてるお兄さんがそう叫ぶと全員がうおーって叫んでた。


「嬢ちゃんは、早く避難しな?」

(フルフル)

「いや・・・けどなぁ・・危ないんだぞ?」

(フルフル)

「困ったな・・・俺、こういう子を怒鳴るなんてムリだぞ・・誰か説得してくれよ・・」

「では俺が確認しますよ。リア様、戦うんですか?」

(コクリ)

「かしこまりました。」

ラウさんが確認してくれた後に周囲に確認した。

「ここにいる皆さんは戦うと言うことでよろしいですか?」

「あぁ。幸いなことに遠距離攻撃が全員出来る奴らばっかりだからな。・・近接系をメインにしてるから苦手って奴も混じってるが。・・てか、説得しないのかよ!!」

「ですから、その確認を今行なっています。防御関連に得意な方はいないと?」

「あぁ・・」

お兄さんが苦そうな顔をして周囲を見ると全員がすっと視線を逸らす。

「・・みたいだな。」

「そうですか。リア様・・戦いは彼ら彼女ら・・それと俺たちにまかせて下さい。リア様は、この船を守って頂けますか?」

(?)

お船を守るの?

「これが出来るのはリア様だけです。それに最も大事なことですよ。リア様が船を守らなければ下手をすればこの船は壊れてしまいます。そうなるとみんな自力で陸地まで泳ぐことになります・・・何日休みなしで泳ぐことになるかわかりませんが。」

すっごい責任重大なんですね。

「て、おいおいおい!!ラウの兄ちゃんよ!!嬢ちゃんに守らせるのか!?確かに魔力量はそこらに奴よりあるっぽいが、俺等全員であいつらを仕留めるまで守るなんて何時間あるかわからないんだぞ!?」

「防御に関して言えば、そんじょそこらの相手よりもリア様は優秀ですよ。だからこそ、の防衛をお願いしました。そうすれば自然と自身を守る形になりますので。」

「だ、だがよぉ・・・」

「あぁくそめんどくせぇなぁ!リアがやるって言ってんだ。負担をかけさせたくなければお前らがさっさと倒せよ!!そのくらいの意気込み言ってみせろよ!!それでお前ら冒険者かよ!!!」

カルナが軽くキレた。

その言葉に全員がはっっという顔をした。

「そうか・・そうだな・・よっしゃ!!やってやろうじゃねぇか!!」




それから、私たちは船の外に出た。

一部のメンバーは一番上の中央である屋上へ、他9割の人たちは周囲をとり囲うように配置される。

その場に船員さんもいたので情報共有はサクッと終わった。









「て、何つぅ数だよ・・・」

「軽く見積もっても4桁はいるわね・・」


「くよくよしてても仕方がねぇ!!お前ら聞け!!さっきの会話を聞いてて分かると思うが、この船をフリージアの嬢ちゃんが結界を張って守ってくれる。この規模をたった1人でだ!!お前らはさっさとあのゲルどもを倒して嬢ちゃんの負担を減らしてさっさ終わらせろ!!!良いな!?」

全員「おう!!」

「とりあえず全員船の端、上、とにかくばらけて周囲に散らばれ!!互いの魔法を消し合わないように気をつけるだけで連携なんて無視しろ!!どうせ俺等が寄せ集めだ!!ない方がマシだろ!!」

全員「おう!」


「リア、どうする」

{カルナは、おっきくなって周囲の状況を確認しながらお兄さん、お姉さんたちのフォローをしながら毒の針で敵を倒して下さい。}

「わかった」

{シャスティもおっきくなって。おっきくなれば、斬撃を飛ばせましたよね?}

「にゃう!(お任せ下さい)」

{翠ちゃんは私の結界のフォロー}

-はーい-

{ハディちゃんは、他の冒険者の人たちが対応してる手薄なところを咆吼で削れるだけ削ってあげて?}

ハディちゃんの咆吼は音撃のごとく衝撃波が出るので広範囲の遠距離攻撃なんですよ?

「ニャー(了解)」


「よし!!いいかお前ら!!そろそろ射程範囲内だ!!構えろよ!!!ッテなんだぁ!?」


お兄さんが何か言ってるところでシャスティとカルナが巨大化した。


--グォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!!!!!!--

--クワァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!--


「おいおいおい・・・お前ら巨大化出来たのかよ・・」

「しいて言うならこれが俺等の本気モードだ。俺が上空から全員のサポートをする。状況に合わせて手薄な部分を俺が言うし、ハディがサポートする。俺等が各地に均等に配置して全員のフォローをする。」

「よ、よし分かった!良いな!・・嬢ちゃんホントに大丈夫か?」

(コクリ)




よし、ならアレをやりますか。


それに、だんだん私の中の何かがざわついて仕方が無いんですよね。

にぃぃーっとどう猛な笑みを浮かべつつある私を見てお姉さんたちがぎょっとする。

後に、アクアゲルに対して私の体質が反応していたと気づきます。

それとどうやら私は体質が反応してそれに準ずる動きをするときは非常にどう猛な笑みを浮かべてるらしいです(カルナ談)


けど気にせずに私はモードを切り替える。



目を閉じて意識を集中させる。

このお船には優しい人たちがたくさんいる。

そんなみんなが敵を頑張って倒そうとしている。

自分たちを守るために

一緒に乗ってる仲間を守るために

それに私たち、初対面の人たちも守るために


そんな大切な人たちが集うこの場所を私が守るんだ。

守る守る守る守る守る



守る!!!


我が領域を一切たりとも敵が侵入することを許さない!!!!




カッ!!っと私が瞳を開けると私の瞳には魔方陣が浮かび上がる。


「瞳に・・・魔方陣?」

「さっきと雰囲気がガラッと変わった・・それに、さっきよりも圧倒的に魔力の質が違う・・・なんなの・・」

「詮索は後だ!!全員構えろ!!・・嬢ちゃん頼むな」

(コクリ)


出でよ我が守護者

この船を守るために来て!!



ボコボコボコと私の影が漆黒に染まり沸騰し、グンと周囲へ半径4メートルほど広がる。

そして、カン!!と杖さんを床にたたきつけながら魔力を杖さんを経由して床へ流し込む。


そして、私を中心に船をすっぽりと半透明の黒い結界が覆われた。

通常の結界とは異なり、守護者召喚によって作りだした結界なので私が通常発動させる結界よりもずっと硬いです。


「でけぇ・・・」

「すげぇ。」

「なんつぅ強固な結界だよ・・」

「てか、このまま魔法を放って結界抜けたら結界壊さない?」

「リアがそんなへまをするわけないだろ。さっさと構えろ。」

「了解!」



「カルナの言うことを信じろ!!そして、カタクリの小さな英雄を信じろ!!全員やるぞ!!」

全員「おう!!!」

「全員!!ぶっぱなせぇ!!!!」


それから、始まった。


色んな魔法が飛び交い、アクアゲルの核を貫き倒されていく。

そしてそれぞれの魔法が私の結界をすり抜けて敵の核を潰していく。

元々この結界は、私の影を創り出す魔法だ。

効果は、私が思い描いたとおりに出来る。

だから、今回のように内から外への攻撃は出来るが、逆は防ぐというのも可能なんです。


カルナの毒針が辺りへ飛び散り、同じく核を貫き

シャスティの尻尾の斬撃で核が連続して切り裂かれ

ハディちゃんの咆吼でその対象範囲にいた核がまとめて消し飛び


そして、それでも尚、飛んでくるそいつらの水の弾丸は四方八方から飛んでくる。

だが、私の結界が船を壊させない。

というよりそのまま利用させてもらいます。


全員「は?」


全員が攻撃を続けながらそんなことを言い出した。

と言うのも、飛んできた水の弾丸を私の結界が防ぎ、私がはじき返して逆に敵への攻撃として利用したからだ。

よって、私の魔力を多少なりとも上乗せされた水の弾丸は多くの核を潰す。

何せ、飛んできた射程をそのままなぞるようにお返ししただけだから。


それが出来るのは、私の【射撃】の効果のおかげで、狙いを定めることが出来ただけだったりする。

他にも、全ての攻撃をそれぞれの方向へ狙いを定めてはじき返すというのを同時にすごく大量に行なっているので頭の中はものすっごいぐるぐるしてます。


みんながそんな声を出したのは世間的には魔法の反射はかなりの高等技術だというのと、かなり珍しいことなんだそうな。


まぁ、気にしない。

自分の影を出して射撃するよりも相手の魔法を跳ね返した方が魔力の消費は多少は減らせるんだもの。


それとラウさんは、遠距離攻撃が出来ない代わりに他の人たちのフォローや、冒険者同士で魔法がぶつからないようにしたりと自身の気配などを消せるだけ消してる全力状態で影のサポートをやってたりする。


かなり目立たない作業だけど、この作業のおかげで他の人たちはスムーズに対処出来てたりするんです。

それに、魔力回復のお薬も船員さんたちが用意してたらしくそれらの配布や、懐に放り込んだりというのもしてるみたいです。

戦場の執事さん・・すごいですね。



私は、大分魔力量が増えたし、今は全力モードだから回復も早まるんです。

それに、ちょいちょい魔力回復薬を飲みながら対応してるんですがね。

飲めるのはせいぜい2本まで。

1本で自身の魔力の3割ほどを急速に回復速度を上げて回復させるんです。

その代わり、体力を消費するから大量には飲めません。


逆に体力の回復薬であれば、空腹になったり精神的負荷が掛かったりするんだそうです。

まぁ、戦い終わった直後に急速に眠気が来たりもあるんだとか。




そんな、私たちによる過剰戦力のおかげなのか、冒険者のみんながかなりやる気を出してくれたおかげなのか、夕方を過ぎて空が夕焼けから夜空になりかける頃には無事に殲滅完了しました。



{シャスティ}

「ぐるる(敵の気配はしません)」

{翠ちゃん}

-左に同じく-

「右じゃないのか・・俺も同じ意見だ。問題ない」

「リア様お疲れ様でした。皆が皆無事に殲滅を確認しているので解除してもらっても大丈夫ですよ。」

(コクリ)

私は瞳をとじて数秒ほど深呼吸する。


そして、全てを解除した。



ちょっとだけよろけるとシャスティが尻尾でクルリと私の体に巻き付いて支えてくれる。

「ぐるる?(リア様大丈夫ですか?)」

{たくさん頭と魔力を使ったのでふらついただけです。}

「ぐぁう(後で、甘い物でも作らせましょう。)」

(コクリ)

「ぐるる(とりあえず、部屋で休みましょう。)」

「あぁ、嬢ちゃんたちは先に帰って部屋で休んでな。飯は部屋に直接届けるらしいし、後片付け諸々も俺等がやっとくさ。」

「良いのか?」

「構わないさ。誰がどう言っても嬢ちゃんが今回のMVPだ。それに俺等は大人なんだ。後片付けくらいさせてくれ。」

「そういうことならありがたく。今日はお疲れさん。」

「おう!明日の昼過ぎには到着するから、昼飯の時間より早めにあの大部屋に来てくれ。分配するから。朝飯に来れれば、その時でも構わねぇからな。」

「わかった。お前らもしっかり休めよ。」

「言われずとも休むさ。久々に魔法をぶっぱなしすぎて体力はあるのに疲れてるってわけわからん状態になってるしな。魔力枯渇特有のアレだって分かってるけどさ。」

「んなのみんな一緒でしょう?それで言うなら、フリージアちゃんが一番やばかったと思うわよ?」

「それもそうだな。とりあえずお疲れさん!」

全員「お疲れ様!」



その後、カルナとシャスティは元のサイズに戻りラウさんに抱っこされたまま私はお部屋に連行されました。

お風呂はシャスティと翠ちゃんがしてくれました。


それからは、お腹いっぱいご飯とおやつを食べて歯磨きを済ませて早々に寝ました。

と言うより、寝落ちしました。


気づいてたら夢の中だったんですよねぇ。




目を覚ますといつもより起きる時間は1時間くらい遅いくらいでした。

あんな感じでたくさん頑張った次の日は、もっと遅い時間に起きることが多いのですが、昨日はたくさん色んなのを食べていたのと、守るだけだったのでこんな感じになったみたいです。

いつもは、アレに攻撃が追加される感じですからね。

まぁ、防御する範囲はもっと小さいですが。


防御だけに専念(ただし巨大)と比べても、守りと攻撃の両方だともっと消費は大きいんです。

攻撃は、ざっくり言うと外に放出し続けることになるわけですし。

それに2つのことを同時よりも1つのことに集中した方が対応しやすいでしょう?

それです・・多分。




で、いつものように・・・とは行かず、シャスティと翠ちゃんによって朝からお風呂に入らされ、手早く身なりを整えてから軽くストレッチ・・と言いますか、いつもの準備運動(ラウさん曰く不思議な踊り)をしながら魔力制御の練習をしてから朝ご飯へ出発です。

あ、ちなみにお風呂に連行されてからお着替えとか髪を整えてーとか歯磨きはーとかは全部シャスティと翠ちゃんがしてくれました。

なんだか、時間優先だーとかでそれまでずっとされるがままでした。




でも、朝ご飯と言うより朝ご飯とお昼ご飯の間くらいの時間ですけどね。



それから、昨日帰り際に言われたとおり宴会もどきをしてたあの大部屋に行くと、あのとき集まっていたメンバーが中央に大量の魔石を山積みにしてその周りを色んなのを食べてました。

「お、キタキタ!主役のお出ましだ。」

全員「お疲れさまぁ!」

(コクリ)

「あっさりしてるなぁ。まぁ良いか。とりあえず飯でも食いながら話すからさ。」

(コクリ)

それから、魔石の分配とかその他諸々をもぐもぐしながら聞くことになりました。

次回は7日と8日連続・・の予定。

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